回復する人間

回復する人間

小説・文芸
2,376円 (税込)

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ノーベル文学賞受賞作家による珠玉の短篇集
大切な人の死や自らの病、家族との不和など、痛みを抱え絶望の淵でうずくまる人間が一筋の光を見出し、ふたたび静かに歩みだす姿を描く。
『菜食主義者』でアジア人初のマン・ブッカー国際賞を受賞し、『すべての、白いものたちの』も同賞の最終候補になった韓国の作家ハン・ガン。本書は、作家が32歳から42歳という脂の乗った時期に発表された7篇を収録した、日本では初の短篇集。
「明るくなる前に」:かつて職場の先輩だったウニ姉さんは弟の死をきっかけに放浪の人になる。そんな彼女を案じていた私に3年前、思わぬ病が見つかる。1年ぶりに再会した彼女が、インドで見たというある光景を話してくれたとき、小説家の私の心は揺さぶられる――ウニ姉さんみたいな女性を書きたい、と。
「回復する人間」:あなたの左右の踝の骨の下には穴があいている。お灸で負った火傷が細菌感染を起こしたのだ。そもそもの発端は姉の葬儀で足をくじいたことだった。ずっと疎遠だった姉は1週間前に死んだ。あなたは自分に問いかける。どこで何を間違えたんだろう。2人のうちどちらが冷たい人間だったのか。
大切な人の死や自らの病気、家族との不和など、痛みを抱え絶望の淵でうずくまる人間が一筋の光を見出し、再び静かに歩み出す姿を描く。現代韓国屈指の作家による、魂を震わす7つの物語。
[目次]
明るくなる前に
回復する人間
エウロパ
フンザ
青い石
左手
火とかげ

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外文学
  • 出版社
    :
    白水社
  • タイトル
    :
    回復する人間
  • タイトルID
    :
    1809280
  • ページ数
    :
    286ページ
  • 電子版発売日
    :
    2025年02月28日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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回復する人間 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    翻訳らしい短編集。何となくアーウィンショーを思い出した。一貫して痛みを伴う回復がテーマ。中でも「エウロパ」は印象的だった。主人公はトランスジェンダーの男性とライブハウスで歌うイナ。2人の夜の散歩の場面は秀逸。「火とかげ」は映画を観ているようだった。主人公は事故により両手とも効かなくなった画家。そして疲れきって絶望しているその夫。ある時友人の子供が飼っているトカゲがその両手を千切られてもまた生えてくる事を知る。
    主人公が少しずつ希望を取り戻し生きていこうと決意してまた絵筆を取る過程が美しい。
    全ての言葉が一遍の詩のような何とも言えない透明感に満ち溢れた一冊。

    0
    2026年04月01日

    Posted by ブクログ

    初ハンガンはとてもよかった特に表題作。動物の死が頻繁に出てくるのはキツいけど韓国作家何人か読んだ中で初めていいと思ったかも。他のもちょっとずつ読んでいきたい

    0
    2026年03月22日

    Posted by ブクログ

    よしもとばななの「キッチン」は喪失をシェアすることで慰めをくれるけれど、ハンガンは違う。彼女は、ほら見て私もここに傷があるの、でも美しいでしょ、と静かに目を見つめて言ってくる。

    痛々しい。でもなぜか目を離せない。
    先を読むのが怖い。でも読まずにはいられない。

    傷は放っておいてもいい。でも、看過ごせない傷はじわじわと"私"を侵食し、やがて自分の一部になる。

    時間が解決する、とは本当だろうか。この世界には自然治癒力が働く場所と、そうでない場所がある。勝手に治る傷ばかりではない。自ら回復に向かっていくことで、人はしなやかに強くなっていく。

    0
    2026年01月05日

    Posted by ブクログ

    一つ一つの文が、とにかく美しい。なのに、ヒリヒリとして、切なくもなる。
    ハン・ガンの作品は、私を全く違う場所へと連れて行ってくれる。
    喪失感が襲ってきた時、きっとこの本で描かれていた人達を思い浮かべ、また歩き出すのだろう。

    青い石と火とかげが特に好き。

    0
    2025年12月21日

    Posted by ブクログ

    読みながら少したじろぐ。なぜハン•ガンさんは、異郷のゆかりもない僕に対して、抱え込んだ孤独を、疼き続ける痛みを告白するのかと。
    僕には、受け止めるだけの度量も、分かち合う優しさもないというのに。

    だが、彼女は決して弱音を吐いて、己の傷や悲しみを嘆き訴えているのではなかった。
    むしろ、誰からも助けの手が差し伸べられなく、独りで耐えるしかない痛みに押し潰されたときでさえも、消え去ることのない強さが人の内には秘められている、そう静かに告げていたのだ。


    人は自らの意志で、身体や生活を律して前へ進んでいるいると思い込んでいるけれど、果たしてそうだろうか。
    心がたとえ悲しみを求めていても、
    理性が抑えつけようとしても、
    思い描いていた理想や夢が損なわれて二度と戻らなく絶望の淵に沈んでいたとしてもー
    身体は、心にひそやかに抵抗し、新たな出口を求めて蠢めく。

    深くうずめられた種子が、見えるはずのない光へと伸びてゆくように。
    硬い岩盤にしみこんだ雨水が、たしかな道筋を辿って湧き出すように。

    回復とはかならずしも機能的な復元を意味するわけじゃない。いつだって生命は変化してゆくのだから。
    変わり得ることー それは希望と呼んでもいいのではないか、そう思った。

    0
    2025年09月04日

    Posted by ブクログ

    どれもこれもリアルな傷を抱える女性たちが(ひとりだけ、普通の男性が出てくる)でてきて、それぞれの回復の過程が描かれている。
    回復仕切らない人もいるし、回復を拒む人もいる。
    だけど、人は自然状態で回復していく生き物なのだと感じる。
    生きることは痛いことなのだろう。

    短編「回復する人間」の文章が好きでした。
    文字で遊んでるというような、軽いのに重く静かで、圧巻でした。
    「火とかげ」の痛みと鮮やかな色を感じさせる物語も良かった。
    復活に色がないという着地も見事。

    0
    2025年06月24日

    Posted by ブクログ

    静かで落ち着いた美しい文章なのに鋭利な刃物を突きつけられているよう。読みながら心のどこかがヒリヒリした。「左手」はとても怖かった。印象に残る短編が詰まっている。

    0
    2025年06月01日

    Posted by ブクログ

    ここ3ヶ月ほどの間に『すべての白いものたち』『菜食主義者』『そっと静かに』の3冊を読みハン・ガンさんに強く惹かれる自分と向き合う充足した時間を過ごしてきました。
    『回復する人間』は詩的で静謐な文章が美しい『すべての白いものたちの』と同じ斎藤真理子さんが翻訳された短編集です。
    初出年月日の1番古い「火とかげ」が7つの短編のうち最後に掲載されていて2003年初出。韓国でのタイトルにも使われたこの作品が、韓国の文芸評論家シン・ヒョンチョルに「この本の関心事は(中略)〈傷と回復〉だ」と言わしめた7つの物語のいずれの基底ともなっているテーマが2003年の時点で作者にとって重要でその後ほぼ10年に亘り深く掘り下げられてきたことがわかります。
    「火とかげ」の主人公の女性は画家。事故で使えなくなった左手のリハビリを懸命になってやり過ぎたため右手も使えなくなる。絵を描くことも、家事をすることもできなくなって2年、洗濯や皿洗いも夫に託すことを余儀なくされた時、2人の穏やかで、情熱的ではないけれど慈しみあった関係性は、健康であることを前提としたものにすぎなかったと知ることとなる主人公。前提条件が変われば関係性も変わり、完全な他人であった2人だという明瞭な事実だけが残ることに。
    この経過、この3年ほどの間の私自身の経験と重なります。転倒して打った左肩故に左手が使えなくなり、2日置きに整体に通ってもさほどの好転もしない中、それでも緩やかに回復の兆しが見えてきた頃のこと。何をするにも右手で。ある日鍋底の汚れが苦になって右手で磨きあげていたら右肩が左肩と同じように痛むようになりました。幸いまったく使えないところまではいかなかったのですが不自由なことこの上ない。高いところのものが手を伸ばして取れない、重いものが持てない、という身体になってみて初めて常日頃当たり前に動けていたその当たり前が筋肉や骨が緻密に機能することによって成り立っていたことに気がつきました。そしてほぼ1年前、今度は右足に痺れが出て、脚の付け根のあたりに激痛が走って突然歩けなくなりました。脊椎管狭窄症。痺れとは一生の付き合いになりそうです。
    閑話休題。 
    アトリエの賃貸契約を夫に一方的な打ち切られる、という状況下、友人が見かけたという写真館に飾られた主人公の写真が23歳だった頃の山登りの記憶を呼び覚まします。条件の悪い山登りの最中に出会った物静かで理知的な男性との邂逅の記憶。足をくじき背負われ下山。彼に好意を持たれ自分も彼に惹かれたと自覚したものの、名前も年齢も、職業も知らないまま過ぎた10年の歳月。この山行の描写が抜きん出て美しい。
    そしてこの短編集のどの作品にも抜き書きしたくなるような心に染み入る一節があるのです。
    再読、再再読必至の短編集です。









    0
    2025年03月29日

    Posted by ブクログ

    読んだときに自分が、どんな状況か、どんな気持ちでいるのか、にもよるかもしれないけど、素晴らしかった。ハン・ガンは初めて読む。衝撃的。すぐに再読。今度はなるべく音読している。

    0
    2025年02月07日

    Posted by ブクログ

    短編集。初出は2003~2012年だが、作品の印象はほぼ変わらない。紹介文の「強靭さと繊細さを併せ持つ清冽な文体で描かれた7つの物語」というのがぴったりくる。内面に深く沈み込んで思考が流れていくような作品。男女の日常を描写しながらちっとも俗っぽさを感じさせない洒落た作品。いずれも人間に向き合って見据えている。

    軽い内容の作品はひとつもないわけだけれど、なぜか読みやすいと思った。退屈さもなく、次はどうなっていくのだろうと読み進むことができた。短編だからだろうか。難解でもなく、読み応えのある読書の愉しみがあった。

    0
    2025年01月08日

回復する人間 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外文学
  • 出版社
    :
    白水社
  • タイトル
    :
    回復する人間
  • タイトルID
    :
    1809280
  • ページ数
    :
    286ページ
  • 電子版発売日
    :
    2025年02月28日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
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