蝉谷めぐ実の作品一覧
「蝉谷めぐ実」の「紙魚の手帖」「見えるか保己一」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
読み終わったあと、名作を読んだ……としばらく余韻にひたりました。
全然「実在の偉人の伝記物語」という感じではありません。
「人間」というものについてもの深く色々なことを問いかけられた作品でした。
この世は、裏表や白黒なんて容易い表現では表せないんだなあと感じ、人の考えや性格は全部地続きで、細かく編まれている織物のようで、表だと思っていたら裏、裏と思えば表…というかそもそも裏表なんてものは存在しない、でもそんなに複雑に考えるべきことでもない、どうせ考えても本当に理解できるなんてことはないのだから…。
そんなことを考えさせられました。
途中すこし退屈に感じる部分がありましたが、後半の怒涛の展開を読むと「ああ、あの退屈があったからこそ、この展開に重みが出るんだな。必要なんだな。」と思えました。
もしもよみはじめたら、必ず最後まで読んでほしいです。
心に残る一作になりました。
Posted by ブクログ
あと5cm背が高ければ。あと少し鼻が高ければ。あと少し胸が大きければ。男に生まれれば。女に生まれれば。誰もが思ったことがあるであろう願望。それさえ叶えば、完璧な人間になれると思っているが、奇跡的に叶ったとして、完璧な人間にはなれない。
目さえ見えれば。という願望をそれと同じだと、健常者の私が言ってしまうことは適切ではないのだろうけど、叶わない願望としたら同じこと。目明きであれば果たして保己一が望んだことをすべて実現できたか。
目明きと同じ土俵に立ちたい、どこまでがんばったら、なぜ目暗が学問をすることが奇跡だと思われ、神聖化されてしまうのか、普通の人間だと思ってくれないのか。痛いほど伝わってくる。
あるラジオDJ(日本人)とアメリカ人の夫との子が学校で、見た目が外国人であることからか、日本人と同じように扱ってもらえない。些細なことで大げさに褒められ、みんながやっている義務(掃除や宿題など)から外される。親が何度訴えても、特別扱いをやめてくれない。諦めて沖縄に移住したと言う。
慣れの問題か。女性、外国人、障害者、子ども、などなど、「弱い」「自分と違う」とされる対象に対して、自動的にフィルターをかけてしまうのだと思う。人生あと何周したら、何にも影響されず、人の人間の中身だけを見られるようになるだろう。とりあえずこの人生で、できるところまでがんばってみたい。