蝉谷めぐ実のレビュー一覧

  • おんなの女房
    歌舞伎を知らない武家の娘が女形の歌舞伎役者のもとへ嫁ぐ。
    身も心も女に漬かる役者に何故彼女は求められたのか?。そこにはとある意図があった。意図を知りつつ暮らすうち、次第にその意図とは離れ、互いが惹かれ合うようになり、最後には、、、というお話。

    歌舞伎の演目とリンクした物語の展開、お互いが一見反目し...続きを読む
  • 化け者手本
    面白かった。その一言に尽きる。1作目が手元になく二作目からとなったたため、最初は話の流れやキャラクターが掴めなかった。また歌舞伎について全く知識がなかったため、最初は途中でやめてしまうだろと思っていたが関係性や世界観が掴めてくると話の面白さに目が離せなかった。

    キャラクターも私の好みを捉えており、...続きを読む
  • 歴屍物語集成 畏怖
    面白かった!
    怒涛の一気読みでした。

    天野先生の『死霊の山』がお気に入りです。信長が仏閣を焼け打ち、撫で斬りにしているのは有名ですが、この物語のラストシーンが胸に染み入ります。
  • 化け者手本
    藤九郎と魚之助のコンビが帰ってきました。
    今回の事件は何かの見立てと思しき変死体が舞台に現れるというもので、化け物心中のときよりも親しくなった二人が事件を解決します。
    親しくなるにつれて心情の変化に戸惑う二人の姿と、好きなもののために命をぞんざいに扱う人々が印象的でした。
    魚之助が舞台に戻り藤九郎と...続きを読む
  • 化け者手本
    『化け者心中』の続編。
    江戸時代。鳥屋の藤九郎と、元女形花形役者の魚之助が、演目「仮名手本忠臣蔵」を上演中の中村屋で起きた鬼が下手人の殺人を解決するお話。

    好きだわ、この世界観が。
    藤九郎と魚之助の距離が縮まった。
    で、その距離感と関係性に二人が悩むという、素晴らしい展開。
    寝言が男か女か、という...続きを読む
  • 化け者心中
    よかった...!また好きな作家さんが増えた(^^)キャラ作りがとても上手で魚之助と藤九郎の関係性が好きです。今後2人はどうなっていくのやら...
    犯人はこの人?いやこっち?と変わっていくのが分かりやすくてよかった。有名な曽根崎心中のお話も物語にかなり関わってきて読んでいて楽しかったです。
  • 化け者手本
    江戸中期〜後期に素敵という言葉は使われていたのか?
    まあそんなことより面白いし、白魚の意匠が大流行していたことを「群れを成して泳いでいた」と表現するのが上手いと思う。
    表紙イラストもよく見たら不気味。赤い房の付いた簪みたいなのはどこに刺さっているのか?
    魚之助の左手から垂れ下がる髪の毛は背景の枝から...続きを読む
  • 化け者心中

    心中

    元女形と鳥屋の凸凹バディが鬼を探す物語。初めて読む作家さんだと思ったら、デビュー作とのことで大変驚きました。強烈なキャラクターと、彼らの醸し出す耽美な雰囲気が印象的でした。
    まだまだ底が知れなくて続きが読みたくなります。
  • おんなの女房
    ドラマにできそう。
    志乃さんは、大河ドラマで篤姫やってた時の北川景子、燕弥は志尊淳さんのイメージ。
  • おんなの女房
    とてもよくできた小説。
    人物がとてもくっきりしているし、
    役者の女房3人のキャラも
    それぞれ共感できる。

    次回作にも期待。
  • おんなの女房
    武家の女である志乃の、女形である燕弥に正面から向き合っているのに引きこまれた。それぞれの章で演目が違いそれに合わせて性格まで変わってしまう女以上の女の燕弥さんに振り回されつつも、燕弥の女房としてどのように生きるべきかを悩み通して、ある結論に至っていく過程が強く凛々しく面白かった
  • 妖異幻怪 陰陽師・安倍晴明トリビュート
     晴明と博雅は出てきませんw いや、最初と最後には出てくるか。
     『陰陽師』の世界をベースにさまざまな時代を舞台にした作品集です。
     何より、新たな作家さんとの出会いがありました。
     上田早夕里さんのは、続きを読むために本屋へ走りました。
     蝉谷めぐ実さん、圧巻です。
  • 化け者心中
    テーマよし、筆致よし、タイトルも装丁も文句なし、ストーリーには意外性もあって、現代のジェンダー問題にも通じるところがあるし、ミステリだけでなく怪奇小説・ファンタジー小説としても読める。これがデビュー作というのは確かに凄く、著者の力量の高さがうかがえる。
    それなのに私ときたら、この練りに練られた文章に...続きを読む
  • 化け者手本
    今回もどっぷり歌舞伎の世界へ。忠臣蔵をこの前見たので、解説してもらってるようでよかった。
    文脈が流れるように詩吟のようで、ちょっと戸惑うというか、鼻につくというか…。
    まだまだこれからも続くだろうから、どうなるか楽しみ。
    藤九郎の魚之助への想いが、男女だったらすごくドキドキして実を結んでほしい!って...続きを読む
  • 化け者手本
    2023.7.28初版 ハード本 デビュー作「化け物心中」の続編。中村座の[仮名手本忠臣蔵]の芝居中に、首を折られた変死体が出た事件の謎を解く鳥屋の藤九郎と元役者の魚之助。個性ある役者や恋する娘達が絡むが、女人虎の仕業。魚之助と藤九郎の関係性にも進展?しつつもおさまるところにおさまった感。更なる続...続きを読む
  • 化け者手本
    誰も彼も、芝居に恋愛に執念が凄まじい。文体は正直言って読みづらく感じるのだが、読み進めるうちに段々と引き込まれる。
  • 化け者心中
    歌舞伎が好きなのでどっぷりハマった。
    読んだら最中、どろ〜んとしたイメージに包まれてた。
    今の歌舞伎とは違うだろうけど、名前なんかがちょこちょこ今の役者さんと被ってる。中村勘三郎はそのまま出すんだーと思った。
    江戸時代の歌舞伎、ドラマや漫画でちょこちょこ見るけど、芸のためにいろんなしがらみがあって、...続きを読む
  • 化け者手本
    好きも過ぎると恐ろしい。芝居熱とともに魚之助と藤九郎の気持ちの揺れや距離の縮まる様が描かれ、この世界観にハマる。とと様の人間っぽいところが垣間見れ、もっと知りたいと思う藤九郎の気分。
  • 化け者心中
    心とは、唯一、人が持ちうるものなのかもしれない。

    最初は読みにくいと感じるかもしれないが、次第に慣れる。作者の知識が豊富なのを感じる。
  • 化け者手本
    前作『化け者心中』から3年ぶりの続編。
    紗久楽さわの装画も艶やかに、魚之助と藤九郎のコンビにまた会えて嬉しい。
    と、この二人、それぞれの胸中に微妙な変化が。

    魚之助にもっと近づこうと、己の頭の中に芝居の箪笥を拵え、自らも芝居者になろうとする藤九郎。
    年を取ること女形でなくなっていくこと、藤九郎の優...続きを読む