蝉谷めぐ実のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ塙保己一も「群書類従」もこの本を読んで初めて知りました。盲目で本発行するってどういうことと興味津々で購入。
文章も読みやすく、自分が知ってる歴史上の人物が出てきたりして楽しく読めました。特に根岸鎮衛が実はあの人で…というのがあって、根岸様好きなので嬉しかったです。
最初の方は、保己一視点で話が進むので、周りの人達の無意識に発した言葉や、良かれと思ってついた嘘にこちらも一緒に振り回されました。
最初の奥さんになった人がお弟子さんと浮気してるのですが、保己一視点だと奥さんの言葉を鵜呑みにして浮気に気づかなかったり、お弟子さんに嘘をつかれて疑心暗鬼になってしまったり…。あと輝ちゃん…。何してんだこの -
Posted by ブクログ
★5 江戸時代に盲人ながら群書類従を編纂した国学者の評伝、晴眼者との関係を描く #見えるか保己一
■あらすじ
全盲の国学者である塙保己一の物語。両親や友人に愛されながらも、幼年期に失明した彼の人生を描く。どんな本でも一度聞けば覚えてしまう記憶力で、国学史をまとめた『群書類従』を編纂していく。保己一は普段から近くにいる妻、友人、弟子たちとどんな関係だったのだろうか、そしてそれぞれの胸中は…
■きっと読みたくなるレビュー
★5 洗練された文章、物語に引き込んでくるプロット、心に訴えかけてくる人物描写、もうかなり凄い。びびった
蝉谷めぐ実先生のご活躍ぶりは色々拝見してまして、『万両役者の扇』で -
Posted by ブクログ
すごい小説と出会ってしまった。
読み終えても、すぐには言葉にならないくらい。でもとりあえずメモしておこう。
まず驚かされるのが、盲目の人そのものの描写、文章の表現だ。この文体、表現力。目が見える自分には理解できないような感覚を覚える。入りから衝撃的。
盲人にとって、「見える」とは、「見えざる」とは、どういうことなのか、常人に見えているはずのものが、見えていないのはもちんのこと、他の人に見えないものが「見えて」いたりするのも盲人なのだ。
そして、「真実」か「嘘」なのか、どう見えるのか。そしてそれが、人によって様々に捉えられ、人生をも変えていく。
塙保己一の生き方や業績を辿るという筋立ての小説 -
Posted by ブクログ
幕末の江戸、歌舞伎役者の中に鬼が紛れ込んだ。鬼探しを依頼されたのは、元女形の魚之助と鳥屋の藤九郎。魚之助は壊疽が原因で舞台を務められない。こういう話を読んだと思って調べたら実在の人物がモデル。(後書きにも書かれている。私が前に読んだのは「狂乱廿四孝」。他にも彼を描いた本はたくさんあるらしい。)
役者の妬み嫉み、良い役が欲しい。全ては芸のため。一方で家柄だけと言われたくない。華やかな舞台の裏の嫌な部分が描かれる。演目が「曽根崎心中」で、少し前に見た「国宝」の映画にも出てきたので、場面が目に浮かぶ。
探偵役が、仕方なく舞台から距離を置いている魚之助と、ほとんど歌舞伎のことを知らない藤九郎という組み -
Posted by ブクログ
1年半ほど前に著者のデビュー作『化け者心中』を読んだ時は、新人とは思えない密度の文章に率直に凄いと感じたものの、盛りだくさんのテーマと練られすぎた構成がちょっと物語を窮屈にした印象があったのと、自分自身の好みの問題もあって、個人的にはそこまで高い評価にはしていなかった。
本作は前作に引き続き歌舞伎を扱っているが、主人公が歌舞伎役者だった前作とは異なって、歌舞伎のことを何も知らない女形役者の妻を主人公に据えており、歌舞伎に関しては客観的な視点で語られている。その世界に疎い自分のような読者にとってはニュートラルな書きっぷりがありがたかった。
本作は役作りのために日常から女として過ごす夫と、その -
Posted by ブクログ
面白かった。その一言に尽きる。1作目が手元になく二作目からとなったたため、最初は話の流れやキャラクターが掴めなかった。また歌舞伎について全く知識がなかったため、最初は途中でやめてしまうだろと思っていたが関係性や世界観が掴めてくると話の面白さに目が離せなかった。
キャラクターも私の好みを捉えており、主役同士の関係性や掛け合いが大変心地よい。
作者さんは夢枕獏作 陰陽師 を読んでいるようで、こちらの作品が好きな方には大変ハマるであろう。
世界観については、江戸時代が、舞台でありさらに歌舞伎の世界で行われるミステリー件人情ものである。江戸の雰囲気も身近に感じられ、人情もののしんみりした感じが好き -
購入済み
藤九郎と魚之助のコンビが帰ってきました。
今回の事件は何かの見立てと思しき変死体が舞台に現れるというもので、化け物心中のときよりも親しくなった二人が事件を解決します。
親しくなるにつれて心情の変化に戸惑う二人の姿と、好きなもののために命をぞんざいに扱う人々が印象的でした。
魚之助が舞台に戻り藤九郎と離れる未来を想像すると嬉しさ半分、少し寂しくなります。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『化け者心中』の続編。
江戸時代。鳥屋の藤九郎と、元女形花形役者の魚之助が、演目「仮名手本忠臣蔵」を上演中の中村屋で起きた鬼が下手人の殺人を解決するお話。
好きだわ、この世界観が。
藤九郎と魚之助の距離が縮まった。
で、その距離感と関係性に二人が悩むという、素晴らしい展開。
寝言が男か女か、という件は 非常によかったです。
元遊女の人虎、という正体はなんとなくわかった。
殺されちゃった新吾くんとか、男の姿の魚之助の救出劇とか、随所に見所があり、話もテンポよく進んで面白かったー。
好きなシリーズだ。
前回の『化け物心中』を読み直したくなった。 -
Posted by ブクログ
『作家と編集者』というタイトルから、早見和真さんの『小説王』のような熱いお仕事小説を想像していた。ところが、一話目の錦見映理子さん「邪悪な香り」でいきなり背筋がゾクゾク……。なんだか寒くなってきた。風邪か? いま季節は春なんだけどなと思いつつ。
新人作家・鷹柳をデビューさせようと奔走する熱血編集者の話かと思いきや、漂ってくるのは不穏な空気と怪しいオピウムの香り。次第に狂気の世界へ足を踏み入れていく編集者・安曇、そして作家・鷹柳の正体とは? 夢か現実か、境界線が溶けていく物語にぐいぐい引き込まれる。
作中作のタイトルに、「もしかして、そういうこと!?」と鳥肌が止まらない。こんな作家と編集者の関