蝉谷めぐ実のレビュー一覧
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歌舞伎女形の女房になった志乃は自分より美しい女と暮らすことになる。女としてではなく女形の妻としての生き様覚悟に至るまでの決意まで、時姫、清姫、雪姫と燕弥が演じるごとに変わっていく志乃の気持ちを描いている。
役者というものは本当に業の深いものだと感じた。Posted by ブクログ -
最初は馴染みの無い文体と感じたけれど物語が進むと徐々にのめり込んでいく。
いろんな形の夫婦があって
志乃がしだいに燕弥の中の姫様と共に生きるその心意気が美しく
時々入る間の良い擬音が本当に聞こえてくるようでリズムよくて
芝居を観ているよう。Posted by ブクログ -
ほのぼのむずキュンストーリーかと思いきや、終わり方がびっくり。
そうか…そうなのか…むむぅ…。
死んでるように生きたくないってことかしら…
でもなんか覚悟を見ましたよね。
おんなの女房としての。
お芝居のお話はどれも面白かったです。
いろんな歌舞伎役者さんの顔を思い浮かべながら読みました。Posted by ブクログ -
嫁いだ相手が女形という事情が特別だったとはいえ役者の女房が苦労するのは当たり前の話で、本作の真骨頂は江戸時代の芝居小屋の内外の有り様を描き切ったところにある。早大の卒論テーマ「文化文政時代の歌舞伎」が昇華した賜物か。Posted by ブクログ