蝉谷めぐ実のレビュー一覧
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江戸の芝居小屋、人気役者に狂わされた人々… 天才と狂人の狭間に映し出されたものとは #万両役者の扇
■あらすじ
江戸の森田座、今村扇五郎は街中で大人気の役者であった。彼は芸のためなら人の道を外れても追求をやまない。そんな彼に魅了されてしまった人々は、次第に人生を狂わされてゆく。さらに人が亡くなってしまうような事件が発生してしまい…
■きっと読みたくなるレビュー
江戸時代、歌舞伎の芝居小屋。当時は街中を賑わせたエンタメの世界を背景に、人気役者である扇五郎を中心に関係する人々を描いたもの時代小説。中盤以降に思いもよらない事件に発展し、ミステリー要素もある作品となっています。
まずは臨場感です -
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テーマよし、筆致よし、タイトルも装丁も文句なし、ストーリーには意外性もあって、現代のジェンダー問題にも通じるところがあるし、ミステリだけでなく怪奇小説・ファンタジー小説としても読める。これがデビュー作というのは確かに凄く、著者の力量の高さがうかがえる。
それなのに私ときたら、この練りに練られた文章に乗り切れず、会話文や地の文で主語が何なのかが時々分からなくなる有様で、話の流れについていけなくなることが多々あった。
自身の読解力の無さを棚に上げて書くのは気が引けるが、時間をかけた読書が要請される作品であることは重々承知しつつも、読みごたえが十二分にありすぎて、時代小説や芝居といった分野にさほど詳 -
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ネタバレ歌舞伎が好きなのでどっぷりハマった。
読んだら最中、どろ〜んとしたイメージに包まれてた。
今の歌舞伎とは違うだろうけど、名前なんかがちょこちょこ今の役者さんと被ってる。中村勘三郎はそのまま出すんだーと思った。
江戸時代の歌舞伎、ドラマや漫画でちょこちょこ見るけど、芸のためにいろんなしがらみがあって、女形なんか体売るなんてあたりまえなんだろうなぁ。魚之助がとっても魅力がある反面、藤九郎がイマイチハマれなかった。
鬼探しだったけど、まぁ本当の鬼はいなくて人間が犯人なんだろうなぁと思ってたら、最後に本当の鬼が出てきて逆にびっくりした。 -
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前作『化け者心中』から3年ぶりの続編。
紗久楽さわの装画も艶やかに、魚之助と藤九郎のコンビにまた会えて嬉しい。
と、この二人、それぞれの胸中に微妙な変化が。
魚之助にもっと近づこうと、己の頭の中に芝居の箪笥を拵え、自らも芝居者になろうとする藤九郎。
年を取ること女形でなくなっていくこと、藤九郎の優しさが自分を変えてしまうことに怯える魚之助。
二人がお互いをかけがえのない存在と思っているのは明らかなのに、そのために反って二人が傷ついていく姿が切ない。
「わかり合えねぇのは良いことなんですか。俺はあなたとわかり合いたい」p219
他者とわかり合えることの喜び、
わかり合えてしまうことの悲しみ。 -
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「化け者」としたところに作者の想いが込められてるいるのだろう
「死ぬほど好き」よく使われる表現だが、いったいどれだけの量を大きさをあるいは覚悟を指すのだろう
そしてその大きさを示すために他人の命を秤に乗せてしまった時に化け者は化け物になってしまうのかもしれない
それにしても魚之助と藤九郎のコンビは非常にバランスが悪い気がする
もちろんあえてそうしているのだと思う
とくに藤九郎は読者をも上回る勘の悪さを度々披露してるにも関わらず、さも当然、真っ当な行動だと思っていてもどかしい
つまりは目が離せない
うまいなぁと思う
作中「化け者」は己全てを芸に捧げる役者のことを指しているが、なんだか小説家 -
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ネタバレ晴明様特集をしていた『オール讀物』2022年8月号を既読だったので、純粋に初読だった作品は『哪吒太子』くらいだったかもしれない。
他も上記のものを読んでいると既視感のある作品だったし。
それでも、一冊で様々な方の晴明様、もしくは陰陽師話が読めるのはお得である。
そして、改めて夢枕獏先生の晴明様と博雅様の抜群の安心感と安定感が身に染みるという。
個人的にはやはりこの二人を見たいと思ってしまうので、他の作家さんが書かれた話でも二人が出てくるとつい思い入れが。
ゆえに『耳虫の穴』と『博雅、鳥辺野で葉二を奏でること』は特にお気に入りである。
第三者視点から見るとあの二人はああ見えるのかと思えたのもよ -
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ネタバレ見えるか保己一
著者:蝉谷めぐ実
発行:2026年3月13日
KADOKAWA
初出:「小説 野性時代」特別編集2024年冬号、2025年3~4月号、6~9月号、11月12月合併号、特別編集2025年冬号
江戸時代の全盲の国学者・塙保己一の長い長い物語。
国内最大の叢書『群書類従』の編算を果たす。
驚異的な記憶力で人に読んで貰った本を全て頭の中の箪笥に整理する。他人からは、目が見える人間にも見えないものまで見える、心眼を期待される。
しかし、彼は実は人一番怖がりでもあった。小さな子供に手を触られるだけで震えが来ていた。一番最後に、そんな彼の姿も明かされる。
文章は決してうまいとは言いが -
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穏やかな話なので綺麗に終わるかと思いきや!最後の最後でそんな伏線の回収ありっ?!ととても驚かされた
やっぱり目の見えない人には共感しづらく、途中で閉じようかとも思ったけど、結果的に我慢して最後まで読んだ甲斐があった
江戸時代の社会福祉に対する理解の深さにも驚いた!日本人って本当に素晴らしいし、今の私達も身につまされる
あのヘレン・ケラーが保己一を尊敬していたらしいけどどこでどうやってその偉業が耳に届いたのか気になる
実在の人物のはずなのに、ちょっと調べたらすごい人だってわかるのに、今まで知らなかったのがちょっとショックです
この本をきっかけにもっと注目されてほしい -
Posted by ブクログ
江戸歌舞伎の世界がお得意の作家さんの作品、たぶん読むのは三作目。
森田座・名題役者の今村扇五郎を巡っての不穏な事件の数々。
第一話は扇五郎の大ファンを通り越して扇五郎の妻になるという野望を持つ大店のお嬢様、お春。
扇五郎の妻と芝居の客席で知り合い、見窄らしい妻お栄から扇五郎を奪うつもりで近付くが…。
芝居のためなら何でもやる夫婦の姿はホラー。お春にも危険が及ぶのかとハラハラした。
第二話は芝居客に饅頭を売っている茂吉。
細々した商売だったのが、あるきっかけで饅頭が爆発的ヒットに。だが一方で茂吉の心に異変が…。
第三話は衣装の仕立て職人の女弟子お辰。
彼女のアイデアは誰かの真似でしかないた