蝉谷めぐ実のレビュー一覧

  • 化け者心中

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    よかった...!また好きな作家さんが増えた(^^)キャラ作りがとても上手で魚之助と藤九郎の関係性が好きです。今後2人はどうなっていくのやら...
    犯人はこの人?いやこっち?と変わっていくのが分かりやすくてよかった。有名な曽根崎心中のお話も物語にかなり関わってきて読んでいて楽しかったです。

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    2023年09月09日
  • 見えるか保己一

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    途中まで読んで、群書類従の人だと知って驚いた。目が不自由な人が編んだとは。
    障害を持つ人、持たない人、才能を持つ人、持たない人それぞれの屈折や驕りや自負などが絡み合う。自分が見せていると思っている姿と、見られている姿の差。また、いろんな意味でボーダーレスが進む現代だが、それもまた見方によっては良し悪しがあることにも気付かされた一冊。

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    2026年11月01日
  • 見えるか保己一

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    史実あるあるですが、終わりの方になると書くのがしんどくなるのか、史実の羅列のようになってしまいがちですね。まだマシな方でしたが。
    とは言え楽しく読んだのでこの評価です。

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    2026年10月24日
  • 見えるか保己一

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    「見えるか、保己一」

    ある人は、親しみを込めてそう聞く。
    ある人は、憐れむように。
    ある人は、お前には見えないだろうと嘲るように。

    目が見えないこと。
    それは、何かを諦めることを意味する。
    でも、盲であることを理由に
    学問まで諦める必要はない。

    苦しみながら、足掻きながら。
    それでも学ぶことに人生を捧げた、
    ある男の物語だ。
     

    『見えるか保己一』蝉谷めぐ実

    今回の直木賞候補作の一冊。
    正直なところ、時代小説はそこまで得意ではないし、
    全盲の天才学者・塙保己一のこともほとんど知らなかった。

    それでも、どうしようもなく引き込まれるのだ。
    彼の人生に。

    7歳の頃に視力を失ってしまった少年。
    それまでは見えていた。
    母のやさしい顔も、緑豊かな草花も。
    どれほどの絶望だったことだろう。

    でも、保己一(辰之助)には、ある力があった。
    子どもの頃から驚異的な記憶力を持ち、
    耳で聞いた『太平記』をそらんじることができたのだ。

    ✧

    かさり、というかすかな衣擦れの音。
    押し殺したような小さな吐息。
    ふわりと口から漂う食べ物の匂い。
    そして、血の匂い。

    保己一は目が見えない。
    だからこそ、耳や嗅覚でまわりの情報を受け取る。
    その保己一の世界が、
    自然と文章の中に馴染んでいることに驚かされた。

    見えていないのに、見えているのだ。

    本書で描かれるのは、
    天才や神童の物語ではない。
    ただ、先生と呼ばれ、多くの弟子たちに慕われた一人の男が、
    必死に足掻き、裏切られ、苦しみながら、
    それでも偉業を成し遂げた魂の物語だった。

    ✧

    もうね、最後の第六章が好きすぎるのよ……
    私は幼なじみの輝ちゃんの気持ちが、痛いほどわかる。

    繰り返し投げかけられてきた
    「見えるか保己一」ではなく、
    ラストのあの一行に、すべてを持っていかれた。

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    2026年10月24日
  • 見えるか保己一

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    ネタバレ

    爽やか成長譚かと思いきや、結構いや〜な展開が多い笑

    見える、見えないという命題が何度も出てくるが、最後の輝明がお決まりの「見えるか?」じゃなく「見るなよ、保己一」となるのは良い反転。

    最後、保己一が輝明に対して「だから見えてねーっってんだろうが!!(意訳)」って逆ギレ笑してるのが痛快だった。みんな見たいものしか見ないし、そういう偶像を押し付けられるのは疲れちゃうよね

    保己一も輝明のこと見たいように見ている、という皮肉でもあるんだよな。でもそれが何もかも上手くいかなかった輝明の救いにもなっているという。憎い相手に救われちゃう気持ちはいかに。

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    2026年10月18日
  • 見えるか保己一

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    「目明きというのは不便なものだな」のひと言に偉人ぶりが詰まっている。見えるか保己一、から、見るなよ保己一で締めくくられるのも面白かった。
    ただ、結構読むのに苦労した。文体が独特だし、同一人物を幾つもの表現を使って表すので、いま誰の話をしているのか、たまにわけがわからなくなって何度も読み返した。

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    2026年10月16日
  • 見えるか保己一

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    読み応えのある一冊だった。
    盲目の国文学者が実在していたことに驚いた。健常者でも難しいのに、どれだけの努力をしてきたのだろう。
    見えないものを補うために、匂い、音に敏感になり、それでも補えないものもあり。差別とも闘い、時には裏切られながらも家族を持ち、弟子を抱えるまでになり、評価されたことに本当にすごい業だと思った。
    当時はまだ目の見えない人に道が開かれていなかっただろうに、本当に努力の人なのだろう。

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    2026年10月16日
  • 化け者心中

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    「保己一」で面白かった蝉谷さんを掘り下げ。
    飛べない鳥は、泳げない魚はどないしたて生きたらええねんな〜?

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    2026年10月15日
  • 見えるか保己一

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    見えているつもりの私たちは、人を本当に見ることができているのか。相手の何を見ているのだろうか。

    「見えるか」、盲目の保己一に、作中で何度も問われるその言葉。読後、それは、自分に向けられていることに気が付くのである。その衝撃を覚悟して読むべし。

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    2026年10月10日
  • 見えるか保己一

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    #見えるか保己一

    江戸時代の盲人組織・当道座の最高位に上り詰め、学者としても一流を極めた実在の人物、塙保己一の人生を描く人間ドラマ。物理的に見えているか否かではなく、人の本質は見えているか、本当に「見える」とは何かを保己一の生涯を通じて問う秀作。

    #読書好きな人と繋がりたい

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    2026年09月28日
  • 見えるか保己一

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    塙保己一という人をこの小説で知る
    今でいうギフテッドなのかな
    『めくら』を漢字で『目暗』と書くこともこの小説で知る

    保己一だけでなく保己一に関わる人たちの話もあるので、保己一に関わるにあたっての大変さもわかる
    保己一の生まれ持っての才能もあるけど、それを超える学問への探求心は努力の賜物
    好きこそ物の上手なれ
    ことわざってすごいな

    輝明は架空の人らしいけど、彼の執着心もなかなかのもの
    保己一の中の輝明像が涙を誘う
    輝明の悲しい人生も保己一の思いを知って少しでも
    報われたかな

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    2026年09月23日
  • 見えるか保己一

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    塙保己一=群書類従、は覚えていたものの、盲目だったということはすっぽり忘れてました。多分習ったときに聞いていたと思うのに。関心がなく勉強するってもったいないな、と改めて思わされました。
    そんな保己一少年時代から晩年までのお話なんですが、盲目なのにこんなにすごいって話ではなく、盲目だからこその悲しみ、疑い、回りの同情、嫉妬などが描かれます。なので、読み心地はじつは良くない。私は読みながら「透明な夜の香り」の小川朔を思い出しました。あと、風で蝋燭の火が消えたときの「さてさて、目のある人は不便なものよ」は、福島智教授の「光と音のない世界で 盲ろうの東大教授・物語」のエピソードが思い出され、これは他の人をはっとさせるだけで、嫌みではないような気がしました。まあ、感じられ方は普段からの言動とリンクしちゃうと思いますが…。盲目であっても抜群の記憶力と聴覚・嗅覚を組み合わせればここまでわかるのに、裏切られたときに気付きが遅いのは気付きたくないから?とか、読み終わるととにかくモヤモヤというか、やるせなさとか、悲しみとかが積もってる本です。
    普通の塙保己一の伝記が読みたいなあと思ったのですが、あまりなさそう?この人の偉業面からのスカッとした本が読みたいと思いました。
    浮気とかあるのと、表現が難しい(文芸系)ので、中学校以上。基本は高校くらいから。

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    2026年09月21日
  • 見えるか保己一

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    タイトルの回収の仕方や、それぞれの立場から心情を描写することによるキャラクター性や世界観の分厚さが展開をより深みのあるものにしていて良かった。

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    2026年09月17日
  • 見えるか保己一

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    江戸時代の全盲の天才学者、塙保己一。
    感動の偉人伝かと思って読み始めましたが、違いました。
    人間の業とか欲がこれでもかというくらい描かれていて、しんどかった。人間って意地汚い存在だな。
    妻や弟子にも裏切られて、保己一かわいそう…。でもラストは見えなくて良かったんだろうな。幼なじみの最後の愛。

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    2026年09月12日
  • 化け者心中

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    【何を背負い背負わされているのか?ーー境い目にもがき苦しむ化け者たち】

    ぱきり、ぽきり、がじごじ、ちゅるちゅるり
    中村座で正本読みの最中、一つの頭が転がり落ちてきた。
    芝居小屋に潜む「本物の鬼」を探すという怪異ミステリー。と思いきや読み進めるうちに歌舞伎という狂気の世界の人間ドラマだった。

    鬼は本当にいたのか?人間の欲や業を鬼と見立てているのでは?と思いながら読み進めた。
    誰も彼もが鬼に見えてくる。
    芸への執念から人としての心を捨て人を貶めることも殺めることも厭わない役者たち……。
    鬼と人間の境界が曖昧になっていく。
    何をもって鬼とするのか?
    見た目、心の在りよう?
    化け物と化け者。どちらが本当の鬼だろう……。

    「芸を極めたい、完璧な女形になりたい」というあまりにも純粋で、それゆえに狂ってしまった想い。
    最後の鬼の言葉が切なく、「あぁだから心中なのか」とタイトルに込められた意味がストンと腑に落ちた。

    そして魚之助にとってこれはかつての自分と対峙する、合わせ鏡のようでつらい鬼探しだったはずだ。だからこそ藤九郎の言葉に救われたのだと思う。

    作中に差し挟まれるフォントの違う文章やオノマトペ、演目の『曽根崎心中』が絶妙な空気感を醸し出し現実と虚構が混ざり合う感覚に鳥肌が立った。正直、登場人物が多くて読みづらさもあったけど、次作で藤九郎が魚之助をどんな未来へと背負っていくのか、追いかけてみようと思う。

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    2026年09月12日
  • 見えるか保己一

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    これまた一気読みしてしまった。
    勿体無かった…もうちょっと長く世界観に浸っていたかった。
    最後の人間味が感じられすぎるところは共感した。
    期待を背負う負担も、期待する側のワクワクや嫉妬も。
    全部を見ること、真意を見ることなんてどだい無理なんだろうな。
    見えること、見えないことに縛られる人生も窮屈だと思ってしまった。
    実際見えない人の大変さははかりしれないが、、

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    2026年09月09日
  • 化け者手本

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     文化文政の頃の江戸で鳥屋(鳥専門ペットショップ)を営む藤九郎と女形として活躍していた元役者の魚之助のコンビが謎を解く 『化け者心中』に続く第2弾。バディ物の特殊設定ミステリである。

     芝居小屋の中村座で、首が折られ耳から棒の突き出た男の死体が見つかる。座元の依頼で二人は事件の解明に乗り出す。前作に続き、役者の芝居にかける情熱というか執念の凄まじさが描かれている。
     
     題名の「化け者」とは、人間性を失った、或いは捨て去った者を指している。そして、そして他人に化ける役者のことも指しているいるのだろう。 これが「化け物」より怖かったりする。

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    2026年09月07日
  • おんなの女房

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    蝉谷さんはアンソロジーで読んだことのある作家。独特な言い回しのなかで、ぐっと物語の中に呼び込む力のある文章を書かれる。

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    2026年08月17日
  • 化け者心中

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    ときは文政、ところは江戸。

    一世を風靡した元女形・田村魚之介と
    朴訥な鳥屋・藤九郎のバディが、
    芝居小屋に潜んでいる鬼の正体を探す。

    文化の中心の遷移。
    芸に潜む業。
    失ったものと得たもの。

    藤九郎がかなり“外部”の感覚の持ち主で、
    芝居小屋の論理とはかけ離れた行動をずっととっていて、
    個人的にはもうちょっと“スれた”語り部のほうが好きだな、と思う部分もあったのだけれど、
    ラストのセリフはこ造形でなければ効果的でないものだった。
    いいものを読んだと思った。

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    2026年08月14日
  • 見えるか保己一

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    盲の孤独いかほどか。想像を絶するほど大きな目明きとの隔たりに悩み、葛藤して生きた塙保己一の生涯を綴った物語。埼玉県の偉人として渋沢栄一、荻野吟子と並んで、その名前と盲であること、群書類従だけは知っていた。

    見えない者だけが見えているものという、一見魔法のような、救いのような言葉は逆に保己一を苦しめた。飛び抜けて学があり、愛すべき家族があり、社会的に認められた人である。だが、どこまでいっても盲である。必ずどこかで支援が必要であり、その方法や程度も難しい。それを間違えると生活に支障をきたしたり、プライドを傷つけてしまったりする。ときには見える者の企みに翻弄され、騙され、同じ境遇を持つ見えない者からはその能力を妬まれる。見えない故の懐疑心や無力感、そして孤独。逆に、見えないから保っていられた憧れや愛もあった。彼の認識していることと事実は違ったかもしれないが、保己一にとっては紛れもない真実であった。ラストシーンには胸を打たれた。最後保己一は気づいていたのかな。


    本書の参考文献にもある「目の見えない人は世界をどう見ているのか」を読んだことがある。その内容のほとんどを忘れてしまっているのだが、目の見えない人は目の見える人が思うよりも空間を把握している、という旨のことが書いてあったことはとても興味深かったと覚えている。

    「できるorできない」と能力で捉えてしまうと、どうしてもできるを優、できないを劣と取ってしまいがちである。それだと、極端な考えになってしまうし、いつまで経っても本当の意味でインクルーシブな社会を作ることはできない。能力ではなく、感性や特徴として捉えることで初めて、一切の下心や憐れみ抜きで対等に関わることができるはずだ。視覚障害に関して言えば、見えない人にしか見ることのできない世界は面白いと思う。あとは、現代病であるスマホ依存症にはならないのだろうかとか。もしそうであるならスマホに対する最強の耐性を持つ数少ない貴重な意見の持ち主なのではないかとか。こういった興味や関心は、人を揶揄するようなものでは全くないし、単純な興味として共有し、議論されるべきだと思う。

    これはあくまでも健常者である私個人の意見である。そんなの綺麗事だと言われればそれまでで、実際見えない人の意見はどうかわからない。ただ、同じ人間として興味があることを伝えたい。これは恋愛で人を好きになることや、共通の趣味を持った人と友人になりたいと思うことと何か違うだろうか。

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    2026年09月08日