蝉谷めぐ実のレビュー一覧
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購入済み
藤九郎と魚之助のコンビが帰ってきました。
今回の事件は何かの見立てと思しき変死体が舞台に現れるというもので、化け物心中のときよりも親しくなった二人が事件を解決します。
親しくなるにつれて心情の変化に戸惑う二人の姿と、好きなもののために命をぞんざいに扱う人々が印象的でした。
魚之助が舞台に戻り藤九郎と離れる未来を想像すると嬉しさ半分、少し寂しくなります。 -
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ネタバレ『化け者心中』の続編。
江戸時代。鳥屋の藤九郎と、元女形花形役者の魚之助が、演目「仮名手本忠臣蔵」を上演中の中村屋で起きた鬼が下手人の殺人を解決するお話。
好きだわ、この世界観が。
藤九郎と魚之助の距離が縮まった。
で、その距離感と関係性に二人が悩むという、素晴らしい展開。
寝言が男か女か、という件は 非常によかったです。
元遊女の人虎、という正体はなんとなくわかった。
殺されちゃった新吾くんとか、男の姿の魚之助の救出劇とか、随所に見所があり、話もテンポよく進んで面白かったー。
好きなシリーズだ。
前回の『化け物心中』を読み直したくなった。 -
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江戸時代の全盲の天才国学者・塙保己一の生き様を中心に描く秀作でした。単なる偉人の生涯を記録した伝記ではなく、保己一の人間くさい人物像を深く掘り下げた評伝、いやそれをさらに超越した優れた歴史小説であり人間ドラマと感じました。
物語の核心は、見える者と見えない者は互いに分かり合えるか、でしょう。著者は、保己一を偉人としてのみ際立たせるのではなく、主人公以外に周囲の晴眼者の視点を時に替えながら、「人を理解すること」の本質・難しさを描き、読み手に問いかけているようです。
読み進めるほどに、人間の業とも言うべき欲望や葛藤の描写が繰り返されます。保己一の孤独や絶望と疑心暗鬼、晴眼者の無理解や誤解 -
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ネタバレ江戸時代中期、家重・家治・家斉の時代。
当時、物語は紙で出来ており燃えたり古くなって消失していた。勿体無いと考えて日本全国から集めて再編した、「群書類従」という666巻の全集を作った盲目の塙保己一の話。
最初の妻は弟子と不倫して離れて行ったり、娘の婿も嘘をついて信じられなくなって離縁させたり。(嘘は不倫の話が太平記にいたずら書きされていたのを秘匿した)
どんどん群書類従を版にしていくが、途中火事で全部焼けたり。見えないモノも見る必要があったり。みんなは大丈夫と泣きながら言っていても、泣いてることを見えなければならなかったり。
最後、将軍に学者として謁見して終わり。
最終章は、子供の頃から -
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江戸時代に活躍した盲目の国学者・塙保己一の生涯を描いた小説。
超人的な記憶力を武器に学問の道を突き進んでいく保己一だが、盲と目明きの間には、単に見える・見えない以上の隔たりがあった。同じものを見ようとしても、保己一が見ている世界と周囲の人々が見ている世界は違う。二重の意味を持たせた各章のタイトルがそのテーマを象徴的に表していて秀逸。
互いに理解したいと願いながらも、解り合えない人間同士のすれ違いが切ない。特に保己一の才能に心酔しながらも、同じ世界を見ることができないことに絶望した最初の妻・お丁と、学問至上主義の目線からでしか周りの人間を見ることができない保己一の姿は読んでいてやるせない気持ちに -
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『作家と編集者』というタイトルから、早見和真さんの『小説王』のような熱いお仕事小説を想像していた。ところが、一話目の錦見映理子さん「邪悪な香り」でいきなり背筋がゾクゾク……。なんだか寒くなってきた。風邪か? いま季節は春なんだけどなと思いつつ。
新人作家・鷹柳をデビューさせようと奔走する熱血編集者の話かと思いきや、漂ってくるのは不穏な空気と怪しいオピウムの香り。次第に狂気の世界へ足を踏み入れていく編集者・安曇、そして作家・鷹柳の正体とは? 夢か現実か、境界線が溶けていく物語にぐいぐい引き込まれる。
作中作のタイトルに、「もしかして、そういうこと!?」と鳥肌が止まらない。こんな作家と編集者の関 -
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ネタバレ塙保己一という偉人を寡聞にして知らなかったので江戸時代にこんな人が居たんだなぁ、ヘレン・ケラーも尊敬する人?この人が居なければいまの昔話はなかったかもしれない……なんて見たら読むしかない。
しかも発売日にオーディブルでも配信されていた。著者の蝉谷さんの希望らしい。保己一同様話を聞いていくことを体験することになるんだからとオーディブルで聞いた。
物語は等身大というか、保己一の一生に関わった人達からの視点も描いていて、仕事に人間関係に四苦八苦している様子が可笑しい悲しい。
最後の保己一とてるあきのやり取りに感動した。保己一はずっと自分であん摩は下手くそだと言っていたのに、それは学問をしたくてわざ -
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タイトルの手本は、仮名手本忠臣蔵から来ているらしい。なるほど前作は「化け者心中」で曽根崎心中が演じられていた。今回は忠臣蔵に加えてライバルの芝居小屋で演じられている助六廓櫻賑(くるわのはなみどき)も題材になっている。知らなくても、芝居噺に疎い藤九郎に誰かが教えてくれる場面が用意されているから大丈夫。タイトルと言えば化け物ではなく化け者になっているのは、舞台の上で化ける役者の意味もあったのだと、今更ながら気づいた次第。
前作からの興味で言えば、魚之助がどうなっているかと楽しみだったけど、立場としては元女形から変わらず。どちらかと言えば藤九郎の方が、芝居の世界を知ろうとして変わった様子。二人の気持 -
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本作は、野村胡堂文学賞、吉川英治文学新人賞を受賞している。受賞からわかるとおり、時代小説となっている。
時代は江戸で、町人文化が栄えている頃だ。主人公の志乃は下級武士の娘で、売り出し中の歌舞伎役者の喜多村燕弥の妻となる。この燕弥は女形で、平素から女装して「おんな」になりきっている。だから「おんなの女房」である。
しかも、お金をはたいてまで武家の娘を妻にしたのには訳があった。この燕弥は役者バカである。その容姿も踊りも芝居のうまさも、中の上くらいであろうか。そして、芝居の役にのめり込むというか憑依する役者である。セリフのないただ尻もちをつく役のため、通りに糸を張って通行人が転ぶのを観察す