蝉谷めぐ実のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
面白かった。その一言に尽きる。1作目が手元になく二作目からとなったたため、最初は話の流れやキャラクターが掴めなかった。また歌舞伎について全く知識がなかったため、最初は途中でやめてしまうだろと思っていたが関係性や世界観が掴めてくると話の面白さに目が離せなかった。
キャラクターも私の好みを捉えており、主役同士の関係性や掛け合いが大変心地よい。
作者さんは夢枕獏作 陰陽師 を読んでいるようで、こちらの作品が好きな方には大変ハマるであろう。
世界観については、江戸時代が、舞台でありさらに歌舞伎の世界で行われるミステリー件人情ものである。江戸の雰囲気も身近に感じられ、人情もののしんみりした感じが好き -
購入済み
藤九郎と魚之助のコンビが帰ってきました。
今回の事件は何かの見立てと思しき変死体が舞台に現れるというもので、化け物心中のときよりも親しくなった二人が事件を解決します。
親しくなるにつれて心情の変化に戸惑う二人の姿と、好きなもののために命をぞんざいに扱う人々が印象的でした。
魚之助が舞台に戻り藤九郎と離れる未来を想像すると嬉しさ半分、少し寂しくなります。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『化け者心中』の続編。
江戸時代。鳥屋の藤九郎と、元女形花形役者の魚之助が、演目「仮名手本忠臣蔵」を上演中の中村屋で起きた鬼が下手人の殺人を解決するお話。
好きだわ、この世界観が。
藤九郎と魚之助の距離が縮まった。
で、その距離感と関係性に二人が悩むという、素晴らしい展開。
寝言が男か女か、という件は 非常によかったです。
元遊女の人虎、という正体はなんとなくわかった。
殺されちゃった新吾くんとか、男の姿の魚之助の救出劇とか、随所に見所があり、話もテンポよく進んで面白かったー。
好きなシリーズだ。
前回の『化け物心中』を読み直したくなった。 -
Posted by ブクログ
江戸時代に実在した全盲の国学者、塙保己一の物語(読むまで知らなかったけど)。しょっぱな幼少期に失明するまでの母親とのシーンはその愛情ゆえの濃さが会話に溢れて、正直読み進めるか迷うレベルだった。このペースで行かれたら、重油にまとわりつかれ続けるみたいで読んでらんないレベルと感じるほどだったが、程なくスンと落ち着くタイミングがきて、その後は一気読みだった。基本的には盲(あえて作中の言い方を踏襲させてもらう)の主人公(天才)と周囲の“盲ゆえ”ד目明きゆえ”のすれ違いが生む愛憎が相手を変えて描かれている。盲が“制度的には”優遇されていた江戸時代、盲ゆえのやっかみや、盲ゆえに天才と言えど周囲の真意に気
-
Posted by ブクログ
2026年上半期、第175回直木賞の候補作とのことで読んでみました。
だいぶ前に読み終えていたのですが、なかなか考えがまとまらず、感想を書けなかった……。
個人的には、この小説に直木賞をあげたかったですね。
非常に残念です。
目の見えない主人公の描き方に、斬新さを感じました。
目の見えない人の気持ちになり切って描くのではなく、目の見える人間から見た「目の見えない人」を描くことで、主人公の凄さを浮かび上がらせる。
やはり、目の見える人が目の見えない人をいくら取材しても、想像することはできても、完全に理解するところまでは至らないと思うのです。
だったら、複数の人間の目を通して、塙保己一 -
Posted by ブクログ
ネタバレ発売当初から話題になって、山本周五郎賞も受賞して、ずっと読みたかった1冊。
塙保己一という実在の人物をもとに、見えるとは何か、見えないとは何かを生涯をかけて考えさせられる。
正しく見えるものなんてこの世に何一つとしてない、だから目明きも盲も一緒で、どちらであっても何一つ見えちゃいない⋯ラストの幼なじみ、輝明の台詞。
時々「見える」人物の視点で描かれるも、特に前半は基本的に保己一の視点。つまり、周りの景色や人物描写もわからないまま、読者は読み進めることになる。その代わり、音や匂いの描写は頻繁に出てきて、保己一の世界を少しだけ体感できる。
見えないから、素直に情報を信じたこともあった。保己一