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江戸森田座気鋭の役者・今村扇五郎にお熱のお春が、女房の座を狙って近づいたのは……。芸を追求してやまない扇五郎に魅せられた面々の、狂ってゆく人生の歯車。ある日、若手役者の他殺体があがり、ついには扇五郎本人も――「芸のため」ならどこまでの所業が許されるのか。芝居の虚実を濃密に描き切ったエンタメ時代小説。
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Posted by ブクログ
お初の蝉谷めぐ美。江戸の芝居小屋を舞台にした、何とミステリーだ。ひねりの効いた展開に惹きつけられること間違いなし。 ある登場人物がしゃべったり動いたりするというのが小説の普通の順序だが、この作中ではいきなりしゃべったり動いたりする。誰がしたのかはその後に明かされる。 読者はその「誰」を気にかけながら...続きを読む読む。ハラハラ感に繰り返しおそわれるという技巧だ。初めての表現法である。 賢い人だ。
うわ すごい本に出会ってしまった 役に魂を絡めとられてしまった扇五郎とその周囲の者達の狂気を描く 己の役をつきつめるやりかたに、気色悪くも感動すらおぼえる
まるで歌うような文章力には驚く!舞台役者の舞台に対する執念には感心する。主人公の死に直面した時も舞台役者としてカッコよく取り繕うとはビックリ!
木挽町のあだ討ちがおもしろくて、時代小説?歌舞伎舞台?の同じ雰囲気の作品読みたいなぁとおもってたら、たまたま直木賞候補!みたいな感じで紹介されてて表紙見てお!と思って読むことに。 独特の言い回しや、チャキチャキ江戸っ子や歌舞伎の粋とか、そういう雰囲気が良かったです。 ちゃむちゃむお団子を食むとか、...続きを読むオノマトペもよい。 私は江戸の風俗にも歌舞伎の歴史も全く無知なんですけど、当時から今で言う推し活みたいなのがあったんですね。贔屓の役者の模様が入った着物を着たりグッズを持ったり… それぞれの章でで天才役者の今村扇五郎に狂わされた人のエピソードが描かれている。 饅頭屋の話は後味めちゃめちゃ悪かったな。全体的に後味悪かったけど。 ラストの章はちょっとミステリー身が出てきてよかった。 全体的に独特の言い回しや雰囲気がすきだったな〜 作者が私より年下らしくて驚き…すこい
森田座の人気役者扇五郎の魅力に取り憑かれた人々を主人公にした6つの連作短編集。 胸焼けを感じてしまうほど濃厚。
化け物シリーズがあんな感じなので今度は人が死なない話かな?と思ったら違ったよ! 芝居に、衣装に、鬘に、それぞれ取り憑かれた人たちの連作短編集。 カバー裏の犬饅頭かわいい。
著者の既刊は全部読んでいて、化け物心中のコンビが一番好きなことに代わりはない。が、今回は研ぎ澄まされた連作短編で、完成度が一番高いような気がした。 おんなの女房や、他の方の作品だが、木挽町のあだ討ちも合わせて読むと、どんどん芝居小屋やその小ネタに詳しくなれる。 作品数が増えるにつれ、これが著者の...続きを読む世界だというものは確立したが、ずっと同じままというわけにもいかないだろうから、これからがさらに楽しみ。 現代の作品も書いたらどんな感じなんだろう。
江戸の芝居小屋、人気役者に狂わされた人々… 天才と狂人の狭間に映し出されたものとは #万両役者の扇 ■あらすじ 江戸の森田座、今村扇五郎は街中で大人気の役者であった。彼は芸のためなら人の道を外れても追求をやまない。そんな彼に魅了されてしまった人々は、次第に人生を狂わされてゆく。さらに人が亡くなって...続きを読むしまうような事件が発生してしまい… ■きっと読みたくなるレビュー 江戸時代、歌舞伎の芝居小屋。当時は街中を賑わせたエンタメの世界を背景に、人気役者である扇五郎を中心に関係する人々を描いたもの時代小説。中盤以降に思いもよらない事件に発展し、ミステリー要素もある作品となっています。 まずは臨場感ですよね、まるで江戸時代の芝居小屋にタイムスリップしてしまったようです。まるで映画やTVの時代劇と同じ、いやもっと綿密に感じられる。街の賑わいや活気、人間が生活している様子が伝わってくるんですよね。筆力がエグイっす。 本作は連作短編集になっています。扇五郎が中心となりながらも、各話ごとにメインとなる登場人物が変わりながらストーリーが綴られていきます。読めば読むほど扇五郎の天才ぶり、いや役者馬鹿っぷりが赤裸々になってくる。 扇五郎の妻、入れ込んでしまうファン、芝居小屋で売り子をしている饅頭屋、木戸芸者、衣装屋、鬘職人、ライバルの役者。そして芝居のためだったら命を懸けられる役者扇五郎と関わるがゆえ、人生が少しずつ狂わされてゆく… どんなに華やかな世界でも、自身の活力につながる程度の関わり合いであればいいのですが、ここまで入れ込んでしまうと怖い。現代の推し活、推し狂いにも通じるものがあって、震えが止まらなくなります。ただ、ひとりひとりの扇五郎に対する気持ちだけは、静かに心に刺さってくるんですよね… たしかに彼の行動は「粋」であるかもしれない。しかし同じ人間として、男として、社会に貢献する職人として、彼から学びたいとは思わない。たしかにモテる男で惚れる対象ではあるかもしれない、でも目指す対象ではないんですよね。 しかし終盤、役者としての壮絶な生き様を見せつけられるのですが… これは確かに惚れる。結局、すっかりと世界観と扇五郎に引き込まれてしまったのでした。 ■ぜっさん推しポイント 本書とは全く関係ないですが、芝居の世界に足を踏み入れた知り合いを思い出しました。華やかな世界ながらも、辛く厳しいこともいっぱいあるだろうと想像できる。 きっと彼女ならどんな困難でも立ち向かっていくと思うし、きっと幸せな人生を送っているに違いない。思い切り芸を突き詰めて、好きなことを思う存分やって、めいっぱい自分を楽しんで欲しい。
江戸森田座で売り出し中の役者、今村扇五郎を中心に据えた連作長篇。 役者とは、その芸のためならなにをしても許されるのか──。饅頭屋が、衣装屋が、鬘屋が、彼に関わったことで変わっていく。 最初はぎょっとして、なにか仕掛けがあるのではと疑ったが、そんなものはなかった。まさに狂気と紙一重の所業が積み重ねられ...続きを読むていく。無責任に煽り立てる観客がうざい。その行き着く果てには、自らを主役にした究極の大芝居が控えていた。 一話完結である短篇の面白さに加え、長篇としての整合性も併せ持った見事な作品だった。
江戸森田座で人気の歌舞伎役者今村扇五郎を巡る様々な人々の姿を描いた作品。 熱を上げる大店の娘や、小屋の中で饅頭を売る菓子屋の男などが扇五郎によって平凡な日々が少し変えられていく。歌舞伎芝居の裏側の姿なども垣間見れて面白い作品。
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