【感想・ネタバレ】すべての、白いものたちののレビュー

あらすじ

アジア初のブッカー国際賞作家による奇蹟の傑作が文庫化。おくるみ、産着、雪、骨、灰、白く笑う、米と飯……。朝鮮半島とワルシャワの街をつなぐ65の物語が捧げる、はかなくも偉大な命への祈り。

ノーベル文学賞受賞!

ハン・ガン作品、どれから読んだらいいかわからない……という方には、個人的には『すべての、白いものたちの』をお勧めしたいです。
詩のように淡く美しく、それでいて強く心をゆさぶる名作です
ーー岸本佐知子

生後すぐに亡くなった姉をめぐり、ホロコースト後に再建されたワルシャワの街と、朝鮮半島の記憶が交差する。
文庫化にあたり、訳者の斎藤真理子による「『すべての、白いものたちの』への補足」、平野啓一郎による解説「恢復と自己貸与」を収録。

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Posted by ブクログ


あらゆる白いものに、生と死、私とあなたがいる。あらゆる白いものが、あなたの指に冷たく触れ、目をくらませ、鼻腔を広げ、傷口に入り、あなたは祈っている。あなた自身と全ての死者のために。

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2026年04月08日

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美しい写真を見ているような気持ちで読んでいた。作者の文章もさることながら、こんなに美しいことばで訳す翻訳者がいてこその、この作品だと思う。読めないけれど、原文でも読んでみたい気持ち。

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2026年03月29日

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やっと読むことができたこの作品。
読む前から決めていたことは、静寂の中で一人で読むということ。
すっかり春になってしまったけれど、寒い雪の日だったら尚、良かったなと思う。
散文詩のような短い文章に加えて写真もあるので、文章のボリュームは少ない。それなのに読者に色々なことを考えさせ、想像させる力はすごい。
感覚的に受け止めたものを言葉にするのがとても難しくて、なかなか感想を書く手が進まないので困ってしまうけれど…
今、感じているのは、「白」が決して無色ではないのだということ。「白」という色が持つ圧倒的な力を感じて、それに包まれている気分になっている。

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2026年03月27日

Posted by ブクログ

最初は美しい散文だなと思って読んだが、著者の言葉や解説を読んで、替わりに生きるという構造に気づき、一気に深みが増した。そこまで深く読めなかった自分が歯痒い。何回読んでも新しい気づきを与えてくれそうな本。

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2026年02月23日

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初のハン・ガン作品

繊細かつ頑強、そしてやわらかい
ヒリつく空気感も包み込む温かさも、距離も
私は心地良かった

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2026年02月15日

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多くの読者の感想のように、文体は散文詩のようで、読めば深い心の底にある思いに気づく。
過ぎた者たちや風景の懐かしさだったり今手に取っているものもいつか消えていくという寂しさだったり、それが時間によって、傷が治るように次第に癒され、さまよっていた過去が浄化されていくことだったり。

心の深層に隠れていたものを鮮やかに語り、それを読み解き、自分の中でとらえどころがなかった出来事や時間がすべてが過去になっていくという。通り過ぎて、ある、あったと思って生きていた時間はもうとうに過ぎ去っている。ということ。
人すべてに通じる生きることの普遍は、身近にある白いものに託して、思い出す過去の、今も湧き上がる悲しみについて、風景を見ている現実すべてが象徴的に幻想的につづられている、それらはどうしようもない人の生き方に凝縮されていく。うら悲しいものたちが白いものに宿って、何度も思い出される。
4時間しか生きてなかったという姉のこと。人里離れた寂しい官舎で、母が一人で生み、亡くなった姉を父が山に埋めたこと真っ白いおくるみに包んで。


そんな日々、今となってはあると見えてない、ないと見えて密かに心を締めつける、生きている人のすべてを言葉にすれば、どんな形であれ 同じ思いや感じるものの中にあり記憶の底に沈めて来たものがある。

紡がれる言葉はほとんど悲しみに近い。ともに生まれ共に生き老いていく。ほとんどの情景は悲しみに近く白いものは日常にともにあるものの象徴のように目に入る。

文庫のわずか200ページ足らずの中に詩集の様な空白の多いページをつい繰り返して読んでしまう。
姉の代わりに生まれて今まで生きてきた命の継承のような日常。白いおくるみに包まれて山に埋められた姉がいれば私は生まれなかったかもしれない。今周りで見る白い者たちを見ることはなかったもしれない。

子供にも恵まれ、異郷の友人に招かれて、破壊から立ち直った国で暮らしてみる。新しい息吹の中に立ってみる。
そこにも白いものはある、思い出される。
ふしぎなほど近しく思える、自分の生にも死にもよく似ているこの都市へ
 
姉がやってくることを考える。

もう一度あの人に会いたいときが来るとしたら、きっとそのとき。
若さも肉体もなく、
何かを熱望する時間がすでに尽きたとき。
邂逅のあとに残されたこと


永遠にすべてのものとの決別の時私も会いたい人が一人だけいる、遠くから見るだけでもいい。
涙ぐんでしまう、こんな一行が並んだ、一瞬と永遠が詰まった一冊だった。

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2026年02月04日

Posted by ブクログ

かなり心にきた
読んでた時の感情の起伏がめちゃくちゃ気持ちよくて幸せやった
記憶消してもう一回一から読みたい
間違いなく今まで読んできた小説の中でもトップに入ってくる
大事な人たちにおすすめしたい

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2026年01月27日

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すきだった。
出産直後の話と死産の話で号泣してしまった。
散文的だけど心にずしっとくる。
読み返したい大切な本になった。

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2026年01月24日

匿名

購入済み

美しい世界

白をテーマにして次々に繰り出される白い世界。
失ったものを抱えながら白い世界に吸い込まれていくような感覚。
何よりもこれが翻訳された作品とはまったく感じずに本の世界に入り込むことができました。

#切ない #エモい

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2025年11月12日

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初めてハン・ガン氏の本を読みました。綺麗な文章と静謐な世界に引き込まれていきました。姉と兄を亡くし、母の悲しみを背負って生きている主人公。その母も亡くし、孤独感と優しさが淡々と語られる文章の中から伝わって切なくなりました。他の作品も読んでみたいと思いました。

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2026年04月11日

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決して読むのが難しい本では無い。ただ、小説というには詩的すぎるし、詩というには小説的で、何かまだ名前のついていないジャンルの文学を読んでいる不思議な感覚。そして、だからこそ新しいのだと思いました。それは作者のレンズ(といえば良いのか分からないが)のピントもそうで、具体的とも抽象的とも言えない、ぼんやりとした写真のような描写が続く。そしてそのボケ感というのが景色に対しても心情に対しても効いていて、結果、テーマとも接着しているという妙技。読み終わって思わずははぁと唸ってしまいました。

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2026年04月07日

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生まれて2時間で亡くなってしまった姉、誰も助けが来ない状況で、独りで姉を出産し看取った母。
死と生が混在する、冷たく、美しく繊細な、詩のような一冊。
共感して読むには鋭すぎて、一定の距離を保ったまま読んだ。
「死なないで」「死なないで」
何度も出てくるこの言葉が昇華される時は来るのだろうか。
この小説はレクイエムなんだろうなあ。
ポカめいた春に読む本ではなかったな。
静かな、雪の降る音しかしない、寒い冬の日に読むべき本だった。

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2026年03月28日

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詩集のようでありながら、全体を貫く生と死というテーマによって一つの物語として読むことができる。
白いものを描写した美しく、かつ寂しくもある文章がしっとりと胸に沁み込んでくる一冊。

読んでる最中の違和感については訳者の補足でヒントが与えられたので、それを踏まえてもう一度読み直してみたい。

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2026年03月28日

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ネタバレ

「作者の言葉」がある版を読めて良かった。
「魂」の後半、「だから、彼女にはいくつかの仕事が残されている」の前後がすごく好き。
各章、白を通してきらめきも哀愁も、いろんな感覚を刺激される文章があって、全体を通してみると私と姉との存在と関わりが移り変わっていて良い。

面白かった、けど、私が内容を理解して享受できてるかはかなり怪しい。この内容を心に染み渡らせられる繊細な感覚の持ち主になってみたい

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2026年03月17日

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表紙に惹かれて、いわゆる「ジャケ買い」をした本。
エッセイとも詩ともとれる不思議な手触りの文章に、初めて触れました。
理屈抜きに、ただそこにある「言葉」が美しくて。読み終えた今、言葉の魔法にかけられたような心地よい余韻に浸っています。

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2026年03月17日

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生と死、時間、記憶、のような人間の根源的なテーマに関する圧倒的な不条理・不確定的な出来事を乗り越えようとするための小説、散文、詩歌あるいは写真という装置

選択的な不透明さ

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2026年03月09日

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初めは短編集のように一貫性のある物語だと気付かずによんでいました。解説を読んだ後に、自分の読み方が全く違ったことに気づかされました。
生と死についての新しい着想。表現の仕方がとても美しいです。ただ1回で理解するのは難しい本でした。

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2026年02月26日

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初めて著者の本を読みました。途中で私のイメージが追いつかなくて迷いながら読み進めました(訳者の補足のおかげで理解することができました)。白く静かな空間に著者の私的な感情が溢れていて、著者の姿になのか自分自身の何かになのか、はっきりと区別ができませんが胸を打つものがありました。著者の他の作品を読んだ後に、もう一度この本を読もうと思います。

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2026年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すごく良かった。
序盤はなかなかその世界観についていけなくて、途中から物語として読むことを半ば諦め詩集として読んだ。
解説を読んでからもう一周、今度は物語的に読んでみた。
でもやっぱり言葉にとても感動した。
好きな章段がいっぱいあった。
いいタイミングで読めたと思う。

白く笑う
白く笑う、という表現は(おそらく)彼女の母国語だけにあるものだ。途方に暮れたように、寂しげに、こわれやすい清らかさをたたえて笑む顔。または、そのような笑み。

あなたは白く笑っていたね。
例えばこう書くなら、それは静かに耐えながら、笑っていようと努めていた誰かだ。

その人は白く笑ってた。
こう書くなら、(おそらく)それは自分の中の何かと訣別しようとして努めている誰かだ。

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2026年02月18日

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読後に皆さんの感想を眺めていくと文庫本の後書きがいいらしい。読みたいがハードカバーで読んだため無念、確認出来ない。

でも手に取った時にビックリしたのは、違う質の紙がいくつも混ざっていた事。文庫本もそうなのか?最初は何かの間違いなのかと思った。でもそんなはずはない。途中でハッとする。
そうか、

いものたちの

だから同じ白でも違う白の紙を意図的に使ってるんだと気付く。
途中フォントが違う作品もあった。

静謐な雰囲気に細やかな仕掛け、モノクロ写真の挿入と本そのものが。全てが。白いものたちのだった。

詩のような散文のような。
訴えてくるテーマは重いけどそれが白というフィルターを通って透き通っていく感じ。

以前読んだ別れを告げないも冬が雪が非常に印象的だったが、この作品もやはり冬の季節と雪がとても印象的だ。雪国で地に足をしっかりつけて生きてきた人の言葉たちだと思う。

ノーベル賞受賞者の作品だからというのはどうしても重み付けがされてしまう。それでも私の中では印象に残る作品。


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2026年02月16日

Posted by ブクログ

言葉の選び方だとか心動かされるものに対する目の付けどころだとか、そういうところに余韻を感じつつ、
全てを読み終わって、あとがきも、解説も読み終わると「え、そういうこと!?」となり、もう一度最初から読まざるを得ない。

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2026年03月31日

Posted by ブクログ

字数少なく余白を贅沢に使った本書は詩集のようでもあり、1章3章の主体「私」は著者であり、2章の主体「彼女」は著者の姉の設定であることからも、私小説もしくはエッセイのようでもあった。解説を寄せた平野啓一郎氏が語るように、抽象的な世界と現実社会を織り交ぜた不思議な世界観が広がっていた。白い産着のモノクロ写真を写した表紙には、亡き姉への愛を感じる。タイトル『すべての、白いものたちの』と並んで表記されてあるハングル語「ヒン」は、生と死の寂しさを交々たたえた白色のことであり、本書で書きたかった想いを示しているという。冒頭の目録に記された白いものたちに順じて綴られた散文から、家族同行のワルシャワ滞在中に訪れた博物館で、70年前に破壊された多くの建物と失われた多くの命への鎮魂と恢復が示され、姉の蘇生のために自分の生と体を貸与することへの逡巡を感じた。全体を通して白くてふわっとした文体だが、最後は姉との共生が不可能だと悟った「私」の生への強い決意を感じた作品だった。ノーベル文学賞作家としての今後のハン・ガン作品も期待したい。

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2026年03月26日

Posted by ブクログ

純文学にハマるきっかけになりそう

今まで純文学の楽しみ方の一つの「文章の手触り」みたいな部分全く魅力を感じていなかったけど、この本読んで雰囲気を掴めた気がする。

プロローグの時点で、
「滴り落ちる時間のしずくの一滴一滴は、カミソリの刃で作った玉のよう」とか想像を掻き立てる文章だ思ったし、
寒くなって霜が降りてきたら「木々は葉を落として次第に軽くなる。石や建物などの固いものたちは、微妙に重くなったように見える」みたいな何となくわかるけどそんなこと思ったことなかったなみたいな感覚が楽しみ方なんだろうなと思えた。

まだ当然よくわかんねーみたいなとこが大半だったけど↑の感覚が得られただけで読んでよかったな

文章がかなり詩っぽくて小説感ないからうっとならず最後まで読めた気もする

たくさん読んだら味する文章な気がするからまた読むけど、カロリー使うのでしばらくは眠らせよう

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2026年02月28日

Posted by ブクログ

邦訳ゆえ仕方ないが、基本的に平易な文体で記述されているので表現に関してはやや深みに欠ける印象。他方、訳者解説等が素晴らしく、そこを合わせての作品ではないか。

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2026年02月27日

Posted by ブクログ

詩のような回顧録のような。
不思議な構成。

著者はとつとつと白いものについて綴る。
真っ白ではない。
もやのような。
グレーがかった…そんな白。
純粋や清らかさを表現した白ではなく、哀しみに包まれたような白。

冬のワルシャワ。
低く雲が垂れこめた世界は冷たい空気と静寂に包まれていて…。
著者は生後すぐに故郷で亡くなった姉に想いを馳せる。
若くして赤ん坊を亡くした彼女の母親にも。
それからこの地に残された大戦の爪痕からその哀しみに触れては言葉を紡ぐ。

それはまるで、白いものたちにさげる鎮魂歌のよう

タイトルのあとには、読者たちはどのような言葉を続けようとするのだろう
吟味されつくした訳文がとても美しく、余韻が半端ない

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2026年02月21日

Posted by ブクログ

ずーっとエッセイだと思って読んでて、
終盤エッセイじゃないことに気がついた。
あとがきでようやく理解できた。。読み直します。

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2026年02月19日

Posted by ブクログ

今の自分に刺さるところがあったわけではないが、静かな余韻のある世界が広がっていた。
寒い日に寒さを感じる本であった。

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

冒頭『白いものについて書こうと決めた。』から始まる。

おくるみ
うぶき
しお
ゆき
こおり



作者の日記のような内容。
それを自分から生まれてすぐに亡くなった姉が生きていたらと見立てて進んでいく。
私自身これまで馴染みのない作品だった。
確かに他の方のレビューにもある様に文章は美しかったが残念ながらグッとくるものがなかった。

初読みの作家さんというより韓国の方の作品は初めて。
そういう事もあり、これにめげず他の韓国文学も挑戦はしたい。

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2026年01月31日

Posted by ブクログ

ぎゅっとなる言葉が多い
ふわっとした白とぎゅっとしてしまう真逆の事柄
翻訳の方もよっぽど空気感を大切に丁寧に紡がれたのだろうなとほわっとする

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2026年01月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでいると自然と情景が目の前に広がり不思議と白いものたちが頭の中に浮かんでくる。
白いものたちの神聖さや寂しさが込み上げてくる文章の中で自分自身の壊れたものを積み上げ、死や生と向き合う時間になった。

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2026年01月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集。いえ、もっと短い散文集?
「白いものたち」に対する作者のイメージが簡潔で詩的な文章で綴られています。
静かだけど思いは深い、そんな印象を受けました。
特に何度も繰り返される物語に、作者の思いの深さが表れている気がしました。

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2026年01月22日

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