【感想・ネタバレ】すべての、白いものたちののレビュー

あらすじ

アジア初のブッカー国際賞作家による奇蹟の傑作が文庫化。おくるみ、産着、雪、骨、灰、白く笑う、米と飯……。朝鮮半島とワルシャワの街をつなぐ65の物語が捧げる、はかなくも偉大な命への祈り。

ノーベル文学賞受賞!

ハン・ガン作品、どれから読んだらいいかわからない……という方には、個人的には『すべての、白いものたちの』をお勧めしたいです。
詩のように淡く美しく、それでいて強く心をゆさぶる名作です
ーー岸本佐知子

生後すぐに亡くなった姉をめぐり、ホロコースト後に再建されたワルシャワの街と、朝鮮半島の記憶が交差する。
文庫化にあたり、訳者の斎藤真理子による「『すべての、白いものたちの』への補足」、平野啓一郎による解説「恢復と自己貸与」を収録。

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Posted by ブクログ

 色褪せて錆びた傷だらけの白いドア、塗り
重ねた白いペンキ、しんしんと降る雪。雪の
ように真っ白なおくるみ、白いきれで縫われ
た産着、タルトックのように真っ白な赤ん坊。
「私」は、「白いもの」について書くことだ
けを決めて、祖国から遠く離れた都市に滞在
する。理解できない言葉が飛び交う街で、孤
独が深まるにつれて思いもよらない記憶が生
々しく蘇り、自らの内面へと逃げ込んでいく。

 私が踏みしめているその街は、七十年前に
作り直された街だった。ナチスによって完璧
に破壊され、瓦礫の砂に包まれた白い街に、
二時間だけ生きた姉の姿を重ねる。夜明けの
霧の中で、姉である「彼女」に私の生を差し
出し、彼女とともに私の記憶をたどる。

しかしその記憶は、私が壊れないようにと
慎重に隠し続けてきた私自身の影だった。彼
女に美しいものだけを見せたいと願うたび、
ふいに影が現れる。まっこうから向かってく
る冷たい吹雪、傷口にしみる塩、飲んでくれ
る人を失った真っ白な乳。それらはやがて
「あなたはいつか必ず私を捨てる」といった
鋭い声にすりかわる。

 著者であるハン・ガンは、光州で生まれ、
11歳のとき、民主化運動の虐殺事件が起きる
直前にソウルへ移った。自分だけが惨劇を逃
れたような罪悪感が深い傷となったという。

 私にとって白いものは、ただ私が「生きて
いる」という存在の輪郭をなぞるためのもの
だ。彼女に見せたい白いものをすくい集めて
は自分の影を見つめる。たしかに彼女は存在
して、私も存在している。存在していてよい。
一緒に息をしてよいのだ。

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2025年12月04日

Posted by ブクログ

さらっと読んでしまったが 再読したい本 最初に白いもの目録をみたとき さみしいような 凛としているような 静かで壊してはいけないような イメージを持った 生まれてすぐこの世からいなくなってしまった姉と死なないでと言って抱きしめ続けた母 斎藤真理子さんの訳がとても優しくしみる

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

ハン・ガンさん初読み。

まず、形式を形容しがたい作品だなと感じた。
それと同時に、そんなものは、ここに記された言葉を受け取るのに必要ないものだとも思った。

圧倒されながら、感想をうまく表現できないのは初めての経験だった。
心の深い奥底を覗いていたら、すぐ隣にある光と影の揺らめきに、はたと気付かされるような気持ち。

白いものにまつわる記憶。
自分なら何が思い浮かぶだろうか。

一度読んだ程度では咀嚼しきれない。
少し間を開けてまた読み返したいと思う一冊だった。

巻末の「作家の言葉」、訳者の補足、平野啓一郎さんの解説は、どれも読後の散らかった頭の中をまとめるのに役立った。



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2025年11月24日

Posted by ブクログ

とてもパーソナルなことのようで、自分のことのよう。硬くて柔らかくて切なくて優しくて暖かくて冷たい…生と死、相反するものの境界に寄せられて、ぜんぶの感覚をスクラッチされたような本。

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2025年11月12日

匿名

購入済み

美しい世界

白をテーマにして次々に繰り出される白い世界。
失ったものを抱えながら白い世界に吸い込まれていくような感覚。
何よりもこれが翻訳された作品とはまったく感じずに本の世界に入り込むことができました。

#切ない #エモい

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2025年11月12日

Posted by ブクログ

すごくすごく静かで、寒い…は褒め言葉ではないのかな。北海道の冬の雪景色の中にいるような読後感。
とっても丁寧に選ばれた言葉が整然と羅列されていて、美しいなぁと感じました。
物語のような、詩集のような。
強い意志や痛み、怒りのような思い。反面、優しさや慈悲、希望も感じられました。

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2025年11月12日

Posted by ブクログ

複数の視点から語られるので同じ景色でも違って見える。
とても静かで白くて美しい物語でした。
誰かと語れば色がついてしまいそうで、自分の中にそっと隠しておきたい気持ちになる。

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2025年11月07日

Posted by ブクログ

多くを語らず、読者に深い思考を促す小説。
詩のようであり、エッセイのようでもある。
生後2時間で亡くなった姉への追悼、そして、自らの生を亡き姉に貸し与える。

平野啓一郎さんの解説を読んで、こういう意図だったのかと思い知る。
再読することで、作品の深みがよりいっそう伝わってくる。

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2025年10月31日

Posted by ブクログ

【これは散文なのか、小説なのか】感情の底の底にある、目に見えないなにかまでを自分の外に吐き出して、そのまま読み手の心を掴んでしまうのがハンガン。彼女には狂気的に美しい彼女だけの文体があり、わたしは構成だけを真似して同じように世界を描こうと試みるのだけれど、光と陰のコントランスはあんな風に絶妙にならないし、不均衡なのにエモーショナルな世界なんてまったく真似できない。死ぬまでにいつかこんな文章書けるといいな、と思いつつ、今日も本を開いてはため息と共に閉じる。

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2025年10月10日

Posted by ブクログ

死んだ姉と兄、今生きている自分。作者自身の過去をもとにした死と再生の散文小説。
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ノーベル文学賞をとったハン・ガンさんの本、初めて読みましたが、これには胸を打たれました。
もう初っ端からどくどく血が流れるような傷を見せてくる。
死と破壊、生と再生を、ものすごく澄み切った筆致で、針のように鋭い言葉で、詩のような文章で、読者の心を刺して刺して刺しまくる。
読んでいて胸に迫る内容と美しい文章が暴れ回って大変でした。ハン・ガンさんの本はほかにも読んでみようと思っているのですが、ちょっと次に手を伸ばすのを躊躇するような切れ味と重さでした。

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2025年10月06日

Posted by ブクログ

ノーベル文学賞を受賞したハン・ガン女史の作品。
構成は3章から成り、ファインフォトを掲載しながら抒情的な散文詩が次から次へ綴られる。

1章:私
「私」が生まれる前に、母は初産で女の子を産んでいた。
母は人里離れた官舎で、誰の助けも呼べずに8ヶ月の未熟児の娘を産んだ。
激しいつわりに耐えながら、母は白い絹布で産着を縫い合わせて準備していた。
その産着を生まれたばかりの娘に着せ、産声もなく産まれ出てきた娘に「お願い、死なないで、死なないで」と呼びかけ続ける。
「死なないで」の呼び掛けに、娘は数度だけ束の間瞼を開くのだが、力無く閉じてしまう。
そして母親の必死な願いも虚しく、誕生から2時間後に娘は息を引き取ってしまう。

2章:彼女
この章の「彼女」は、たった2時間しかこの世に存在しなかった姉に、主人公である「私」の生を貸与し、視力・聴力・思考を駆使して経験できなかった姉の未来を知ってもらおうとの意図だったのではないか(と私は解釈した)。
寒いワルシャワの街中で吐く息が白いのは、自分の身体が温かいということだと「彼女」は自覚する。
そして今現在の命も、再び失うことを「彼女」は自覚していた。
生を貸与してもらった「彼女」が眺める風景と、ナチスによって破壊されたワルシャワを戦後再生させた風景とが、散文詩によって交錯する。

3章:すべての、白いものたちの
もしも姉が死なずに育っていたならば、「私」は誕生していなかったのではと云う思いは常に拭い去れないでいる。
「私」の生を姉に貸与しても、姉が実際に生き続けるわけではない。
もしかしたらこの世に存在しなかった可能性のある「私」の生は、一つしかないのだ。
その一つしかない生を自覚することこそ、自分の心を恢復させる術なのではと「私」は思い至る。
この章の散文詩は、儚さを含みながらもとても美しいものが多かった。

どの散文詩も、儚くて静的な情景が思い浮かぶ。
そしてそれぞれの散文詩が独立した詩ではなく、全65編が連なって一つの物語を成しているのだ。
この1冊は、読む人によって解釈は大きく異なるのだろうが、主人公の「私」の心の葛藤と恢復が美しく綴られている文学だった。

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2025年09月24日

Posted by ブクログ

白い、は、生と死に近い色。白い小石は、波で削られて、丸く、少し透けて見える。それは、今まで傷ついたからだ。その小石を、誰かが拾い、机の引き出しにしまうこと。ときおり、光にすかして、またそっと引き出しに戻すこと。そういったことで、救われる傷もあるような気がした。

生と死のはざま、あわい。そこで揺らいでいる者たち。私は、死ぬことについてよく考える。そのあとに、すこし生きることについて考える。生きることと死ぬことを考えるではなく、私にとっては、死ぬことを考えた後で、生き続けることについて思うの。

白く笑っていた、という言葉は、静かに耐えながらそれでも笑っていようと決めた人の笑みのことをいうらしい。ことばを知る、って、おもしろい。これから、私が1人で耐えて笑うとき、このことばを思い出すだろう。そして、白く笑うという、静謐で美しいことばに、頼りない私の笑みがかたどられてゆくのだ。

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2025年09月17日

Posted by ブクログ

ものすごく静謐で、読んでいると自分の体も本と一緒に音のない場所に沈んでいくかのような感覚があった。なるべく静かな場所で、できれば冬読むのがおすすめ。
小説というよりは詩集に近く、映像が頭に浮かんでくるので、美術館で白にまつわるインスタレーションを見ているようでもある。
特に雪の描写が多かった印象。今年から雪国に引っ越したので、ハン・ガンさんの紡ぐ美しく真摯な言葉を通してこれから雪や冬を感じられるというのは嬉しいことだ。外を歩く時、たまにはイヤホンを外して、自分でも五感を働かせて繊細に世界を感じてみたいとも思った。
物語の構造?仕掛け?はあとがきを読んでからわかったのだけど、文学でしか表現できないことという感じで、ノーベル文学賞を取ったのも頷ける。

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2025年12月09日

Posted by ブクログ

作家として親として妹として書かれたエッセイのようであり、亡き姉をその身に宿すためのフィクションでもある、とても不思議な小説だった。
切実ながら白く爽やかでもあるその読後感は唯一。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

自分の記憶にある白いものはなんだろうか。最初に見た白はなんだったか。そして印象に残った白はなんだったか。白い机、白い帽子、白い雲、白い歯。机も帽子も雲も歯も白いをつけると、白く染まっていく。白い黒はどんなイメージなのか。

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2025年11月16日

Posted by ブクログ

解説がないとどんな本なのか理解できなかった。
ただ文章が素敵で、詩を読んでるみたいだけど小難しくなくて、とても良かった。本棚に置いておきたい本。

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2025年11月10日

Posted by ブクログ

読み終えた後、訳者による訳者補足、平野氏の解説が続く。訳者補足にはこの補足を読んでから本書をお読みになってください。と書いてあったが、そんなことは分からず頭から読んでしまった。そして訳者補足を読み、そうなのか!となりすぐまた読み返す。先に補足を読まなくてもいいのです!再読する嬉しさ!
ハン・ガンにしか書けない生と死(喪失と恢復?)のお話でした。第2章は死んでしまった姉に自分の体を貸与するのだけど、それは今までの彼女の作品でも見られるような死者との会話だと思う。そこがハン・ガンの本当にすごいところだと思う。

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2025年10月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでいる最中はあまり、
深く状況を理解することができなかったが、
巻末の「作者の言葉」を読むことによって、
理解することができた。
「生」を「白」というものを使いうまく表現しており、作者の経験を現状に反映するような形はとても特殊だと感じました。
また、時間がたったらもう一回読みたい本だと思いました

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2025年10月26日

Posted by ブクログ


読書備忘録。

小説成分を摂取するために
詳細な前情報なしに購入した本、その2。

とは言え、
最近このタイトルをよく目に、耳にしていた。
著者のハン・ガンさんのことは、
「ああ、最近ノーベル文学賞を獲った人だ!」と、この本の帯を見て思い出した。
ちなみに私が韓国の作家さんの翻訳本を読むのは「アーモンド」以来の2作目。

結論から言うと、
「私が思っていた小説とは全然テイストが違っていたよ、その2」
…ということになった。

まず、作品の冒頭でタイトル通りおもむろにいろいろな「白いもの」が挙げられていく。
最初はいわゆる「主人公」が著者自身だということにも確信がもてなかったので、
変わった導入だな、と思っていた。
これらの白いものについてごく短い話が、
まるでそのひとつひとつが美しい詩のような文章で紡がれていく。

第一章の私、二章の彼女、三章の表題、と
三章構成になっている。

これはいわゆる小説?物語?
それともエッセイ?詩?…と、
この作品を自分なりに分類するためのカテゴリーに戸惑いながら、白くて寒い東欧の街を著者が紡ぐ美しい言葉に誘われるように読み進める。

ところどころ、
韓国の翻訳本だな、という雰囲気を味わう。
たとえば具体的に韓国の風習についての記述や、
差し込まれる犬のエピソードなんかは、たぶん同じアジア圏でも日本の作家が書いたらもう少し犬側に寄り添ったウエットで可哀想味の強い全然別の表現になるだろう。
アメリカやヨーロッパの大陸文化とも違う、
うまく表現できないけれどアジア大陸の空気感…おおらかさみたいなものを感じる。

亡くなった赤ん坊、著者にとっては「姉」に対する感傷の方法も、もちろんその悼み方は個人的ではあるのだが、その背景に文化的な要素もあるような気がする。
儚いだけではない、
根底が揺るがない強かな思想、というか。

それにしても通読して思う。
破壊と再生、死と生を、こんな風に表現した作品は読んだことがなかった。

本編を読み終えて、作家の言葉や訳者の解説まで読むと、よりこの作品の多面的な面白さがわかる。

自身の再生の物語でもあり、生と死を描いているところで言えば普遍的でもあり、その描き方がチャレンジングな営みにも見え、詩であり、物語であり、エッセイでもある。

読み返して、どのページについても思う。
表現の美しさ、その後ろ側にある普遍的だけど、とても個人的なテーマの深さ。これはすごい。

思っていた小説とは違ったけど、
思っていた以上の小説読書体験ができた。
他の作品も読んでみたい。

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2025年10月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

愛しいものについて語る本だと思っていたが全く違った。死と生が大きな主題だった。生を受けて2時間足らずで死んだ姉を想う散文が連なる。無力だった母と父の悔しさを幾たびも感じる。
吹雪の夜、ソウルを歩く彼女。激しく打ち付ける雪と風に凍えながらもそれを美しいと感じる。辛く長い冬でも雪の純粋性を感じることには共感する。

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2025年10月04日

Posted by ブクログ

はんぱなくいい、
全然意味わからんかったから再読必須やな。
よく考えろ。意味わからんのにいいってことは、相当いいんやぞ。
絶対再読しろよ。そのときは理解できるはずだ。

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2025年10月03日

Posted by ブクログ

ここしばらく、本を読んでも感想を書く気になれなかったのだけど、この本はなんかうわーっと出てきた気がした。少し落ち込むことがあったときに読んでたんだけど、雪が少しずつ降り積もってチョコレートケーキの上の粉砂糖みたいにケーキを隠してしまうように、言葉が心にシンシンと積もっていく感じがした。言葉に、癒されているのを感じた。
とき解されて心が柔らかくなって、やがて何も無かったかのように。
著者自身による本を描いた背景が面白い。

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2025年09月19日

Posted by ブクログ

うーーーん 最後のヒントがなかったらこの本の良さが分かったか怪しい!!!読解力!!なのか?
2回楽しめる本。

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2025年09月19日

Posted by ブクログ

もっと気持ちに余裕がある時に読むべき
まさか通勤電車の中で読んではダメだ…
気持ちの美しくて清らかななにかを書いていると思う
まさに白い気持ちの時に読みたい

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2025年12月09日

Posted by ブクログ

ノーベル文学賞の作家の作品はどのような作品か読んでみたく一読。不思議な読み心地。心の傷と、その傷を感じ取るやわらかであたたかな繊細さを感じる。韓国とワルシャワのミックス。

心に残る読後感。その優しさを自分に向けてみたい気持ちと、そんなに繊細だったらもはや生きてはいけないよ、という気持ちとかが葛藤する。世界が、繊細になっているのではないか?

短文であるが故に、別のものも読んではみたい。

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2025年12月09日

Posted by ブクログ

読みながら心が整うようなそんな作品だと感じた。
仕事帰り、音楽をとめて、散らかった心を整理して、自分の生活にそっと戻してもらうような丁寧な言葉達だった。

作者や訳者のあとがきを読んで、もう一度読み直すと、違った解釈・感想を持てるように感じた。

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2025年12月05日

Posted by ブクログ

ハン・ガンさんによって綴られ私の前に広がった光景は、とても美しく幻想的なものでした。この中の白いものたちに思いを馳せ、物語に没頭するにはあまりにも自分の部屋が現実みを帯すぎていて、できれば次にこれを読むときは、物音ひとつしないような静かな部屋がいいと思いました。

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2025年12月04日

Posted by ブクログ

サラーッと読むのではなく、ひとつひとつ丁寧に咀嚼して、解釈して、読み進めるべき作品だと思う。

だからこそ、正直途中で読む手が止まってしまったページもあった。

あとがきや解説を読んで理解が深まったので、改めてまた読み直したいと思った。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

今の自分にはこの本に書いてある痛みを自分のこととして捉えることが難しかった。もっと違う時に読んだら、塩が傷口に染みるように、言葉が染み込んでくるんだろうと思う。「生は誰に対しても特段に好意的ではない」という言葉が心に残った。また数年後に読み返したい

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2025年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

終始、静謐な空気を纏った文章
散文形式のような私小説のような構成
現代アートに触れた時の感覚に近いかも

読後感は決して重くはないが、言語化しづらいこの所在のないような気持ちはファスト教養では味わえない
久しぶりに小説読んだけどそういう良さがある

戦禍で無に帰した都市のいま
姿も見たことのない姉の死後、生を受けた主人公
悲壮に満ちた文脈の中を、新しく生きるということ

訳者あとがきと解説も良かったです

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

出だしが1番すき
白いものを書き出してみよう

わたしだったら

お米
お椀
ティッシュ
ラーメン屋のエプロン
、、

パッと思いつくだけでもこれだけある

ハンガンさん2作目。ほのぼのする
ちょっとだけ、ダークみたいな塩梅がすき

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2025年09月17日

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