【感想・ネタバレ】すべての、白いものたちののレビュー

あらすじ

アジア初のブッカー国際賞作家による奇蹟の傑作が文庫化。おくるみ、産着、雪、骨、灰、白く笑う、米と飯……。朝鮮半島とワルシャワの街をつなぐ65の物語が捧げる、はかなくも偉大な命への祈り。

ノーベル文学賞受賞!

ハン・ガン作品、どれから読んだらいいかわからない……という方には、個人的には『すべての、白いものたちの』をお勧めしたいです。
詩のように淡く美しく、それでいて強く心をゆさぶる名作です
ーー岸本佐知子

生後すぐに亡くなった姉をめぐり、ホロコースト後に再建されたワルシャワの街と、朝鮮半島の記憶が交差する。
文庫化にあたり、訳者の斎藤真理子による「『すべての、白いものたちの』への補足」、平野啓一郎による解説「恢復と自己貸与」を収録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 小説というよりは、小説とエッセイの間のような書き方で、文章が詩のような自由で優しい感じを受けました。
 最初22歳の女性と25歳の男性の子がハン・ガンさんの姉だということがわからなく、そのまま読み進めてしまいました。あとになって姉だということに気づいて、衝撃を受けました。初めの方に書いてあった「おくるみ」の所がかわいそうという感情を持ちました。
 ソウルからポーランド・ワルシャワに移り住む前と後で「白い」ものについて、いろいろと表現しておりました。「白い」といってもいろんな種類の「白」があるという事が書いてあってなるほどなぁ、て思いました。「「少年が来る」という小説を書き終えた後、しばらくどこかで休む」と書いてあって。改めて「少年が来る」という小説がいかに重要であるかということを思い知らされました。
 全体的に面白かったです。

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2026年01月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この物語は、生と死を「白いもの」によって表現している作品だと感じた。ここで描かれる白は、決して掴むことのできないもの、手に入らないものの象徴である。そこに確かに存在しているようで、実際には触れられない。あったのかもしれないし、なかったのかもしれない。目で見ているのか、それとも見えていないのかさえ判然としない。その曖昧さそのものが、この作品における「白」なのだと思う。

白は単独では強く主張しない。黒い目、木々の陰影、赤い血といった明確な色があるからこそ、白はかえって浮かび上がり、私たちはそれを「見る」あるいは「感じる」ことができる。白とは、何かが欠けている状態であり、周囲の色によってのみ、その存在が認識されるものなのではないだろうか。

白いものを追い求める行為は、『白鯨』のムービー・ディックを追うことと同じように、永遠の無——それは生であり、同時に死でもあるもの——を追いかけることに近しい。白を追い続ける者は、やがてその白に取り憑かれていく。この作品の中でも、すでに手に入らない姉の死、その息遣いの記憶、窓から溢れる光、壊された都市の風景が、白とともに描かれている。白は喪失そのものであり、同時に、喪失を感じ続けるための感覚でもある。

白いものを感じることで、人は生と死を同時に意識する。生きることも死ぬことも、人間が選び取れるものではない。ただ、生きているあいだに、そこにある色や気配を感じることしかできない。死とは、何かがある状態ではなく、何もない状態——白(無)が広がっているだけなのだと、この作品は静かに問いかけているように思えた。

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2026年01月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでいると自然と情景が目の前に広がり不思議と白いものたちが頭の中に浮かんでくる。
白いものたちの神聖さや寂しさが込み上げてくる文章の中で自分自身の壊れたものを積み上げ、死や生と向き合う時間になった。

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2026年01月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集。いえ、もっと短い散文集?
「白いものたち」に対する作者のイメージが簡潔で詩的な文章で綴られています。
静かだけど思いは深い、そんな印象を受けました。
特に何度も繰り返される物語に、作者の思いの深さが表れている気がしました。

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2026年01月22日

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