斎藤真理子のレビュー一覧

  • すべての、白いものたちの

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    あらゆる白いものに、生と死、私とあなたがいる。あらゆる白いものが、あなたの指に冷たく触れ、目をくらませ、鼻腔を広げ、傷口に入り、あなたは祈っている。あなた自身と全ての死者のために。

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    2026年04月08日
  • フィフティ・ピープル[新版]

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    とにかくわかりやすく読みやすい文体で、直近10数年ほどの韓国で問題となった事件が取り上げられている。ベースになってるのはセウォル号事件だろうか。あることに関わる50人が主人公になるオムニバスで起承転結もそれぞれにちゃんとあるため喜怒哀楽の渦の中であっという間に読み終えてしまった。50人+αの主人公のキャラクターも愛おしく魅力的だった。

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    2026年04月05日
  • 声をあげます

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    ネタバレ

    初めての韓国の小説。翻訳だからなのか、文化なのか、独特の文章だったけど、読みやすかった。アメリカ人作家の小説を読んだ時のことを思いだした。「国民の恋人」という表現は韓国らしいと思った。

    十一分の一
    退廃的で耽美的。生き返った恋人を束の間あたたかい時間が流れ(回想の中では恋人になったという確たるシーンがあるわけではなく、雰囲気と様子からそれを感じ取り、再開の時に思いがちゃんと通じ合っていた、となったのがまた良い)、すぐあとに地球はほろびてしまう寸前の状態であることが読者に明かされ、ゾッとさせられる。そこが怖くもあり耽美的なところなのかも。
    ミミズの話の「リセット」は想像すると気持ち悪いけど、映

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    2026年04月04日
  • 回復する人間

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    翻訳らしい短編集。何となくアーウィンショーを思い出した。一貫して痛みを伴う回復がテーマ。中でも「エウロパ」は印象的だった。主人公はトランスジェンダーの男性とライブハウスで歌うイナ。2人の夜の散歩の場面は秀逸。「火とかげ」は映画を観ているようだった。主人公は事故により両手とも効かなくなった画家。そして疲れきって絶望しているその夫。ある時友人の子供が飼っているトカゲがその両手を千切られてもまた生えてくる事を知る。
    主人公が少しずつ希望を取り戻し生きていこうと決意してまた絵筆を取る過程が美しい。
    全ての言葉が一遍の詩のような何とも言えない透明感に満ち溢れた一冊。

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    2026年04月01日
  • すべての、白いものたちの

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    美しい写真を見ているような気持ちで読んでいた。作者の文章もさることながら、こんなに美しいことばで訳す翻訳者がいてこその、この作品だと思う。読めないけれど、原文でも読んでみたい気持ち。

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    2026年03月29日
  • 本の栞にぶら下がる

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    今イチオシの斎藤真理子さん。
    立て続けにブルーバックスを読んでおり、なんだかんだやっぱり、読み進めるのに力が必要で、斎藤さんの文章はすっと頭に入ってきてくれるのて、思いがけず止めてた息を吹き返した感がある。
    さあ、次はいよいよ少年が来るを読む予定。

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    2026年03月29日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    女性が年を重ねるごとに見ないようにしていた、言葉で形取らないようにしていた苦しさやどうしようもなさを、何気ない日常をもとに鮮やかに書いた小説でした。
    立場や呼ばれ方が家族の中でさえみるみるうちに変わっていき、私が薄くなっていく。だけど私だけは「私」を忘れられないでいる苦しさが胸に刺さりました。

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    2026年03月28日
  • すべての、白いものたちの

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    やっと読むことができたこの作品。
    読む前から決めていたことは、静寂の中で一人で読むということ。
    すっかり春になってしまったけれど、寒い雪の日だったら尚、良かったなと思う。
    散文詩のような短い文章に加えて写真もあるので、文章のボリュームは少ない。それなのに読者に色々なことを考えさせ、想像させる力はすごい。
    感覚的に受け止めたものを言葉にするのがとても難しくて、なかなか感想を書く手が進まないので困ってしまうけれど…
    今、感じているのは、「白」が決して無色ではないのだということ。「白」という色が持つ圧倒的な力を感じて、それに包まれている気分になっている。

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    2026年03月27日
  • 回復する人間

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    初ハンガンはとてもよかった特に表題作。動物の死が頻繁に出てくるのはキツいけど韓国作家何人か読んだ中で初めていいと思ったかも。他のもちょっとずつ読んでいきたい

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    2026年03月22日
  • シリーズ「あいだで考える」 隣の国の人々と出会う 韓国語と日本語のあいだ

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    「キム・ジヨン」の和訳を担当なさった斉藤真理子さん、うっすら思った通り洞察力の深そうな、湿度のある文章を書く方で、大好きになった。

    マル말とクル글、そしてソリ소리、あいだのサイ사이にについて考える姿勢を忘れないでいたい。

    韓国の歴史や、ハングルの成り立ちについても知れて、薄くて読みやすい本なのにすごく知識量が増えたし、手にとってよかった。

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    2026年03月22日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    私の中のミサンドリー(男性憎悪)が剥き出しになり、頭の中で、出てくる男性を片っ端から大ハンマーで殴り飛ばすなどした。そして、キム・ジヨンと自身を重ね、あの時のあの出来事など、嫌な記憶が蘇るたび、その都度、本を閉じ、天井を見た。過去の自分を、そして未来の自分を、はてまた、身近な女性のことをじっくりと思う一冊だった。

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    2026年03月16日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    7〜8年ぶりの再読。
    育児にまつわる辛かった経験を慰めてもらったようでもあり、いやいやまだまだ全然終わっていないし慰めきれてもいない思いもあり、でもみんな自分の辛さをどうにかして発露するために、対照的な生き方のひとを悪く言うんだよね、みんな生きるの辛いんだよねって思ったりもした。

    私自身は、やって当たり前とみなされている家事育児を夜遅くまで1人でこなし、夫も子供たちも非協力的、実の母は私の出産3年前に他界、離れて暮らす父は頼れず、同じく遠距離の義両親には「自分さえ良ければそれでいいのか。都会暮らしは愚の骨頂」とか言われていたりとにかくなんでも1人でやってるけど、もはや徳を積めるだけ積んで、い

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    2026年03月14日
  • 波の子どもたち

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    仕事用に読んだのですが すばらしかった
    斎藤真理子さんのボイスがまたグッときます

    北朝鮮から自由を求め故郷を出てゆく
    16歳の3人の子どもたちを描く。
    ソル、クァンミン、ヨルム

    ソル
    貧しくも愛のある家庭
    何度も脱北を試み捕まっては脱走を繰り返してきた。最後の日、姉さんが信頼できるブローカーだと教えてくれた電話番号に頼って行ってみると…内モンゴルの花嫁に売られてしまう…

    クァンミン
    サッカー選手を目指す男の子。この国では何不自由ない裕福な暮らし。
    父親は体制側の役人で、優遇されている
    母親は夫に隠れて脱北のために動いており、息子を自由にしたいと考えているが…

    ヨルム
    父親が病気で働けず

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    2026年03月12日
  • こびとが打ち上げた小さなボール

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    韓国が1960年代にどうであったか、についてよく知ることができる本である。黒澤明の映画の天国と地獄、あるいは泥の河と同じ状況である。一方には会社の役員がいて、一方には労働者がいるという対比であるが、労働の実態が生々しい。

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    2026年03月06日
  • シソンから、

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    どの世界でも女の位置は低い。どん底から這い上がった女から始まった子供、孫たちがそれぞれの知る母親や祖母のことを語ったり思ったり。動物の世界はほとんどそうだけど、ヒトも母系社会になればいいのに。いちばん強くて偉いのはグランマ。でも登場人物の中でいちばん共感したの、長女の夫。遠い国でちらっと見かけたときに呼び止めたいと思ってもらえる人間でよかったって、わかるわ〜。それくらいのヒトでいるのがいいよね。

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    2026年03月04日
  • 別れを告げない

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    今年読んだ中で一番濃い読書体験になりました
    現実の世界から、異世界に誘われ、彷徨いました
    全ての音も、姿も消される恐怖を越えた無の雪世界。
    そこから、青い海、真っ赤な血に塗られた砂浜、全てを消し去った波。
    銃口とマッチの火など、最後までモチーフを繋げることで、人の思いを灯影している。
    記憶が繋ぐ凄惨な歴史がそこにはあり、消そうとしても消せない形とならない記憶がある。
    一文一文が詩的でした。
    とても曖昧な表現が続き、分かりにくいところもあったけど、それは作者の意図であるようですが、もう一度読んだらより深く心に入ってくるかもしれないです

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    2026年02月28日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    ん?全部見たことあるぞ?全て身近にあるぞ?日本の平成生まれの私にも経験あるぞ?どこが他国の少し前の物語なのか、意味がわからない。見えてないならそれこそ問題だぞ?

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    2026年02月27日
  • すべての、白いものたちの

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    最初は美しい散文だなと思って読んだが、著者の言葉や解説を読んで、替わりに生きるという構造に気づき、一気に深みが増した。そこまで深く読めなかった自分が歯痒い。何回読んでも新しい気づきを与えてくれそうな本。

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    2026年02月23日
  • 光と糸

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    淡々とした語り口のエッセイみたいな詩集みたいな、画集のような。
    とても作者さんの人となりを感じさせてくれる素敵な本でした。
    とくに、「本が出たあと」と「庭の日記」がとても好き。
    読みやすいからとかではなくハン.ガンさんの生き方が垣間見られて。
    世界のなかで叫びたいこと、この方にはまだまだあるでしょう。今後も手に取ってみたい作家さんでした。

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    2026年02月20日
  • すべての、白いものたちの

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    初のハン・ガン作品

    繊細かつ頑強、そしてやわらかい
    ヒリつく空気感も包み込む温かさも、距離も
    私は心地良かった

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    2026年02月15日