斎藤真理子のレビュー一覧

  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    これは特別な話ではないのか。男だからわかっていないのか。年代的には他人事ではないのだが。韓国特有の話なのか。

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    2025年07月19日
  • シリーズ「あいだで考える」 隣の国の人々と出会う 韓国語と日本語のあいだ

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    読んでよかった。

    在日コリアンという言葉は知っていたけれど、韓国にルーツのある人がたくさんいて、日本の植民地支配が関係しているのだろうなぁくらいにしか思っていなかった。
    外国人登録制度によって、日本国籍にさせられたコリアンの人々が「朝鮮」籍(特定の国家を指すものではなく、出身地を表す記号。北朝鮮のことではない)や「韓国籍」になり、さらに日本は北朝鮮を未承認国家としていることから、朝鮮籍の人は事実上の無国籍状態または国籍未確認の状態であるということに衝撃を受けた。

    今ほど2つの言語と文化が好意を持って歩み寄った時代はないが、今ほど露骨に敵意や憎悪を直接的・継続的に向けられる時代もなかった、と

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    2025年07月18日
  • サハマンション

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    ネタバレ

    最終章、ジンギョンが総理館に乗り込んで行くシーンは映画さながらだが、結局ウミもトギョンも生きていたのかどうかわからず、唐突な感じで終わるので不完全燃焼。
    ただしサハマンションの薄暗い感じや湿度、物音、そこでの生活の描写とここに逃げ込まずにいられなかった人の背景などのストーリーと文体はとても引き込まれた。
    チョ・ナムジュはもっと読みたい

    ■214号室、サラ
    「ナプキンを出して鶴を折った。ナプキンとしては厚くてしっかりした紙で、気をつけて折ると十分に思い通りの形に折れた。以後、ヨナは夫に殴られるたびにナプキンで折り鶴を折った。一日に一個だけの日もあれば、三羽、四羽と折る日もあった。窓枠の上に一列

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    2025年07月17日
  • ディディの傘

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    斉藤美奈子さんの著作を読んで、これは絶対に読まないといけないやつだ、と思った本。
    「d」と「何もいう必要はない」の2作品収録。

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    2025年07月15日
  • シリーズ「あいだで考える」 隣の国の人々と出会う 韓国語と日本語のあいだ

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    マル(言葉)、クル(文、文字)、ソリ(声)と韓国語の解説から始まってわかりやすく興味深く読んだが、隣の国の言葉を知ることはその深く結びついている歴史をしることでもある。詩人たちの作品の心の叫びなど心に響く。良い関係でありたいと願う。

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    2025年07月09日
  • 未来散歩練習

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    コーヒーを飲み、歩き、ご飯を食べ、ドーナツを食べ、というような生活のリズムと、人々の間の友情の距離感がとても心地いい。望む未来をたぐり寄せるための練習として今を繰り返し生きていくこと、の意味するところは分かるようでいてはっきりとは分からないけれど、過去と現在と未来を何気ないリズムの中に繋ぎとめる作者の言語化のセンスにはびっくり。

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    2025年07月04日
  • 回復する人間

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    もっと韓国という国、韓国人という独自性を全面に打ち出した内容かと思っていたが、日本人作家が書いたと言われても全く違和感がない現代性、普遍性。生きづらさに直面して足掻く人たちの物語で、どれも心をざわつかせて落ち着かない心持ちにさせた。

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    2025年07月04日
  • 誰でもない

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    喪失や絶望、苦悩を抱えて生きている現代の人々の姿を、寄り添うように、逆に突き放すようにも鋭い視点で描いた短編集。独特だけれど読みやすい展開や表現が癖になりそうな、面白く読めた短編集でした。

    「ヤンの未来」での突然目にした不幸を気に病みつづける女性の姿、「上流には猛禽類」の好きだけでは埋められない溝、「誰が」のユーモアとホラーテイストが両面となった畳みかけるような描き方、「誰も行ったことがない」で夫婦の辿る旅路の果てに待つ膨大な絶望の姿。

    どれもが幸せな物語とは言い難いけれど、やたらと重く悲劇的に描くのではなく、冷静な俯瞰的な視線と明快なテーマが描かれていて、すらっとした読みやすさがあるのも

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    2025年06月25日
  • 回復する人間

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    ハン・ガン氏の小説は少し曇天の澄んだ空気を持つ初冬の朝をイメージさせる。不安定で漠然とした「何らかのものたち」を柔和で静謐な文章で書き表していく。人と人とが織り成す関係を丁寧に解きほぐして再構築する文体が印象的。失ったものもしくは失いつつあるものからの回復。記述的ではないけど抽象的でもない。「回復する人間」と「火とかげ」が個人的好み。

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    2025年06月24日
  • 別れを告げない

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    韓国の第二次世界大戦後の歴史を感じることのできる本
    訳者あとがきがとても良い

    ゆくゆくの映像化を意識したのかな?と思われる小説
     

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    2025年06月25日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    ネタバレ

    大変読みやすく、面白いと言う表現は語弊があるけどとても満足度の高いものでした。作品全体を覆う閉塞感はジヨン氏のものなのか。時々涙が出そうになるくらい辛かった。最後の数行の仕掛けは秀逸で、救いの無さに思わずうおーっと声がでた。女性の社会的地位の低さは日本も似たところはあるだろう、だけど慣れてしまって気づかないことがどんだけあるだろう。
    救いはジヨン氏のお母さんが学歴もない中、家庭を切り盛りし商売を成功させ、アホボンな旦那に一撃かますとこ。ほんとカッコよかったね!

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    2025年06月09日
  • 別れを告げない

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    ログライン
    国家の暴力に晒された母の人生と、それを見つめ続けた娘。そして、その娘の声を受け取った作家が、自身の沈黙を破って語り始める。忘却に抗う、母娘と語り手の三重の時間を描いた記憶の文学。

    構成
    ◼︎起
    2014年夏、作家キヨンハは知人のドキュメンタリー映画監督・インソンからの連絡を受け、彼女の母親の死を通して「43事件」にまつわる記憶と向き合うことになる。

    ◼︎承
    4年間にわたり、療養中のインソンが送ってきた詳細な手紙・メール・記録を通して、暴力と喪失に晒された母娘の人生が浮かび上がってくる。

    ◼︎転
    インソンの死をきっかけに、語り手キヨンハは初めて自身の言葉で「語らなかった4年間」

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    2025年06月05日
  • 影犬は時間の約束を破らない

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    冬眠小説は素晴らしい。私が他にぱっと思いつくのは「ラピスラズリ」と「ムーミン谷の冬」ぐらいだけど。
    平易な一人称の文体がするっと身に馴染むようでいて、しかし私の頭からでは絶対に出てこないだろう言葉が出てくるたび、そのずれが世界に立体感や余白を生み出していく。例えば「言葉は怖くて、言葉は楽しい。脳は素晴らしく、私は脳がほんとに好きだ。」とか、他にも色々。解説で「誤差を含めて泡立てたようなふっくらした質感」と表現されているのがしっくりくる。ただ文章を読んでいるだけで心地よく、じんわりと回復していくような作品。

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    2025年06月04日
  • 回復する人間

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    登場人物たちはみな生きることに大層疲れている。生きていくことはなんて困難なことだろうと思った。それでも人間は回復する力がある。静かだが確かな力が。きっと自分にもあるんだと信じたい。自信はないけど。
    最後まで燃える心臓、フンザ、「黄色い模様のヨンウォン」など、主人公たちに力を与えるものがみな印象的で美しくとても素敵だった。ハン・ガンの文章はいつも映像が頭に浮かぶ。静寂で美しい時間だった。

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    2025年05月30日
  • 誰でもない

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    8つの短篇集。
    韓国文学の、社会問題を描くのに深刻に重くなりすぎないタッチが好きなのですが、この作品は重苦しくなりそうなギリギリの読後感。
    淡々と語る後の不穏な余韻。
    老い、家族、雇用、労働者‥向き合って、描き出しているのがぐっと響きます。

    特によかったのが、
    『笑う男』。
    心にずしんと響きます。
    誰にでもある一瞬の選択、
    とっさの行動が導く結果。
    それが予期せぬ不幸を招いた時、ずっとその後悔を抱えて生きていくことになる怖さ。
    その選択を一瞬で正しいものを選んだり、とっさに正しい行動ができるようにするためには、日々正しい行動や思考をを積み重ねて、心に余裕がないとできないような気がします。

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    2025年05月30日
  • 影犬は時間の約束を破らない

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    冬眠する人とそれを見守るガイドの話
    冬眠する人を見守りながら自分の人生や生活と向き合いつつ、淡々と毎日を過ごすガイドたちの時間がとてもひっそりと静かで心地良い。不思議とこれを読むと良く眠れる気がする。眠ることと散歩することを意識的にして物事を深く考えたり考えなかったりする時間を取りたくなったし、たまに読み返したくなるだろうなという本。寒い国出身の人が生み出す文章は淡々と静かでどこか切なくて好きだなと思う

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    2025年05月26日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    話題の本なのでチェック。読みやすいのであっという間に読み終えられると思う。

    韓国の物語ではあるが、日本とそう変わらないと思う。そして、ここでキム・ジヨンの遭遇する苦難はこのように“わざわざ文章化して発表されなければ「あたりまえ」とか「仕方ない」で片付けられるような透明なハードルであろう。

    俺は男だが、彼女らのことを追体験するように没入できた。

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    2025年05月06日
  • タワー

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    超超大型のマンション?というシチュエーションのアイデアがまずすごい。ありそうでなかった。
    そのシチュエーションを生かした短編ストーリーも、それぞれ角度が違って面白い。
    ディテールが細かく作られているのがよくわかる。
    読む人の想像力を掻き立てられて面白かった。

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    2025年05月05日
  • シリーズ「あいだで考える」 隣の国の人々と出会う 韓国語と日本語のあいだ

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    韓国文学へのガイドは、多くの場合、日本と朝鮮という2つの国の関係から語られることが多いが(もちろんそれは必要不可欠なことだ)、この小さくて美しい本で、斉藤真理子さんは、朝鮮の人たちが使う言葉を差し出しながら、その奥深さへと導いていく。話し言葉の「マル」、書き言葉である「クル」、そしてその奥から聞こえてくる「ソリ」、声。
    植民地支配や軍事政権によって本心を語るための言葉を奪われ、大量死さえ重ねられてきた集合的歴史をもち、個々の身体においても容易に言葉にしがたい痛みを負ってきた隣の国の人たちが、だからこそ自らの手に取り戻そうと格闘してきた「マル」「クル」「ソリ」。それを表現しようとするのが韓国文学

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    2025年05月04日
  • 回復する人間

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    短編集。
    明るくなる前に
    回復する人間
    エウロパ
    フンザ
    青い石
    左手
    人とかげ

    危うさと脆さ、ギリギリのラインに立つ人、どの作品にも痛みがあり苦しい。でも、なんだろうか。生への思いが強く静かに届いてくる。

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    2025年05月02日