斎藤真理子のレビュー一覧

  • ギリシャ語の時間

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    理解しようとすると難しい。
    長い長い詩と思って読んだ。
    最後に彼らが交わし合うなにかがとても美しかった。

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    2026年06月29日
  • サハマンション

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    章によって主人公も時代も違うから、あれ?どうだっけ?コレはいつの話だっけ?って少し混乱してしまう。
    だけどページをめくる手は止められない。

    サハマンションに集まる人は貧困を抱えて差別の対象にもなっているけど、それぞれに人として感情があって生活もある。サハマンションで産まれた子供たちは幸せに大きくなっているだろうか?ウミはどうなるんだろう?トギョンはどこに行った?章ごとに描かれている人たちの延長が知りたいと思った。

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    2026年06月25日
  • 回復する人間

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    絶望の淵で、わずかな光が見えるような見えないような。

    今作で完全に彼女の虜になった。
    翻訳もやはり素晴らしい。

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    2026年06月21日
  • 別れを告げない

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    ハンガン自身がこの作品を「究極の愛の小説」とし、「光がなければ光を作り出してでも進んでいくのが、書くという行為」と語っていて、歴史の闇から目を逸らさず、そこに生きた死者の姿を描き、光を照らし出そうとする彼女の覚悟に胸を打たれる。
    痛みを引き受け、光を作り出す、それは確かに彼女の作品に共通するものであり、ノーベル文学賞受賞にふさわしい。

    彼女と同じ時代に生きて、彼女の作品に触れられること、本当に嬉しく思う。

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    2026年06月21日
  • フィフティ・ピープル[新版]

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    短編のようで短編ではない。分厚いけど、毎日少しずつ読み進めていった。後半2回くらい泣いた。ハ・ゲボムとチョン・ダウンの話。

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    2026年06月12日
  • ギリシャ語の時間

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    ノーベル文学賞受賞のハン・ガン氏による長編小説。言葉を失った女性と視力を失いつつある男性との魂の物語。ハン・ガン氏の根底のテーマであるトラウマと蘇生。そこに社会性を反映させ、詩的な物語を紡ぐ。とにかく言葉の表現が凄い。普段組み合わせない動詞と名詞を配置し、横たわる情景や感情を的確に表現する。物語のあらすじや意味するところは難解だが、不思議と心に迫ってくる作品。

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    2026年06月04日
  • ギリシャ語の時間

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    読んでいる最中は少しとっつきづらく、難しいと感じる場面もあった。しかし、読み進めるうちに、いつの間にか静謐な世界に引き込まれていく不思議な作品だった。

    ハン・ガンさんの文章は非常に練り上げられており、一つひとつの表現に深い思索が感じられる。その繊細な言葉の積み重ねが、この作品ならではの魅力だと思った。

    派手な展開を楽しむというよりも、言葉や登場人物の心の動きを静かに味わう作品だと感じた。

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    2026年06月06日
  • ギリシャ語の時間

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    本作のテーマは「言葉」。わたしたちは何気なく言葉を発したり文字を打ったりするが、言葉というものの重みがずっしりと感じられた。

    物語は視力を失いつつある古典ギリシャ語の先生と、言葉を失ってしまった受講生の女性が軸になる。人生で傷ついた人たちが、冷たい雨が降りしきる中、そっと肩を寄せ合うような様子が浮かぶ。ハッピーエンドではない。ただバッドエンドでもない。わからないもの、わかりあえないもの、わかりたくないものが曖昧かつ混沌に混じり合うこの世界を包み、読者に提示している。

    前編を通して静かな詩のような文章で構成されており、訳者の斎藤真理子さんの力も相まって、プロットをを一字一句しっかりと味わいた

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    2026年06月01日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    韓国って日本に似てる。だけど、30年くらい後だと思う。男尊女卑とかは昔からの流れだろうけど、その意識から脱却するのに日本より遅れていると思う。
    今から10年前の時代を描いている章があったけど、その頃日本は子供を産まないのか、いつできるのか等の質問は既にご法度だったし。個人でも組織でも国でも、やはり余裕が無いと変わっていくこと、変化には対応しずらいのかなと思った。旧態のままでいることにしがみつくというか。
    後は、韓国のそれぞれの家庭があまりに男系を重視する日常過ぎて、気づかないうちに文化にまでなってしまっていたのにも驚きだと思う。

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    2026年05月22日
  • 別れを告げない

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    太平洋戦争後に韓国のチェジュ島で発生した虐殺事件をテーマに、サバイバーとなった女性の娘インソンとその友人キョンハ(本書の主人公)が島の過酷な歴史と被害に遭った家族の痛みを辿る物語。
    これまで読んだものの中で、こんなにも寒くて痛くて、深い悲しみを感じた小説は他にない。本当に。

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    2026年05月10日
  • 増補新版 韓国文学の中心にあるもの

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    初めて韓国に行ったので、旅行のお供に連れて行った。とても良いお供だった。
    改めて朝鮮半島の近現代の壮絶な歴史に触れ、それを下地にして成り立っている韓国文学の底力みたいなものを感じた。

    考えてみると韓国の民主化は80年代でつい最近のこと。それまで植民地時代、朝鮮戦争、軍事独裁政権…と苦難が続いた。日本に主権を奪われた植民地時代だけでなく、同じ民族同士で殺し合った朝鮮戦争、国が市民に銃を向けた独裁時代があった。
    私はいつも中国の近現代をみるとその凄まじさに圧倒されそれを乗り切ってきた人民たちに敬意を持ってひれ伏したくなるのだけれど、そしてそんな中国の陰に隠れてきたかもしれないけど、朝鮮半島もかな

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    2026年05月06日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    ネタバレ

    女子校出身、女性ばかりの職場で働いているからなのか女性だから損してると感じた経験は少ないけど自分が気づいていないだけで損をたくさんしているのかもしれない
    キムジヨンには幸せになってほしい

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    2026年05月01日
  • 光と糸

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    ノーベル賞の文学賞を得た韓国の韓江(한강)さんのエッセイ。光と糸はノーベル賞の受賞記念講演だそうだ。「菜食主義者」、「風が吹いている、行け」、「ギリシャ語の時間」、「少年が来る」、「別れを告げない」。のそれぞれを書きだした時の動機のような背景が書かれている。この本を読むことで韓江さんの思いを少しだけ感じられるのではないだろうか。

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    2026年04月21日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    82年生まれ、キム・ジヨン

    著者:チョ・ナムジュ

    子育て中に異常行動が表れた1人の女性患者のカウンセリング記録という形で進行していく小説。

    過去から現在に至るまでの韓国社会における女性差別の実態を告発するかのような内容で、フェミニズム本のような読み味だった。

    出生、進学、就職、所得、結婚、育児
    様々な点においての男女格差を極めて普遍的に描いており、その普遍さが薄い膜のように作品を纏い、とても不気味で恐ろしいものに感じた。

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    「でもさ、ジヨン、失うもののことばかり考えないで、得るものについて考えてごらんよ。親になる事がどんなに意味のある、感動的なことかをさ。それ

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    2026年04月11日
  • ギリシャ語の時間

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    文字が美しかった。言葉が洗練されていた。だからこそ、ちょっと難しかったし、それが美しさを際立たせてると思ったし、面白かった。
    人と言葉をまぜまぜしてる2人が可愛かった。じぶんでも何言ってんのかわからん。

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    2026年04月10日
  • 「なむ」の来歴

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    韓国文学に興味があり、斎藤さんの訳本をいくつか読んでいたが、本書を読み、言葉やその背景にある歴史とその傷などを丁寧に扱う方だと再認識した。文中の引用や紹介している本たちも気になる。いつでもより深い興味を開かせてくれる方。

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    2026年04月04日
  • 曇る眼鏡を拭きながら

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    斎藤真理子さん曰く「編集は世界を作ること、翻訳は世界を歩くこと」。他人の世界を丁寧に歩いてこられたお二人だからこそ、言葉の扱い方/拾い上げ方、お互いの書簡の読み取り方が、とんでもなく細やかで心地よい。

    「塩食いの会」「ヴィーヴァ!藤本和子ルネサンス、ヴィーヴァ!」などのパワーワードが頻出する、藤本和子とリチャード・ブローティガン(わたしは文字のタトゥーを入れるとしたら、『アメリカの鱒釣り』の一節にしようと思っているので)の話を筆頭に、各々が担当された作家やお二人の育児話など、読み応えがありすぎる。

    あと、わかってはいたけれど、読みたくなる本の話題がドカドカ出てきて、リストがパンクしそう。

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    2026年04月03日
  • 「なむ」の来歴

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    特に好きなのは、三章「言葉と言葉の間で」。
    同じような年頃なので、「わかる、わかる」と思うところも多かった。
    静かで、鋭い。
    この本に出てくる詩を声に出して読んでみた。いい。
    若い時はわからなかった詩の良さが、わかるようになった・・気がする。

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    2026年04月02日
  • ギリシャ語の時間

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    海外文学、翻訳作品に縁遠く、シドニィ・シェルダンの超訳ものまで遡らないと読んだ記憶がないです。
    翻訳作品は日本語が硬く感じてしまいリズムで読めないので苦手意識があります。
    ところが、この作品はその日本語の硬さが登場人物の孤独を際立ててとても冷たく感じマッチしているように感じました。
    最後二人の体温を感じる場面へのグラデーションの美しさと速度に映画を観ているような気持ちになりました。
    韓国ドラマはたまに観ますが文学は初めて触れたかもしれません。
    なんと美しい文章なんでしょう。
    少し難解なところもありますが「これぞ文学」という作品のひとつかもしれません。
    海外文学といえば欧米が舞台の作品を多く目に

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    2026年03月29日
  • 回復する人間

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    肉体や心が傷ついた人たちが、そこから回復する過程が描かれている短編集。

    西佳奈子さんの「くもをさがす」に出てきた作品だったので手に取ってみた。

    家族関係、夫婦関係などで傷ついた人、社会から受け入れてもらえないマイノリティの辛さなど様々な傷を抱えた人達がどう生きて行くのかが描かれている。
    特に印象的だったのが、夫婦の関係と子どもへの関わり方への描写だ。夫の子育てへの非協力、夫婦としてのコミュニケーションの欠乏がリアル感を持って描かれていた。
    心や体に傷を抱えている人が読むと、気持ちが救われる作品。

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    2026年03月26日