斎藤真理子のレビュー一覧

  • シリーズ「あいだで考える」 隣の国の人々と出会う 韓国語と日本語のあいだ

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    Kコンテンツにハマって、ここ数年の韓国「だけ」を知るのではなく、その前史のようなものも知ってほしいと切に思う。韓国で表現の仕事にある人たちに受け継がれているもの、文化の芯について知るきっかけになる1冊

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    2025年04月12日
  • 増補新版 韓国文学の中心にあるもの

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    韓国文学のイメージが変わった。
    というか韓国文学についても、韓国(大韓民国、北朝鮮)についても、何も知らなかったことを知った。
    文学が韓国の人々の歴史に深く根付いている。紹介されている本を読んでみたい。

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    2025年04月05日
  • ギリシャ語の時間

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    ネタバレ

    「この本は、生きていくということに対する、私の最も明るい答え」。ハン・ガンはそう語る。なぜそう言えるのか?
    端的に言えば、人間は完全に理解し合えなくても互いに存在を認め合うことで、間に<剣>が置かれて触れられない世界でも、なんとか生きていけるから…だろうか?
    だからハン・ガンは「『ギリシャ語の時間』はまだ終わっていない。この本の結末は、開かれている」、開かれている…と語っているのではないだろうか?

    この物語は、視覚を失っていく男と自ら口を閉ざす女、の両面から「断片的」に語られる(この断片的、はハン・ガン作品の特徴、特に『すべての、白いものたちの』では)。
    断片的な表現により、読者を積極的に言

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    2025年03月31日
  • 回復する人間

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    ここ3ヶ月ほどの間に『すべての白いものたち』『菜食主義者』『そっと静かに』の3冊を読みハン・ガンさんに強く惹かれる自分と向き合う充足した時間を過ごしてきました。
    『回復する人間』は詩的で静謐な文章が美しい『すべての白いものたちの』と同じ斎藤真理子さんが翻訳された短編集です。
    初出年月日の1番古い「火とかげ」が7つの短編のうち最後に掲載されていて2003年初出。韓国でのタイトルにも使われたこの作品が、韓国の文芸評論家シン・ヒョンチョルに「この本の関心事は(中略)〈傷と回復〉だ」と言わしめた7つの物語のいずれの基底ともなっているテーマが2003年の時点で作者にとって重要でその後ほぼ10年に亘り深く

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    2025年03月29日
  • 誰でもない

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    “適切な鎮痛剤を充分な量。それは常に、充分なお金があるときにだけ可能な話です。単なるお金じゃなくて、充分なお金。それが前提で、前提が整ってなかったらただ立って見てるしかないんです、間抜けみたいに。いつもそのことを考えておかなくちゃいけないの。それを想像して、余力を確保しておかなくてはなりません。人間らしさの条件は、余力の有無じゃないですか。”(p.218)

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    2025年03月22日
  • シリーズ「あいだで考える」 隣の国の人々と出会う 韓国語と日本語のあいだ

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    SNSで紹介されていたのを見て、とても興味が湧きました。ハングルを勉強しながら読むと、難しく思えたものも楽しく感じられる本です。
    最後のサイ(間)で生きる話は、今の自分にぴったりで、間で生きる意味を考えてしまいました。

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    2025年03月21日
  • シリーズ「あいだで考える」 隣の国の人々と出会う 韓国語と日本語のあいだ

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    非常に良本だった。
    たくさん自分のノートにメモをとりながら読んだ。
    なぜ私は日本人なのに自国が行った悪い歴史のすべてを知らないんだろう。

    31歳で延世大学語学堂に留学され1年半ソウルに住んだ。韓国留学から戻ってきた、1992年以降学んだことが役に立つ機会はあまり多くなかった。文芸翻訳をやるようになったのはふとしたきっかけからで、50代半ばになってからだった。

    2つの言語がほんとに重なったと感じることもある。韓国語でなければ日本語でもない、もしかしたら言葉さえない、言葉になる前の何かを重層的に体験しているような。
    言葉は文脈によって花開きもするし、人を殺しもする。日本列島と朝鮮半島の長い歴史

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    2025年03月03日
  • 増補新版 韓国文学の中心にあるもの

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     ノーベル文学賞が韓国のハンガンに贈られ韓国文学に触れてみようと思いまずはこの本を手にとった。まず感じたのは、韓国は隣国であり、儒教社会の根強い男社会である。1945年まで日本の圧政に苦しみ国を持てなかった人たちである。そこから南北の対立、朝鮮戦争をへて朴正熙の独裁体制がしかれ軍事政権が続き、1987年に民主化され、経済成長し今にいたっている。今格差に苦しみ、新自由主義による経済どなってしまい、少子高齢化社会で苦しんでいるのは日本とおなじである。
     この本を読むと韓国は日本の鏡であるように思える。大きく違うのは韓国は今も北と戦争状態であり、現在は休戦にあるということ、徴兵制であり、男子若者は二

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    2025年03月03日
  • 増補新版 韓国文学の中心にあるもの

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    韓国文学は何冊か読んだあとなんとなく止まっていたが、これを読んで俄然また読みたい気持ちが湧いてきた。こんなにも素晴らしい韓国文学案内書があって本当に幸せだ。知らなかった歴史の数々が作品とともに紹介され、とにかくおもしろくて一気読みだった。とりわけ『こびとが打ち上げた小さなボール』(チョ・セヒ)と『苦海浄土』(石牟礼道子)の対比が興味深く心に残った。巻末の作品リストもありがたい。幼いころに聴いた「イムジン河」が頭のなかを巡っている。

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    2025年02月18日
  • 増補新版 韓国文学の中心にあるもの

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    隣の国でこんなことが起きていたのかと驚き、今までの自分の無関心さに愕然とした。どうして自分は今まで知らずにいられたのかと。

    韓国(朝鮮半島)の近代史を知らない人は読んだ方が良いと思う。歴史的出来事に対して国はどう動いたのか、市民がどう受け止めたのか、作家たちがどう声をあげたのか、作品に表したのか、後の世代はどんな影響を受けたのかが分かりやすくまとめられている。年表や参考文献も充実している。
    様々な作品の翻訳を手掛ける斉藤真理子さんが肌で感じた当時の空気感や経験談も組み込まれていてリアルな緊張感も感じた。

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    2025年02月12日
  • 回復する人間

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    読んだときに自分が、どんな状況か、どんな気持ちでいるのか、にもよるかもしれないけど、素晴らしかった。ハン・ガンは初めて読む。衝撃的。すぐに再読。今度はなるべく音読している。

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    2025年02月07日
  • フィフティ・ピープル[新版]

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    全員が主人公で、主人公が五十人ぐらいいる小説。今までにないタイプの小説で、読み始めた時は少し戸惑った。短編小説集ではなく、五十人ぐらいの主人公の一人一人の物語。どんな人にも一人一人にドラマがあって、いろんな人と絡み合って生活しているんだなとあらためて感じることができた。いつかドラマか映画で映像化して欲しい。

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    2025年02月03日
  • ギリシャ語の時間

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    初めて読んだ韓国文学です。
    言葉で声に出されない感情への美しく、深く、鋭い洞察。雪のような冷たさと微かな明るさが読後にしんしんと降り積もるようでした。

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    2025年02月01日
  • ギリシャ語の時間

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    ネタバレ

    静かに、繊細に紡がれていく言葉が印象的だった。
    主人公が捉えている景色や感覚、思考が、詩のようだった。

    この小説は、章ごとに視点が入れ替わる。
    女主人公のときは三人称、男主人公のときは一人称で書かれている。
    手紙文で構成されている章があったり、詩が挟まったりもしている。
    小説ってこんなに自由でいいんだ、と思い、視界が開けたような感覚になった。

    話せなくなった女性は、これから先、話せるようになるかは分からない。
    ギリシャ語講師の男性は、今後も少しずつ視力を失っていくだろう。
    問題は解決されないまま残っている。
    しかし、二人の人生は光に満ちていくのではないかと思える。
    彼らが身体を触れ合わせて

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    2025年01月27日
  • 回復する人間

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    短編集。初出は2003~2012年だが、作品の印象はほぼ変わらない。紹介文の「強靭さと繊細さを併せ持つ清冽な文体で描かれた7つの物語」というのがぴったりくる。内面に深く沈み込んで思考が流れていくような作品。男女の日常を描写しながらちっとも俗っぽさを感じさせない洒落た作品。いずれも人間に向き合って見据えている。

    軽い内容の作品はひとつもないわけだけれど、なぜか読みやすいと思った。退屈さもなく、次はどうなっていくのだろうと読み進むことができた。短編だからだろうか。難解でもなく、読み応えのある読書の愉しみがあった。

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    2025年01月08日
  • シリーズ「あいだで考える」 隣の国の人々と出会う 韓国語と日本語のあいだ

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    韓国ミュージカルが好きで、韓国について学び始めました。
    「ファンレター」というミュージカルをみて日本の植民地時代のことを少し学びましたが、この本では言葉という切り口で韓国の歴史や国民性などを学べて「隣の国なのに」全く知らないことが多くて驚きました。
    紹介されていた映画や他の本も気になります。

    言葉だけを学ぶよりハングルができた歴史にも目を向けてみるとより厚みを感じ興味がわきます。

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    2025年01月05日
  • シリーズ「あいだで考える」 隣の国の人々と出会う 韓国語と日本語のあいだ

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    私は語学が好きで韓国語ものすごく面白いと思っているので、韓国語がどう面白いか、日本人に生まれた自分が韓国語/韓国とどう向き合うか〜みたいな内容が読めてとっても期待通りだった!

    ハングルの歴史、文学史などを追いながら韓国の文字や言葉、文学について解説する本。言葉や文学の歴史は弾圧との戦いの歴史でもあるので、必然的に日本の植民地時代のことにも触れるし、それに続く朝鮮戦争、そして地続きの現在についても書かれている。

    知らないままカルチャーを消費したくないな、隣の国のことをちゃんと知ってみたい、韓国語に限らず言葉そのものに興味がある方は期待してよいのではと思います。
    そういう気持ちがなくても、韓国

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    2025年01月04日
  • 韓国文学の中心にあるもの

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    本当に読んで良かった。
    韓国についてずっと勉強してきたがこんなにわかりやすい本はなかったと思う。
    文学についてだけではなく、それを理解するために必要な背景知識が以前より増えた。
    韓国語を勉強すれば韓国文学を読めるようになるかなと安易に考えていたところもあったが、単に言語の壁を越えたとしても、日本と韓国の間にこれほどまでに大きな、考えないといけない、考えられるべきことがあることも忘れてはいけないなと思った。
    どうして自分が韓国文学にこれほどまでに吸い込まれるのかを明らかにしてくれた本だった。いつか自分も行動できるときがきたら良いなと思う。
    우리 안에 진정한 평화가 깃들기를.

    -以下メモ-

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    2025年01月02日
  • 回復する人間

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    訳者解説によると、傷と回復をテーマにした短編集。ハン・ガンの邦訳のなかでも、著者の考えていることが理解しやすいほうだと思う。希望の見える明るいものもあり、希望の見えない暗いものもある。しかし、これだけは言えるのは、ハン・ガンのかんがえる回復は、元どおりの健康な状態に戻ることではなく、元には戻れないけれど、以前とは異なる感受性を受け入れながら、自殺せずになんとか生きていくことだ。うわべだけの幸福を生きるよりも痛い真実を受け入れることのほうが貴いのだ。いちばん長い最後の「火とがけ」がすばらしかった。

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    2024年12月13日
  • ギリシャ語の時間

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    ハン・ガン6冊目。これはわかりやすかった。回復の物語として。人が人に心をよせることその温かさについて。
    朝刊で、ノーベル賞もらってる記事を見た日に。

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    2024年12月12日