斎藤真理子のレビュー一覧

  • 誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ

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    「チェ・ミジンはどこへ」:フリマ・サイトに自分が書いた本が出ていた。それも著者サイン本。他の本を五冊購入したら無料進呈と。どうしても誰がフリマに登録したのかを知りたい著者のイ・ギホは、出品者に直接取引を持ち掛けるが…。「ナ・ジョンマン氏のちょっぴり下に曲がったブーム」、「クォン・スンチャンと善良な人々」、「私を嫌悪することになるパク・チャンスへ」、「ずっと前に、キム・スッキは」、「誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ」、「ハン・ジョンヒと僕」。イ・ギホの短編集。どれも羞恥がテーマに。

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    2020年10月12日
  • ディディの傘

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    「d」と「何も言う必要がない」という2つの中編小説からなる。それぞれ独立はしているが、根底ではつながりあっている。
    これについては「あとがき」等で触れられている。

    「d」は「ディディの傘」という短編小説がもとで、その後幾度かの加筆、改変を経て本書に収録。
    「何も言う必要がない」は「d」執筆後に、筆者が社会情勢を前にある種の使命感をもって書いたものだという。

    韓国現代社会で次々に噴出する社会的不合理を前で、戦い、無力感に苛まれ、生活し、悩む人間の心境小説的な作品だ。
    読み通すのにけっこう体力が必要な小説だった。
    通常の小説の半分くらいのペースで読んだと思う。

    言葉一つ一つの意味、エピソード

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    2020年09月29日
  • 誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ

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    "ときどき僕は考える。侮辱されているかもと思ったたけで屈辱を感じ、侮辱し返すという、そういう人生について。"(p.32)


    "それぞれの罪があり、それぞれの罰があるのだ。ひっくるめて眺めていれば、何もかも平べったく見えてくるばかりだ。罪はそのとき、くり返される。"(p.149)

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    2020年04月03日
  • 誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ

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    短編小説7編+あとがき
    心の奥底を覗いて目の前に表す,その心の動きが巧みに物語の中で展開する.お見事です.「恥」と言う概念,読みながら自分の中にも確かにるあると共感した.特に「チェ・ミジンはどこへ」と「あとがき」が良かったです.

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    2020年03月14日
  • ギリシャ語の時間

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    視力とともに世界の温もりを失いつつある男と、温もりある世界とともに言葉を失った女。似て非なる孤独を抱え向き合うとき、死した古代ギリシャ語に似た儚い温もりがほのかに漂う。立ち尽くす身を包む美しく孤独な薄明は、宵の口か夜明け前か。静かに響く作品。

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    2026年01月24日
  • すべての、白いものたちの

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    ネタバレ

    読んでいると自然と情景が目の前に広がり不思議と白いものたちが頭の中に浮かんでくる。
    白いものたちの神聖さや寂しさが込み上げてくる文章の中で自分自身の壊れたものを積み上げ、死や生と向き合う時間になった。

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    2026年01月23日
  • すべての、白いものたちの

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    ネタバレ

    短編集。いえ、もっと短い散文集?
    「白いものたち」に対する作者のイメージが簡潔で詩的な文章で綴られています。
    静かだけど思いは深い、そんな印象を受けました。
    特に何度も繰り返される物語に、作者の思いの深さが表れている気がしました。

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    2026年01月22日
  • すべての、白いものたちの

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    訳者のあとがきや書評にもある通り、これは詩だと感じた。ひとつのストーリーの中で切り取った「힌」にまつわるシーンを、それぞれの詩で紡いでいるような感じ。
    恐らく著者の狙い通り、2章で混乱して集中力がとぎれた。一度読んだだけでは魅力が伝わりきらなかったのかもしれない。時間をおいて再読してみたい。

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    2026年01月17日
  • 影犬は時間の約束を破らない

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    医療行為として冬眠がとれるようになり、冬眠者を見守る「ガイド」という職が生まれた社会が舞台。といってもSF小説ではなくて、ちょっとした会話とか動物のしぐさとか風景のことがふわりふわりとか書かれている、装丁のほんの少し黄味がかった淡いシアンのような地色の短編小説。カルグクス(包丁麺)とかタコ炒めといわしの包みご飯(ミョルチサンバプ)とか豆腐トゥルチギとか、おいしそうな韓食がしばしば登場するのがたまらない。

    P58 こういう冗談は冗談でしかないのに、なぜ、口の外へ出してみるといい気分になるのだろう?完全に冗談だとわかっていても、ほんのちょっと、三秒くらい、誰かが私にこのマンションをあげると言って

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    2026年01月12日
  • 別れを告げない

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    光州事件に済州島四・三事件。天寿を全うできない歴代大統領。振れ幅極端。ただ、世界を眺めて見れば今もジェノサイドが。「究極の愛についての小説」というが、理解できなかった。夢の世界…でも、スッキリした結末期待したが。国際的な賞のレベルについていけない、残念な自分。

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    2025年12月30日
  • 別れを告げない

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    ○ ろうそくの光とそれが作りだす影とが舞台を色付け立体化し、随所に緊張感を与え続けている。
    ○ どこまでも清らかな表現(センテンス)
    『牛に毛が何万本あるわからないけれど、それと同じくらい・・・たくさんたくさん昔話をすることもできるだろう』
    『刺繍枠にぴんと張られた布のように緊張した沈黙』

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    2025年12月22日
  • ギリシャ語の時間

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    視力を失いつつある男性と言葉を失っている女性が、ギリシャ語の講師と受講生という立場で出会う。
    人との関わり方で大きな喪失体験を持っている二人の表現するものが、映像として見れるようなそんな細かな描写に気持ちが追いつかない。
    言葉に気持ちがあり、それは美しくもあり哀しい。
    それ以上に難しく感じた。





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    2025年12月18日
  • 翼~李箱作品集~

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    「翼」だけ読んだ。
    怠惰なヒモ男の話。はじめの「剥製にされた天才」云々の部分は意味がよく分からず読み解けなかった。それ以降はするする読めたが、特別印象に残った部分はなく。結構あっさり終わった。
    ヒモ男は子どものようで、読んでいて意外とイライラしないが、かといってチャーミングだと感じるほどでもない。
    ヒモ男の魅力(?)ならば、坂口安吾「いずこへ」や「私は海をだきしめていたい」の主人公の方が断然優っていると個人的には思う。魅力といってよいのかはよく分からないが…とにかくかなり印象的ではあった。

    解説曰く、彼らや彼らの部屋は「資本主義化された京城(ソウル)のメタファー」とのこと。そして、冒頭の私に

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    2025年12月10日
  • すべての、白いものたちの

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    もっと気持ちに余裕がある時に読むべき
    まさか通勤電車の中で読んではダメだ…
    気持ちの美しくて清らかななにかを書いていると思う
    まさに白い気持ちの時に読みたい

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    2025年12月09日
  • すべての、白いものたちの

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    ノーベル文学賞の作家の作品はどのような作品か読んでみたく一読。不思議な読み心地。心の傷と、その傷を感じ取るやわらかであたたかな繊細さを感じる。韓国とワルシャワのミックス。

    心に残る読後感。その優しさを自分に向けてみたい気持ちと、そんなに繊細だったらもはや生きてはいけないよ、という気持ちとかが葛藤する。世界が、繊細になっているのではないか?

    短文であるが故に、別のものも読んではみたい。

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    2025年12月09日
  • すべての、白いものたちの

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    読みながら心が整うようなそんな作品だと感じた。
    仕事帰り、音楽をとめて、散らかった心を整理して、自分の生活にそっと戻してもらうような丁寧な言葉達だった。

    作者や訳者のあとがきを読んで、もう一度読み直すと、違った解釈・感想を持てるように感じた。

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    2025年12月05日
  • すべての、白いものたちの

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    ハン・ガンさんによって綴られ私の前に広がった光景は、とても美しく幻想的なものでした。この中の白いものたちに思いを馳せ、物語に没頭するにはあまりにも自分の部屋が現実みを帯すぎていて、できれば次にこれを読むときは、物音ひとつしないような静かな部屋がいいと思いました。

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    2025年12月04日
  • すべての、白いものたちの

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    サラーッと読むのではなく、ひとつひとつ丁寧に咀嚼して、解釈して、読み進めるべき作品だと思う。

    だからこそ、正直途中で読む手が止まってしまったページもあった。

    あとがきや解説を読んで理解が深まったので、改めてまた読み直したいと思った。

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    2025年11月29日
  • ギリシャ語の時間

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    韓国小説のおすすめで読んだ本である。韓国の状態を知るおいうことではなかった。ギリシャ語がそのまま出てきたのだが、まだ勉強をしたことがない言語なので、訳は日本語で書いてあるが理解がイマイチであった。

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    2025年11月20日
  • 回復する人間

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    透明感があって美しい文章。どことなくずっと寂しさのようなものがつきまとっていて、確かにずっと読み続けるのが少ししんどいような。

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    2025年11月20日