斎藤真理子のレビュー一覧
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短編?中編?集です。
わたしは作者が事故の当事者にインタビューする形式で書かれたひと作品が特に好きでした(題名は忘れたが)。
韓国文化をわかってる人が読むとさらに面白いんじゃないのかなと思いました。別に知らなくても読めるんだけど、例えば教会のお兄さん교회오빠 とかは韓国歌謡にも出てくる割とよく使われているきまり文句で、一口じゃ説明できないニュアンスを含んだ言葉ですから、実体験として知ってる人の方が人物の想像はしやすいかなと思いました。(わたしも大して知らないですけど、知ってたらもっと面白く読めたという想像)
でも、知らなくてもめっちゃ面白く読めると思います。大体は「普通の人の話」なんですが、社 -
Posted by ブクログ
はじめ、わ、横書き! とおどろいて、それから後書きにお母さんが寄稿していることでまたびっくり。
よみすすめていくと、けっこう母親との相克を題材にした作品がちょこちょこあるので(キョンヒ台風とか)それはきっとテーマのひとつなんだろうなと思い、そうなるとあとがきがまた、いっそう重く感じられたり(^_^;;
じつは、毎日、お風呂に入りながら一編ずつ読んでいたのだが、どこからでも読めるし、それぞれの作品の感触がちがって、全体としてとてもよかった。
表題作の「アヒル命名会議」は、大丈夫なの?と思うくらい神がひどい(笑) 神がこしらえたアヒル様生物を命名することになって、サタンがduckはいかがでしょう -
Posted by ブクログ
2021 #3
私の知らない韓国を知った
とても丁寧に翻訳されているのが伝わってきて
日本語で読ませてもらってありがたかった
日本の読者へのメッセージと訳者解説まで
おいおい泣きながら読んだ
---メモ---
P192 彼はキム・ソリに大人であれと要求したが、彼自身もキム・ソリに対しては大人なのに、彼はキム・ソリに対して何も、キム・ソリが大人になることについて何も、何らの責任も負わず、非難するだけして行っちゃったんだ。彼の大人らしさはキム・ソリを観察し、判断を下し、ことが終わった後に寄っていって非難するときだけ有効に働いたが、大人らしさがそんなものならあまりに御都合主義で下品じゃない -
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"まっ昼間から、恨めしくて、恥ずかしくて、涙が出たよ。そのとき私、たいがい驚いて、気がついたのさ、私が泣いてる、恥ずかしいのがわかるんだ、ああ生きてるなあと。そしたらこんどはそれが嬉しくて、涙が出て出てきりがなくて。生きなくちゃ、せっかくここまで生きたんだから最後まで生きてみようって確かに覚悟を決めたんだ……そうやってしっかりはっきり心が決まったのはあの恥ずかしさのおかげで、あれが私を生かしたの。"(p.22)
"私は自分の答え方や考え方が子どもに及ぼす影響が怖い。"(p. 183)
"大人になることは、恥ずかしさの後に来るんだよとキム -
Posted by ブクログ
「d」と「何も言う必要がない」という2つの中編小説からなる。それぞれ独立はしているが、根底ではつながりあっている。
これについては「あとがき」等で触れられている。
「d」は「ディディの傘」という短編小説がもとで、その後幾度かの加筆、改変を経て本書に収録。
「何も言う必要がない」は「d」執筆後に、筆者が社会情勢を前にある種の使命感をもって書いたものだという。
韓国現代社会で次々に噴出する社会的不合理を前で、戦い、無力感に苛まれ、生活し、悩む人間の心境小説的な作品だ。
読み通すのにけっこう体力が必要な小説だった。
通常の小説の半分くらいのペースで読んだと思う。
言葉一つ一つの意味、エピソード -
Posted by ブクログ
ネタバレまず著者名が良い。これだけで半分勝利したようなもの。アンマン、ガンマン、「ハン・ガン」。完璧な4文字。漢字も「韓江」で象徴的だ。更にノーベル文学賞受賞――もはや読まずとも名作。次にあえて読点で区切った意味深長なタイトル。これで興味を惹かないわけがない。駄目押しの神秘的かつ微妙に慈愛を醸し出している表紙は、目にした時点でうっすら感動するだろう。でも「ノーベル賞受賞」の帯は最高にダサい。せっかくのオーラを打ち消している。
詩のようで日記のようで私小説でありそれら全てを成す、流麗で無駄のない文章は惹き込まれる。
しかしある種のコンセプトが見えてくると、少しつまづく。
中途半端に意図が解るために、説 -
Posted by ブクログ
読み終わった後の訳者の解説で読み方がわかった
また再読したら大分印象が変わると思う
ここまで抽象的に感じる小説ははじめて
文章が綺麗だなと思った、けど、綺麗を感じる文章が原文で読めないのはすこしもどかしかった
ネイティブじゃないと本当の綺麗さはわからないから難しいけども
「もう少し経ったら、残りの部分も完全に透き通ってしまうだろう。翼はもはや翼ではないものになり、蝶はもはや蝶でないものになるだろう。」
「産着が寿衣になった。おくるみがひつぎになった。」
アジア初のブッカー国際賞作家による奇蹟の傑作が文庫化。おくるみ、産着、雪、骨、灰、白く笑う、米と飯……。朝鮮半島とワルシャワの街をつな -
Posted by ブクログ
突然言葉が出なくなる。
私ならどうするだろう。こんなに静かに暮らせるだろうか。生活に困らないだろうか。
読後小説に色々思いをはせていて気付いたこと。この本の中では主人公達は名前がない。彼女と彼のままだ。友人や哲学者には名前があるというのに。私には最後まで二人が淡い印象な理由のような気がする。
前半は彼と彼女の幼少期から今までの話が章を分けて語られるんだけど、ギリシャ語の先生が彼とリンクするのに時間かかった(タイトルで気づくよ普通)。
二人の半生が今の二人の土台になっているのは間違いなく。人は過去を引きずって生きていくものなのか。
後半はあるアクシデントをきっかけに二人が急接近することに