斎藤真理子のレビュー一覧

  • 声をあげます

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    声をあげます、リセット、地球ランド革命記、メダリストのゾンビ時代、小さな空色の錠剤が面白かった。
    メダリストのゾンビ時代でゾンビが流行っても電気とサブスクサービスが続いていることが妙にリアルな感じがした。
    小さな空色の錠剤であらゆる記憶が完全に残るのも大変だなと思った。
    地球ランド革命記は変な世界だった。

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    2022年02月14日
  • サハマンション

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    37.

    すごい。
    自分の中に虚無感と力強い心をどちらも感じる。
    現実世界の問題が物語に詰め込まれてる。
    7年かけて書かれたという事実にも圧倒される。

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    2021年10月07日
  • 声をあげます

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    SFは文明批評の色彩を帯びることが少なくないが、そこで試されるのは作者の社会に対する洞察力である。どの作品についても作者は悲観的なだけでもなく楽観的なだけでもない。ただどのような状況でも、人間は人間であり続けるだろうことを、軽やかに物語っている。

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    2021年09月29日
  • アヒル命名会議

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    何なのだこの本は。フィクションなんだけど、どこかで私たちが思ってる「あれ?これっておかしいのでは?何かちょっと違う?」みたいなことを、不思議で可愛くユーモラスに書かれている。
    私が感じている違和感を、数々の登場人物が一緒に持ってくれる。そしてその違和感は、決しておかしいことじゃなくて、それを限りなく自分の世界へと落とし込んでくれる。

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    2021年07月15日
  • 誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ

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    著者曰く「平凡な日常に起きた予期せぬ出来事」を集めた短編集。どの短編も一筋縄では話は進まず、そこに様々な想いをめぐらすことができた。面白かった。

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    2021年05月01日
  • 誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ

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    短編?中編?集です。
    わたしは作者が事故の当事者にインタビューする形式で書かれたひと作品が特に好きでした(題名は忘れたが)。
    韓国文化をわかってる人が読むとさらに面白いんじゃないのかなと思いました。別に知らなくても読めるんだけど、例えば教会のお兄さん교회오빠 とかは韓国歌謡にも出てくる割とよく使われているきまり文句で、一口じゃ説明できないニュアンスを含んだ言葉ですから、実体験として知ってる人の方が人物の想像はしやすいかなと思いました。(わたしも大して知らないですけど、知ってたらもっと面白く読めたという想像)
    でも、知らなくてもめっちゃ面白く読めると思います。大体は「普通の人の話」なんですが、社

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    2021年04月19日
  • ディディの傘

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    この小説に描かれている圧倒的な絶望感、閉塞感、人々の怒りは一体どこからくるのだろう…とずっと思いながら読んでいた。韓国に生きる登場人物のこの揺れ動く心情を、そのまま自分のことのように実感するには、私の知識が不足しているのが口惜しい。
    訳者解説にある「現実は混沌としており、激しく変動する。そして正しさは常に一様ではない」この言葉が韓国の情勢の全てを表しているのだろう。
    様々なことを考えさせられる小説だった。

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    2021年03月30日
  • アヒル命名会議

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    はじめ、わ、横書き! とおどろいて、それから後書きにお母さんが寄稿していることでまたびっくり。
    よみすすめていくと、けっこう母親との相克を題材にした作品がちょこちょこあるので(キョンヒ台風とか)それはきっとテーマのひとつなんだろうなと思い、そうなるとあとがきがまた、いっそう重く感じられたり(^_^;;

    じつは、毎日、お風呂に入りながら一編ずつ読んでいたのだが、どこからでも読めるし、それぞれの作品の感触がちがって、全体としてとてもよかった。
    表題作の「アヒル命名会議」は、大丈夫なの?と思うくらい神がひどい(笑) 神がこしらえたアヒル様生物を命名することになって、サタンがduckはいかがでしょう

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    2021年02月12日
  • ディディの傘

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    2021 #3

    私の知らない韓国を知った
    とても丁寧に翻訳されているのが伝わってきて
    日本語で読ませてもらってありがたかった
    日本の読者へのメッセージと訳者解説まで
    おいおい泣きながら読んだ


    ---メモ---


    P192 彼はキム・ソリに大人であれと要求したが、彼自身もキム・ソリに対しては大人なのに、彼はキム・ソリに対して何も、キム・ソリが大人になることについて何も、何らの責任も負わず、非難するだけして行っちゃったんだ。彼の大人らしさはキム・ソリを観察し、判断を下し、ことが終わった後に寄っていって非難するときだけ有効に働いたが、大人らしさがそんなものならあまりに御都合主義で下品じゃない

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    2021年01月23日
  • ディディの傘

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    "まっ昼間から、恨めしくて、恥ずかしくて、涙が出たよ。そのとき私、たいがい驚いて、気がついたのさ、私が泣いてる、恥ずかしいのがわかるんだ、ああ生きてるなあと。そしたらこんどはそれが嬉しくて、涙が出て出てきりがなくて。生きなくちゃ、せっかくここまで生きたんだから最後まで生きてみようって確かに覚悟を決めたんだ……そうやってしっかりはっきり心が決まったのはあの恥ずかしさのおかげで、あれが私を生かしたの。"(p.22)



    "私は自分の答え方や考え方が子どもに及ぼす影響が怖い。"(p. 183)

    "大人になることは、恥ずかしさの後に来るんだよとキム

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    2020年12月20日
  • ディディの傘

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    個人は個人で様々な考えや思い、問題を抱えて生きてる。
    それは大切な人を亡くしたことだったり、両親との隔たりだったり、性差、同性愛だったり、過去の運動や争いだったり。

    そういうものを胸に抱く個人にも、世の中の大きな流れは影響を与え、またその個人が、各々の抱えたものを持ち寄ってより大きな流れに響きあい、新しい流れを作っていく。時に後退しながら、時に迂回しながらも。

    韓国の現代、「セウォル号事故」「キャンドル革命」を背景に語られる、個人の「小さな記憶」と人々の歴史としての「大きな記憶」。
    今は過去となり、語られながら「記憶」は紡がれる。

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    2020年11月04日
  • 誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ

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    「チェ・ミジンはどこへ」:フリマ・サイトに自分が書いた本が出ていた。それも著者サイン本。他の本を五冊購入したら無料進呈と。どうしても誰がフリマに登録したのかを知りたい著者のイ・ギホは、出品者に直接取引を持ち掛けるが…。「ナ・ジョンマン氏のちょっぴり下に曲がったブーム」、「クォン・スンチャンと善良な人々」、「私を嫌悪することになるパク・チャンスへ」、「ずっと前に、キム・スッキは」、「誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ」、「ハン・ジョンヒと僕」。イ・ギホの短編集。どれも羞恥がテーマに。

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    2020年10月12日
  • ディディの傘

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    「d」と「何も言う必要がない」という2つの中編小説からなる。それぞれ独立はしているが、根底ではつながりあっている。
    これについては「あとがき」等で触れられている。

    「d」は「ディディの傘」という短編小説がもとで、その後幾度かの加筆、改変を経て本書に収録。
    「何も言う必要がない」は「d」執筆後に、筆者が社会情勢を前にある種の使命感をもって書いたものだという。

    韓国現代社会で次々に噴出する社会的不合理を前で、戦い、無力感に苛まれ、生活し、悩む人間の心境小説的な作品だ。
    読み通すのにけっこう体力が必要な小説だった。
    通常の小説の半分くらいのペースで読んだと思う。

    言葉一つ一つの意味、エピソード

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    2020年09月29日
  • 誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ

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    "ときどき僕は考える。侮辱されているかもと思ったたけで屈辱を感じ、侮辱し返すという、そういう人生について。"(p.32)


    "それぞれの罪があり、それぞれの罰があるのだ。ひっくるめて眺めていれば、何もかも平べったく見えてくるばかりだ。罪はそのとき、くり返される。"(p.149)

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    2020年04月03日
  • 誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ

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    短編小説7編+あとがき
    心の奥底を覗いて目の前に表す,その心の動きが巧みに物語の中で展開する.お見事です.「恥」と言う概念,読みながら自分の中にも確かにるあると共感した.特に「チェ・ミジンはどこへ」と「あとがき」が良かったです.

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    2020年03月14日
  • すべての、白いものたちの

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    ノーベル文学賞を獲ったとのことでいつか読みたかった。
    散文調のエッセイのようなもの
    この原文を翻訳するのはさぞ難しいだろうなと思った
    韓国語がわかり、韓国語のまま読むことができればまた違ったんだろうな
    たしかに美しい文章ばかりだが、海外文学はやはりあんまりしっくりこない

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    2026年08月30日
  • 私の女の実

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    桜庭一樹氏の解説が秀逸。なかでも社会学者 申栄福のことば。
    「助けるというのは傘を差し掛けてあげることではなく、共に雨に打たれながら共に歩いてゆく共感と連帯の確認であると考えられます」

    作者はこの作品を通して、厳しい状況で傷ついた人々に対しそこから脱出することを共に考える手を差し伸べているのか。

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    2026年08月26日
  • すべての、白いものたちの

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    ハン・ガン『すべての、白いものたちの』(斎藤真理子訳、河出文庫)読書ノート

    2024年ノーベル文学賞受賞作。韓国人として、アジアの女性作家としても初めての受賞である。

    書誌と構成
    原題『흰』(2016年)。65の短い断章。三部構成。
    「1 私」
    「2 彼女」
    「3 すべての、白いものたちの」
    白いものの目録から始まる。おくるみ、うぶぎ、しお、ゆき、こおり、つき、こめ、なみ、はくもくれん、しろいとり、しろくわらう、はくし、しろいいぬ、はくはつ、寿衣。誕生から死までの弧を、白いものでなぞっている。

    語り手は破壊と再建を繰り返した街(ワルシャワを思わせる)に滞在する。母が22歳のとき一人で産ん

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    2026年08月21日
  • 私の女の実

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    息をのむほどに美しく
    どこかヒリヒリとした痛みが伴う
    圧倒的な文学の世界に酔いしれました♡

    ハンガンさん好きだわ〜♡



    表題作をはじめ収録されているのは
    生きることの息苦しさや
    人間関係のなかで傷を抱えた人々の
    静かな営みを描いた物語_

    ハンガンさんの紡ぐ言葉は
    とてもひんやりとしていて静謐…
    登場人物たちの「孤独」や「生」の痛みが
    リアルに胸に刺さりました!



    ある日突然
    植物になっていく妻を描いた世界観など
    現実と幻想のあわいを漂うような
    不思議で切ない余韻がたまらなく良かった〜!

    生きることは
    きっと傷を負うことと同義なのかも…
    これからもハンガンさんの作品を
    追いかけ

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    2026年08月20日
  • すべての、白いものたちの

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    ネタバレ

    まず著者名が良い。これだけで半分勝利したようなもの。アンマン、ガンマン、「ハン・ガン」。完璧な4文字。漢字も「韓江」で象徴的だ。更にノーベル文学賞受賞――もはや読まずとも名作。次にあえて読点で区切った意味深長なタイトル。これで興味を惹かないわけがない。駄目押しの神秘的かつ微妙に慈愛を醸し出している表紙は、目にした時点でうっすら感動するだろう。でも「ノーベル賞受賞」の帯は最高にダサい。せっかくのオーラを打ち消している。

    詩のようで日記のようで私小説でありそれら全てを成す、流麗で無駄のない文章は惹き込まれる。
    しかしある種のコンセプトが見えてくると、少しつまづく。
    中途半端に意図が解るために、説

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    2026年08月16日