斎藤真理子のレビュー一覧

  • 誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ

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    短編?中編?集です。
    わたしは作者が事故の当事者にインタビューする形式で書かれたひと作品が特に好きでした(題名は忘れたが)。
    韓国文化をわかってる人が読むとさらに面白いんじゃないのかなと思いました。別に知らなくても読めるんだけど、例えば教会のお兄さん교회오빠 とかは韓国歌謡にも出てくる割とよく使われているきまり文句で、一口じゃ説明できないニュアンスを含んだ言葉ですから、実体験として知ってる人の方が人物の想像はしやすいかなと思いました。(わたしも大して知らないですけど、知ってたらもっと面白く読めたという想像)
    でも、知らなくてもめっちゃ面白く読めると思います。大体は「普通の人の話」なんですが、社

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    2021年04月19日
  • ディディの傘

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    この小説に描かれている圧倒的な絶望感、閉塞感、人々の怒りは一体どこからくるのだろう…とずっと思いながら読んでいた。韓国に生きる登場人物のこの揺れ動く心情を、そのまま自分のことのように実感するには、私の知識が不足しているのが口惜しい。
    訳者解説にある「現実は混沌としており、激しく変動する。そして正しさは常に一様ではない」この言葉が韓国の情勢の全てを表しているのだろう。
    様々なことを考えさせられる小説だった。

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    2021年03月30日
  • アヒル命名会議

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    はじめ、わ、横書き! とおどろいて、それから後書きにお母さんが寄稿していることでまたびっくり。
    よみすすめていくと、けっこう母親との相克を題材にした作品がちょこちょこあるので(キョンヒ台風とか)それはきっとテーマのひとつなんだろうなと思い、そうなるとあとがきがまた、いっそう重く感じられたり(^_^;;

    じつは、毎日、お風呂に入りながら一編ずつ読んでいたのだが、どこからでも読めるし、それぞれの作品の感触がちがって、全体としてとてもよかった。
    表題作の「アヒル命名会議」は、大丈夫なの?と思うくらい神がひどい(笑) 神がこしらえたアヒル様生物を命名することになって、サタンがduckはいかがでしょう

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    2021年02月12日
  • ディディの傘

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    2021 #3

    私の知らない韓国を知った
    とても丁寧に翻訳されているのが伝わってきて
    日本語で読ませてもらってありがたかった
    日本の読者へのメッセージと訳者解説まで
    おいおい泣きながら読んだ


    ---メモ---


    P192 彼はキム・ソリに大人であれと要求したが、彼自身もキム・ソリに対しては大人なのに、彼はキム・ソリに対して何も、キム・ソリが大人になることについて何も、何らの責任も負わず、非難するだけして行っちゃったんだ。彼の大人らしさはキム・ソリを観察し、判断を下し、ことが終わった後に寄っていって非難するときだけ有効に働いたが、大人らしさがそんなものならあまりに御都合主義で下品じゃない

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    2021年01月23日
  • ディディの傘

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    "まっ昼間から、恨めしくて、恥ずかしくて、涙が出たよ。そのとき私、たいがい驚いて、気がついたのさ、私が泣いてる、恥ずかしいのがわかるんだ、ああ生きてるなあと。そしたらこんどはそれが嬉しくて、涙が出て出てきりがなくて。生きなくちゃ、せっかくここまで生きたんだから最後まで生きてみようって確かに覚悟を決めたんだ……そうやってしっかりはっきり心が決まったのはあの恥ずかしさのおかげで、あれが私を生かしたの。"(p.22)



    "私は自分の答え方や考え方が子どもに及ぼす影響が怖い。"(p. 183)

    "大人になることは、恥ずかしさの後に来るんだよとキム

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    2020年12月20日
  • ディディの傘

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    個人は個人で様々な考えや思い、問題を抱えて生きてる。
    それは大切な人を亡くしたことだったり、両親との隔たりだったり、性差、同性愛だったり、過去の運動や争いだったり。

    そういうものを胸に抱く個人にも、世の中の大きな流れは影響を与え、またその個人が、各々の抱えたものを持ち寄ってより大きな流れに響きあい、新しい流れを作っていく。時に後退しながら、時に迂回しながらも。

    韓国の現代、「セウォル号事故」「キャンドル革命」を背景に語られる、個人の「小さな記憶」と人々の歴史としての「大きな記憶」。
    今は過去となり、語られながら「記憶」は紡がれる。

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    2020年11月04日
  • 誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ

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    「チェ・ミジンはどこへ」:フリマ・サイトに自分が書いた本が出ていた。それも著者サイン本。他の本を五冊購入したら無料進呈と。どうしても誰がフリマに登録したのかを知りたい著者のイ・ギホは、出品者に直接取引を持ち掛けるが…。「ナ・ジョンマン氏のちょっぴり下に曲がったブーム」、「クォン・スンチャンと善良な人々」、「私を嫌悪することになるパク・チャンスへ」、「ずっと前に、キム・スッキは」、「誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ」、「ハン・ジョンヒと僕」。イ・ギホの短編集。どれも羞恥がテーマに。

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    2020年10月12日
  • ディディの傘

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    「d」と「何も言う必要がない」という2つの中編小説からなる。それぞれ独立はしているが、根底ではつながりあっている。
    これについては「あとがき」等で触れられている。

    「d」は「ディディの傘」という短編小説がもとで、その後幾度かの加筆、改変を経て本書に収録。
    「何も言う必要がない」は「d」執筆後に、筆者が社会情勢を前にある種の使命感をもって書いたものだという。

    韓国現代社会で次々に噴出する社会的不合理を前で、戦い、無力感に苛まれ、生活し、悩む人間の心境小説的な作品だ。
    読み通すのにけっこう体力が必要な小説だった。
    通常の小説の半分くらいのペースで読んだと思う。

    言葉一つ一つの意味、エピソード

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    2020年09月29日
  • 誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ

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    "ときどき僕は考える。侮辱されているかもと思ったたけで屈辱を感じ、侮辱し返すという、そういう人生について。"(p.32)


    "それぞれの罪があり、それぞれの罰があるのだ。ひっくるめて眺めていれば、何もかも平べったく見えてくるばかりだ。罪はそのとき、くり返される。"(p.149)

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    2020年04月03日
  • 誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ

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    短編小説7編+あとがき
    心の奥底を覗いて目の前に表す,その心の動きが巧みに物語の中で展開する.お見事です.「恥」と言う概念,読みながら自分の中にも確かにるあると共感した.特に「チェ・ミジンはどこへ」と「あとがき」が良かったです.

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    2020年03月14日
  • すべての、白いものたちの

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    ネタバレ

    まず著者名が良い。これだけで半分勝利したようなもの。アンマン、ガンマン、「ハン・ガン」。完璧な4文字。漢字も「韓江」で象徴的だ。更にノーベル文学賞受賞――もはや読まずとも名作。次にあえて読点で区切った意味深長なタイトル。これで興味を惹かないわけがない。駄目押しの神秘的かつ微妙に慈愛を醸し出している表紙は、目にした時点でうっすら感動するだろう。でも「ノーベル賞受賞」の帯は最高にダサい。せっかくのオーラを打ち消している。

    詩のようで日記のようで私小説でありそれら全てを成す、流麗で無駄のない文章は惹き込まれる。
    しかしある種のコンセプトが見えてくると、少しつまづく。
    中途半端に意図が解るために、説

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    2026年08月16日
  • すべての、白いものたちの

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    読み終わった後の訳者の解説で読み方がわかった
    また再読したら大分印象が変わると思う

    ここまで抽象的に感じる小説ははじめて
    文章が綺麗だなと思った、けど、綺麗を感じる文章が原文で読めないのはすこしもどかしかった
    ネイティブじゃないと本当の綺麗さはわからないから難しいけども

    「もう少し経ったら、残りの部分も完全に透き通ってしまうだろう。翼はもはや翼ではないものになり、蝶はもはや蝶でないものになるだろう。」

    「産着が寿衣になった。おくるみがひつぎになった。」

    アジア初のブッカー国際賞作家による奇蹟の傑作が文庫化。おくるみ、産着、雪、骨、灰、白く笑う、米と飯……。朝鮮半島とワルシャワの街をつな

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    2026年08月06日
  • すべての、白いものたちの

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    ネタバレ

    まっしろな「ハヤン」ではなく生と死の寂しさをたたえる「ヒン」を題材として、生後2時間で亡くなった姉の死と私の生について描かれた本。
    あとがきを読むまでわからなかった。第2章に出てきた「彼女」は、第1章にでてきた「私」の生を受けて歩いている姉の姿だと。

    感性が研ぎ澄まされないと理解しにくく、殺伐とした通勤電車の中で読むには難しい本。それでもソウルやワルシャワの街の風景や生活が綺麗だと思った。

    詩のような

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    2026年08月02日
  • すべての、白いものたちの

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    2026/45
    「白」のお話
    おくるみの話が生命を感じられて好き
    私は2月生まれなので、生まれた時の季節を感じられるのも良い
    あなたは大切な人であり、あなたは清潔な眠りに守られるべきで、あなたが生きてることは恥ではない(p85)
    「흰(ヒン)」ってなんだろう?と思ったけど、生と死の寂しさの色について書いていたのね
    余白が印象的で、無音の中で読みたくなる作品でした

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    2026年07月27日
  • ギリシャ語の時間

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    ネタバレ

    NHKあさいちで、上白石萌音さんが紹介していた本。タイトルも気になり、手に取った。
    視力を失っていく男性と、言葉が話せなくなった女性のお話。
    内容はちょっと難しく、わかりにくく感じた。主語が明確ではないので、誰が話をしているのかわからない。誰が話しているんだろう?と常に考えながら読まなければいけない。

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    2026年07月26日
  • 翼~李箱作品集~

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    ネタバレ

    主人公きたなって思ったけど可愛いなとおもったり笑笑笑笑さいご飛び降りたんかな?ちょっと解説読みますまた

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    2026年07月22日
  • 「なむ」の来歴

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    韓国文学の翻訳者や詩人でもある著者のエッセイ集。少し先輩にはなるがほぼ同時代であり1990年代の話も懐かしく読めた。

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    2026年07月20日
  • すべての、白いものたちの

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    エッセイのように感じた
    ずっと冷たい冬の中の世界
    亡くなったひとへの記憶と白いものたちへの繋がり
    こういうのってずっと記憶に残るんだろうな
    ハン・ガンさん初めて読んだけど言葉選びが好きだった(訳によるのかもだけれど)

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    2026年07月18日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    韓国旅行に行くことになったので韓国を知りたくて手に取った。
    内容は韓国を知ると言うとズレるのかもしれないが、こう言う人もいるんだなと思いながら読んだ。
    男でも女でも他人だし人の思っていることは一生わからないが、性別の違いで苦しんでいる人もいることがわかった。
    自分には見えていない視点を知れた。

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    2026年07月17日
  • ギリシャ語の時間

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    突然言葉が出なくなる。
    私ならどうするだろう。こんなに静かに暮らせるだろうか。生活に困らないだろうか。

    読後小説に色々思いをはせていて気付いたこと。この本の中では主人公達は名前がない。彼女と彼のままだ。友人や哲学者には名前があるというのに。私には最後まで二人が淡い印象な理由のような気がする。

    前半は彼と彼女の幼少期から今までの話が章を分けて語られるんだけど、ギリシャ語の先生が彼とリンクするのに時間かかった(タイトルで気づくよ普通)。

    二人の半生が今の二人の土台になっているのは間違いなく。人は過去を引きずって生きていくものなのか。

    後半はあるアクシデントをきっかけに二人が急接近することに

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    2026年07月17日