斎藤真理子のレビュー一覧
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ネタバレ本作も数年前に話題になっていたし、私がお邪魔するブログでも結構取り沙汰されていたと思います。
読みたいなー、読みたいなー、と思っていましたが、今般やっと許容範囲のお値段で手に入れることができました。
で、読んでみてびっくり。というか想定しておらず。
これはいわゆるフェミニズムの本であります。そして、とにかく暗い。
女性という性に対し、後天的に付与された窮屈な立場、逃げ場のない袋小路が淡々と描かれます。こういうのはきっと男性こそ読むべきものだと思いました。
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1982年生まれのキム・ジヨンは、結婚・出産を機に退職し、育児と家事に追われる日々を送る33歳の主婦。ある日突然、他人が乗り -
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女性キャラクターが「男性性」を、男性キャラクターが「女性性」をあからさまに担わされているところがある。
本書のプロテストは「男性」に対するものにとどまっており、「男性性の称揚」自体は認めているように感じられてならない。
また、作者が「女性」という性にかなり肩入れしており、シソン一族の女たち=被害者vs外部男性=加害者の構造がはっきり分かれすぎているきらいがあるが、こうした二元論的な描き方はちょっと古臭くないか。
今のところ現代の男性ほどには意識しないでいられる自身の加害性を、女性(あるいはその他の性)もまた自覚せざるを得ない時代が来た時、はたしてこの作品はその時の人々の鑑賞に耐えることがで -
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ネタバレ「回復する人間」というタイトルがぴったりの、7つの短編集。
さまざまな種類の痛みが描かれていた。
私の経験にかなり近い感覚を登場人物たちの中に見たり、語られる言葉によって気付かされることもあり、興味深いながら苦しい読書でもあった。まるで自分の抱えた問題のようにも感じられてくる。他人事と切り捨てることはできない。
折り合いをつけて生きようとする女性たちの、揺れている心が魅力的に見える瞬間もあった。真剣に向き合いながら傷ついている姿は痛ましいはずなのに。
この中では「左手」という作品の印象が強い。自らを追い詰めていく主人公に、ひとつの救いも用意されていなかったからかもしれない。ひとつ間違えば、自分 -
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出張で行った高松市の素晴らしい書店、ルヌガンガで購入。
血縁との葛藤の苦しみや寂しさを知っているつもりだったけれど、著者の家族の苦しさを読むと、自分は甘えてるのだろうかと思う。
猫のジュンイチとの二十年間の愛を誇らしいというランさんを羨ましく思った。
子どもとの関係は、自分が人間として欠けている部分、未熟な部分に向き合う辛さもあるし、親にしてもらえなかったことを、見よう見まねで親として子どもにしてあげるときに、苦しい気持ちになることがある。相手が別個の人間だから、ずっと触れていられる時間は赤ちゃんから幼児期くらいまで、その分言葉で話し合って、分かち合えることも多いのかもしれないけれど。
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意外な終わり方をしていて声もでなかった
ページをめくったら終わっていた⋯
日本にもあるけどそれ以上かもしれないテーマの深遠さ⋯
キム・ジヨン
三十三歳 三年前に結婚し、昨年、女の子を出産。三歳年上の夫とともに暮らしているが、自分に向かって吐きかけた他人の言葉をきっかけに異常行動が表れる。夫に連れられて精神科を受診 その担当医が書いたカウンセリングの記録という形の小説
韓国社会における、過去から現在に繋がる女性差別の実態が表現されていて、キム・ジヨンの人生を振り返る形で話が進むフェミニズム小説
訳者あとがきにもあるように、文芸とジャーナリズムの両方の側面があり、キム・ジヨンが体験してきた悩 -
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ネタバレノーベル文学賞で話題になったハン・ガンの作品を2025年最初に読んでみました…
とにかく…すごかった←
#別れを告げない
幻想的で静謐な語り口で、一九四八年に済州島で起きた虐殺事件について掘り下げていく。人が人にたいしてなし得るもっとも残酷なことを、語り手の女性と、その友人は、生死の境があいまいな空間で話し続ける。
すごく不思議な世界観の中で残虐的な歴史が解説されていくのが…少し読みにくいと感じたりもしたけど…一回読んだだけではこの本の半分も理解出来なかったんだと思うけど…訳文がものすごく美しく…そして悲しくてせつなくて…こんな歴史があったんだなと…読めてよかったと思いました。 -
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少し前に話題になっていた、韓国が舞台のフェミニズム小説。韓国の男性はこんなに酷い人たちばっかりなの?というのが率直な感想である。いい人も多いのよと小説の中でも言われているが、いやいや、それにしてもこんなこと言うかなと思うような想像力のない無神経な男たちが多く登場する。これは小説であり、フィクションだが、韓国人を中心に多くの女性が涙するほどの共感をすると言うのだから、このような状況はまったくのフィクションではないことがわかる。
時代と共に少しずつ意識が変わってきているだろうが、依然として日本にもある男女間の格差や差別。差別は偏見がもたらすものであり、偏見は無意識のうちに持ってしまうものである。 -
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50人の主人公が韓国の郊外の大病院をハブにして、それぞれの人生を繰り広げる。
一人ずつの人生が、各10ページ前後の章にわけて展開される。登場人物たちは、他人の章にちょくちょく顔を出し、一つの病院をハブにして、たくさんの人達の人間関係の繋がりが感じられるところが面白い。
また本の中に、韓国で起きている様々な社会問題が取り上げられているところも、現代の若手小説家っぽさを感じられて良かった。
シンクホールなど、最近の日本でも大きく取り上げられている問題もあるが、韓国の医師の労働環境の劣悪さは衝撃的だった。
週100時間労働は平均値で、今は制度が変わってきてはいるものの、週88時間までは合法ら -
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キム・ジヨンという女性の人生を通して、女性が出会う差別を描いた作品。
女性に生まれたことで権利を踏みにじられたり、不当に責められたり搾取される。
自身も身に覚えがある出来事に、自分自身がすり減る感覚を読んでいて何度も感じた。
男女平等と言って何十年も経っている日本も、韓国とほぼ変わらず、特に育児にまつわる差別は残り続けている。
出産・母乳以外は男性も女性もできることは変わらないのに、子育や仕事の制限は圧倒的に女性の方が高い。
子育ての負担を自分で担える分も妻に背負わせているのに、「妻に絶対やりたくてやるという仕事をして欲しい」と宣った精神科の医者には、怒りすら覚えた。
同じように男性 -
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植民地時代の朝鮮にも
モダニズム文化は日本から流入した
そしてやはり古い文化との軋轢が生じたんだ
李箱という人は新旧文化の…
別の言い方をすれば日本と朝鮮のはざまで
一足早くポストモダン的なものに目覚めたらしい
将来の家父長たるべき若旦那として
消費社会の恩恵もいっぺんに受けたいという
ぼんくらの願いそのもの、と僕には見えるんだけど
でもまあそれが人の本音というものですよね
ドストエフスキーなんか捨てちゃって
マルメラードフのように生きたいね
「烏瞰図 詩第一号」
群衆のなかに「私」は存在しない
透明な存在として溶け込んでいる
「翼」
妻に飼われて生きてる亭主
飯を出してもらった上に寝てば