斎藤真理子のレビュー一覧

  • 本の栞にぶら下がる

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    「図書」に連載時から気になっていたが、このように一冊にまとまると、著者の根気が並々ではないことが実感できる.チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジョン』の翻訳を手掛けていることから朝鮮半島の言葉に堪能であることは知っていたが、韓国文学の紹介は初めてだったので非常に面白かった.特に堀田善衛と朝鮮の関連が意外で、堀田の視点の幅広さに驚いた.小生もある程度の数の本を読むが、これ程に視線を多方向に向けて考察するという行動は素晴らしいと感じた.

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    2024年04月22日
  • サハマンション

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    韓国文学に不慣れで登場人物の氏名だけではなかなか性別が見当付けられず、読むのに少し手間取ったが扱っているテーマには共感。欲を言えば、トギョンの描写がもう少し掘り下げられていたらと感じた。高齢者やハンディキャップを持つ人などの連帯の描写が全体的にディストピア小説と思えないほど良かった。

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    2024年02月27日
  • 本の栞にぶら下がる

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    2024.1

    まず、なんて素敵なタイトルなんだろうと思う

    開いてみると読んだことのない本について
    読んだことのない作家について
    たくさん書かれていた

    同じ時代に違う場所で生きた作者や
    時代背景から想像できる作者についてなど
    私が今まで考えたことのなかった
    新しい読書の世界への扉が開かれるようで
    とても楽しく興味深く勉強になる本だった

    カフェで読んだ後に思わず
    本屋でジョージオーウェルの本を買って帰った
    名作と呼ばれる作品や戦後すぐの作品など
    ほとんど読んだことがなかったし
    私にとっては読書は娯楽だったけど
    最近は読書を通して勉強したい思いが強い
    それはビジネス本や自己啓発本のことではな

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    2024年02月08日
  • タワー

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    これは面白かった。
    どの短編も粒ぞろいな印象深くユーモア溢れる作品が揃っていた。
    しかも、短編で描かれている世界が共通して”ビーンスターク”という674階建ての巨大なタワーというのも面白い。そこに50万人もの人々が生活しているという舞台がまずとんでもない。
    このとんでもない世界の中で、何だそれって思うヘンテコな世界もあれば、心温まる良い話もあってかなり面白い。
    この世界観をもっと見たい! って思えるような上質な短編集だった。
    いや、本当ずっとやってほしいまである笑

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    2024年01月10日
  • 曇る眼鏡を拭きながら

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    お二人の往復書簡、とても興味深かったです。素敵な文章がたくさんあって、穏やかで、あたたかくて、春風みたいな本でした。そして読んでみたい本が増えました。

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    2024年01月09日
  • 本の栞にぶら下がる

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    斎藤真理子さんは韓国文学翻訳の人。
    私は全くそちらに疎い。
    私の妹は「隣の国なのに何も知らない」と興味を持ち大学生の時に韓国に留学したのだが、私は一度も韓国を訪れた事がない。私はニラやニンニクの匂いがダメだったので行きたいと思ったこともなかった。

    そんな私が、この本で少し韓国文学に興味を持って、ちょっと読んでみようかなという気分になった。斎藤さんのチョイスと紹介の仕方が巧いからだと思う。

    もちろん韓国文学以外の本も多く紹介されていて、どれも読んでみたくなった。

    堅苦しくなく、本に対して正直な感想と言葉で、とても読みやすかった。

    びっくりしたのは斎藤さんが編み物をしながら読書をするという

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    2024年01月03日
  • シソンから、

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    映像化希望!すごく魅力的なシム・シソン女史。その子孫(かけらたち)が10回忌をハワイで行うお話なんだけど、御膳に並べるのは食べ物ではなく…シソンが喜びそうなものを各々集めるという企画。家族とシソン女史のエピソードや関係性があたたかくて且つぶっ飛んでいて面白かった。

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    2023年09月20日
  • シソンから、

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    音を「彫り上げる」
    ヘリムが鳥を愛してて親族を鳥にたとえていくとこ好き
    転んでもスケートやめなかったナンジョンの昔話、サーフィンを諦めずに続けてるウユンの姿思い出して母娘を感じる
    ウユンが怪物のアイデアに思いを巡らせてる場面、ワクワクする
    リリカ・ベーカリーのココパフ レナーズ・ベーカリーのマラサダ
    28章シソンの飽きないことが才能の話が冒頭にあってウユンが波に乗れた話が続くのいいなぁ
    ミョンジュンが塔作ったホノルル美術館のスポルディングハウス、2019年に閉館しちゃってるのね
    末代になることもまた選択だと肯定してくれてるようでいい

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    2023年06月03日
  • タワー

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    674階建の独立国家タワー「ビーンスターク」が舞台の連作小説。
    戦争やテロや外国人雇用問題など、「ビーンスターク」を取り巻く環境は厳しいものだが、中で暮らす人々はどこか温かい雰囲気で(ゾウとか出てくるし)、希望を感じる物語だった。

    韓国情勢に詳しければ、もっと楽しめたと思う。

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    2023年04月25日
  • 韓国文学の中心にあるもの

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    各誌における年末のまとめで取り上げられているのを複数回目にして、これは読んどかないとってことで。気持ち的にはブックガイドとして手に取ったものなんだけど、その実、初心者向けの韓国現代史の良い教科書。セウォル号事件はじめ、自分がほとんど知らないあれこれが提示されていて、隣国のことなのに…と忸怩たる思いにかられた次第。特に気になった下記著作からまずは手に取ってみて、少しずつでも理解を深めていきたい。

    キムジヨン
    こびとが打ち上げた小さなボール
    少年が来る

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    2023年02月13日
  • 年年歳歳

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    戦争や戦後の動乱、更には社会の急激な変化に晒されつつ、家父長制にのみこまれたり抗ったりする韓国の人々の、複雑で重層的なあり様を描き出す。

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    2023年01月03日
  • 韓国文学の中心にあるもの

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    韓国の文学について、韓国の歴史の中での大きなできごとを織り交ぜながら記述されている本。

    セウォル号事件は知っていたが、ほかの事件やIMF危機、朝鮮戦争など、知らないことが多すぎた。ここまで悲惨なことが起きていたとは。

    国の主導権を国自身が握れないことの恐怖、そして今なお戦争が終わっていないことの重大さ、 日本人はもう少し関心を持つべきだと思った。

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    2022年11月20日
  • 回復する人間

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    最初はとっつきにくい印象を受けたが、とても詩的で美しい物語。孤独と刹那さに打ちのめされそうでありながら、微かな光が必ずあって、作者の方は凄く繊細で表現力が豊かな方なのだと感動した。

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    2024年06月07日
  • 声をあげます

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    チョン・セラン(정세랑)のSF短編集。「ミッシング・フィンガーとジャンピング・ガールの大冒険」、「十一分の一」、「リセット」、「地球ランド革命記」、「小さな空色の錠剤」、「声をあげます」、「七時間め」、「メダリストのゾンビ時代」。

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    2022年10月08日
  • 韓国文学の中心にあるもの

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    東アジアで隣同士の国。日本と韓国。似た風土であるが、過去からの文化も違い、また歴史も違っている。その韓国の文学を最近から遡って日本からの解放までの時間軸で文学を論じている。沢山の読んでみたい本を紹介された。それらの本で少しでも韓国の風に触れたいと思う。

    第一章:キム・ジヨンが私たちにくれたもの、第二章:セウォル号以後文学とキャンドル革命、第三章:IMF危機という未曽有の体験、第四章:光州事件は生きている、第五章:維新の時代と「こびとが打ち上げた小さなボール」、第六章:「分断文学」の代表「広場」、第七章:朝鮮戦争は韓国文学の背骨である、第八章:「解放空間」を生きた文学者たち、終章:ある日本の小

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    2022年09月28日
  • 韓国文学の中心にあるもの

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    隣国を知ることで、自国の特徴を知ってみようと、本書を取る。
    が、本当にここまで悲惨な状況なのだろうか。文学では過剰に表現されるためなのか。
    彼我の差を感じずにはいられない。

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    2022年09月24日
  • 年年歳歳

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    斎藤真理子さんの翻訳がとても読みやすいです。そして巻末の後書きの中の、韓国社会の解説を読むとより深く本作を理解できます。

    長女である私にとって、作中のハン・ヨンジンの気持ちに痛いほど共感できました。個人的に日本在住の韓国人の知人がたくさんいるのですが、偶然なのか末っ子長男が多い気がします。「キム・ジヨン」でもそうでしたが、末っ子長男たちの後ろにいるヌナたちのことが気になってしまい、少し苦い気持ちになりました。

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    2022年09月08日
  • 年年歳歳

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    最近よく韓国の女性が書いたものを読んでいる気がしていたが違っただろうか。
    母親と2人の娘を主人公にした連作小説集。
    セリフにカギカッコがないので、口に出された言葉なのか考えているだけの言葉なのかの境界が分からない不思議な文章。
    日本もそうなのだけれど家父長制のもとで苦しめられている女性がたくさんいる国。近くて遠い国。私にとって。

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    2022年09月04日
  • 韓国文学の中心にあるもの

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    私だけかどうかわからないが、いやー、相当にヘヴィだった。

    斎藤真理子が出てくるまで韓国の文学は金芝河くらいしか知らなかった。それが『カステラ』以降、なんでこんなに面白いの、力があるの、とぐいぐい読まされてきたが、いかに表面的だったことか。セウォル号事件や光州事件、そして朝鮮戦争などを今に至るまで背負い続けその影響下にあるからこそ(若い世代の作家まで含めて)の、力だったんだな、と思い至る。その重さ。読み終えて、ぐったりくたびれてしまった。面白いけど、重い本だと思います。そして確認したい本、読みたい本が増える。

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    2022年07月29日
  • シソンから、

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    シソンの文章が所々に散りばめられ、群像劇として描かれている書き方が良かった。それぞれの人物像がリアル。ただ、なにか一つ物足りなかった。

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    2022年07月13日