斎藤真理子のレビュー一覧

  • 回復する人間

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    「火とかげ」に圧倒された。途中出てくるTears In Heavenのエピソード知らなかったので、改めて聴いて心に沁みた。「左手」だけ他の作品と違った作風だったが、先が気になりグングン読んだ。どの作品も人が傷つき回復する様が丁寧に描かれていた。自分が辛い時に読んだらきっと、もっとハマると思う。そんな時、この本を思い出して、また読みたいと思う

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    2025年01月25日
  • 回復する人間

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    繊細だけれどとても鋭い、傷ついたり傷つけたりしてしまいそうな文章。そんな文章でしか書けない傷や悲しみ苦しさ、人生がある。それらの殆どの人生、物語には最後に光がさす、希望が垣間見える。前に進めるように開いた小説たち。それらは回復を促すように書かれたのかもしれない。
    だけれど、ある短編の登場人物が「私を回復させないで欲しい」と願うように、残しておきたい傷や忘れるべきではない悲しみ苦しさもある。回復とは忘却にも近い。傷や悲しみ苦しさを忘れないために書き残された、そんな風にも思えた。
    回復も忘却も、時間を使って人生が行使する必要な力だ。だけど、それに抗うように傷を悲し

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    2025年01月11日
  • 優しい暴力の時代

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    習慣で寄った本屋でなんとなく選んだ短編集が完璧にClassicだった。これは本当に凄いと思った。という体験を以前にもしたことがある、と思い出す。あのときも同じ本屋で同じ出版社、同じ翻訳者の文庫本を買ったのだった。電車で読み始めた最初の頁でこれは読みたかった本だ、と“分かった”ときの喜びも同じだったように思う。

    帰り道の終点駅のホームで読んだ最初の一編の最後のページ、そこに書かれた印象的な涙を読んで、泣きそうに、いや、彼と同じように「まだ起きていないできごとと永遠に起きないできごとを思い浮かべて」泣きたいと思った。
    物語られる幾つもの人

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    2025年01月11日
  • フィフティ・ピープル[新版]

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    50人が少しずつ交差したりすれ違ったりしながら進んでいく物語。
    韓国の情勢を織り交ぜつつ、ちょっとシリアスで悲しくなる物語もあるけれど、いろんな人の視点で描かれるのはとても面白い。
    ただ韓国の名前に慣れてないせいか、誰が誰なのか混乱しやすいかもw
    3、4回読んでやっと理解できるかもしれません。

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    2025年01月04日
  • フィフティ・ピープル[新版]

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    50人の主人公がそれぞれの人生を生きながら交差する話。ある病院を中心の舞台とし、韓国の現代の社会と問題を織り交ぜ、生きていく人を新鮮に描写している。
    韓国の人の名前がとにかく覚えられない私は、何度も目次で確認しながら読み進めた。漢字は視覚的に記憶に残るけれど、カタカナってこんなにも記憶できないのか。

    韓国も日本も社会がすごく似ている。例えば今日自分とすれ違った人が実は50人の1人だったとしても全くおかしくはない。

    やっとチョン・セランを読めて満足。

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    2025年01月03日
  • 翼~李箱作品集~

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    翼、月傷(失楽園)、烏瞰図 詩第一号、烏瞰図 第十五号が好みでした

    韓国併合と一言でまとめられてしまっていた事象に対する当時の韓国の人々の感情を直接的な言葉なく感じ取ることができて興味深い内容だった。

    舞台化しているとのことだったので機会があれば舞台を見たい。

    二つほど読み飛ばしてしまったけれどそれは他の機会に読みたい。

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    2025年01月03日
  • 声をあげます

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    軽やかにユーモアを交えながら描き出すのは、ときにディストピア、ゾンビが群れる世界、人間が絶滅しかけた世界、特殊な能力を持つ人々が強制収容されている世界。

    舞台はそんな風にシリアスなのだけれど、物語を走る登場人物たちはたくましくしなやかに、そしてポジティブに楽しげに生き生きとその奇妙な世界を生きている。そのミスマッチさ、明るさがとても読んでいて心地よくて楽しくて堪らなかったです。

    私が一番好きなのは「メダリストのゾンビ時代」。終末世界で自分らしく最後まで貫いて、切ない想いを閃かせて生きる主人公がとても素敵でした。

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    2024年11月28日
  • 未来散歩練習

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    終始不思議な本だったけど、この本にしかない不思議な時間が心地よくて、時々何を言っているのかわからない(わかるけど、意味するところがわからない)こともあったけど、それすらもフワフワと心地よかった。読んでいる時間に自分の心をそのままにしておけるような丁寧さがあって、自分も自分の心に無理せず素直にいられるような気がした。
    手繰り寄せたい未来のためにどんな今を反復すべきかという問いの意味は私にはまだしっくりと分からなくて、未来なんて来なければわからないし、きっとここでいう未来は、想像した先の未来のことも含んでのことだと思うんだけど、それがどうも自分にはカラダで理解できてる感覚じゃなかった。
    もしかして

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    2024年11月11日
  • 翼~李箱作品集~

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    難解すぎて、よくわからなかった、の一言で終わらせるには惜しい。難解さの原因は、作者が植民地下の京城、東京にすっぽりと入る時間に生きた青年だったこと、日本語と韓国語の両方を駆使していたこと、時代が芥川の自殺やプロレタリア、モダニズム文学などの文学史上のターニングポイントを迎えていたことなど、多岐にわたる。できれば韓国語と日本語の両方をよく理解できる能力を持った上で読んでみたい作品だけれども、村山槐多や夢野久作を思わせる、人を食ったようなシュールレアリスムな世紀末的世界観はなかなか嵌りそう。

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    2024年10月27日
  • 年年歳歳

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    登場人物すべてが、ずっとフルネームで書かれていたので、家族の物語が個人の物語のように思えました。最後の作者の言葉で、家族の物語としては書いていないことがわかり、納得しました。

    韓国は夫婦別姓で、子どもは父親の名字を継ぐのがほとんどです。登場人物を把握するのにとまどいましたが、人物図があったので助かりました。私は、一人一人が胸に秘めた思いを吐露する文章を読み進めていくうちに、だんだんこの物語に惹かれていきました。

    まだ数多くの韓国の小説を読んでいないし、歴史も詳しくないので、訳者のあとがきで理解が深まりました。現代の韓国人の典型的な人生や朝鮮戦争前後のことを知ることもできました。『年年歳歳』

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    2024年10月06日
  • 未来散歩練習

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     神戸の古本屋さんを探して『散歩』している時、レトロな建物の2階に入っているお店で偶然目に留まり、手に取った。
     パク・ソルメさんの著作を読むのは初めて、事件のことも初めて知った。この本に出会えて良かった。私の『散歩』はこれからも続けていきたい。

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    2024年09月29日
  • 本の栞にぶら下がる

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    古い本や、朝鮮文学の紹介が多かった。知らない本ばかりで読んでみたくなった。この100年も満たない間でどれだけ時代、文化、人そのものが変わったのかと、色々考えてしまう。
    『朝鮮短篇小説選』の解説にある、“これだけの作品を一般の読者が手軽に読むなどということは、本国では南北いずれにおいても不可能であることを付け加えておく。日本の読者はその点、ある程度の概念を簡単に得ることができることになるわけである“というのが大変印象に残っている。
    当時だけでなく、今現在もこのような状況下にある国はたくさんあろうかと思う。何気なく手に取り読むことのできる私たちは、もっと享受すべきではないか。
    他にも気になる本が本

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    2024年09月28日
  • シリーズ「あいだで考える」 隣の国の人々と出会う 韓国語と日本語のあいだ

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    K-POP好きの人はある意味で、必読だと思う。韓国のことが言語を通じてより深く知れることができた。読みやすさもあるし多くの人に受け入れやすい内容だとも思う。

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    2024年09月11日
  • シリーズ「あいだで考える」 隣の国の人々と出会う 韓国語と日本語のあいだ

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    第一章:말 言葉、第二章:글 文、文字、第三章:소리 声、第四章:시 詩、第五章:사이 あいだ。韓国語と日本語のあいだを考えた本。斉藤真理子さんの経験も書かれています。

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    2024年08月27日
  • 優しい暴力の時代

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    読後、何とも言えない気持ちになる短編集。人の中には優しさと残酷さが共存してるよなーと思う。そんな中でも、割と爽やかな「ずうっと、夏」が1番好きかな

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    2024年08月22日
  • 本の栞にぶら下がる

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    今まで聞いたことのないような著者や人物のオンパレード。しかもどれも面白そう。斉藤真理子がどんな人かも何かわかる。

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    2024年07月25日
  • 翼~李箱作品集~

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    リンバスカンパニー イサンより。
    同ゲームのキャラの元ネタで興味を持った。

    李箱は、韓国では非常に高い評価を得ており、生前の売れない時代との対比がある。

    詩に関しては正直全く分からないが、「翼」は面白い。
    天才なんだろう。
    常人には分からないが、韓国では解説の探究が続いているらしい。

    作品集は短編小説の部分はかなり上手く纏まっている。
    抽象・観念的すぎず読みやすい。
    読んでみれば分かるが前衛的な小説家であった事が伺える。翼なんかは二重線で囲まれた部分から始まる。
    (グッバイと聞くとロボトミーを思い出すからやめてほしい)

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    2024年07月09日
  • 優しい暴力の時代

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    ・自分は彼の国、韓国の事を映画、ドラマ、音楽等エンタメを通じて知る事が殆どなのだけど、それらに触れる度にほんと、羨ましいなぁと思う事が多い。
    ・端的に言ってどれも非常に元気に感じる。表現として健全で外向きのエネルギーを強く感じる。日本の今の表現のどこか閉塞感を感じる(明るい表現でも)のと対照的だな、と思ってる。
    ・果たして、この小説も凄いLOWなトーンの日常と心情を描きながらも、受け取った印象はやはり表現としての健全さだ。日本に住む自分も非常に「分かる」と感じた。
    ・日本でも個々で格闘している表現者の方達はいるのだけど、そこから自分が感じてしまうのは「何処にもいけない」感じだ。
    ・なんか羨まし

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    2024年06月23日
  • サハマンション

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    架空の都市、超格差社会の「タウン」の中でもさらに最下層の人々が住む「サハマンション」。
    職業選択の自由もなく、お金もなく、健康的な暮らしもなく、救いもなく。
    そんな状況が、どこか本当にありそうで、いつかこんなことになる日が来るかもしれなそうで、心がひやっとします。
    架空の国のストーリーだけど、韓国社会の生きづらさや日本での貧困や格差の問題、どこかつながってリアルに感じます。
    それでも、暗くなりすぎないチョ・ナムジュさんの文章に救われつつ、こんな未来がこないことを願います。

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    2024年06月08日
  • 本の栞にぶら下がる

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    「図書」に連載時から気になっていたが、このように一冊にまとまると、著者の根気が並々ではないことが実感できる.チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジョン』の翻訳を手掛けていることから朝鮮半島の言葉に堪能であることは知っていたが、韓国文学の紹介は初めてだったので非常に面白かった.特に堀田善衛と朝鮮の関連が意外で、堀田の視点の幅広さに驚いた.小生もある程度の数の本を読むが、これ程に視線を多方向に向けて考察するという行動は素晴らしいと感じた.

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    2024年04月22日