感情タグBEST3
Posted by ブクログ
韓国文学に不慣れで登場人物の氏名だけではなかなか性別が見当付けられず、読むのに少し手間取ったが扱っているテーマには共感。欲を言えば、トギョンの描写がもう少し掘り下げられていたらと感じた。高齢者やハンディキャップを持つ人などの連帯の描写が全体的にディストピア小説と思えないほど良かった。
Posted by ブクログ
この作品、韓国史についてきちんとした知識があればより面白く読めるのだろうなと思う。やや上級者向け韓国文学のように感じたがそういう本こそ読むべきだし、訳者あとがきを読むとわかるように、隅々まで配慮され尽くした素晴らしい一冊なので、星4。
登場人物の機微の表現にはやはり感服させられるというか瑞々しい。これは訳者である齊藤真理子さんの力でもあるとは思うのですが、もはや二人のプロによる共同作業のパワーが強すぎて、どの作品を読んでも自分の心が今まで見たことのないような感情の動きをするのでいつも驚きます。
Posted by ブクログ
37.
すごい。
自分の中に虚無感と力強い心をどちらも感じる。
現実世界の問題が物語に詰め込まれてる。
7年かけて書かれたという事実にも圧倒される。
Posted by ブクログ
ディストピアというにはリアルすぎて。
超格差社会「タウン」の中でも最低層に位置し、差別される「サハマンション」の住民たち。
抵抗とケアの共同体。
トギョンの話は、ロマンスで、スキャンダルで、残忍な犯罪だった。
Posted by ブクログ
あらゆる世界には影があり、それはユートピアでも同じ。
管理企業国家「タウン」の底辺に存在する「サハマンション」の人々の物語。
途中からビッグブラザーに対抗する感がでてきて、正直タウンの謎解きなんかない前半のが好み。
Posted by ブクログ
抑圧されたタウンの、階級の底辺でもがきながら生きる人々の話。
ひとつの国家が誕生し、それに立ち会った人々の苦悩と、国の外から逃れサハに行き着いた人たち。
そこで生まれた二世、三世にとっては当たり前の世界が、大人になるにつれ、寛容できなくなっていく様子。
サハの住民それぞれの視点で描かれる。
差別、偏見、抑圧の中で生きるサハマンションの人々のリアルが辛い。とてもフィクションとは思えない。どこの世界でも起こり得ることだ。
韓国での社会問題を多数組み込まれて作られた話という事で、作者の現代社会への問題提起を感じた。
全ての人々の話がラストに向けて繋がる訳ではなく、その世界のマンションの住人のエピソードとして書かれるのでまとまりのなさは感じてしまう。
その全部スッキリ描かれない事が、隣人感、リアルさを醸し出す要素なのかも知れない。
あと、韓国風の名前がその音だけでは男女の区別が付かないのは難しさを感じた。
Posted by ブクログ
難しかった……超格差社会の底辺の人々の物語。視点と時間があっちこっち行くので、ちゃんと読まないと話のつながりがわからなくなる!
ただ階級が全てではないし、権威は見せかけで1人1人は心のある人ばかりだなとも思います。
貧困とかまで話を広げるならば、見た目や階級だけで評価してはいけないと思わされます。