あらすじ
キム・ジヨンの人生を克明に振り返る中で、女性が人生で出会う差別を描き、絶大な共感で世界を揺るがした(事件的〉小説、待望の文庫化! BTSやRMらが言及、チョン・ユミ、コン・ユ共演で映画化。韓国で136万部、日本で23万部を突破。フェミニズム、韓国文学隆盛の契機となる。文庫化にあたり、新たな著者メッセージと訳者あとがき、評論を収録。
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Posted by ブクログ
この物語には女性の誰もが実感できる悩みや苦しみが描かれている。
フェミニズムとは男性と敵対するために存在するのでは決してない。
生物学上どうしようもない不平等さに対して、互いに同じ熱量で、納得のいくまで話し合うための主義だ。
だから男性の皆様にもこの本をぜひ手にとっていただきたい。
SNS上で繰り広げられる匿名の論争ではなく、著者が勇気を持って発表したこの物語と対話することで、フェミニズムについて考えてみてほしい。
Posted by ブクログ
女性が年を重ねるごとに見ないようにしていた、言葉で形取らないようにしていた苦しさやどうしようもなさを、何気ない日常をもとに鮮やかに書いた小説でした。
立場や呼ばれ方が家族の中でさえみるみるうちに変わっていき、私が薄くなっていく。だけど私だけは「私」を忘れられないでいる苦しさが胸に刺さりました。
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私の中のミサンドリー(男性憎悪)が剥き出しになり、頭の中で、出てくる男性を片っ端から大ハンマーで殴り飛ばすなどした。そして、キム・ジヨンと自身を重ね、あの時のあの出来事など、嫌な記憶が蘇るたび、その都度、本を閉じ、天井を見た。過去の自分を、そして未来の自分を、はてまた、身近な女性のことをじっくりと思う一冊だった。
Posted by ブクログ
7〜8年ぶりの再読。
育児にまつわる辛かった経験を慰めてもらったようでもあり、いやいやまだまだ全然終わっていないし慰めきれてもいない思いもあり、でもみんな自分の辛さをどうにかして発露するために、対照的な生き方のひとを悪く言うんだよね、みんな生きるの辛いんだよねって思ったりもした。
私自身は、やって当たり前とみなされている家事育児を夜遅くまで1人でこなし、夫も子供たちも非協力的、実の母は私の出産3年前に他界、離れて暮らす父は頼れず、同じく遠距離の義両親には「自分さえ良ければそれでいいのか。都会暮らしは愚の骨頂」とか言われていたりとにかくなんでも1人でやってるけど、もはや徳を積めるだけ積んで、いつかものすごく楽しくて幸せなことを1人だけで享受しよう、その日が来るのが待ち遠しい、と祈るような日々を送っている。その日のために自分や周囲の健康を祈り、己を磨く、ただそれだけ。
この本を再び手に取ったきっかけは、韓ドラにもK-POPにも全くハマっていないのに、ちゃんみなさんとHANAが好きなだけで韓国にめっちゃ興味が湧いて、Duoringoで韓国語をやり始めたら止まらなくなり、韓国自体のことをもっと知りたくなったこと。
楽しいからもっと他の本も読みたいし、知的好奇心が止まらないー!
Posted by ブクログ
ん?全部見たことあるぞ?全て身近にあるぞ?日本の平成生まれの私にも経験あるぞ?どこが他国の少し前の物語なのか、意味がわからない。見えてないならそれこそ問題だぞ?
Posted by ブクログ
半分くらいまで読み進めた時、もうしんどくて読むのをやめてしまおうかと思った。久しぶりにこんなに辛い小説に出会った。心が折れそうになっても、何とか結末まで頑張って読んでほしいです。
Posted by ブクログ
恵まれすぎもしない悲惨すぎもしない、最大公約数的な韓国人女性の物語。日本人女性にも通じるものがあり、そして描かれ方がより私たちに諦念を感じさせるものだった。
私は幸いに仕事でジェンダー差別を受けたことは無いが、日常生活の中で他人事とは思えない要素がたくさんあって胸が苦しくなった。
この作品の中で抱いた諦念をそのまま現実に定着させないために、ひとりひとりが男や女であるよりも前に人間であるということを多くの人がこの作品を通して感じると良いなと思った。
Posted by ブクログ
大きな棘がグサグサと心臓に刺さるような作品でした。
対岸の火事では全くなく、解説に書かれているようにまさに日本で起こっていることそのものです。
第三者視点でキムジヨンをドライに描くことは
女性を取り巻く環境がいかに歪なものかを客観的に示し、
歪さに引っかかりを覚えた自分自身がその歪さに加担したことはなかったのかと自問する効果があると思いました。
そしてあのラスト……。
あのラストはまさに韓国や日本を取り巻く無関心そのものかと思います。
Posted by ブクログ
一冊に詰められたメッセージと情報量が多すぎて一回じゃ受け取りきれない。
今置かれている環境が過去の女性たちが闘い続けてくれた結果だということが身につまされた。
私も次の世代がより生きやすくなるように何か残せたらいいな。
Posted by ブクログ
韓国って日本に似てる。だけど、30年くらい後だと思う。男尊女卑とかは昔からの流れだろうけど、その意識から脱却するのに日本より遅れていると思う。
今から10年前の時代を描いている章があったけど、その頃日本は子供を産まないのか、いつできるのか等の質問は既にご法度だったし。個人でも組織でも国でも、やはり余裕が無いと変わっていくこと、変化には対応しずらいのかなと思った。旧態のままでいることにしがみつくというか。
後は、韓国のそれぞれの家庭があまりに男系を重視する日常過ぎて、気づかないうちに文化にまでなってしまっていたのにも驚きだと思う。
Posted by ブクログ
女子校出身、女性ばかりの職場で働いているからなのか女性だから損してると感じた経験は少ないけど自分が気づいていないだけで損をたくさんしているのかもしれない
キムジヨンには幸せになってほしい
Posted by ブクログ
82年生まれ、キム・ジヨン
著者:チョ・ナムジュ
子育て中に異常行動が表れた1人の女性患者のカウンセリング記録という形で進行していく小説。
過去から現在に至るまでの韓国社会における女性差別の実態を告発するかのような内容で、フェミニズム本のような読み味だった。
出生、進学、就職、所得、結婚、育児
様々な点においての男女格差を極めて普遍的に描いており、その普遍さが薄い膜のように作品を纏い、とても不気味で恐ろしいものに感じた。
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「でもさ、ジヨン、失うもののことばかり考えないで、得るものについて考えてごらんよ。親になる事がどんなに意味のある、感動的なことかをさ。それに、本当に預け先がなくて、最悪、君が会社を辞めることになったとしても心配しないで。僕が責任を持つから。君にお金を稼いでこいなんて言わないから」
「それで、あなたが失うものは何なの?」
「え?」
「失うもののことばかり考えるなって言うけど、私は今の若さも、健康も、職場や同僚や友だちっていう社内的ネットワークも、今までの計画も、未来も、全部失うかもしれないんだよ。だから失うもののことばかり考えちゃうんだよ。だけど、あなたは何を失うの?」p149
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女性として生まれたが為に、
周りのみんながそうであるように、
当たり前のように諦めなければいけない事はあって良いものなのだろうか。
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法律や制度が価値観を変えるのか、
価値観が法律や制度を牽引するのかと。p145
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女性差別はどの国でも共通する重要なトピックであると同時に、その実態として掲げた理想との大きな矛盾が生じていることも再認識する必要があると感じた。
それを象徴するかのような結末には本当に救いの無いどうしようもなさが集約されていた。そして解説を読んで、さらに恐ろしい著者の意図に震えた。
これは決して他人事では無い。
Posted by ブクログ
職場で男女差別を感じることが幸いにも殆どない。しかし、幼少期からのひとつひとつの出来事で、心に鎖ができていると思う。男性が先と、どこかで思っている気がする。
でも、女性だけが被害者かというと違う。男性側も不公平感を感じているという視点が大事と思った。
Posted by ブクログ
読んでてしんどくなる作品だった。でも内容は興味深いしもちろんストーリーとして良い。男女どちらも読むべき。
韓国の文化をよく学べた本だった、一部フィクションもあるかもしれないけど。
どの本よりも怖いしこんな世の中嫌だと思えるけど、日本でも身に覚えありそうなことばかりなのが余計しんどい。
なんで女性というだけでレッテルを貼られて、中身を見てくれないんだろう。今はもう女性だから大学は行かなくて良いとかは言われない時代だけど、完全に男女差が無くなったわけじゃないよね。
男女どちらも出産できるようにして、ほとんど身体の個体差もなくなれば、こんな嫌な世の中じゃなくなるんだろうか。
Posted by ブクログ
フェミニズム小説として評判になっていたのは知っていたので購入だけはしておいたが、ようやく読むことができた。
解説にもあるとおり、確かにこの本を読めば、「これは、まさに私の話です!」と多くの女性が共感したことも納得できる。「男性と女性の扱いがこんなに違うのはなぜ」、「どうして私がこんな目にあうの」というように、家庭、学校、就職、職場、結婚、出産といった人生の様々な場所やステージにおいて、偏見や差別を受けてきたのだろう。
82年生まれのキム・ジヨンに対して、自分は60年代前半生まれの男性。本書に書かれている「性の鑑別と女児の堕胎が大っぴらに行われていた」という韓国の状況ほどではないが、自分の子ども時代には、男の子を生んで嫁としてやっと一人前と言われていたり、学校の生徒会長や学級委員長がほぼ男子だった時代だった。成人の頃やっと均等法が施行されるなどしたが、女性が責任ある仕事を任されることは少なかったし、職場や接待の飲み会の場ではお酌の役割りを振られたりセクハラする人間も当たり前にいる時代で、本書に描かれていることのほとんどが「日本も当時はそうだったなあ」と思えることばかりだ。今考えると信じられないようなことなのだが、女性の嫌な思いというものを実感できていなかったし、自分がそのような状況を少しでも変えるために何かしたということもない。
制度的には男女差別的な取扱いは少なくなっているのだろうが、形になっていない差別や多くの男性が持っているだろう無意識な偏見というものはきっとあちこちにあるのだろう。
女性にとっては勇気を与え、男性にとっては自らの意識や態度に自己反省を迫る一冊だと思う。
Posted by ブクログ
全人類に読んでほしい、特に男性に。
最初から最後までしんどくて、生きてくのがうんざりする内容。この主人公でマシな方らしいので、もっと大変な目に合っている女性がかなりいるのかと思うと言葉が出ない。
出てくる女性が皆かっこいい。
Posted by ブクログ
韓国の小説にはいつも出会ったことがない言葉が書いてあって驚かされる
本文より
「〜子供をを産む母親には、痛みもしんどさも死ぬほどの恐怖も喜んで受け入れて勝ち抜けというのである。それが母性愛であるかのように。母性愛は宗教なんだろうか。天国は母性愛を信じる者のそばにあるのか。」
あとがきより
「キム・ジヨンさんは今も、ましにもならず悪くなりもせず、何かを選択することもそこを去ることもせず、問いかけもしないし答えもしません。答えを探すのは、小説の外を生きていく私たちの役目であるようです。」
これ、どの小説に対しても同じこと言えるじゃんって、慄いた
Posted by ブクログ
キム・ジヨンさんの半生を通して、韓国における女性への差別が表現されています。共感してしまえるのが、悲しかったです。そして、終わり方のあっけなさ、無関心さといったら。。
出産前に退職する時のキム・ジヨンさんは、身近すぎて読んでいて苦しかったです。自分は、命を落とす可能性すらある出産で体がぼろぼろになり、慣れ親しんだ仕事も失う。男であるあなたは、と私も問い詰めてしまいそうです。
相手は、そんな事を言うなら産まなければいい、と思うかもしれません。他人事なら私もそう思います。だから、そうは考えないパートナーと人生を歩みたいです。
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私はまさにジヨンと同世代だ。国は違えど、日本もほぼ同じである。私たちの世代は男性優位の環境から男女平等の環境への変化の中を生きてきた。
だからどちらのメリット、デメリット、生きづらさがわかる世代なのである。
今の若い人たちは昔の男尊女卑の強い世界を知ってほしい。私たちの世代が生きづらさに気づいて立ち上がり、今の比較的男女平等の世界を作り上げたことを知ってほしい。
60代以上のかたには、男性優位の世界での女性の生きづらさを共有したいし、あなたがたが安定に暮らすために私たちの世代が犠牲になったことも知ってほしい。
本当は世の男性に読んでもらいたいけど、果たして共感を得られるのだろうか。
Posted by ブクログ
女性が、職場や家庭や社会全般から求められている立ち位置や役割。自分が時に窮屈で、理不尽にも感じていたさまざまな事柄がこの小説のあちこちに出てきて、時空を超えて同志を得た気分になったー「ああ、私はひとりではなかった」と。自分の頑張りや堪え性が足りないからなのではないか。悪いのは自分なのではないかと思い悩んでいたあの頃を、腕いっぱいに受け止めてもらえた気分。
特にこの文庫本は、巻末の解説や訳者あとがきがすばらしい。併せて読むことで、この作品の魅力と反響の理解が倍増する。ゼッタイに読んだ方がいい。
本書を読んだ男性から、「(妻や家族に)謝りたい」「男性こそ読むべき本」との感想も寄せられていると、あとがきにあった。この小説を通じた壮大な問題提起が多くの人たちに刺さっていることに安堵するとともに、希望の光を見た気がした。
Posted by ブクログ
フェミニズム小説といえば真っ先にタイトルがあがる作品の一つであろう本作をやっと読みました。
日本においてたまたま女の体で生まれたというだけで理不尽な苦痛や困難を社会に強いられてきた人はたくさんいて、私もその一人。今でも悔しい思いをすることがあるし、それらの体験は後々も思い出して怒りに震え、決して忘れることはありません。この小説は韓国が舞台ですが、私たちが経験したこと、していること、見たこと、聞いたことが詰まっていて「これは私の話だ」となります。どこかで傷つき、しかしそれをなかったことにしてどうにか生きてきた自分を抱きしめることができたように思います。
本編後には、この小説の巧みな構成についてや、日本社会との文化の違い、フェミニズムの広がりについてなどを著者や訳者が解説していて、新たな気づきがあって充実しています。
Posted by ブクログ
コンセプトがハッキリしてる 出産や仕事など、様々な場面において女性の立場が弱いことへの問題提起がされており、性別に関係なくハッとする人は多そうな気がする。自分も女性だからわかる部分もあり、一方でいろいろな考え方がありえるかもしれないと思う部分もあり…ただ、いろいろと考えるきっかけとして、良い本だと感じた。
Posted by ブクログ
一冊をかけて女性の生き地獄がこれでもかというくらい述べられてきたあとで、最後の一言が本当に恐ろしくてホラーだと感じた。課題の本質はなんら理解されず、また次の世代に受け継がれていく。自分の物語であると感じはしたけど、この地獄を過去に生きて浮かばれなかった女性たちのことを考え、女性に生まれただけで今の時代も変わらず地獄が続くことに絶望してしまった。
Posted by ブクログ
最初「よくある女性の話だな」と思いながら読んでいましたが、途中からこれが「フェミニズム小説」と呼ばれていることを思い出しゾッとしました。
淡々とした語り口でありふれた1人の女性の生涯を振り返ることで、改めて自分の生涯を客観視でき、「当たり前」として受け止めていたことが、決して当たり前ではなかったことに気付かされます。
私は92年生まれの日本人女性で、キム・ジヨンと比べると少し恵まれた環境だったのかなと思いますが、現在2歳の娘たちが生きる未来は今よりもっと言いたいことが言える世の中だといいなと思いました。
父になった夫にもぜひ読んでもらいたいです。
Posted by ブクログ
チョ・ナムジュ
「82年生まれ、キム・ジヨン」
仕掛けに唸る、設定にうなる。韓国の100万部ベストセラー。
先に言うと、内容に唸らなかったわけではありません(- -@)。なにを出したいのか、という目的に対しての工夫がキレすぎてて怖いくらい。
キム・ジヨンは商才のある母親中心の家庭で育った。幼少の頃から弟と自分に関する差、にもやもやしたものを感じていた。
やがて大学在学中の就職活動で書類選考に落ち続けた上、やっと参加できた企業の面接でセクハラの状況でどう対処するか、という質問をされる。なんとか広告代理店に入り、しっかりした女性課長と良い同僚に恵まれたが、時折り社内外で女性軽視の発言をされたりする。やがて優しくそこそこ収入の高い男性との結婚。子供を作るにあたっても、妊娠してからも、違和感を覚えたり、無神経だと感じる言葉に遭う。
泣く泣く会社を辞めて子育て中の散歩の公園で近くにいたサラリーマンが「ママ虫」と自分の妻の悪口を言うのを聞いて傷つくー。やがてキム・ジヨンには奇妙な症状が見られるようになるー。
まずもって設定が、裕福寄りな家庭、大学出、企業への就職という、よくある、ありすぎるものであること。もちろんさまざまな人がいる中で、よくありすぎる道のり、その途上で、女性ならではの生きづらさやそもそもの疑問を強く感じている。だからなのか、挙げられている事件、体験がとてもリアルだ。
男性の名前、キム・ジヨンのビジュアルの描写、そしてこの主人公の名前・・散らしてある仕掛けもシブくてキレがあるような・・
まず感じるのは、時代ということ。家父長的な社会の意識や女性を下に見たり家族のための犠牲を強いるのは親の代までまさに常識だった。田舎から1人、嫁に入ったのが私の母で、救えなかった、という感覚もまだある。
世代は変わっても、制度に意識が追いつかなかった時期がしばらくあった。この本の叫びに、時代に乗っていたのも確かで、家庭内のことも胸が痛い部分はあるなと省みる。最近はまさにこの本で挙げられているようなことが問題となるようになって、少しずつ変わってきた気も、しないでもない。職場には男性が圧倒的に多かったが、今や女性上司は普通にいて違和感はまったくない。
さまざま韓国のことも知った。男児を異常に欲しがる風習、また兵役のある男性からは強い羨望と蔑みの目線があること。託児所無料にはえっ進んでる、などと。そういえばシンガポールでは女性の働き手を失わないよう、各地に公営の保育所があったっけと思い出した。
バブル崩壊初期まで売り手市場であった中、大学の後輩女性が就職先がなく、コネで銀行に入れてもらった、と話していたな、と、就職活動のエピソードを読みながら思い返していた。
たんたんとしたルポルタージュふう、というのも好ましい。国際的には♯Me too運動が国際的に燃え広がった時期と相俟って、発売されるやベストセラーとなったという。
なるほど、読むと分かる。戦略的に計算されている。ふむふむ。
Posted by ブクログ
女性が知らず知らずのうちに多くの人から無意識的に受けていた差別、に対する本
本編自体は200ページにも満たなく、すぐ読めます
まあまあでした!
Posted by ブクログ
え、ここで終わり?!
というところでブツっと終わった。
(全部で253ページあるけど、物語は195ページで終わる。あとは著者後書きとか解説。)
なるべく直訳になっているせいなのか、
???となる文章がちょこちょこあった。
内容自体は、少し前の日本を見ているようだし、
私も昭和かよ。みたいな文化が残ってる会社で働いているから、想像より「酷い世界だ、、!!」とはならなかったかも。(感覚が麻痺してそう、こわっ。)
といいつつ最後はすっごい胸糞。
キムジヨンの精神科医の先生(男性)。
「私は精神科医だし、妻も病んでいた時期あるから子どもを持つ女性の大変さなどはよく分かってるだよね。」的なこと言っておきながら、女性スタッフが出産を機にやめるとなったら
「彼女は顔も可愛いし服装もおしゃれだし私の好きなエスプレッソの量もよく覚えてるし良い人だった。でもやっぱ育児の問題があると困るなぁ、、次は未婚の人探さなきゃ。」
という発言。
可愛いとか言ってるのキモいし、コーヒーは自分で入れろだし、子育てする女性に理解あると言っておきながら自分ごとになると結局疎ましいんじゃん。っていう。
滅んで欲しいと思いました!!!!
Posted by ブクログ
本作も数年前に話題になっていたし、私がお邪魔するブログでも結構取り沙汰されていたと思います。
読みたいなー、読みたいなー、と思っていましたが、今般やっと許容範囲のお値段で手に入れることができました。
で、読んでみてびっくり。というか想定しておらず。
これはいわゆるフェミニズムの本であります。そして、とにかく暗い。
女性という性に対し、後天的に付与された窮屈な立場、逃げ場のない袋小路が淡々と描かれます。こういうのはきっと男性こそ読むべきものだと思いました。
・・・
1982年生まれのキム・ジヨンは、結婚・出産を機に退職し、育児と家事に追われる日々を送る33歳の主婦。ある日突然、他人が乗り移ったような言動をするようになった彼女は、精神科医の診察を受ける。
その半生を振り返る中で、彼女が幼少期から社会人、そして母親となる過程で直面した女性差別の困難と不条理が浮き彫りになる。
・・・
私は韓国には行ったことが無いのですが、韓国はそんなに男尊女卑が強いのかな、とやや驚きました。
昭和生まれで、昭和、平成、令和と生きてきて、社会情勢の変化は体感してきましたが、私が新卒で就職した平成初期は、私の居た職場には所謂一般職・総合職という区分けも既になく、セクハラという言葉も流通し、女性が差別されるという雰囲気は余り感じられませんでした。
しいて言えば、女性の先輩が、「こんな厳しい時代なのに取ってもらえて御の字だよ」とか言っていたのは印象にあります。逆に卑下しているような。就職難の時代でしたからでしょうか。
・・・
きっと、日本でも世界でも、今後は本作のキム・ジヨンさんのような人は少なくなるのだとは思います。むしろ女性の進出をどんどん進めよう、という動きかと思います。うちの会社でも女性管理職〇〇%以上みたいなKPIが設定されました。
想定されるのは、今後は昇進候補者の選定にあたり、評定の低い女性が昇進し、評定の高い男性が僅差で昇進できないというケースも出てこようと思います。
きっと男性はこれを総体として受け止めねばいけないのでしょうね。
個別のケースで考えるのではなく、総体として男性はこれまで女性より優遇されてきた、と。これを是正する社会的過渡期にあると。
まあ男性からしたら、なんで俺なんだよ、みたいな感覚もあるかもしれません。
自分の父親、祖父、叔父、そうした人たちがエンジョイしてしまった優遇の対価を我々が支払うということかもしれません。あるいは自分自身、気づかずに享受していた優遇もありましょう。そうしたものの揺り戻しなのかもしれません。
ただ、別の考えもできましょう。自分の妻・彼女・娘・お嫁さんなどが正当に扱われるのだとすれば、これはこれで受け入れられるのかな、とも思いました。
もっとも私は昇進もへったくれもありませんでしたが…。
米国での黒人差別を経ての大学入試でのポリティカル・コレクトネス、またオーストラリアやニュージーランドでの先住民の大学入学におけるクオータ制が想起されます。これらがどうやって受け入れられたかは一つ先例として参考になるかもしれませんね。
・・・
ということで、内容はじっとりと暗い女性の半生を描くフェミニズム小説でした。
社会が変わりつつある中、中高生が読んでも面白いと思います。
社会人の男性が読んで違和感を感じる箇所があれば、それが世の潮流との「ズレ」かもしれません。そうした「ズレ」が大きくならないうちに予防接種的にも使える作品かと思いました。
Posted by ブクログ
意外な終わり方をしていて声もでなかった
ページをめくったら終わっていた⋯
日本にもあるけどそれ以上かもしれないテーマの深遠さ⋯
キム・ジヨン
三十三歳 三年前に結婚し、昨年、女の子を出産。三歳年上の夫とともに暮らしているが、自分に向かって吐きかけた他人の言葉をきっかけに異常行動が表れる。夫に連れられて精神科を受診 その担当医が書いたカウンセリングの記録という形の小説
韓国社会における、過去から現在に繋がる女性差別の実態が表現されていて、キム・ジヨンの人生を振り返る形で話が進むフェミニズム小説
訳者あとがきにもあるように、文芸とジャーナリズムの両方の側面があり、キム・ジヨンが体験してきた悩みや苦しみに焦点を合わせたことがかえって普遍的な共感を呼んでいる小説