斎藤真理子のレビュー一覧
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ネタバレ初めての韓国の小説。翻訳だからなのか、文化なのか、独特の文章だったけど、読みやすかった。アメリカ人作家の小説を読んだ時のことを思いだした。「国民の恋人」という表現は韓国らしいと思った。
十一分の一
退廃的で耽美的。生き返った恋人を束の間あたたかい時間が流れ(回想の中では恋人になったという確たるシーンがあるわけではなく、雰囲気と様子からそれを感じ取り、再開の時に思いがちゃんと通じ合っていた、となったのがまた良い)、すぐあとに地球はほろびてしまう寸前の状態であることが読者に明かされ、ゾッとさせられる。そこが怖くもあり耽美的なところなのかも。
ミミズの話の「リセット」は想像すると気持ち悪いけど、映 -
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翻訳らしい短編集。何となくアーウィンショーを思い出した。一貫して痛みを伴う回復がテーマ。中でも「エウロパ」は印象的だった。主人公はトランスジェンダーの男性とライブハウスで歌うイナ。2人の夜の散歩の場面は秀逸。「火とかげ」は映画を観ているようだった。主人公は事故により両手とも効かなくなった画家。そして疲れきって絶望しているその夫。ある時友人の子供が飼っているトカゲがその両手を千切られてもまた生えてくる事を知る。
主人公が少しずつ希望を取り戻し生きていこうと決意してまた絵筆を取る過程が美しい。
全ての言葉が一遍の詩のような何とも言えない透明感に満ち溢れた一冊。 -
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7〜8年ぶりの再読。
育児にまつわる辛かった経験を慰めてもらったようでもあり、いやいやまだまだ全然終わっていないし慰めきれてもいない思いもあり、でもみんな自分の辛さをどうにかして発露するために、対照的な生き方のひとを悪く言うんだよね、みんな生きるの辛いんだよねって思ったりもした。
私自身は、やって当たり前とみなされている家事育児を夜遅くまで1人でこなし、夫も子供たちも非協力的、実の母は私の出産3年前に他界、離れて暮らす父は頼れず、同じく遠距離の義両親には「自分さえ良ければそれでいいのか。都会暮らしは愚の骨頂」とか言われていたりとにかくなんでも1人でやってるけど、もはや徳を積めるだけ積んで、い -
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仕事用に読んだのですが すばらしかった
斎藤真理子さんのボイスがまたグッときます
北朝鮮から自由を求め故郷を出てゆく
16歳の3人の子どもたちを描く。
ソル、クァンミン、ヨルム
ソル
貧しくも愛のある家庭
何度も脱北を試み捕まっては脱走を繰り返してきた。最後の日、姉さんが信頼できるブローカーだと教えてくれた電話番号に頼って行ってみると…内モンゴルの花嫁に売られてしまう…
クァンミン
サッカー選手を目指す男の子。この国では何不自由ない裕福な暮らし。
父親は体制側の役人で、優遇されている
母親は夫に隠れて脱北のために動いており、息子を自由にしたいと考えているが…
ヨルム
父親が病気で働けず -
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〜世界はなぜこれほど暴力的で苦痛に満ちている?
と同時に、世界はなぜこれほど美しいのか?〜
人間の暴力性に真っ向から向き合って、文章で戦うハンガンさん。
世界が平和と反対方向に向かっているような気がしてならない今、読めてよかった。
最初の方は2024年にノーベル文学賞を受賞したときの講演の全文。
彼女がこれまで世に出した書籍がどういうプロセスで書かれたのかがわかって、またいろんな本を再読したくなった。
中盤はエッセイ、そして後半は日記。
庭木にアブラムシやハダニがついて、殺虫剤を噴霧したら全部枯れてしまったり、何匹もいたはずの虫が消えていて悲しんだり、花が咲いて喜んだり、花が咲かずに残念がっ -
Posted by ブクログ
斎藤真理子さんを木にたとえたら、と考える。
がっしりと張った根は、古い地層に蓄えられた水を汲み上げ、揺らぐことはない。
稠密に重ねた年輪に支えられた頼もしい幹に、背中を預けて空を見上げてみると、光を求めて両手をいっぱいに差し伸ばしたかのような梢が見える。
そよ風と戯れて、さんざめく枝先は、どこまでも軽やかだ。
見慣れた馴染み深い木であるが、僕の中で欅のイメージが重なる。
この季節のキリッと冷たい空気のなかで、青空を背景に立つ裸木の凛とした佇まいもまた、彼女に似つかわしいように思えてくる。
木にたとえたくなった理由は、もちろん本書のタイトルからの連想だ。
“「なむ」とは韓国語で木を指す。本は -
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物語の根底に、1948年4月3日に発生した済州島四・三事件がある。
李承晩政権下の軍・警察、そして駐韓米軍が、1954年までの6年間で約3万人の島民を虐殺した凄惨な事件だ。
朝鮮半島が南北に分断されることに反対する民衆が、済州島で武装蜂起したことが事件の発端だった。
その後、韓国が本格的な民主化を迎える1987年6月の民主化宣言までは、済州島四・三事件を語ることはタブーとされている。
主人公の作家キョンハは虐殺に関する本を出版した後、原因不明の酷い目の痛みと胃痙攣に悩まされていて、精神的にも疲れていた。
そんな時に友人の映像作家インソンは、キョンハが提案した木製オブジェを製作中に指を切断する