作品一覧

  • 声を出して、呼びかけて、話せばいいの
    4.3
    1巻1,980円 (税込)
    血縁という地獄をサバイブしてきた。母は狂女になるしかなかったから、私もまた狂女に育った――。日本と韓国を行き来し、自由を追求する唯一無二のアーティストによる、渾身のエッセイ集。 死にたい時許せない時救われたい時、 愛する人に会えなくなった時、 私は死ぬまで何度もこの本を開くだろう。 ――金原ひとみ お母さんは狂ってて、お父さんはサイテーで、 おばあちゃんは二人とも精神を病み、親戚はみんな詐欺師。 そんな家族のもと、幼い頃から泣くことも笑うこともできず、 いつも世界でひとりぼっちだった私が始めたのは、 感情に名前をつけること――。 1986年生まれ、日本と韓国を股にかけて活躍するミュージシャン・作家・エッセイスト・イラストレーター・映像作家のイ・ランによる、「これまでの家族」と「これからの家族」。 日韓同時発売。 ◎目次 体が記憶している場面たち 母と娘たちの狂女の歴史 本でぶたれて育ち、本を書く お姉ちゃんを探して――イ・スル(1983.11.03 ~2021.12.10) 三つの死と三つの愛 ダイヤモンドになってしまったお姉ちゃん お姉ちゃんの長女病 ランは早死にしそう 私の愛と死の日記 すべての人生がドラァグだ お姉ちゃんの車です 死を愛するのをやめようか 今は今の愚かさで あなたと私の一日 この体で生きていることがすべて 1から不思議を生きてみる イ・ランからジュンイチへ ジュンイチからイ・ランへ 確かな愛をありがとう

ユーザーレビュー

  • 声を出して、呼びかけて、話せばいいの

    Posted by ブクログ

    「お姉ちゃんの長女病」が心に残った。
    全編を通して出てくる家族という呪いに力尽き果てた姉が印象的だった。
    姉にはどうしても大好きな家族が必要だったけど、必死に守ってきたその家族は姉のことを搾取することしか考えていなかった。
    本当に誰も正しく愛する術を学ばなかったし、持たなかったんだなと思う。

    著者の素直な言葉から、これまでつけられた無数の傷から回復しようともがく思いがよく伝わってきた。愛すべき友人たちがどんどん失われていく箇所も壮絶だった。
    著者の人生に穏やかな日が1日でも多く訪れてくれることを願ってしまうような、祈ってしまうような本だった。

    0
    2025年12月15日
  • 声を出して、呼びかけて、話せばいいの

    Posted by ブクログ

    感情や体の感覚まで手放して、生きなければならなかった__家族という地獄の中を。
    彼女が強く欲した"愛"と"死"が切実に鋭利な言葉で綴られていた。このヒリヒリとした感覚は自分の痛みに繋がったからなのか。無数の傷を抱え私たちは生きていく、死に向き合うことは生に向き合うことと等しい。

    0
    2025年10月26日
  • 声を出して、呼びかけて、話せばいいの

    Posted by ブクログ

    苦しい。けれど傷を見せてくれるように紡がれる言葉から目が離せない。私は幸運なことにとても死と暴力から遠い人生を今のところ歩んでいる。本当に大切な人を失ったことがまだなく、自分自身も一度も死にたいと思ったことがない。だからこそ、こうして身近な死をたくさん経験して、失いながらも生きる言葉にしてくれていることが本当にありがたい。


    何より、「カッコの多い手紙」を読んで以降、ずっと猫のジュンイチのことが気がかりだった。
    この本の目次を開いて、ジュンイチが先に眠ってしまったことを察して、まだ本文を一文字も読んでいないのに泣いた。最後の方の、恐らくジュンイチとの別れについて書かれているであろう箇所を読む

    0
    2025年10月05日
  • 声を出して、呼びかけて、話せばいいの

    Posted by ブクログ

    行動力があって、多才で、パワフルで、その力はどこから湧いてくるのか知りたくて本を手にした。家庭環境が良くなかったこと、幼い頃、幽体離脱をしていたことなど共感するところがたくさんあった。でも読んでいて辛くて苦しくなる部分もかなり多い。p150〜151の文章と「あなたと私の一日」の文章が特に好きだった。相棒ジュンイチのところはもう涙なしでは読めなかった。

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    2025年11月03日
  • 声を出して、呼びかけて、話せばいいの

    Posted by ブクログ

    死者との関係を紡ぎ直すことあるいはその意味合いを変えてゆくことが生きるものにできることなんだなと思う。
    精神と身体の変化を感じ、見つめ、言葉にすることが人間の営みだと語る覚悟とか切実さが詰まったエッセイだった

    0
    2025年10月09日

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