浜辺ふうの作品一覧
「浜辺ふう」の「声を出して、呼びかけて、話せばいいの」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「浜辺ふう」の「声を出して、呼びかけて、話せばいいの」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
Posted by ブクログ
イ・ランさんとは生い立ちも境遇もまるで違うのだけれど、その世界の捉え方はものすごく腑に落ちる。本作は最初から最後まで死に満ちていて、ほとんどの章で涙をこらえられない。
家父長制と男児選好思想に染まりきったイ一族の中にあって、「私は、自分の物語を世の中に示すことのできる狂女でよかった。だけどわたしだけではなく、お母さんの狂女の歴史もとても重要だから、広く世に知らせたい。」と言うランさん。そう、お母さんも本当にかわいそうなんだよ…。宗教に傾倒する理由が「聖書に出てくる唯一神=完全な父親像」で、宗教を持たないわたしでも深く納得してしまった。
お姉ちゃんの死も本当にやるせない。ランさんは、長女病と消尽死と称していたけれど、これにも深く納得。「もう何の借りもないよ、この世に。」
それでも本作はふしぎと悲愴感が薄く、かなしみもどこかあかるい。脳腫瘍が疑われ、日記に百回以上も「死にたい」と書いてきたランさんは喜ぶが、ふと口にした独り言は「惜しい……」。
ジュンイチからのメッセージ「ご飯をちゃんと食べて。ご飯を食べると力が出るでしょ」は、イ・ランさんの心ばえでもあり、読者からの祈りでもある。
Posted by ブクログ
「お姉ちゃんの長女病」が心に残った。
全編を通して出てくる家族という呪いに力尽き果てた姉が印象的だった。
姉にはどうしても大好きな家族が必要だったけど、必死に守ってきたその家族は姉のことを搾取することしか考えていなかった。
本当に誰も正しく愛する術を学ばなかったし、持たなかったんだなと思う。
著者の素直な言葉から、これまでつけられた無数の傷から回復しようともがく思いがよく伝わってきた。愛すべき友人たちがどんどん失われていく箇所も壮絶だった。
著者の人生に穏やかな日が1日でも多く訪れてくれることを願ってしまうような、祈ってしまうような本だった。
Posted by ブクログ
苦しい。けれど傷を見せてくれるように紡がれる言葉から目が離せない。私は幸運なことにとても死と暴力から遠い人生を今のところ歩んでいる。本当に大切な人を失ったことがまだなく、自分自身も一度も死にたいと思ったことがない。だからこそ、こうして身近な死をたくさん経験して、失いながらも生きる言葉にしてくれていることが本当にありがたい。
何より、「カッコの多い手紙」を読んで以降、ずっと猫のジュンイチのことが気がかりだった。
この本の目次を開いて、ジュンイチが先に眠ってしまったことを察して、まだ本文を一文字も読んでいないのに泣いた。最後の方の、恐らくジュンイチとの別れについて書かれているであろう箇所を読むのが怖かった。
だから、「確かな愛をありがとう」で“こんなに満たされた死にまた出会うことがあるだろうか”と綴られていたことにものすごく救われる想いだった。悲しいだけの喪失を予想していた自分が恥ずかしくなるくらい、ジュンイチは愛と誇りを背にその生涯から自由に去っていったし、ランさんもその愛をしっかり受け止めて、ジュンイチがいないけれどいる日々を今もしっかりと生きている。
これを書きながらまたボロボロ泣いてしまう。この本の187ページ以降はこの先何度読んでも泣くんだろうと思う。それでも、いつか来る愛する命との別れが本当に恐ろしくて耐え難い夜には何度でも開きたいと思う。何度でも私を救ってくれると思うし、言葉の通じない家族との時間をより一層かけがえのないものにしてくれる言葉たちだった。
しばらくはもうこの表紙を見ただけでも泣くかもしれない。