斎藤真理子のレビュー一覧

  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    私は80年生まれ。
    その頃の韓国、日本も同じだったと思う。
    兄弟で差別をされたことはなかったから韓国の方が女性に関する問題は深刻だったのか。
    まだそう言った考えも残ってるんだろうなぁ。

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    2026年08月10日
  • すべての、白いものたちの

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    一度目読んだときは物語なのか、詩の連作なのか混乱もありつつ、表現の美しさに、そして読み続ける中で、言葉で表現できない死と生の深みを文章に惹き込まれた。
    作者のあとがきを読んで再読すると、物語として見える世界が確立され、それぞれの章での主人公での視覚で物語を味わえる。
    いやはや深い。他の作品も読みたくなりました。

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    2026年08月08日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    差別の問題が個人の倫理観の問題ではないということを突きつけられる。
    善人、悪人という二項対立で物事を単純に切り分けることはできない。特に流動性の高い現代において、普遍的にみえる価値観というのは少なくなっている。気がする。

    その変化に合わせて社会のあり方もアップデートしていかないといけないのだが、実際問題そんなに早く変わっていくわけもない。
    社会が人間の集団なのであれば、それらを作るのは個々人の心、しかし個々人の心は社会構造によって形成されているからだ。
    個々人の心と社会構造は、お互いに制約と促進という関係で結ばれている。であれば、個々人の心の変化が社会構造に制約されることによって差別というも

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    2026年08月02日
  • すべての、白いものたちの

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    白いものをめぐる短い文章の連なりが、生と死、喪失、祈りへと静かにつながっていく。はっきりとした物語ではないのに、一つひとつの言葉が胸の奥に沈み、読み終えてもしばらく余韻が消えなかった。多くを語らないからこそ、読む人自身の記憶や感情が入り込む余白がある。

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    2026年07月29日
  • ギリシャ語の時間

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    話すことができない女性と、視力を失いつつある男性。二人はギリシャ語教室で、生徒と教師として出会う。

    二人は身体的な喪失だけでなく、それぞれの人生で大切な人を失った痛みも抱えている。

    ボルヘスやギリシャ哲学に詳しければ、この作品の構造やモチーフをもっと深く読み解けたのだろう。例えば古典ギリシャ語の「中動態」は、二人と彼らを取り巻く世界との関係性を考える上で重要な鍵になっているように思えた。残念ながら私にはそこまでの知識はなく、その奥行きを十分に味わい切れたとは言えない。まるでアトリビュートを知らずに西洋絵画を鑑賞しているような、もどかしさも残った。

    最終章の番号は「0」。そこには、喪失を抱

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    2026年07月25日
  • 優しい暴力の時代

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    同時代に生き、価値観も家族感も日本とよく似ていて、非常に親近感が湧きました。
    厳しい環境の中登場人物は皆必死で生きていて、それが繊細に描写されています。とても人ごとには感じない。
    しかしチョンセというシステムはなかなか大変そうだなぁ…

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    2026年07月19日
  • 私の女の実

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    95年から00年にかかれたというハンガンの短編集。

    後の長編につながるのかな、と思わせるものもないではないけども、それぞれの短編単体で、悲鳴や痛みにに似た輝きを秘めている。

    あのとき辛かったな、苦しかったな。
    そんなことを思い出しながら読み終えた時、桜庭一樹のあとがきの一文がこころに残る。

    “傘をさしていないハンガンは今日もまた誰かの傍らで共に雨に濡れている”
    日本の雨も冷たいが、私達にはハンガンの本がある。

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    2026年07月18日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    韓国から日本へ、現代フェミニズム全盛に繋がる一大ムーブメントを巻き起こした話題作。韓国の伝統的な家父長制に翻弄される女性の姿を克明に描き出し、これまで光を当てられることのなかった苦しみと痛みを暴く。一方で男性に課される責務や責任を意図的に排除している節があり、手放しに称揚することもまた難しい一作。

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    2026年07月13日
  • 誰でもない

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    生々しい不安と不満、絶望。現実に疲弊しているのに、本の中でもまたそれにあてられてぐったり。誰でもない、この人たちは私。
    知っている感情を認知することも読書の意味であるはずなのに、本作にはただ疲弊してしまい、「すでに知っている現実をわざわざ突きつけられることに=読書 に、意味なんてあったっけ?」とすら思わされてしまった。(褒め言葉)

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    2026年07月12日
  • すべての、白いものたちの

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    はっきりした言葉が書かれているわけではないけれど、読み始めから終わりまで、ずっと白い、冷たい、部屋の中にいる気持ちになる。
    作者自身もずっとこのような気持ちだったのだろうか。自分が生まれなかったかもしれないとか、姉と比べてしまうこととか。
    私は姉の立場なので余りピンとこないが、お姉ちゃんがいることが羨ましくもあったり(実際にいたのだから)、想像することもあるのかと思う。
    22歳で一人で出産したと言っていた。私と同じような歳で、そんな壮絶な出来事を味わっていることに自分の弱さを感じる。私の悩みがちっぽけに思えた。息を吸って、吐いて、好きなことをして、本を読んで、人と話せること。それだけで十分生き

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    2026年07月06日
  • ギリシャ語の時間

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    理解しようとすると難しい。
    長い長い詩と思って読んだ。
    最後に彼らが交わし合うなにかがとても美しかった。

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    2026年06月29日
  • サハマンション

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    章によって主人公も時代も違うから、あれ?どうだっけ?コレはいつの話だっけ?って少し混乱してしまう。
    だけどページをめくる手は止められない。

    サハマンションに集まる人は貧困を抱えて差別の対象にもなっているけど、それぞれに人として感情があって生活もある。サハマンションで産まれた子供たちは幸せに大きくなっているだろうか?ウミはどうなるんだろう?トギョンはどこに行った?章ごとに描かれている人たちの延長が知りたいと思った。

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    2026年06月25日
  • 回復する人間

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    絶望の淵で、わずかな光が見えるような見えないような。

    今作で完全に彼女の虜になった。
    翻訳もやはり素晴らしい。

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    2026年06月21日
  • 別れを告げない

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    ハンガン自身がこの作品を「究極の愛の小説」とし、「光がなければ光を作り出してでも進んでいくのが、書くという行為」と語っていて、歴史の闇から目を逸らさず、そこに生きた死者の姿を描き、光を照らし出そうとする彼女の覚悟に胸を打たれる。
    痛みを引き受け、光を作り出す、それは確かに彼女の作品に共通するものであり、ノーベル文学賞受賞にふさわしい。

    彼女と同じ時代に生きて、彼女の作品に触れられること、本当に嬉しく思う。

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    2026年06月21日
  • フィフティ・ピープル[新版]

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    短編のようで短編ではない。分厚いけど、毎日少しずつ読み進めていった。後半2回くらい泣いた。ハ・ゲボムとチョン・ダウンの話。

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    2026年06月12日
  • すべての、白いものたちの

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    ハン・ガンさんの二冊目。
    まず、タイトルに惹きつけられた。
    真っ白な「ハヤン」でなく、生と死の寂しさをたたえた白い色「ヒン」の物語。散文詩の研ぎ澄まされた言葉の中に著者の痛みを感じた。

    1 私
    2 彼女
    3 すべての、白いものたちの

    おくるみ、産着、タルトック、霧・・と白いものたちの65の短編が綴られる。

    「産着」は哀しみと痛みを感じる一編。
    人里離れた官舎に住んでいた父と母。
    たった一人で赤ん坊を産んだ母の「しなないで しなないでおねがい。」悲痛な叫びが聞こえてきた。

    選び抜かれた言葉で情景が紡がれる。
    たとえば「波」の一編。
    遠くから走ってくる冬の海が迫り、高く

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    2026年06月06日
  • ギリシャ語の時間

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    ノーベル文学賞受賞のハン・ガン氏による長編小説。言葉を失った女性と視力を失いつつある男性との魂の物語。ハン・ガン氏の根底のテーマであるトラウマと蘇生。そこに社会性を反映させ、詩的な物語を紡ぐ。とにかく言葉の表現が凄い。普段組み合わせない動詞と名詞を配置し、横たわる情景や感情を的確に表現する。物語のあらすじや意味するところは難解だが、不思議と心に迫ってくる作品。

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    2026年06月04日
  • ギリシャ語の時間

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    読んでいる最中は少しとっつきづらく、難しいと感じる場面もあった。しかし、読み進めるうちに、いつの間にか静謐な世界に引き込まれていく不思議な作品だった。

    ハン・ガンさんの文章は非常に練り上げられており、一つひとつの表現に深い思索が感じられる。その繊細な言葉の積み重ねが、この作品ならではの魅力だと思った。

    派手な展開を楽しむというよりも、言葉や登場人物の心の動きを静かに味わう作品だと感じた。

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    2026年06月06日
  • ギリシャ語の時間

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    本作のテーマは「言葉」。わたしたちは何気なく言葉を発したり文字を打ったりするが、言葉というものの重みがずっしりと感じられた。

    物語は視力を失いつつある古典ギリシャ語の先生と、言葉を失ってしまった受講生の女性が軸になる。人生で傷ついた人たちが、冷たい雨が降りしきる中、そっと肩を寄せ合うような様子が浮かぶ。ハッピーエンドではない。ただバッドエンドでもない。わからないもの、わかりあえないもの、わかりたくないものが曖昧かつ混沌に混じり合うこの世界を包み、読者に提示している。

    前編を通して静かな詩のような文章で構成されており、訳者の斎藤真理子さんの力も相まって、プロットをを一字一句しっかりと味わいた

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    2026年06月01日
  • すべての、白いものたちの

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    著者の生に関する人々。両親、姉、弟、自身との関係について。生後すぐに亡くなった姉についての物語が描かれています。姉が生まれたときの両親、その死に対しての両親。異国の地を歩きながら、姉がその地で生きた場合について思いを巡らせ、そして姉が生きていたら自分は生まれていなかっただろう不思議ともいえる確率について考え、読者もまた考えさせられるものがあります。それらを考えるのに、白いものにまつわる話から、一つ一つの話を結びつけていって、その独特の解へと辿り着くようになっています。エッセイのようにバラバラに感じる文章になっているので取っ付きにくいのかと読み始めると、ちゃんと全てがつながっていて、そしてそれぞ

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    2026年05月24日