斎藤真理子のレビュー一覧

  • すべての、白いものたちの

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    初めてハン・ガン氏の本を読みました。綺麗な文章と静謐な世界に引き込まれていきました。姉と兄を亡くし、母の悲しみを背負って生きている主人公。その母も亡くし、孤独感と優しさが淡々と語られる文章の中から伝わって切なくなりました。他の作品も読んでみたいと思いました。

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    2026年04月11日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    82年生まれ、キム・ジヨン

    著者:チョ・ナムジュ

    子育て中に異常行動が表れた1人の女性患者のカウンセリング記録という形で進行していく小説。

    過去から現在に至るまでの韓国社会における女性差別の実態を告発するかのような内容で、フェミニズム本のような読み味だった。

    出生、進学、就職、所得、結婚、育児
    様々な点においての男女格差を極めて普遍的に描いており、その普遍さが薄い膜のように作品を纏い、とても不気味で恐ろしいものに感じた。

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    「でもさ、ジヨン、失うもののことばかり考えないで、得るものについて考えてごらんよ。親になる事がどんなに意味のある、感動的なことかをさ。それ

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    2026年04月11日
  • ギリシャ語の時間

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    文字が美しかった。言葉が洗練されていた。だからこそ、ちょっと難しかったし、それが美しさを際立たせてると思ったし、面白かった。
    人と言葉をまぜまぜしてる2人が可愛かった。じぶんでも何言ってんのかわからん。

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    2026年04月10日
  • すべての、白いものたちの

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    決して読むのが難しい本では無い。ただ、小説というには詩的すぎるし、詩というには小説的で、何かまだ名前のついていないジャンルの文学を読んでいる不思議な感覚。そして、だからこそ新しいのだと思いました。それは作者のレンズ(といえば良いのか分からないが)のピントもそうで、具体的とも抽象的とも言えない、ぼんやりとした写真のような描写が続く。そしてそのボケ感というのが景色に対しても心情に対しても効いていて、結果、テーマとも接着しているという妙技。読み終わって思わずははぁと唸ってしまいました。

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    2026年04月07日
  • 「なむ」の来歴

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    韓国文学に興味があり、斎藤さんの訳本をいくつか読んでいたが、本書を読み、言葉やその背景にある歴史とその傷などを丁寧に扱う方だと再認識した。文中の引用や紹介している本たちも気になる。いつでもより深い興味を開かせてくれる方。

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    2026年04月04日
  • 曇る眼鏡を拭きながら

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    斎藤真理子さん曰く「編集は世界を作ること、翻訳は世界を歩くこと」。他人の世界を丁寧に歩いてこられたお二人だからこそ、言葉の扱い方/拾い上げ方、お互いの書簡の読み取り方が、とんでもなく細やかで心地よい。

    「塩食いの会」「ヴィーヴァ!藤本和子ルネサンス、ヴィーヴァ!」などのパワーワードが頻出する、藤本和子とリチャード・ブローティガン(わたしは文字のタトゥーを入れるとしたら、『アメリカの鱒釣り』の一節にしようと思っているので)の話を筆頭に、各々が担当された作家やお二人の育児話など、読み応えがありすぎる。

    あと、わかってはいたけれど、読みたくなる本の話題がドカドカ出てきて、リストがパンクしそう。

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    2026年04月03日
  • 「なむ」の来歴

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    特に好きなのは、三章「言葉と言葉の間で」。
    同じような年頃なので、「わかる、わかる」と思うところも多かった。
    静かで、鋭い。
    この本に出てくる詩を声に出して読んでみた。いい。
    若い時はわからなかった詩の良さが、わかるようになった・・気がする。

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    2026年04月02日
  • ギリシャ語の時間

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    海外文学、翻訳作品に縁遠く、シドニィ・シェルダンの超訳ものまで遡らないと読んだ記憶がないです。
    翻訳作品は日本語が硬く感じてしまいリズムで読めないので苦手意識があります。
    ところが、この作品はその日本語の硬さが登場人物の孤独を際立ててとても冷たく感じマッチしているように感じました。
    最後二人の体温を感じる場面へのグラデーションの美しさと速度に映画を観ているような気持ちになりました。
    韓国ドラマはたまに観ますが文学は初めて触れたかもしれません。
    なんと美しい文章なんでしょう。
    少し難解なところもありますが「これぞ文学」という作品のひとつかもしれません。
    海外文学といえば欧米が舞台の作品を多く目に

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    2026年03月29日
  • すべての、白いものたちの

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    生まれて2時間で亡くなってしまった姉、誰も助けが来ない状況で、独りで姉を出産し看取った母。
    死と生が混在する、冷たく、美しく繊細な、詩のような一冊。
    共感して読むには鋭すぎて、一定の距離を保ったまま読んだ。
    「死なないで」「死なないで」
    何度も出てくるこの言葉が昇華される時は来るのだろうか。
    この小説はレクイエムなんだろうなあ。
    ポカめいた春に読む本ではなかったな。
    静かな、雪の降る音しかしない、寒い冬の日に読むべき本だった。

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    2026年03月28日
  • すべての、白いものたちの

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    詩集のようでありながら、全体を貫く生と死というテーマによって一つの物語として読むことができる。
    白いものを描写した美しく、かつ寂しくもある文章がしっとりと胸に沁み込んでくる一冊。

    読んでる最中の違和感については訳者の補足でヒントが与えられたので、それを踏まえてもう一度読み直してみたい。

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    2026年03月28日
  • 回復する人間

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    肉体や心が傷ついた人たちが、そこから回復する過程が描かれている短編集。

    西佳奈子さんの「くもをさがす」に出てきた作品だったので手に取ってみた。

    家族関係、夫婦関係などで傷ついた人、社会から受け入れてもらえないマイノリティの辛さなど様々な傷を抱えた人達がどう生きて行くのかが描かれている。
    特に印象的だったのが、夫婦の関係と子どもへの関わり方への描写だ。夫の子育てへの非協力、夫婦としてのコミュニケーションの欠乏がリアル感を持って描かれていた。
    心や体に傷を抱えている人が読むと、気持ちが救われる作品。

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    2026年03月26日
  • ギリシャ語の時間

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    多少の難解さがあり、通読する根性が必要かもしれないが、文章の綺麗さ、表現の美しさで読み通せた。

    訳者さんが後書きで述べられている通り、複雑な構造(哲学や他の文学作品の知識があるほうが理解が深まる)を持ってはいるけれど、すべて理解できなくとも楽しむことはできる。

    個人的には、今まで出会ったことのない新たな文学作品に出会えてよかったな、と思うし、また著者の別の作品にも触れてみたいと思う。

    ただひとつ希望を付け加えるとしたら、原書の著者後書きも引用ではなく、丸ごと訳して欲しかったな…と残念な気持ちが残る。著者がどういう気持ちで記したのかを知りたかったな…。

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    2026年03月26日
  • 光と糸

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    人間の持つ愛と暴力に、書くという行為で立ち向かった際の苦しみが綴られている。『庭の日記』がよかった。途中に挟まれる写真も美しく、植物を愛していたことが伝わってきた。

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    2026年03月26日
  • 光と糸

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    文章から血が滴り落ちるようだった。
    暖かく生臭く、それでいて赤く美しい。

    こんな感性を持ち合わせて、突き詰めるように文章を書いていたらいつか彼岸に行ってしまいそうで怖くなった。
    さぞやこの世は生き辛かろうなぁ

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    2026年03月24日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    職場で男女差別を感じることが幸いにも殆どない。しかし、幼少期からのひとつひとつの出来事で、心に鎖ができていると思う。男性が先と、どこかで思っている気がする。

    でも、女性だけが被害者かというと違う。男性側も不公平感を感じているという視点が大事と思った。

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    2026年03月23日
  • 誰でもない

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    韓国が抱える社会問題が下地にその中で生きる人々を描いた作品
    IMF危機や都会で仕事をなくした人が田舎で職を探す、セウォル号沈没事故を思わせる水難事故などを織り込んで綴られる

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    2026年03月20日
  • すべての、白いものたちの

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    ネタバレ

    「作者の言葉」がある版を読めて良かった。
    「魂」の後半、「だから、彼女にはいくつかの仕事が残されている」の前後がすごく好き。
    各章、白を通してきらめきも哀愁も、いろんな感覚を刺激される文章があって、全体を通してみると私と姉との存在と関わりが移り変わっていて良い。

    面白かった、けど、私が内容を理解して享受できてるかはかなり怪しい。この内容を心に染み渡らせられる繊細な感覚の持ち主になってみたい

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    2026年03月17日
  • すべての、白いものたちの

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    表紙に惹かれて、いわゆる「ジャケ買い」をした本。
    エッセイとも詩ともとれる不思議な手触りの文章に、初めて触れました。
    理屈抜きに、ただそこにある「言葉」が美しくて。読み終えた今、言葉の魔法にかけられたような心地よい余韻に浸っています。

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    2026年03月17日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    読んでてしんどくなる作品だった。でも内容は興味深いしもちろんストーリーとして良い。男女どちらも読むべき。
    韓国の文化をよく学べた本だった、一部フィクションもあるかもしれないけど。
    どの本よりも怖いしこんな世の中嫌だと思えるけど、日本でも身に覚えありそうなことばかりなのが余計しんどい。

    なんで女性というだけでレッテルを貼られて、中身を見てくれないんだろう。今はもう女性だから大学は行かなくて良いとかは言われない時代だけど、完全に男女差が無くなったわけじゃないよね。
    男女どちらも出産できるようにして、ほとんど身体の個体差もなくなれば、こんな嫌な世の中じゃなくなるんだろうか。

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    2026年03月14日
  • 光と糸

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    ハン・ガンさんのノーベル文学賞受賞記念講演や創作のことなど綴った書籍。とても辛い歴史を軸とした作品が多いのでご本人も精神的にとても辛いと思う。それでも、作品を世に出す意味、重要性を知っていらっしゃるから書かれるし、私たちもそれを読んで考えることができる。一つの作品に数年かかると書かれていた。それだけの思いが詰まった作品をこれからもずっと読み続けていきたい。

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    2026年03月13日