斎藤真理子のレビュー一覧

  • すべての、白いものたちの

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    エッセイでありながら、まるで美しい詩のように読まれた。

    個人的な記憶が異国の集団記憶と重なり、生と死、そして「いきること」への普遍的な思索へと広がっていく展開が素晴らしい。時折立ち戻って吟味したくなるような表現が、要所に宝石のように散りばめられている。ある日突然、世の中の喧騒から一歩離れて読みたくなる、そんな一冊だ。

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    2026年07月22日
  • すべての、白いものたちの

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    この蒸し暑い梅雨時期に読む感じじゃなかった、ずっと冬だった。
    短編というより散文詩のような、白いものと亡き姉にまつわる短い物語が続きます。

    原書がどんな感じかわからないけど、訳者の言葉の選び方にいろいろ想像が広がって流し読みできない感じ。じっくり読み返し。
    平野啓一郎氏の解説を読んで、さらにまた読み返すことになりました。そういうことだったのかぁ。

    冷たくてひたすら静かな雰囲気。図書室で借りたのですが、手元に持っていたくなりました。

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    2026年07月18日
  • すべての、白いものたちの

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    著者が亡き姉に思いを馳せ白いものを挙げていくお話

    死者を悼み、静けさの中で白と向き合う
    読んでいると美術館を歩いている気持ちになる

    夏に韓国に行くからきっとまた読む

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    2026年07月15日
  • 別れを告げない

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    原著は2021年発行。日本語訳は白水社から2024年4月に刊行。架蔵本は2025年12月刊の第17刷。訳者は斎藤真理子。
     
     偏頭痛と胃痙攣に苦しみ、自らの遺書を書くために生きていると感じていた作家・キョンハのもとに、しばらく連絡を取り合っていなかった友人・インソンからの連絡が届く。故郷の済州島で小さな木工所を営んでいた彼女は、作業中に誤って2本の指を切断、何とか接合手術には成功したが、入院中は3分に一度、神経を殺さないため、接合した指を腐らさないために指を針で刺し続ける必要がある。彼女を見舞ったキョンハは、インソンのたっての頼みで、彼女が家に残してきた小さなインコ「アマ」が生きているかを確

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    2026年07月04日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    ネタバレ

    最後の最後に突き落とされるような感覚があった。だからカタルシスを期待していてはいけないんだと思う。この本の帯にK-POPアイドルの名が並んでいること、この本が売れている現実があることが、まだ希望の光なのかもしれない。
    言葉悪いけど言わせてほしい、本当に、本当に、本当にクソみたいな世界だ。これでも「マシなほう」なんだから本当にクソだ。
    ジヨンの言葉は、それを発する者が「ジヨンではない誰か」になったら回りに受け止められた。だけどすぐに「具合が悪い」扱いにされた。この描写がつらい。

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    2026年06月27日
  • 光と糸

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    彼女の問いは、世界の片隅の誰かやわたしと同じで、彼女が言うように、言語が糸となり、そんなわたしたちをつなぐ。
    世界の、何もかもが異なる誰かとも、確実につながっているのだと実感するとき、まさに他者は自分の鏡であり、あなたはわたしで、わたしはあなたなのだとも理解する。
    それはどれほど心強いことだろうか。

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    2026年06月21日
  • 別れを告げない

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    忘れたくない読書になった。
    人間が人間でなくなること。
    どんなにかすかでも生命は生命であること。
    私たちの想いや存在は決して理屈でわかるだけのものでないこと。
    至高の愛の物語だし、鎮魂の物語だし、人の本質にどう触れるかという物語だし、死に限りなく近づく物語だった。
    最後の炎の表現は希望の明かりの例えのように思えた。

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    2026年06月18日
  • すべての、白いものたちの

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    白という色について、詩集のようにさまざま描かれています。韓国の本なのに、やたらと心にスッと入ってくる。また、読み返したい本です。

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    2026年06月14日
  • すべての、白いものたちの

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    すごいなぁ。なぜ白いものを説明しているだけなのに世界が地球を超えて宇宙に広がっていく感覚があるんだろう。ネットフリックスもSNSも何もいらないくらい世界は美しいものに溢れているしそれだけでエンタメ。そこに生きている私たちも不完全でも美しい。読書しているのに瞑想しているような感覚。これからもずっと読み返したい。

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    2026年06月11日
  • すべての、白いものたちの

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    出会ってしまいました!!

    小説という枠組みを越え
    詩のようであり、祈りのようでもある
    息を呑むほどに美しく静謐な文学世界_

     

    この世界に存在する「白」という
    色彩のなかに潜む
    儚さや生と死の記憶にそっと触れたとき…
    胸の奥にひんやりとした
    けれど不思議と温かい一筋の光が
    差し込んできたような感覚を覚えました

    あまりの美しさにしばらく言葉を失い
    幾重にも寄せては返す余韻が広がりました

     

    この作品が紡ぎ出すのは
    世界に散らばる「白いもの」をめぐる
    かつてないほど純度の高い言葉たち…

    生まれてまもなく、たった数時間で
    この世界から去ってしまったという
    著者の「かつていたはずの姉」の

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    2026年06月07日
  • 光と糸

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    訳者あとがきに取り上げられていた、静かにしていたい、という言葉が響いた。光は届いているし、糸も繋がっている。

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    2026年06月06日
  • 誰でもない

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    ハン・ガン作品から韓国文学に入り、こちらの作家も読むべしと聞いて読んだ。
    どの短編も、大小様々の不幸に見舞われた人々の懸命に生きた物語が、淡々とした語り口で進んでいく。
    ハン・ガン作品と比較することが適切かはわからないが、ハン・ガンさんが逃げようのない大きな不幸を描くのに対して、ファン・ジョンウンさんの不幸は直視を避けたり逃げたりできるくらいの大きさの不幸なだけに登場人物に選択肢があり、動けちゃうだけにその人間のありかたが湿度を持って立ち現れる感じがする。

    淡々とした語り口の中に、どうしても胸に刺さる言葉が多く混ざってくる。共感できない主人公もたくさんいたが、どれも嫌いにはなれない痛さがある

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    2026年06月06日
  • 増補新版 韓国文学の中心にあるもの

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    読み応えがありすぎて時間がかかってしまった。
    歴史や事件に即して読書案内をしてもらえる心地いい体験ができた。
    読みたい本リストが膨れ上がっていく・・・!

    なぜ、私は今まで、隣の国の歴史をこんなに知らなかったのか。
    なんでこんなに無関心でいたのか。
    その理由にちょっと近づけた。

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    2026年06月02日
  • 「なむ」の来歴

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    語学にしていいのか随筆なのかどっちかな。関東大震災後の虐殺の話、治安維持法の話、朝鮮戦争の話、帰国事業の話、重い話が続くのに。恨の話。隣だけど大きく違う。沖縄の話。これも隣。日本では、の話。アメリカーの話。
    短いものの方が長いものより好き。やはり詩の人なのかなあ。

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    2026年05月21日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    この物語には女性の誰もが実感できる悩みや苦しみが描かれている。

    フェミニズムとは男性と敵対するために存在するのでは決してない。
    生物学上どうしようもない不平等さに対して、互いに同じ熱量で、納得のいくまで話し合うための主義だ。

    だから男性の皆様にもこの本をぜひ手にとっていただきたい。
    SNS上で繰り広げられる匿名の論争ではなく、著者が勇気を持って発表したこの物語と対話することで、フェミニズムについて考えてみてほしい。

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    2026年05月18日
  • 翼~李箱作品集~

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    斎藤真理子さんの訳と解説が素晴らしかった。

    −−−−−−−

    “しばらくすると咽喉が乾いてきます。枕元に置いた水をーー深海のように落ち着きはらった冷水を飲みます。石英質の鉱石の匂いがして、肺腑に寒暖計を差し入れたように道ができるのを感じます。その冷ややかな曲線は、白紙の上に描こうとしたら描けるのかもしれません。”



    “明日は一日、草花ばかり見て遊んで過ごそう、脱脂綿にアルコールを染み込ませてありったけの気苦労を拭き取ろうと、心に決めてみたりします。あまりに夢見がめちゃくちゃだからそんなことを思うのでしょう。草花が満開になる夢、原色版のグラビアの夢、絵本を読んでいるような楽しい夢を見たいの

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    2026年04月28日
  • すべての、白いものたちの

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    具体的な何かというより、言葉にしてない、できない感情を、少し心地よく震わせてくれる感覚をもらえる気がします。

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    2026年04月27日
  • 別れを告げない

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    【人間が一番恐ろしい】
    そもそもこの、済州島四・三事件のことを知らなかったから、まずネットで調べてから読んだ。独裁政治が人間に何をさせ、何を奪うのか。
    戦争や権力の暴力というか圧力によって、人間が少しずつ崩れていくこともすごく恐ろしかった。
    人が人を殺すのが戦争。それを正当化するのが独裁者。
    国家の暴力によってどこにでもいる普通の人が少しずつ壊れていくことが怖くて悲しかった。
    それと同時に、人は圧力の中で簡単に沈黙してしまうんだな、という不安というか恐怖のようなものも強く感じた。
    だからこそ、独裁や暴力は絶対に繰り返してはいけないし、過去の悲劇を忘れずに考え続けることが大切だと思った。
    『別れ

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    2026年04月26日
  • すべての、白いものたちの

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    不思議な、心の深い部分に届く詩だと思った。

    おくるみ
    なんだか不思議な温かいような当惑するような気持ちになった。

    彼女
    一人の子が成長し、女になって何度となく危機を迎えながら生き延びるという表現に涙が出そうになった。
    自分も、まわりは成長を祝ってくれていたのだなと、そして、成人して様々な苦難があったが、乗り越えてここまでこれたなと思うと泣きそうになった。


    翼が透き通ってしまうだろう、蝶が蝶でないものになるのだろうが、なんとも言えない気持ち

    白い骨
    最後、不思議に安堵するのだったを、読んだら、気持ちがホッと和らいだ。

    下の歯
    規則正しい息の音にしばらく耳を傾けてながら
    ということろ

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    2026年04月25日
  • すべての、白いものたちの

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    詩のような形をした、悲しくて冷たくて優しくて美しい小説。
    私自身が過去に見たことのある景色が描写されていて、涙しながら読んだ。私のための小説だった。本当に出会えてよかった。作中に描かれた、決して自分では見たことのない景色も、まるで私の過去に存在したような気がしてくる、そんな愛しい1冊だった。
    生も死も表すたくさんの美しい白色を見せてもらった。

    掲載されたモノクロ写真も美しく、美術館のようだった。そしてこの美しく繊細な言葉たちを美しい日本語に翻訳した斎藤真理子さんも本当に素晴らしい。『すべての、白いものたちの』としたタイトルも見事すぎて唸ってしまった。

    この先の人生でも、何度も読み返したい大

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    2026年04月23日