韓国人翻訳者が日本の萬葉集や古今和歌集などから取り上げた和歌と自身のエッセイを交えた読み物。
まず、外国人が日本の古い和歌に興味を持っていること。とて嬉しい。
「ながらへば またこのごろや しのばれん うしとみしよぞ 今は恋しき」P74
辛いことがあっても、生きていればいずれ過去になる。そんな時、
...続きを読む振り返ってみれば、懐かしく思えるようになっている。いつの間にか。
これは好きな歌。
P110
「はるかなる 岩のまざまに ひとりいて 人目思はで もの思はばや」
里から遠く離れた岩の間で身を隠し、人目気にせず物思いにふけりたい。
とても分かる。この気持ち。
ドキドキした恋ごころを1人でこっそり、しかしダイナミックに感じたいのだ。
P143
「いけるもの 遂にも死ぬる ものにあらば この世なる間は 楽しくあらな」
この気持ちも分かる。生まれてきたものは必ずいつか死ぬ。遅いか早いかで。
有限の命なのだから、せめてこの世では楽しく過ごしたいものだ。
人生を達観しているな。その俯瞰した目線、仏らしさを感じる。
P224
「世の中は なにか常なる あすか河 昨日の淵ぞ 今日は瀬になる」
平家物語の序章 祇園精舎の鐘の声〜
でもあった。諸行無常。の理が和歌でも歌われている。
人も物も変わっていく、留まっていられない。
不可能に思えるものでも、着手さえしてしまえば先へ先へ進んでいく。
淵に渦巻いていた水がいずれ急流になって川を下るように。
最後の一首は応援歌のようだな。
夢に向かって努力しよう。努力は人を裏切らない!
ဗီူဗီူ ဗီူဗီူ