チョン・スユンのレビュー一覧
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日本の詩や小説を韓国語に翻訳するチョン・スユンと、韓国文学を日本語に翻訳する斎藤真理子。暮らしや考え方について互いに質問を投げかけ、答え合う往復書簡。お互いの仕事への敬意と人柄への信頼が伝わってくる。質問と回答を通して、似ているところだけでなく、異なる文化や考え方も見えてくるのが興味深い。
国籍や風習の違いを理由に壁を作り、分断を広げようとする国家間の関係がある一方で、こうした個人と個人のつながりこそが大切なのだと実感する。世界が分断に向かっている現代、対話すること、本を通して相手を知ることこそが未来への希望であると、あらためて感じさせてくれる一冊。 -
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司書の先輩に勧められて。
私は翻訳は苦手(特に文学)で原書はそのまま味わいたいですが、そんなことを言っていては読める作品が限られてしまいます。翻訳家のお二人の翻訳の難しささえ楽しんでいらっしゃる様子に、こういう方たちだからできることなのだと思わされました。
本ではないですが、韓国人作家さんが口にされた言葉を「良くなりますよ」「良くなるでしょう」「良くなるはずです」「良くなると思いますよ」、どう訳しましょうか、と斎藤さんが書かれていたのが印象的でした。こういう表現一つ一つに込められた意図を汲み取ることは本当に難しいと思います。
平和に対するお二人の考え、多和田葉子さんの言葉など、何度も繰り返して読みたいと思った箇所も多かったです。
『波の子どもたち』を読んだ人にはもちろんおすすめ、この本から読んだ方には『波の子どもたち』もぜひ読んでほしいと思います。
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チョン・スユン作
斉藤真理子訳
脱北する3人の子どもたちの逃避行を描く。それぞれに事情は違うが、「自分が生きるのはここではない」との思いは共通だ。
作者チョン・スユンはソウル生まれの作家、翻訳者。慶應大学、早稲田大学で学んだあと韓国で日本文学を幅広く紹介している。
斉藤真理子は推しの人だ。
本作は13年間に100名の脱北者の話を聞き、彼らの体験をもとに3人の主人公の話として書き上げている。
76年経っても、今なお朝鮮戦争は終わってない。休戦状態である。
言語や文化を同じくする朝鮮民族を2つに分断したのは彼らの望んだことではないことを知るべきであろう。
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仕事用に読んだのですが すばらしかった
斎藤真理子さんのボイスがまたグッときます
北朝鮮から自由を求め故郷を出てゆく
16歳の3人の子どもたちを描く。
ソル、クァンミン、ヨルム
ソル
貧しくも愛のある家庭
何度も脱北を試み捕まっては脱走を繰り返してきた。最後の日、姉さんが信頼できるブローカーだと教えてくれた電話番号に頼って行ってみると…内モンゴルの花嫁に売られてしまう…
クァンミン
サッカー選手を目指す男の子。この国では何不自由ない裕福な暮らし。
父親は体制側の役人で、優遇されている
母親は夫に隠れて脱北のために動いており、息子を自由にしたいと考えているが…
ヨルム
父親が病気で働けず貧しいくらし。小さな頃は押し入れの中で過ごした。
しかし聡明で頭がよく、双子の姉は自分を犠牲にしてヨルムを学校に行かせてくれた。
初めて出会った神父の助けでまた脱北を試みる…
そんな3人が最終的に同じブローカーの元に集まって……
「もう、自分で選んだんじゃない世界はいらないよ。」
この言葉が胸に残る
私たちだって同じだ… -
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韓国の翻訳家・作家のチョン・スユンさんによる、『万葉集』や『古今和歌集』などの和歌65首をめぐるエッセイ。
百人一首や学校の授業で習った有名な和歌ばかりですが、今まで持っていた和歌のイメージと違い、とても透明感があって時空を超えて現代にやってきたように感じるのがとっても不思議!
まず最初にハングル訳と共に和歌が横書きに書かれているのもとても新鮮で、言葉がより今に近く感じられます。
チョン・スユンさんの韓国での生活の中でこの和歌から感じられる想いはとても興味深く、チョン・スユンさんの感想は何となく授業で教えこまれたような日本人の私たちの感想とは違ってキラキラして新鮮に感じました。
ハングル訳の朗読をぜひ聴いてみたいなと思いました。 -
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ソル(雪)、ヨルム(夏)、クァンミンは北朝鮮からの脱北者だ。三人が、走るトラックから飛び降りる、まるで映画のような場面から物語は始まる。
なぜ子供たちだけで危険な脱北を実行するのか。ソルは、2度の脱北失敗の後、最後という覚悟で豆満江を渡るが、人身売買で危険にさらされる。ヨルムは北朝鮮を離れて、中国で危険な日々を続けている。 クァンミンの母は脱北を支援するブローカーで、北朝鮮以外のサッカー選手を応援するクァンミンにも寛容だった。しかし、熱心な政権支持者の父親に密告され、母は戻ってこず、クァンミンは一人きりで南を目指す。
人身売買に妻として売り飛ばされる、身内同士の裏切り、預けていた金を勝手に使われる、等々、とうてい児童小説には出てこなかった悲惨な状況も登場する。むしろ大人向けの小説ではないのか、と感じたが、著者が少年少女の物語として刊行したい意向があり、STAMPBOOKSでの出版となった。ありのままに生きたいという願いは、万国共通だから、というのがその理由である。
表紙絵が波=海に向かう子供たちになっているので、最後は予測できるが、そこまでの道のりは大人ですらもたやすくない。 -
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STAMP BOOKSシリーズ
司書時代の先輩に勧められて読みました。
脱北をはかる16歳のソル、クァンミン、ヨルムの3人について、それぞれのエピソードが順番に少しずつ書かれるので、最初は人物関係や状況理解が難しかったです。
ソルのお父さんは、教師だったが兄弟が脱北して農村にとばされた、という設定ですが、ソルが脱北したらどんなことになるのか、などわからないことだらけですが、3人が出会ってからの展開は、表紙のイラストと合わせて心に迫るものがありました。
せいぜい中国や韓国に入ったのかと思っていたので、訳者あとがきに書かれていた3人のたどった経路を見て驚きました。
中高生に読んでほしいなあ -
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一気に読みきれなくて、積読を繰り返していた。今日訪れた敏馬(みるめ)神社に柿本人麻呂の句碑があり万葉集ゆかりの地と記されていた。道中のバスの中で、この本のページをめくりながら、家で腰を落ち着けて読めなかった理由がなんとなくわかったような気がする。
ここに登場するのは古の恋の歌が大半を占める。居ても立っても居られないような心情やら、人に見られては恥ずかしいやら、こっそり涙を流す寂しさについてやら、、、どれもこれも落ち着いた雰囲気ではないのである。勿論中にはゆったりとした気分にさせられる句もあるにはあるが、人の心の移ろいを見事に切り取って歌にしたものばかり。それに短文エッセイを組み合わせ、訳された和歌がハングルで書かれているのも新鮮である。
自分の心を瞬時に和歌として吐露できることに脱帽。そして一人の相手を想って書かれた言葉は、後世にここまで「拡散」されていることにもビックリである。 -
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読んでいて印象に残ったところのメモ。
「日本人は愛してると言うことは少ないけど、どうやって愛を伝えているの?」の答えが「一緒にカレーを食べると美味しいとか、今度天気のいい日にツーリングに行こうとかって言うよ」と。
私の「愛してる」は「気をつけて来てね・帰ってね」だなぁと思った。
平安時代、女性は名前を公表しなかった。神聖なものだから。とあって、今はそんなことないやろ〜と思っていたら、そんなこと大有りであった。
大人になってから、下の名前を呼ばれることってそんなにないもんね。自分の名前をとても気に入っているので、積極的に呼んでもらおう。
装丁もすごくかわいい。
1000年前の言葉なのに、国の違う私たちをつなげてくれるなんてすごいな。同じ言葉が1000年も続いているのもすごいな。
この本は、「歌?なにそれ?」な人にもぜひ読んで欲しい。
31文字に込められた想いを自分の心に置き換えてみて欲しい。今までは気づけなかったこと、あの時の自分のこと、何か共通点を見つけられるはず。 -
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韓国人翻訳者が日本の萬葉集や古今和歌集などから取り上げた和歌と自身のエッセイを交えた読み物。
まず、外国人が日本の古い和歌に興味を持っていること。とて嬉しい。
「ながらへば またこのごろや しのばれん うしとみしよぞ 今は恋しき」P74
辛いことがあっても、生きていればいずれ過去になる。そんな時、振り返ってみれば、懐かしく思えるようになっている。いつの間にか。
これは好きな歌。
P110
「はるかなる 岩のまざまに ひとりいて 人目思はで もの思はばや」
里から遠く離れた岩の間で身を隠し、人目気にせず物思いにふけりたい。
とても分かる。この気持ち。
ドキドキした恋ごころを1人でこっそり、しかしダイナミックに感じたいのだ。
P143
「いけるもの 遂にも死ぬる ものにあらば この世なる間は 楽しくあらな」
この気持ちも分かる。生まれてきたものは必ずいつか死ぬ。遅いか早いかで。
有限の命なのだから、せめてこの世では楽しく過ごしたいものだ。
人生を達観しているな。その俯瞰した目線、仏らしさを感じる。
P224
「世の中は なにか常なる あすか河 昨日の淵ぞ 今日は瀬になる」
平家物語の序章 祇園精舎の鐘の声〜
でもあった。諸行無常。の理が和歌でも歌われている。
人も物も変わっていく、留まっていられない。
不可能に思えるものでも、着手さえしてしまえば先へ先へ進んでいく。
淵に渦巻いていた水がいずれ急流になって川を下るように。
最後の一首は応援歌のようだな。
夢に向かって努力しよう。努力は人を裏切らない!
ဗီူဗီူ ဗီူဗီူ