あらすじ
自由に生きたくて,国境の川を渡った3人の16歳――行動力のあるソル,サッカー好きのクァンミン,賢く冷静なヨルム.先行きの見えない旅路のなかで,彼らはどんな別れを経験し,不安と闘い,苦難を乗り越えなくてはならなかったのか.それぞれの波乱の月日を描き,若い「脱北者」の素顔を伝える,韓国発の強くて優しい物語.
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Posted by ブクログ
チョン・スユン作
斉藤真理子訳
脱北する3人の子どもたちの逃避行を描く。それぞれに事情は違うが、「自分が生きるのはここではない」との思いは共通だ。
作者チョン・スユンはソウル生まれの作家、翻訳者。慶應大学、早稲田大学で学んだあと韓国で日本文学を幅広く紹介している。
斉藤真理子は推しの人だ。
本作は13年間に100名の脱北者の話を聞き、彼らの体験をもとに3人の主人公の話として書き上げている。
76年経っても、今なお朝鮮戦争は終わってない。休戦状態である。
言語や文化を同じくする朝鮮民族を2つに分断したのは彼らの望んだことではないことを知るべきであろう。
Posted by ブクログ
仕事用に読んだのですが すばらしかった
斎藤真理子さんのボイスがまたグッときます
北朝鮮から自由を求め故郷を出てゆく
16歳の3人の子どもたちを描く。
ソル、クァンミン、ヨルム
ソル
貧しくも愛のある家庭
何度も脱北を試み捕まっては脱走を繰り返してきた。最後の日、姉さんが信頼できるブローカーだと教えてくれた電話番号に頼って行ってみると…内モンゴルの花嫁に売られてしまう…
クァンミン
サッカー選手を目指す男の子。この国では何不自由ない裕福な暮らし。
父親は体制側の役人で、優遇されている
母親は夫に隠れて脱北のために動いており、息子を自由にしたいと考えているが…
ヨルム
父親が病気で働けず貧しいくらし。小さな頃は押し入れの中で過ごした。
しかし聡明で頭がよく、双子の姉は自分を犠牲にしてヨルムを学校に行かせてくれた。
初めて出会った神父の助けでまた脱北を試みる…
そんな3人が最終的に同じブローカーの元に集まって……
「もう、自分で選んだんじゃない世界はいらないよ。」
この言葉が胸に残る
私たちだって同じだ…
Posted by ブクログ
生まれた場所が少し違うだけで、一方は当たり前のように好きなものを楽しんだり、一方は命をかけても自由を手に入れられなかったり、こんなにも人生が違ってしまうのがやるせない。仮に南北で分断されてなかったとして朝鮮半島全体が今の韓国のように自由で民主的な感じになってたかと言えばわからないけれど、少なくとも同じ言語を話す同じ人種の人たちがいがみ合うことはなかったかもしれない。植民地支配も代理戦争もなかったら今頃どんな世界になっていたんだろうか。
Posted by ブクログ
STAMP BOOKSシリーズ
司書時代の先輩に勧められて読みました。
脱北をはかる16歳のソル、クァンミン、ヨルムの3人について、それぞれのエピソードが順番に少しずつ書かれるので、最初は人物関係や状況理解が難しかったです。
ソルのお父さんは、教師だったが兄弟が脱北して農村にとばされた、という設定ですが、ソルが脱北したらどんなことになるのか、などわからないことだらけですが、3人が出会ってからの展開は、表紙のイラストと合わせて心に迫るものがありました。
せいぜい中国や韓国に入ったのかと思っていたので、訳者あとがきに書かれていた3人のたどった経路を見て驚きました。
中高生に読んでほしいなあ
Posted by ブクログ
斎藤真理子さんの翻訳のヤングアダルト小説。
16歳のソル、ヨルム、クァンミンの3人がそれぞれのルートで脱北を成し遂げる。
北朝鮮の現状と脱北者の困難が、わかりやすく親しみやすい翻訳で語られている。
主役が子どもたちというのが新鮮。
最後の訳者あとがきがとてもよいです。さすが斎藤真理子さん!