斎藤真理子のレビュー一覧

  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    ネタバレ

    韓国の小説にはいつも出会ったことがない言葉が書いてあって驚かされる

    本文より
    「〜子供をを産む母親には、痛みもしんどさも死ぬほどの恐怖も喜んで受け入れて勝ち抜けというのである。それが母性愛であるかのように。母性愛は宗教なんだろうか。天国は母性愛を信じる者のそばにあるのか。」

    あとがきより
    「キム・ジヨンさんは今も、ましにもならず悪くなりもせず、何かを選択することもそこを去ることもせず、問いかけもしないし答えもしません。答えを探すのは、小説の外を生きていく私たちの役目であるようです。」
    これ、どの小説に対しても同じこと言えるじゃんって、慄いた

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    2025年11月25日
  • すべての、白いものたちの

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    作家として親として妹として書かれたエッセイのようであり、亡き姉をその身に宿すためのフィクションでもある、とても不思議な小説だった。
    切実ながら白く爽やかでもあるその読後感は唯一。

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    2025年11月24日
  • 別れを告げない

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    韓国済州島というと観光地としてのイメージしかありませんでした。韓国の歴史、済州の歴史を知ってこそこの作品を理解出来るのだろうと思います。この作品の底流に流れるもの、シンシンと降り積もりつづく雪は単に空から降り積もっているのみならず、心の中にも積もり続けているんだろう。

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    2025年11月21日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    キム・ジヨンさんの半生を通して、韓国における女性への差別が表現されています。共感してしまえるのが、悲しかったです。そして、終わり方のあっけなさ、無関心さといったら。。

    出産前に退職する時のキム・ジヨンさんは、身近すぎて読んでいて苦しかったです。自分は、命を落とす可能性すらある出産で体がぼろぼろになり、慣れ親しんだ仕事も失う。男であるあなたは、と私も問い詰めてしまいそうです。

    相手は、そんな事を言うなら産まなければいい、と思うかもしれません。他人事なら私もそう思います。だから、そうは考えないパートナーと人生を歩みたいです。

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    2025年11月19日
  • フィフティ・ピープル[新版]

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    韓国の物語だからそんなに感情移入できないと勝手に思っていたが、読み終わってからその認識がいかに甘かったか考えさせられた。
    背景に持っている国や文化が違っても、私たちが直面している問題や考えにはさほど差がないことに驚かされたとともに、力強さ、そして非力さも感じた。
    私ごとだが、最近母親になったばかりで、今まで見たことがある作品を改めて見返した際、感情移入する登場人物が子供から母親に変わったことに自分自身困惑したことがあった。この本もきっと、私とともに成長してくれるのだろう、と感じた。

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    2025年11月17日
  • すべての、白いものたちの

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    自分の記憶にある白いものはなんだろうか。最初に見た白はなんだったか。そして印象に残った白はなんだったか。白い机、白い帽子、白い雲、白い歯。机も帽子も雲も歯も白いをつけると、白く染まっていく。白い黒はどんなイメージなのか。

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    2025年11月16日
  • ギリシャ語の時間

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    言葉を話せなくなった彼女とギリシャ語講師以外の登場人物や、物語の中での「私」や「彼女」が誰のことなのか、誰が語っているのか、その場面ごとになかなか把握できなかったこともあり、感想を書けるほど読み深めることはできなかったけれど、ハン・ガン氏の抒情的な世界の一端に触れる良い経験になった。

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    2025年11月15日
  • 誰でもない

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    短編集の題名「誰でもない」という短編は収録されていません。冒頭に「誰でもない、をなんでもない、と読み違える」と書かれています。「誰でもないから、みんなのことでもある」って意味合いでしょうか。

    『上京』
    語り手の女性は、恋人のオジェとその母といっしょに田舎の唐辛子畑に行った。値上がりする都会の生活費、何でも安いけれど人がいない田舎。韓国経済の悪循環。
    オジェはソウル暮らしに疲れ、田舎に移住しようかと考えていたが、田舎でしっかり根を下ろすほどの確固たる決意もない。

    『ヤンの未来』
    語り手の女性は、就職難から契約職員として何度か転職し、その時はビルの地下の書店で働いていた。ある時店に来た女子高生

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    2025年11月14日
  • すべての、白いものたちの

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    解説がないとどんな本なのか理解できなかった。
    ただ文章が素敵で、詩を読んでるみたいだけど小難しくなくて、とても良かった。本棚に置いておきたい本。

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    2025年11月10日
  • ディディの傘

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    韓国の小説である。2篇の別々の小説が掲載されている。dはタイトル通りのdとddの話であり、傘の貸し借りをするところからタイトルがとられている。韓国の状態を如実に感じることができる。「何も言う必要がない」は、女性二人の話である。そこには大学でのデモやその後のデモの参加が描かれているが基本的には女性が韓国で暮らしていくことの大変さを描いている。

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    2025年11月09日
  • ギリシャ語の時間

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    今まであまり読んだことのないスタイルの本で、小説であるものの詩的な表現に溢れており、現実と夢を行ったり来たりして、静謐で多層的な世界観を堪能しました。
    何日かに分けて読みましたが、一気に読むともっとこの世界に浸れそうな気がします。

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    2025年11月07日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    私はまさにジヨンと同世代だ。国は違えど、日本もほぼ同じである。私たちの世代は男性優位の環境から男女平等の環境への変化の中を生きてきた。
    だからどちらのメリット、デメリット、生きづらさがわかる世代なのである。
    今の若い人たちは昔の男尊女卑の強い世界を知ってほしい。私たちの世代が生きづらさに気づいて立ち上がり、今の比較的男女平等の世界を作り上げたことを知ってほしい。
    60代以上のかたには、男性優位の世界での女性の生きづらさを共有したいし、あなたがたが安定に暮らすために私たちの世代が犠牲になったことも知ってほしい。
    本当は世の男性に読んでもらいたいけど、果たして共感を得られるのだろうか。

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    2025年11月07日
  • ギリシャ語の時間

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    何か問題を抱える人たちの心情が表されており、イメージしやすい本であった。
    当たり前のように生きれている自分には想像することはできるものの、本当の意味での理解は難しいのではないかと感じた。

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    2025年11月06日
  • 別れを告げない

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    ネタバレ

    「愛」についてのお話。
    翻訳者の力もあるのだろうけど、表現が独特で文章が美しかった。
    こちらでありあちらでもあり、この世でありあの世でもあり、現実であり夢でもあり、今であり過去でもある。象徴的に使われている(あとがきより)鳥や雪のように、寄るべなくふわりふわりと行きつ戻りつしながら話は進む。

    私は映画で光州事件や軍事政権をちらりと知るだけだったので、済州島四・三事件はもちろん知らず、あまりの惨事に驚いたけれど、韓国人ならみんな知っているはずなので、事件の衝撃性はこのお話のメインではないんだよね。

    兄の遺骨は見つからず、鳥も死んでたし、物語はちっともうまく進まないんだけれど、いろんな人が語る

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    2025年11月10日
  • 声を出して、呼びかけて、話せばいいの

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    行動力があって、多才で、パワフルで、その力はどこから湧いてくるのか知りたくて本を手にした。家庭環境が良くなかったこと、幼い頃、幽体離脱をしていたことなど共感するところがたくさんあった。でも読んでいて辛くて苦しくなる部分もかなり多い。p150〜151の文章と「あなたと私の一日」の文章が特に好きだった。相棒ジュンイチのところはもう涙なしでは読めなかった。

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    2025年11月03日
  • すべての、白いものたちの

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    読み終えた後、訳者による訳者補足、平野氏の解説が続く。訳者補足にはこの補足を読んでから本書をお読みになってください。と書いてあったが、そんなことは分からず頭から読んでしまった。そして訳者補足を読み、そうなのか!となりすぐまた読み返す。先に補足を読まなくてもいいのです!再読する嬉しさ!
    ハン・ガンにしか書けない生と死(喪失と恢復?)のお話でした。第2章は死んでしまった姉に自分の体を貸与するのだけど、それは今までの彼女の作品でも見られるような死者との会話だと思う。そこがハン・ガンの本当にすごいところだと思う。

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    2025年10月31日
  • すべての、白いものたちの

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    ネタバレ

    読んでいる最中はあまり、
    深く状況を理解することができなかったが、
    巻末の「作者の言葉」を読むことによって、
    理解することができた。
    「生」を「白」というものを使いうまく表現しており、作者の経験を現状に反映するような形はとても特殊だと感じました。
    また、時間がたったらもう一回読みたい本だと思いました。

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    2025年10月26日
  • 韓国文学を旅する60章

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    ほとんど読んだことがない韓国の文学や詩である。丁寧に説明している。著者の写真やその場面の写真がある。巻末には読書案内があるが、書誌なのでいまいち読もうという気にはさせなかった。

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    2025年10月25日
  • 別れを告げない

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    夏に読んだのに、自分の吐く息が白く思えた。見えないもの、二度とさわれないものを強く思うひとびとの眼差しに触れた。

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    2025年10月22日
  • すべての、白いものたちの

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    読書備忘録。

    小説成分を摂取するために
    詳細な前情報なしに購入した本、その2。

    とは言え、
    最近このタイトルをよく目に、耳にしていた。
    著者のハン・ガンさんのことは、
    「ああ、最近ノーベル文学賞を獲った人だ!」と、この本の帯を見て思い出した。
    ちなみに私が韓国の作家さんの翻訳本を読むのは「アーモンド」以来の2作目。

    結論から言うと、
    「私が思っていた小説とは全然テイストが違っていたよ、その2」
    …ということになった。

    まず、作品の冒頭でタイトル通りおもむろにいろいろな「白いもの」が挙げられていく。
    最初はいわゆる「主人公」が著者自身だということにも確信がもてなかったので、
    変わった

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    2025年10月16日