斎藤真理子のレビュー一覧

  • すべての、白いものたちの

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    解説がないとどんな本なのか理解できなかった。
    ただ文章が素敵で、詩を読んでるみたいだけど小難しくなくて、とても良かった。本棚に置いておきたい本。

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    2025年11月10日
  • ディディの傘

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    韓国の小説である。2篇の別々の小説が掲載されている。dはタイトル通りのdとddの話であり、傘の貸し借りをするところからタイトルがとられている。韓国の状態を如実に感じることができる。「何も言う必要がない」は、女性二人の話である。そこには大学でのデモやその後のデモの参加が描かれているが基本的には女性が韓国で暮らしていくことの大変さを描いている。

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    2025年11月09日
  • ギリシャ語の時間

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    今まであまり読んだことのないスタイルの本で、小説であるものの詩的な表現に溢れており、現実と夢を行ったり来たりして、静謐で多層的な世界観を堪能しました。
    何日かに分けて読みましたが、一気に読むともっとこの世界に浸れそうな気がします。

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    2025年11月07日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    私はまさにジヨンと同世代だ。国は違えど、日本もほぼ同じである。私たちの世代は男性優位の環境から男女平等の環境への変化の中を生きてきた。
    だからどちらのメリット、デメリット、生きづらさがわかる世代なのである。
    今の若い人たちは昔の男尊女卑の強い世界を知ってほしい。私たちの世代が生きづらさに気づいて立ち上がり、今の比較的男女平等の世界を作り上げたことを知ってほしい。
    60代以上のかたには、男性優位の世界での女性の生きづらさを共有したいし、あなたがたが安定に暮らすために私たちの世代が犠牲になったことも知ってほしい。
    本当は世の男性に読んでもらいたいけど、果たして共感を得られるのだろうか。

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    2025年11月07日
  • ギリシャ語の時間

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    何か問題を抱える人たちの心情が表されており、イメージしやすい本であった。
    当たり前のように生きれている自分には想像することはできるものの、本当の意味での理解は難しいのではないかと感じた。

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    2025年11月06日
  • 別れを告げない

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    ネタバレ

    「愛」についてのお話。
    翻訳者の力もあるのだろうけど、表現が独特で文章が美しかった。
    こちらでありあちらでもあり、この世でありあの世でもあり、現実であり夢でもあり、今であり過去でもある。象徴的に使われている(あとがきより)鳥や雪のように、寄るべなくふわりふわりと行きつ戻りつしながら話は進む。

    私は映画で光州事件や軍事政権をちらりと知るだけだったので、済州島四・三事件はもちろん知らず、あまりの惨事に驚いたけれど、韓国人ならみんな知っているはずなので、事件の衝撃性はこのお話のメインではないんだよね。

    兄の遺骨は見つからず、鳥も死んでたし、物語はちっともうまく進まないんだけれど、いろんな人が語る

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    2025年11月10日
  • 声を出して、呼びかけて、話せばいいの

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    行動力があって、多才で、パワフルで、その力はどこから湧いてくるのか知りたくて本を手にした。家庭環境が良くなかったこと、幼い頃、幽体離脱をしていたことなど共感するところがたくさんあった。でも読んでいて辛くて苦しくなる部分もかなり多い。p150〜151の文章と「あなたと私の一日」の文章が特に好きだった。相棒ジュンイチのところはもう涙なしでは読めなかった。

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    2025年11月03日
  • すべての、白いものたちの

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    読み終えた後、訳者による訳者補足、平野氏の解説が続く。訳者補足にはこの補足を読んでから本書をお読みになってください。と書いてあったが、そんなことは分からず頭から読んでしまった。そして訳者補足を読み、そうなのか!となりすぐまた読み返す。先に補足を読まなくてもいいのです!再読する嬉しさ!
    ハン・ガンにしか書けない生と死(喪失と恢復?)のお話でした。第2章は死んでしまった姉に自分の体を貸与するのだけど、それは今までの彼女の作品でも見られるような死者との会話だと思う。そこがハン・ガンの本当にすごいところだと思う。

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    2025年10月31日
  • すべての、白いものたちの

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    ネタバレ

    読んでいる最中はあまり、
    深く状況を理解することができなかったが、
    巻末の「作者の言葉」を読むことによって、
    理解することができた。
    「生」を「白」というものを使いうまく表現しており、作者の経験を現状に反映するような形はとても特殊だと感じました。
    また、時間がたったらもう一回読みたい本だと思いました。

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    2025年10月26日
  • 韓国文学を旅する60章

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    ほとんど読んだことがない韓国の文学や詩である。丁寧に説明している。著者の写真やその場面の写真がある。巻末には読書案内があるが、書誌なのでいまいち読もうという気にはさせなかった。

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    2025年10月25日
  • 別れを告げない

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    夏に読んだのに、自分の吐く息が白く思えた。見えないもの、二度とさわれないものを強く思うひとびとの眼差しに触れた。

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    2025年10月22日
  • すべての、白いものたちの

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    読書備忘録。

    小説成分を摂取するために
    詳細な前情報なしに購入した本、その2。

    とは言え、
    最近このタイトルをよく目に、耳にしていた。
    著者のハン・ガンさんのことは、
    「ああ、最近ノーベル文学賞を獲った人だ!」と、この本の帯を見て思い出した。
    ちなみに私が韓国の作家さんの翻訳本を読むのは「アーモンド」以来の2作目。

    結論から言うと、
    「私が思っていた小説とは全然テイストが違っていたよ、その2」
    …ということになった。

    まず、作品の冒頭でタイトル通りおもむろにいろいろな「白いもの」が挙げられていく。
    最初はいわゆる「主人公」が著者自身だということにも確信がもてなかったので、
    変わった

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    2025年10月16日
  • 別れを告げない

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    長いこと韓国語学習書のデザインしていたにも関わらず、済州島四・三事件を詳しく知らなかったので、恥ずかしくもあり、かなり勉強にもなりました。

    友人インソンさんが制作した1948済州島モノクロドキュメント映画のシーンがかなり衝撃的なのか、トラウマのように回想する、主人公のキョンハ。

    かなり高度な文学書だと思います。
    現在と回想シーンを、いったりきたり、
    現実と夢の中を、いったりきたり、
    喋り言葉と心の言葉の境目がなく、
    とにかく読み慣れるまで時間かかりましたが、キョンハの心の中と読み手側の心の中が少しずつ近づいていきます。

    大事に飼われていた二匹の鳥、アミとアマ。
    途中でアミが死んでしまった

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    2025年10月10日
  • 声を出して、呼びかけて、話せばいいの

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    死者との関係を紡ぎ直すことあるいはその意味合いを変えてゆくことが生きるものにできることなんだなと思う。
    精神と身体の変化を感じ、見つめ、言葉にすることが人間の営みだと語る覚悟とか切実さが詰まったエッセイだった

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    2025年10月09日
  • すべての、白いものたちの

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    ネタバレ

    愛しいものについて語る本だと思っていたが全く違った。死と生が大きな主題だった。生を受けて2時間足らずで死んだ姉を想う散文が連なる。無力だった母と父の悔しさを幾たびも感じる。
    吹雪の夜、ソウルを歩く彼女。激しく打ち付ける雪と風に凍えながらもそれを美しいと感じる。辛く長い冬でも雪の純粋性を感じることには共感する。

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    2025年10月04日
  • すべての、白いものたちの

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    はんぱなくいい、
    全然意味わからんかったから再読必須やな。
    よく考えろ。意味わからんのにいいってことは、相当いいんやぞ。
    絶対再読しろよ。そのときは理解できるはずだ。

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    2025年10月03日
  • 82年生まれ、キム・ジヨン

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    女性が、職場や家庭や社会全般から求められている立ち位置や役割。自分が時に窮屈で、理不尽にも感じていたさまざまな事柄がこの小説のあちこちに出てきて、時空を超えて同志を得た気分になったー「ああ、私はひとりではなかった」と。自分の頑張りや堪え性が足りないからなのではないか。悪いのは自分なのではないかと思い悩んでいたあの頃を、腕いっぱいに受け止めてもらえた気分。
    特にこの文庫本は、巻末の解説や訳者あとがきがすばらしい。併せて読むことで、この作品の魅力と反響の理解が倍増する。ゼッタイに読んだ方がいい。
    本書を読んだ男性から、「(妻や家族に)謝りたい」「男性こそ読むべき本」との感想も寄せられていると、あと

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    2025年09月28日
  • 別れを告げない

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    4.3事件のことを何も知らなかったので衝撃を受けた。
    同じ民族同士でこのような虐殺があったんだ。
    日本でも何かがまかりまちがえば、同じようなことが起きるのかな。
    今のように分断を誰かに意図的に煽られている状況だと、起こるのかもしれない。

    地球に隕石が落ちて世界中が火の海になった時、鳥類だけが飛び続け生き残り。。という話がなぜか心に刻まれた。

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    2025年09月23日
  • 別れを告げない

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    この本を手に取るまで、済州島四・三事件についてひとつも知らなかった。知らなかったことにショックを受けるような衝撃的な事件だった。

    何も知らずに「済州島旅行行きたいなあ」なんて行っていた過去の自分が恥ずかしくなった。

    第二次世界大戦で日本が負けた後、朝鮮の人々としては「やっと朝鮮半島でも独立国家をつくれる…!」と考えていた矢先に、ソ連とアメリカがやってきて、朝鮮半島を勝手に北と南の2つに分割して、社会主義と民主主義の国をつくった。
    済州島の人々は、朝鮮半島の人々よりも独立の意思が強く、初めての南側だけでの選挙が行われることに反対して、350人程度が武装蜂起して警官たちを襲ったり、選挙をボイコ

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    2025年09月20日
  • すべての、白いものたちの

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    ここしばらく、本を読んでも感想を書く気になれなかったのだけど、この本はなんかうわーっと出てきた気がした。少し落ち込むことがあったときに読んでたんだけど、雪が少しずつ降り積もってチョコレートケーキの上の粉砂糖みたいにケーキを隠してしまうように、言葉が心にシンシンと積もっていく感じがした。言葉に、癒されているのを感じた。
    とき解されて心が柔らかくなって、やがて何も無かったかのように。
    著者自身による本を描いた背景が面白い。

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    2025年09月19日