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Posted by ブクログ
言葉で魅せる景色の美しさに、その尊さに思わず笑みが溢れたのは、初めてだったかも知れない。それは溢れた後に気がついた。そしてそれらの言葉は今の私の居場所をも、神秘なものにしてみせたのだ。それ以上私が望むものは何もなく、本書が与えてくれた美しい物であり、これから先の人生、私が本書を幾度も読み返すことになる理由である。
私が見上げることしか出来ない世界と、同じ世界に居る彼ら。違った世界は羨ましくあるが、見上げる事が、その世界を想像するのがちょうど良いとも思える。一言で言えば危険であり、夜のあわいであるその空は、生と死のあわいであるから。
飛ぶ事で手放してしまういくつかのこと。飛ぶ事で手に入れたいくつかのこと。飛ぶというのは人間ができるはずのなかったことであり、本来であれば一生かけても得られないはずのものを、彼らは手に入れる事ができたのだ。それはさぞ価値のあるものだろう。暴風雨の中でもがく飛行士。焦がれに焦がれた光も無い。そんな中で手にしようとしたのは、自らの全てである冷たい宝石のような美しい星々。死を宣告された身でありながら、彼らはその世界で笑っていたのだ。
パイロットも、指揮官も、地上で暮らす人々も、皆かっこいい。
匿名
星の王子様だけでサン=テグジュペリを語っていた私を殴りたい。パリ旅行に行った祖母にお土産でゲランの夜間飛行もらい、「昔、読んだのよ」とこの本を教えてもらいました。王子様はとは全く違う生身の人間のドラマに圧倒されました。他の作品も読んでみようとおもいます。
Posted by ブクログ
いやー、面白かった!普通小説というのは、語り手は主人公やナレーター一人によるものが一般的だと思う。多くても主人公と準主人公から見た視点などの2、3人であろう。しかし、夜間飛行ではナレーター、社長、複数の操縦士、妻など様々な視点からその人目線で多く書かれている。この手法を成し得たのも、サン=テグジュペリの多様な経験、またそれぞれの立ち場に近しい人との交流のおかげであろう。ぜひ、他の訳者である堀口大学さんの本も読んでみたい。文体がより堅い気がして好みではあるけれどまだ読み切れていない。この訳者の本の巻末にはあとがきや解説、背景などが十分すぎるほど載っており、背景などは読む前に読んでおくべきだったかな、と思いつつも、先に読んでいたら今回受けたほどの感情は湧き出なかったかもと思う。堀ク\口さんの本の方が若干厚いのだけれど、より解説が盛沢山なのかしら。ファビアンと無線技士の遺体の発見の描写は私たち読者に委ねられているのだよね。どんな詩的な表現で表されたか気になるな。むしろ、奇跡的な生還を自身も2度行い、僚友の奇跡的な生還も目の当たりにしている人だから、一抹の希望をここに含ませているのかもしれないね。とにかく満足。
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