Posted by ブクログ
2021年10月23日
サンテグジュペリ 「戦う操縦士」
人気作家の不人気作品?(他と比較してあまり見ないけど)。ストーリーの展開は見られない。敗戦の中から 人間のあるべき姿を見出して、復興の力を感じさせる言葉の数々。終盤に出てくる「真人間」の定義がわかりにく以外は 良書だと思う
前半は 戦争の無益さや愚劣さを語りなが...続きを読むら、飛行の追体験、仲間との連帯感、自己犠牲の物語。後半は 種子や絆、弟の死をキーワードとして 人間中心主義が独白される構成
真人間は、個人を超えた存在であり、神の下で平等であり、民族的アイデンティティなど共同体の絆を自覚した人間 と捉えた
16歳のときの弟の死の回想シーンの言葉「人間は絆の塊だ。人間には絆が重要なのだ」が 著者の人間中心主義の姿なのだと思う