作品一覧

  • 季節と詩心
    -
    1巻1,265円 (税込)
    外交官である父に伴われて、メキシコ、スペイン、ブラジルと大正期のほとんどを海外で過ごし、ベル・エポックの香気に触れた“雅び”の詩人・堀口大學。アポリネール、コクトーら、20世紀“新精神(エスプリ・ヌーヴォー)”詩人たちの息吹きを満載した訳詩集『月下の一群』は、洗練された機智と豊潤なエロスを薫風にのせて、わが国の湿潤な文学風土に送り込んだ。詩の子、恋の子、旅する子の面目躍如たる第一随想集。
  • 昼顔
    4.7
    1巻385円 (税込)
    ケッセルはスラブ種の血をうけ南米に生れた現フランス文壇の第一人者。「昼顔」は作者三十一歳の作で、両次大戦の中間期、最も幸福な時代といわれた頃のパリを背景とし、仮借ない筆致で、貞淑な女性の娼婦性がもたらすことになった霊肉の惨劇を描破した力作であるが、淫猥、春本に類するとの批評に、作者は「健康体を究めるためには、病体を理解しなければならぬ」と答えている。
  • 燃え上る青春
    -
    1巻550円 (税込)
    パリの裕福な実業家の家に育った主人公アンドレ・モオヴァル。彼と若く美しいド・ナンセル夫人との情事と、彼の将来に期待をかけるモオヴァル家の人々の姿を、詩人でもあるレニエが、流麗かつ詩的に描きあげた、作者円熟期の傑作。本作品発表当時(1909年)の仏文壇では詩人が小説をかくことが流行し、それらの作品では物語に、作者の夢想や感情がもりこまれ、きわめて美術的な小説となっていた。本作品はその代表作であり、堀口大學の名訳で味わうことができる。
  • 戦う操縦士
    3.3
    1巻605円 (税込)
    僕は多くのことを考える。万一生きていたら、今夜を待って、とくと考えてみよう。ただ、生きているかどうか……。第二次大戦中、敗走するフランス軍に、一飛行士として従軍した作家サン=テグジュペリ。明日、ドイツ軍が侵入するであろう、祖国の一寒村にたたずんで、死を目前にした極限状況にあって綴られた、生の根源と人間の勇気に果敢に迫り、深く追究する思考。

ユーザーレビュー

  • 昼顔

    Posted by ブクログ

    めっちゃ面白かった。
    鳥肌たつ結末だった。
    でもやっぱりはじめに書かれていた「肉体と精神の乖離」ってことがテーマなんだってことが念頭にありながら読んでてた
    セブリーヌが心からピエールのことを愛してるっていうのは母親的な愛なんじゃないかな。だから心から快感を得られないんだろうね。
    性的描写は少なかったからこれはらぶメインにした話なんだとおもった

    0
    2017年08月06日
  • 昼顔

    Posted by ブクログ

    このページに「カトリーヌ・ドヌーブ」と書いたところで、俄然この本を読みたくなって。手元には昭和54年の新潮文庫版、堀口大學訳、です(カヴァーが映画のカトリーヌ・ドヌーブ)。頁全体が黄ばんでしまったこの本ですが、いくつもの文章を記憶していることにわれながら驚いています。だから、私には他の訳は必要ないかな、とも。これは……、じゅうぶんに官能的「でも」ある、と言っていいんじゃないかなぁ。下手なリライトは細部からこそ匂い立つ情趣を排することになるはずですし、ご存じの方には説明不要でしょう。ところで、この時代の新潮文庫は文字が小さい。そのぶん同じ厚さの中にたっぷり詰め込まれているということだからありがた

    0
    2011年07月19日
  • 戦う操縦士

    Posted by ブクログ

    サンテグジュペリ 「戦う操縦士」

    人気作家の不人気作品?(他と比較してあまり見ないけど)。ストーリーの展開は見られない。敗戦の中から 人間のあるべき姿を見出して、復興の力を感じさせる言葉の数々。終盤に出てくる「真人間」の定義がわかりにく以外は 良書だと思う

    前半は 戦争の無益さや愚劣さを語りながら、飛行の追体験、仲間との連帯感、自己犠牲の物語。後半は 種子や絆、弟の死をキーワードとして 人間中心主義が独白される構成


    真人間は、個人を超えた存在であり、神の下で平等であり、民族的アイデンティティなど共同体の絆を自覚した人間 と捉えた


    16歳のときの弟の死の回想シーンの言葉「人間は絆の塊

    0
    2021年10月23日
  • 昼顔

    Posted by ブクログ

    吐き出される性愛の情熱を、性の感動と渇望を、上品に穏やかに紡ぐ日本語の美しさにむせ返る。
    じっとりと作品全体を包み込む古めかしい言い回しは、睦み合いの中でいかにもセクシャルな魅力をきらめかせていて、読んでいるとどひゃーとなってしまう。文字とはこんなにも卑猥を孕んでいたのか。すごい。一体どうやってこの猥褻を隠し持ってたのか。
    一言で説明がつきそうな性の状況を何ページにも渡ってうねうね説明してくれるのがしつこくて最高。
    作品自体ほぼ性の話しかしていないのでその濃さの割に数時間で読み終えられる手軽さもよい。そして、ただ只管ずっと性の話をしているにもかかわらず、読んでいて何故か全く「こいつらずっとセッ

    0
    2017年01月15日
  • 戦う操縦士

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    面白くない訳では無いのだが、
    堀口大学氏の訳が格調高すぎて、
    自分には辛かった。
    新訳版に期待している。

    0
    2020年11月30日

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