サハラ沙漠の真っ只中に不時着した飛行士の前に、不思議な金髪の少年が現れ「ヒツジの絵を描いて……」とねだる。少年の話から彼の存在の神秘が次第に明らかになる。一本のバラの花との諍いから、住んでいた小惑星B612を去った王子さまはいくつもの星を巡った後、地球に降り立ったのだ。王子さまの語るエピソードには沙漠の地下に眠る水のように、命の源が隠されている。肝心なことは目では見えない。心で探さないとだめなのだ……。生きる意味を問いかける永遠の名作を池澤夏樹による瑞々しい新訳でお届けします。原典の世界観を忠実に再現した横組みの本文。電子化に際し、挿絵は原典の彩色に復原しました。手のひらの中で、サンテグジュペリの描いた世界が鮮やかによみがえります。
Posted by ブクログ 2023年03月04日
王子さまの質問に答えないうえに自分の話したい話を押し付けるような態度は愛らしくもあり憎らしくもあった。そんな王子さまの話を聞いて、オトナのおかしな行動にいつから疑問をもたなくなったんだろう?っと考ずにはいられない。また、綺麗なものは全て何か大切なものを隠してるという考えは新鮮だつた。私も美しくいるた...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年07月28日
大人というのはそういうものだ。だから言って大人を責めてはいけない。大人を相手にするときは、子どもは寛大でなければならないんだ。
だけど、僕たちみたいに生きることの意味をわかっているものには、数字なんてどうでもいい。
星の王子さまが見てきた大人たちを通じて、自分の大切なものを再認識する、こどもからのメ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年05月05日
2018年の集英社文庫ナツイチに選ばれていたから買った一冊。ねこじゃらしおりが欲しかったのかな。
子どもの頃に読んだつもりだったけど、イラストを見たことがあるっていうことだけなのかもしれない。絵本で眺めただけなのか。
読んでみて思うのは、決して子供向けの話ではなく、大人向けの話だよなということ。皮肉...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年04月10日
地位とか、他人の評価とか、一時の快楽とか、お金とか...そういった目に見えるものばかりに気をとられていると、幸せになれないのではないか。自分にとって本当に大事なものに気付くことで、本当に幸福になれるのだ、というメッセージだと解釈しました。
こう書いてみると、すごく当たり前で、浅い話のように見えてし...続きを読む