池澤夏樹の一覧
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ユーザーレビュー
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クリスチャンで天文学者で、海軍少将だった秋吉利雄。池澤夏樹の父である福永武彦の伯父。軍人ではあるが、艦隊勤務ではなく、天測によって航路を知り航海暦を策定するのが主たる任務。タイトルはクリスチャンにはなじみのある聖歌の一節。聖公会は日本では少数派のクリスチャンの中でも、さらに少数派。七百ページを超える
...続きを読む大部の小説で、クリスチャンのありようを語り尽くす作品は、日本文学の中でも稀有なこと。ミッションスクールの外国人宣教師が、戦時中の日本を語った文章はいくつも存在しているが、戦前、戦中、軍隊にあって、天文学者という合理を極め用とした人が、聖書で日常を語る人など、これまでなかった。この作品をキリスト教文学と呼ぶのがふさわしいかどうかわからぬが、遠藤周作の『沈黙』と並ぶ重要な作品だと思う。
Posted by ブクログ
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この小説からイメージした主要なテーマは「成長とは何か?」。王子さま(すなわち人間)がどのように成長していくのかが描かれています。そのステップは、好奇心を満たす→他者性を受け入れる→それによって傷ついていく。このプロセス。自分の傷付き方、成長の仕方に、王子さまは最終的にどう振る舞うのか?ただこのお話の
...続きを読む中で一番傷付いているのは王子さまよりも星にいるバラかもしれない。バラの傷つき方が非常に魅力的で、人の魅力はどのように傷つき、それに対してどう反応するかによって表れるという洞察を提供してくれます。
Posted by ブクログ
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「世界とどのように関係を結ぶか」がテーマと理解した。
庭に咲いている5000 本のバラじゃなくて、星の1本のバラが大切な理由。5億の星ではなく、1つの星。20億の他人ではなく、1人の友達。それは、たまたま出会い、時間を共にして、お互い「飼い慣らす」から、大切になる。人も、土地も同じ。価値があるから
...続きを読む好きになるのではない。好きになるから価値があるという、逆説。
無限の承認欲求市場の登場によって「価値のある自分になろう」「トロフィーを、バッヂを集めよう」というメッセージが数多く発されるなか、このような考え方は、人の足を、地面に着かせてくれる。
池澤夏樹も巻末に記しているように、王子様は、手仕事を大切にしていることも、示唆に富んでいる。「水を飲まずに過ごせる薬」を開発した人は自信満々に「その時間で別のことをしよう!」とPRする。それに対して王子様は「その時間を何に使うの?僕なら、水辺まで散歩することに使いたい」と言う。そうなのだ。体を使って作業することや、生きるために必要な各種の活動を、楽しんで、味わうこと。これこそ豊かな人生なのではないか?サン=テグジュペリの言葉が聞こえてきそう。(このあたりの考え方は、エンデの『モモ』とも共通する。掃除夫ベッポは、掃除を天職として、とても大切に考えている)
「クラフト、アート、サイエンスのバランスが大事」と説いたのは山口周だが、王子様は「クラフト&アート」型の珍しい人材だと思う。そしてこのような生き方は、地に足のついた、真に豊かな人生の一つの理想だと思った。
4歳になったばかりの息子に、「ゾウを飲んだボアの絵」を見せたら、「カタツムリ」と答えた。サン=テグジュペリなら、息子になんと声をかけてくれるだろうか。
子どものころに読んだけど、あるアーティストの方が、キツネの「きみがバラのために費やした時間の分だけ、バラはきみにとって大事なんだ」を引用していて、気になって再読した。本当に良かった。
Posted by ブクログ
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名作なので読みたいとずっと思っていました。
想像力が試される作品に感じられたということは、私自身子供心をだいぶ失っているのでしょうか…。
大人でも読んで楽しい作品だったので、西洋ファンタジーはもっと読んでみたいです。
「大切なものは目に見えない」の名言は読む前から聞いたことがあり、実際に読んでみると
...続きを読む身に染みて感じられました。
ルーティンワークのように日々をこなしていると忘れてしまいそうな、大切な心持ちが詰め込まれていたので、時々読み返したいと思います。
Posted by ブクログ
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読みやすい
本を読み慣れていない私でも読めたので、どんな人でも読めると思いました。
たぬ
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