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石牟礼が亡くなる直前まで、十年近い交友の軌跡が生き生きと甦る対話集。作家同士の親密な語り合いの中から池澤は、石牟礼の創作秘話、その奇跡的ともいえる作品の真髄を浮かび上がらせる。
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Posted by ブクログ
発売と同時に買ったのに,ずっと積ん読。 まる2年以上も! きのう、雨に降り込められ、何となく読み始めたら 止まらなくなった。 よくぞ、買っておいたものよ、でかした2年前の私! 当時は石牟礼道子を、ちょこちょこと読んでいたので買ったものの 池澤夏樹が、ちょっとなぁ、若い頃好きだっただけに、最近は・・...続きを読む・と 読むのをためらっている間に、まる2年! けれど『また会う日まで』で池澤長編を読み、 池澤の本へのためらいが解けたところ なのも良かったのか。 前置きが長くなってしまった。 本書で、わたしは、大きな間違いをしでかしていたことに気づく。 「苦界浄土」はルポルタージュだと思っていた。 あれは紛れもなく創作。 たくさんたくさん聞き書きをし、それを1度咀嚼した上で 構築したものだったのだ、と知った。 池澤夏樹も長く気づかなかったというのだから、 私如きが気づかなくて当然かw それにしても、何と石牟礼さんの言葉が豊かなこと! 池澤氏が対談嫌いのくせに、足繁く石牟礼さんの元へと通ったのもわかる。 弱っていく命の灯火・・・少しでも触れておきたい、そばにいたい、 そんな気持ちだったのだろう。 こんな部分、普通はカットではと思うような点まで 再現されている対談集。 池澤氏の想いは深い。 またしても付箋でいっぱいになってしまった。 大事なことが一杯詰まった、折に触れて読み返したい本。
貴重な対談記録。天草から来た叔母様方のきれいな言葉や、散々苦労されたハルノさんの声まで聞こえるように。能を一度しか見ていなくても能が書けることも、短歌では収まりきれないと散文に移った理由も、池澤夏樹という完璧な聞き手のもと全てが興味深い。
石牟礼さんの著書も池澤夏樹さんの著書も読んだことはない。作家ということ以外はまったく違う2人の対話は呼吸や間を感じるゆったりとしたもので、とても心地よくそして興味深いものだった。ときおり登場する渡辺京二の存在感は強烈。 『のさり』という熊本の方言は特に印象に残った。
池澤夏樹と石牟礼道子の対談集。池澤夏樹の石牟礼道子に対するひたすらな尊敬がストレートに伝わってくる。池澤夏樹のマシアスギリの失脚を読んだときに、すごく抑制されているように感じたが、そういうものと関係しているんだろうなと読んでいて感じた。石牟礼道子は苦海浄土を途中で断念しているので再度読まないといけな...続きを読むいなと気持ちを改めました。。。
石牟礼道子さんと池澤夏樹さんの対談「みっちんの声」、2021.2発行。第1部(2008.7~2012.6)は石牟礼さんの自宅と療養先の施設で。第2部(2014.8~2017.11)は、入院先の病室で。「苦界浄土」に関する話が中心です。インテリや官僚が偉そうに使う言葉を四角い言葉、普通の人が話す言葉...続きを読むを丸い言葉。水俣病は水俣病ではなくチッソ病。チッソの人間は、謝罪、弁償をしないで、救済という言葉を。あたかも善意。思い上がりも甚だしい。
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