作品一覧 2023/09/26更新 あやとりの記 試し読み フォロー 綾蝶の記 試し読み フォロー 十六夜橋 試し読み フォロー 十六夜橋 新版 試し読み フォロー 石牟礼道子 試し読み フォロー 苦海浄土 わが水俣病 値引きあり 試し読み フォロー 死を想う 試し読み フォロー 新版 死を想う 試し読み フォロー 西南役伝説 試し読み フォロー 食べごしらえ おままごと 試し読み フォロー 魂の秘境から 試し読み フォロー 魂の秘境から 試し読み フォロー 椿の海の記 試し読み フォロー 天の魚 ―続・苦海浄土― 試し読み フォロー なみだふるはな 試し読み フォロー 水はみどろの宮 試し読み フォロー 道子の草文 試し読み フォロー みっちんの声 試し読み フォロー 1~18件目 / 18件<<<1・・・・・・・・・>>> 石牟礼道子の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 西南役伝説 石牟礼道子 侍も、苗字のなか者共もひとしなみになるちゅう噂は本当らしゅうもあった。どこらあたりの庄屋殿じゃったろうかな、こういう噂がながれてきた。一日、村の人間を集めてご馳走する、といわるげな。その庄屋殿の家のにわに、今まで使いよった肥桶と肥柄杓がきれいに洗いおさめてある。その洗い上げた肥桶になみなみと酒をいっ...続きを読むぱい入れてあるちゅう。それから洗った肥柄杓で湯呑に酒をついで、「一統づれよう来て呉れた。今日はご馳走するぞ。何ば遠慮するか、さあ呑め」と配ってまわる。「呑まれんかのう。呑まれんじゃろうのう。やっぱりそうじゃろうとも。お前共平民も、苗字を名乗ってよかごとなるちゅうて威張ってみよるが、元はと言えばおまえどもはこの、肥柄杓や肥タゴと同じ身分の、どん百姓ぞ。よかか、洗うても肥桶は肥桶ぞ」 Posted by ブクログ みっちんの声 石牟礼道子 / 池澤夏樹 発売と同時に買ったのに,ずっと積ん読。 まる2年以上も! きのう、雨に降り込められ、何となく読み始めたら 止まらなくなった。 よくぞ、買っておいたものよ、でかした2年前の私! 当時は石牟礼道子を、ちょこちょこと読んでいたので買ったものの 池澤夏樹が、ちょっとなぁ、若い頃好きだっただけに、最近は・・...続きを読む・と 読むのをためらっている間に、まる2年! けれど『また会う日まで』で池澤長編を読み、 池澤の本へのためらいが解けたところ なのも良かったのか。 前置きが長くなってしまった。 本書で、わたしは、大きな間違いをしでかしていたことに気づく。 「苦界浄土」はルポルタージュだと思っていた。 あれは紛れもなく創作。 たくさんたくさん聞き書きをし、それを1度咀嚼した上で 構築したものだったのだ、と知った。 池澤夏樹も長く気づかなかったというのだから、 私如きが気づかなくて当然かw それにしても、何と石牟礼さんの言葉が豊かなこと! 池澤氏が対談嫌いのくせに、足繁く石牟礼さんの元へと通ったのもわかる。 弱っていく命の灯火・・・少しでも触れておきたい、そばにいたい、 そんな気持ちだったのだろう。 こんな部分、普通はカットではと思うような点まで 再現されている対談集。 池澤氏の想いは深い。 またしても付箋でいっぱいになってしまった。 大事なことが一杯詰まった、折に触れて読み返したい本。 Posted by ブクログ 苦海浄土 わが水俣病 石牟礼道子 日本の現代史を考える上で避けては通れない一冊。 未だに裁判が続く理由は何なのか、当たり前の日常がどうやって奪われたのか、その声をどう届けようとしたのか等々、色々考えさせられました。 Posted by ブクログ 苦海浄土 わが水俣病 石牟礼道子 憤りと叫び こういう表現が適切かは分からないが、作者に神様が乗り移って書かせたような、そういう文学だと思う。被害者たちの壮絶な叫びと、憤りの極限で研ぎ澄まされた作者の言葉が胸をえぐる。 水俣の人々にとって、「会社」は市の発展の象徴であり、心のよりどころであり、問題発覚後もそうであり続けたことを初めて知った。そ...続きを読むして、それを守ろうとする市民の感情が、被害者たちと対立・圧迫する形になってしまったことも。どこまでも因果な話だと思った。 匿名 椿の海の記 石牟礼道子 美しい水俣の自然、人間模様、村の様子を、4歳のみっちん目線で描かれた、おはなし。 この時代のことも、この土地のことも、ここの言語のことも知らないけれど、その情景が目に浮かぶような、描写だった。 Posted by ブクログ 石牟礼道子のレビューをもっと見る