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不知火(しらぬい)の海辺に暮らす土木事業家の主と彼をとりまく三代の女たち。遊女、石工、船頭……人びとがあやなし紡ぎ出す物語は、うつつとまぼろし、生と死、そして恋の道行き――。第三回紫式部文学賞受賞作品。
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Posted by ブクログ
不知火に生きる人々の人間模様。 旧家の女たちの因習、奉公勤めの少年の目に映る新しい世界、売られた少女の願掛け、主の娘達を見守り続ける重鎮の老人の想い。 文章が美しく、人々の人間模様が織物のように重なり合います。 神に供える姫人形と老人形師の物語や、想い人と心中した令嬢、神への踊りに励む青年など小さな...続きを読むエピソードがまた印象的です。
辺見庸による解説「あらゆる評言を許す。けれども、いかなる評言も当てはまりはしない」という言及が、奇しくも私の感想でもある。 同じ母国語をもつ作者と読者、という紐帯がはらむ濃厚な血の絡み合いを感じ取る、そんな読書。
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