西南役伝説

西南役伝説

1,881円 (税込)

9pt

4.8

御一新から十年、下野した西郷隆盛のもとに集結した士族たちが決起した西南戦争。その戦場となった九州の中南部で当時の噂や風説を知る古老たちの生の声に耳を傾け、支配権力の伝える歴史からは見えてこない庶民のしたたかな眼差しと文化を浮き彫りにする。百年というスケールでこの国の「根」の在処を探った、名作『苦海浄土』につらなる石牟礼文学の代表作。

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西南役伝説 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年03月01日

    侍も、苗字のなか者共もひとしなみになるちゅう噂は本当らしゅうもあった。どこらあたりの庄屋殿じゃったろうかな、こういう噂がながれてきた。一日、村の人間を集めてご馳走する、といわるげな。その庄屋殿の家のにわに、今まで使いよった肥桶と肥柄杓がきれいに洗いおさめてある。その洗い上げた肥桶になみなみと酒をいっ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年05月02日

    天草四郎の乱

    弘化の一揆

    天草から北薩への移民

    西郷さんのいくさ

    太平洋戦争

    水俣事件

    これらを一本の糸に縒り合せて現出させる、本作の野心は恐るべきもの。
    小説の体裁としては「苦海浄土」が成し遂げたような、寸鉄を打ち込む隙も無い完璧さには至らないが、体裁が整わないが故の異様な迫...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年07月24日

    西郷好きの私はこのタイトルに惹かれて読み始めたが、思いがけない世界に深く引きずりこまれた。
    宮本常一の「忘れられた日本人」に連なる我々の根っこに触れた感覚。

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    Posted by ブクログ 2018年04月24日

    【わし共(どま)、西郷戦争ちゅうぞ。十年戦争ともな(※明治十年/1877年)。一の谷の熊谷さんと敦盛さんの戦さは昔話にきいとったが、実地に見たのは西郷戦争が初めてじゃったげな。それからちゅうもん、ひっつけひっつけ戦があって、日清・日露・満州事変から、今度(こんだ)の戦争―。西郷戦争は、思えば世の中の...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年09月11日

    苦海浄土をまたぐようにして書き継がれたそう。島原の乱から西南戦争そして水俣病

    これが我々の来し方かもしれないが、自分はそこからなんと遠いところに生きているのだろう。でも、こうして読んでいて感じるところがあるのだから縁が途切れてしまっているわけでもないのかな

    天草はもう40年近く訪れていない。ただ...続きを読む

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