食べごしらえ おままごと

食べごしらえ おままごと

649円 (税込)

3pt

食べることには憂愁が伴う。猫が青草を噛んで、もどすときのように――父がつくったぶえんずし、獅子舞の口にさしだした鯛の身。土地に根ざした食と四季について、記憶を自在に行き来しながら多彩なことばでつづる豊饒のエッセイ。著者てずからの「食べごしらえ」も口絵に収録。

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食べごしらえ おままごと のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2019年06月02日

    石牟礼道子が語る「食べごしらえ」は、いわゆるごちそうではないのだろうが、本当にうまそうなのは、これは、土と、海とをそのまま食べているようなものだからだろう。それに、村そのものと食べているような、家族・家の記憶がないまぜになる。そんな幸せな記憶が、こうして書き手を見つけて残されることの尊さを考える。

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    Posted by ブクログ 2024年01月08日

    作家が磨き抜かれた言葉で振り返る、天草、水俣で過ごした幼い日々の暮らしと食べごしらえ。味わい深い土地の言葉、凛とした父母の生き様、地に根差した食べ物。すべて失われて帰らぬからこそ、輝き、せつない。

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    Posted by ブクログ 2020年09月03日

    小池一夫さんが読むと懐かしくなる、と薦めていた本。
    読んでいた私は世代も育った地域も全く違うので懐かしくはならない。ただ九州育ちの義母なら知っている風景なのかな、と想像した。
    食べるためには野菜を作ること、下処理をすること、お釜を洗う事。一つ一つ手間がかかる。
    そしてその向こうに年中行事の九州の人々...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年01月27日

    手が荒れてしまうからアクの強い野菜を扱うのは避けてしまいがちだけど、そういう軟弱な姿勢を見直したいと思いました。思い通りにいかない野菜や魚にちゃんと向き合って、おいしく食べる気概。

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    Posted by ブクログ 2013年11月11日

    読み進めるうちに、映画「阿賀に生きる」の映像が頭に浮かんできた。作者の名前を見て、あの「水俣」の、とつい思ってしまったが、「阿賀に生きる」に描かれた阿賀野川流域と同様、水俣にも豊かな自然と風土、四季折々を慈しみ、節目節目を大切にする人々の生活があったのだ。この本ではそういう暮らしが「食べごしらえ」を...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年11月15日

    生きることをかみしめながら、口に運ぶものを自分の手でこしらえる石牟礼さん。
    その豊かな記憶の広い世界が描かれていた。

    食べごしらえ、おままごとの中に描かれていることもすでに失われているものが多い。私などよりも、描かれている出来事を体験したことのある読者の方が受ける感銘は大きいのではないかと思う。文...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年03月01日

    『苦海浄土』で知られる作家、石牟礼道子が自らがこれまでに作り食べてきた数々の手料理について、実際に調理しながら描いたエッセイ集。

    出てくる料理はどれも熊本での市井の生活に根差したものであり、その一つ一つの料理に尽くせない思い出が潜んでいる。ただ料理を描くのではなく、料理を通して、石牟礼道子という希...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年09月26日

    しょうゆや味噌まで手づくりしていた昔に思いをはせた食エッセイ。今の時代に同じことをやろうとすれば、女はとてもじゃないが会社で仕事などできないだろう。

    にも関わらず、昔の暮らしが、今よりずっと豊かに思えて、うらやむ気持ちを止めることができない。

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    Posted by ブクログ 2014年11月23日

    一昔前の田舎の人が、どのように作物や獲物を食べ物にしていたかがよくわかるだけでなく、どんな思いでその行為を行っていたかがわかる。
    昔の人がお米一粒でも捨てたりしなかったのは、ここに書かれたような苦労をして(今の農業よりずっと過酷)やっと手に入れたものだからなのだと改めて思ったし、添加物などもちろんな...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年10月08日

    水俣病問題を描いた作品「苦海浄土」で知られる……が読んだことはなかった石牟礼道子の書く食のエッセイ。
    いわゆるグルメと呼ばれるような華やかで豪奢な食ではなく、風土と記憶の中にある食を取り上げ、どこか厳粛で静謐な雰囲気の文章でまとめている。
    自然があって、料理をする人間がいて、食べる人間がいる。間違い...続きを読む

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