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はじめて読んだ本をおぼえていますか?
ページをめくれば溢れだす、しあわせな時間と家族の思い出。さあ本の国へ旅にでよう――。
本書は、文学者の父・池澤夏樹と声優、エッセイストの娘・池澤春菜のふたりが、「読書のよろこび」を語りつくした対話集です。
「本は生きもの」と語る父。「読書の根本は娯楽」と語る娘。児童文学からSF、ミステリーまで、数多くの本を取り上げ、その読みどころと楽しみかたを伝えます。池澤家の読書環境やお互いに薦めあった本、夏樹さんの父母(春菜さんの祖父祖母)である作家・福永武彦や詩人・原條あき子について等、さまざまな話題が登場。さらに巻末にはエッセイ「福永武彦について」(池澤夏樹)、「ぜんぶ父の話」(池澤春菜)も特別収録しています。
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Posted by ブクログ
お二人の尋常ならぬ多読っぷりにたじたじ。
少年小説もSFもミステリーもあまり読んでいないわたしには知らない本が多かった。
唯一興味が重なりそうな児童文学でさえ読んでいないものが多く、さらにわたしの好きな少女小説はちょっと苦手、とのことで…時々知っている本が登場する程度だったけど(ケストナーとかサンテクジュペリとか)、やっぱり本について語られるのを読むのは楽しい。
p40 宮沢賢治の「貝の火」や「土神と狐」jは今はわからないけど、いずれわかるだろうって思いながら読んでた、とか、わかるなあ、と。
春菜:『銀河鉄道の夜』でいえば、河原のサンタクルスの火を見て、「みんなあそこへ行くんだ」ってつぶやく箇所。印象的なのに、何が描いてあるのかわからない。とても美しいものが描かれている気がするのだけど、それが何かはっきりとは理解できない。
夏樹:「すごいらしいけど、よくわからない。また来よう」。で、いったん去る。それを繰り返す。
春菜:じつは『星の王子さま』もそう。(略)読み終えるたびに「また三年後くらいに戻ってこよう」と思う。
(略)
春菜:奥のほうに何かがあるのに、「ここから先にはまだ行けない」という感覚がいつもあって、まるで、一見さんお断わりの「注文の多い料理店」みたい。「次に来たときは扉が開くかな」と思いながら読み続ける。そんな作品。
日本はSF翻訳大国だそうで、「ウィンターミュート」という作品について、春菜さんが「あれを英語で読まなきゃいけない人は損しているとすら思う」と言っていたのが面白いなと。さらに父親の夏樹さんが「シェイクスピアと一緒だ。イギリス人は原文でしか読めない」と。翻訳が原文を凌ぐほど素晴らしいとは!(わからないでもないけど、何てこと!)
夏樹さんが父親の福永武彦について語るp160以降はとても興味深く貴重。
◎池澤夏樹が選ぶ福永武彦の三冊
『深淵』(『池澤夏樹=個人編集 日本文学全勝17』河出書房新社収録)
『世界の終わり』(同)
『廃市』(同)
「今は父の一族のことを書くべく準備を重ねている。九州北部から得て多くの実績を上げた聖公会の信徒たち。」とのことで、出版されたら読みたいな。
Posted by ブクログ
池澤夏樹さん、春菜さんの、本が大好きな親子だから実現した濃厚な対談です。対話形式だから読みやすい。
読書を趣味にしたいけど、どうせなら良いものを手に取りたいという方にオススメ。決して本を読む事は偉いとか、沢山読んだ奴が勝ち、なんて事はなく、出てきた本の中から自分の心にささったものを手に取ってみる。合わないと思ったら本を閉じてOK。そんな、ゆるーい感じで未知の本とのマッチングをしてくれる本です。
お二人とも知識量が半端なく、賢い方同士の会話って、聞いていて興味深いし、得られるものが多々ありました。
また、自分の好きな本が取り上げられていると嬉しいですね。
Posted by ブクログ
お父様が最高の本読み仲間であるという池澤春菜さん。
羨ましいです。
私の父も本が大変好きでしたが、もうこの世にいないので、話ができません。(50代で早逝しました)
私事で恐縮ですが、高校のときビクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』をどちらが早く全巻読めるか、競争したことを思い出しました。父は完読したけれど、私は遂に完読できずじまいでした。
そして、皆さんご存知かと思いますが、春奈さんのおじい様は福永武彦さんです。
でも、春奈さんは、読むこと、書くことは血でなくて、環境だとおっしゃっています。
私は目下、SFが読んでみたいけど、何を読んだらわからないジャンルなので、春奈さんの「SFはパパの書庫があった」というのも羨ましいと思いました。
この本で一番読みごたえがあったと思うのは、児童文学の章です。
『星の王子様』の基本にある世界観は農業というのは初めて知ったし、『ムーミン』のアニメは楽しいけれど原作はかなり鬱々とした暗い話だというのも知りませんでした。
少年小説はイギリスだという結論も興味深かったです。
SFの章では、日本はSF・ファンタジーに関して、翻訳大国であるということ。
これはやっぱり読まないと損なジャンルかもしれないと思い、挙げられた書名をメモしましたが、お薦めの、『サンリオSF文庫総解説』を買うのもいいかも(私には少し高度な気もしますが)しれません。
春奈さんの書評やエッセイは拝読したことがありますが、脚本家でもあられたことは、マルチな方だと驚きました。小説を書きたいとも思っていらっしゃるそうです。
そして、私は池澤夏樹さんの評論は拝読したことがあるのですが、小説は『スティル・ライフ』を積読していますが、なんとまだ1冊も読んでいないことに気づきました。
春奈さんお薦めの『マシアス・ギリの失脚』と小説ではないけれど、『いつだって読むのは目の前の一冊なのだ』は前から読みたかったのですが、読んでいないので是非、読まないとと思いました。
Posted by ブクログ
著者のお二人を「理想的な親子」と言ったら、言い過ぎでしょうか?
もちろん、見えないだけで、家族にはいろんな側面があると思います。
でも、この本で本について語り合うふたりのやりとりには、
まさに “同志” としての絆を感じる、信頼に満ちた空気が流れていました。
私も父とはあまり多くを語りませんが、本のことだけは、なぜか少しわかり合えている気がします。
父は、本を読む私を、どこかで信じてくれているような気がするんです。
そして今は、幼い娘とも、いつかそんな関係が築けたら、と願ってしまいます。
もしかすると私は、娘のために、少しずつ本を集めているのかもしれません。
いつか彼女が困ったとき、つらいときに、この本棚に並ぶどれかが力になってくれたら、うれしい。
さらに、本好きの “同志” として、おすすめの本について語り合える日が来たらいいな、と。
そんな夢のような親子像を描きながら、今日も私は本を読みます。
ちなみにこの本、プレゼント選びのヒントにもぴったりです。
私自身、甥っ子へのプレゼントを、この中で紹介されていた本から選びました
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