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小さな南の島に住むティオと出会った人々を中心に、つつましくも精神的には豊かな島の暮らしをさわやかに描く。
お父さんとティオが経営しているホテルに絵はがき屋さんがやってくる。島やホテルの風景の絵はがきをお客さんが買って手紙を出すと、もらった相手は、どうしてもこの景色をみたくなる。だから、このホテルに必ず人を連れてくるはがきなのだという。
この夢のような話を信じたティオに、絵ハガキ屋さんが最後におまけにくれた一枚とは? 花火で「空いっぱいの大きな絵」を描いた黒い鞄の男などの個性的な人々とティオとの出会いを通して、つつましさのなかに精神的な豊かさに溢れた島の暮らしを爽やかに、かつ鮮やかに描き出す連作短篇集。第41回小学館文学賞受賞した作品に、「海の向こうに帰った兵士たち」を加えた増補版。解説・神沢利子
※この電子書籍は2010年11月に文藝春秋より刊行された増補版文庫を底本としています。
Posted by ブクログ 2021年01月10日
たぶんこの島くらいの規模の広さと人口と外部との接触頻度が、人が生きていくには本来ちょうどいいのだと思う。そうすれば争うことも競うこともなく、自然とお互いに補完し合うコミュニティができるのではないか。
でも、ティオはその小さい島を出ないのに、歴史的にも地理的にも、そして神秘的にも、どんどん世界が広が...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年06月16日
再読。夏になると読みたくなる本。
小さな南の島に住むティオに会いたくなるのです。
10編の美しい短編集で、ティオと出会った個性的な人や物?幻想?がなんだか不思議でもあり、自然でもあり。いつの間にか心が豊かに満たされるのです。
すべての物語に魔法の匂いがするのに、受け入れてしまうのです。
たぶん...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年08月17日
夏の日の読書にぴったり。
子供の頃の、海で友達と遊ぶ時のあの楽しさとか、水に潜った途端に周りの喧噪が遠くなる感じとか久しぶりに思い出した。
ずいぶん前に行ったポナペは、輝く白砂のビーチと透明な青い海に囲まれた静かで美しい島だった。戦争中この島にいたという男性が奥さんとともに島を訪れているのに居合わせ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月05日
豊かな自然と精霊の息づく島の、
透明な、絵はがきみたいな短編集。
見たことがないはずの美しい景色が鮮明に、
なぜか懐かしく思い浮かぶような、
原風景のような作品でした。
それにしても、精霊とか南の島とか、
そんなに馴染みやすい舞台設定ではないはずなのに
なんでこんなにすっとはいってきて、
心地よ...続きを読む
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