静かな大地

静かな大地

999円 (税込)

4pt

短い繁栄の後で没落した先祖たちのことを小説にするのは、彼らの物語を聞いて育ったぼくの夢だった--明治初年、淡路島から北海道の静内に入植した宗形三郎と志郎。牧場を開いた宗形兄弟と、アイヌの人々の努力と敗退をえがく壮大な叙事詩。著者自身の先祖の物語であり、同時に日本の近代が捨てた価値観を複眼でみつめる、構想10年の歴史小説。第3回親鸞賞受賞作。〔解説・高橋源一郎〕

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静かな大地 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年09月03日


    ボリュームもゴツく、アイヌに深く関わる文化物と敬遠する要素満点だが、読みやすく話の進め方も魅力的で退屈せず読めた。話の要所にフックがあり丁寧。
    池澤夏樹らしいスピリチュアルさも健在。

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    Posted by ブクログ 2020年04月12日

    数年前に熊野古道を訪れた際、松浦武四郎という人の存在を知った。そこからアイヌという人たちについての本を読むことが増えた。

    淡路島から幕府御一新のために北海道に入植した内地の人間が話の軸だ。

    続く

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    Posted by ブクログ 2020年04月04日

    ゴールデンカムイでアイヌに対する興味が高まっていた中、田原町の本屋でアイヌ関係の本が10冊くらい並んでいる中でこの本を選んだ。

    序盤から悲しいエンディングを匂わせる中でも、アイヌの躍動や三郎さんの札幌留学生活などワクワクするエピソードも散りばめられていて読んでいて楽しかった。

    北海道で生まれ育っ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年03月30日

    明治維新後に北海道に入植した和人とアイヌの民の話。
    文明と文明が出会うとき、多数派、科学文明の力の強い方が相手を押潰してしまう。これまで何度も繰り返されてきた。
    語り部である由良の言葉にある「もっと深い恐れか憎しみか、何かとても暗くて嫌なものがあったような気がする。姿と言葉の異なる人に対する恐れと憎...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年04月06日

    かつてそこはアイヌの地だった。
    エスキモーやインディアンにも共通する自然に対する畏怖と感謝、共存の世界がそこにはあった。
    その地に和人が住み、暮らすようになり次第にアイヌは追いやられ、和人は自然を蔑ろにしていく。
    私利私欲の世界の始まりだ。

    自然界の仕組みのごく僅かな事しか知らない人間はテクノロジ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年01月08日

    明治維新で北海道開拓移民となった旧淡路藩の武士宗形三郎、志郎とアイヌとの交流。アイヌの価値観や宗教観に共鳴。インディアンやアボリジニなどの先住民族との共通点が多く人類の向かうべき方向性を示唆していると思う。

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    Posted by ブクログ 2014年03月24日

    明治維新直後、淡路島から北海道開拓を志し、静内に移り住んだ一族の歴史物語。

    静内は今でも馬産地として有名であり、自分の生まれた町からもそれほど遠い場所ではない。おそらくは自分の祖先も、同じような道を歩んで来たのだろうと思うと、とても興味深く読む事ができた。

    でも、もし自分が主人公の宗形兄弟の立場...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年03月11日

    明治時代から200年経った今のこの世の中だったら、アイヌとシャモは、もっと良い意味で、違った運命を辿ることができているだろか。人は歴史から何かを学び、共に歩むという選択肢を選べているだろうか。ひとつの文化を滅ぼさずに済んでるだろうか。いつも、人は失ってから、その文化の大切さ、高貴さに気付く。
    (20...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年01月23日

    北海道の開拓とアイヌのことを
    少しでも知るために
    この本を読んで本当に良かった。

    池澤夏樹さんの語り口は
    アイヌの伝承を
    一層美しく引き立て
    哀しくも儚い物語を色どり
    心にすぅっと染み込んでくれた。

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    Posted by ブクログ 2020年11月18日

    「熱源」を読んだという話をしたら、知人から「この本も読んで!」と勧められた。

    アイヌの生活や精神、置かれた環境などを、淡路からの移民兄弟の目を通して語られた話。

    熱源のように激流に飲み込まれるような激しい事件(戦争)が起こるわけではないけれど、開拓者たちが日々の生活を切り開いてゆく力強さと、それ...続きを読む

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