あらすじ
20世紀初頭の郵便飛行に携わる者は、「自分達が歴史を作る」という信念と誇りを持っていた! 南米大陸で、夜間郵便飛行という新事業に挑んだ男たち。ある夜、パタゴニア便を激しい嵐が襲う。生死の狭間で懸命に飛び続けるパイロットと、地上で司令に当たる冷徹にして不屈の社長の運命は――命を賭して任務を遂行しようとする者の孤高の姿と美しい風景を、自身も飛行士だった作家が詩情豊かに描く航空小説の傑作。
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Posted by ブクログ
『星の王子さま』に続いて、サン=テグジュペリの作品を開いてみました。
選んだのは『夜間飛行』です。
とにかく文章が美しい。
テグジュペリ自身がパイロットだったとはいえ、
目に映る情景をここまで見事に言葉に昇華するのは並大抵のことではありません。
そして非常事態に直面したシリアスな人間ドラマにおいては、読者を緊迫と葛藤に巻き込むような、リアリティのある筆致。
テグジュペリの作家としての力量もさることながら、翻訳も見事です。
この名作は、きっとまた読む。
そんな確信を抱かせる読書体験でした。
匿名
星の王子様だけでサン=テグジュペリを語っていた私を殴りたい。パリ旅行に行った祖母にお土産でゲランの夜間飛行もらい、「昔、読んだのよ」とこの本を教えてもらいました。王子様はとは全く違う生身の人間のドラマに圧倒されました。他の作品も読んでみようとおもいます。
Posted by ブクログ
南米で郵便飛行機を運行する会社のオフィスとパイロットの1つの事件を取り巻く一部始終が描かれている。半日にも満たない、夕方から未明にかけての短時間のみで1冊が書かれており、特に後半はゆっくり読むとリアルタイムと同じくらいのペースで時が流れる、臨場感溢れる力強い作品だった。
Posted by ブクログ
全編連なる散文詩のような美しさ+小型飛行機のパイロットなど経験したこともない人にも伝わる臨場感+スリリングで切り替わりが多いのに混乱しない構成…本物の才能って怖いほどすごいと思った作品。
Posted by ブクログ
「星の王子さま」で有名なサン=テグジュペリによる小説。飛行機乗りの経験を活かしたリアリズムにあふれる作品。
夜間の飛行がまだ非常に危険だった時代。新事業に命をかける男たちの、尊厳と勇気の物語。事業の責任者であるリヴィエール社長の、あまりにも厳格なやり方は、強い信念によるものだった、というお話。個人の幸不幸に心を揺らしつつも、あくまで全体の進歩のために意志を貫く。ここに深いテーマ性があり、その勇気に感動を覚えた。
作者自身が飛行機乗りだっただけに、飛行にまつわる描写は詳しい。嵐におそわれたパタゴニア便の、燃料が切れるまでのタイムリミットによる緊張感は、テレビ番組の飛行機事故再現映像を見ているかのような迫力があった。そして、「これラピュタ?」と思わせるような場面があり、実際この小説は参考にされているのではないかと思った。
リアリティあふれる本作は、飛行機というものが世の中に現れて間もない時代の、貴重な記録であり、その時代を生きた人々の勇気を感じられる偉大な作品だ。「星の王子さま」を読んで育った子どもたちが、大人になって次に手にとれるよう、いつまでも読みつがれることを願う。
Posted by ブクログ
郵便空輸の黎明期に夜間飛行を切り拓いたパイオニア達を、行間で語るような静謐で美しい自然描写とともに描く。
個人の自由が重視されすぎている今、
生きることと仕事との関係性を考えさせる。
美しい小説だった。なんども読み返しそう。
Posted by ブクログ
圧倒的だった。読み終わるまで息をつく間がなかった。厳格で、容赦ない指示と処罰を科すリヴィエールが抱える苦悩と義務、人間的な苦しみ(老いや自分の行っていることが個人の幸福よりするべきことなのだろうかという問い)。若い操縦士ファビアンが死の前にみた美しい情景。
この作品が、夜間飛行の黎明期だったことで、自然の脅威、幸福だけでなく、政治的な圧力やそれを乗り越えて戦うもの、などが手に取るようにわかる。
素晴らしい作品だと思う。
Posted by ブクログ
いやー、面白かった!普通小説というのは、語り手は主人公やナレーター一人によるものが一般的だと思う。多くても主人公と準主人公から見た視点などの2、3人であろう。しかし、夜間飛行ではナレーター、社長、複数の操縦士、妻など様々な視点からその人目線で多く書かれている。この手法を成し得たのも、サン=テグジュペリの多様な経験、またそれぞれの立ち場に近しい人との交流のおかげであろう。ぜひ、他の訳者である堀口大学さんの本も読んでみたい。文体がより堅い気がして好みではあるけれどまだ読み切れていない。この訳者の本の巻末にはあとがきや解説、背景などが十分すぎるほど載っており、背景などは読む前に読んでおくべきだったかな、と思いつつも、先に読んでいたら今回受けたほどの感情は湧き出なかったかもと思う。堀ク\口さんの本の方が若干厚いのだけれど、より解説が盛沢山なのかしら。ファビアンと無線技士の遺体の発見の描写は私たち読者に委ねられているのだよね。どんな詩的な表現で表されたか気になるな。むしろ、奇跡的な生還を自身も2度行い、僚友の奇跡的な生還も目の当たりにしている人だから、一抹の希望をここに含ませているのかもしれないね。とにかく満足。
Posted by ブクログ
サン=テグジュペリの「人間の土地」を読んだのは、大学生のころか?会社に入ってただろうか?
いずれにしろ20代前半か半ばだっただろう
当時もかなり感動した記憶がある。
素晴らしい本だった。だから本屋で「夜間飛行」や「人間の土地」がおいてあるといつも気になってた。
というのもあって、江古田で担々麺屋の行列に並びながら読んでた「メルロ・ポンティ「眼と精神」を読む」(富松保文)に出てきたサン=テグジュペリの「戦う操縦士」からの引用がとてもよくって急に読みたくなって、光文社古典新訳文庫から出てるのもあって、池袋ジュンク堂と三省堂をめぐって、「夜間飛行」「人間の土地」「戦う操縦士」「小さな王子」をまとめ買い。池袋三省堂の地下の文庫コーナーを出たところにある大勢が行き交うイタリアンなカフェで一気に本著を読んだ。
本当に生きる糧となる読書というのはそんなに多くない。でも、サン=テグジュペリの本はまさにそれなのだ。
飛行機操縦士という孤独と宇宙をさまよう人生のアレゴリーそのもののような人生経験を経て語られる言葉の説得力と詩性は他で代え難いものとなっている。
「人間の土地」に行こう。2回目の読書というのは、やりたいけどなかなか手がつかないものなので、その機会が巡ってくるととても楽しみだ。
Posted by ブクログ
ロマンティックなタイトルだが、語られているのは、自然の脅威であったり、冒険であったり、あるいは、不屈の精神であったりする。サン=テグジュペリ、イコール「星の王子様」とだけ思っていたが、最近読んだ「戦う操縦士」を含め、危険に立ち向かいながら自らの進路を切り開いていく人間精神という極めて崇高なテーマを描く作家として、これまでの読まず嫌いを反省している。特に、本書は、簡潔な記述の中に様々な余韻を残していて、それでいて生々しく、何とも言えない強い印象を受けた。
Posted by ブクログ
南米の地で夜間に飛行機で郵便物を運ぶ新事業に従事するパイロットたちと、ブエノスアイレスで彼らを待つ責任者の一夜の小説。突然の大嵐に見舞われた一機がわずかな燃料を残して通信途絶するという緊迫した展開、冷徹な判断を旨とする責任者リヴィエールの苦悩からくる緊張感はこの短い小説が進むにしたがって張りつめてくる。非常に完成度の高い小説だ。
だが、私がこの小説に心をつかまれたのは空の世界の幻想的にうつくしい描写だった。冒頭から夕暮れの光に満たされる平野が眼下に広がっていて、時に草原にポツンと漂流する一軒家にパイロットは翼で挨拶すると語られる。もうそこで、捕まえられたな、という感じがした。
一番印象的なのは、墜落寸前のパイロットが嵐の雲の上に抜け出て、満天の星と満月に光り輝く雲海に出る場面だ。強い死の香りの中で、静謐な楽園をゆく一機の飛行機。その世界の中で「美しすぎる」とパイロットは思うけれど、私だって思っていた。そう、この小説は美しすぎる!地べたで苦闘する人間の絶望的な戦いを描きながら、同時に空の上の圧倒的な美を見せてくれる対比の残酷さ。それが否が応にも空の美しさを引き立ててしまうのだ。
自分も輸送インフラで働いていたので、リヴィエールが何十年も飛行機一筋で働いていた職員を一度のミスで首にする場面は胸がギューっと痛んでしまったのだが、そこ以外は完璧な小説だった。今からもう一度読もうかな。
Posted by ブクログ
郵便物を運ぶ飛行機に乗るパイロットと、それを指揮する会社を回す人たちの話。
序章がネタバレのために本編の後ろに回されているが、そこに書かれている時代背景を知らずに読んだので、ただ単にパイロットが使いつぶされた話のようにも思えた。彼らの基準では名誉ある死だったのか、あるいは単なる犬死にのどちらだったんだろうかなどと思った。
主に空を飛んでいるパイロットと、地上でその動向を見守る社長のシーンを行ったり来たりしながら進むが、どちらも緊迫感が感じられる。ただやはり、パイロットの描写の方が好みだった。
Posted by ブクログ
圧巻の文章でした。
小型の飛行機で飛んだことなんて無いけど、その情景、危機、孤独がありありと目に浮かんできた。
人生の意味というか、そんな深いところまで踏み込んだ作品。皆孤独の中戦っているのだ。
Posted by ブクログ
裏を書いてサン=テグジュペリです
何に対しての裏やねんっていうね
サン=テグジュペリと言えばもちろん『星の王子さま』なんですが、あえての『夜間飛行』
まぁ、こちらも代表作っちゃあ代表作なんですけどね
うーん、まぁ色々あるんだけどね
色々あるんだけどめんどくさいんで1個だけ
物語の筋としてはなんてことはないんですよ(いや実際はほんと色んなふうに読み取れてなんてことなくはないんだが)
割と簡単な話なんです
郵便配達する飛行機が『夜間飛行』するんですが、嵐に遭遇して結局行方不明、地上でその会社の社長がヤキモキするっていう話です
冒涜レベルで短くまとめましたが、まぁだいたいそんな感じ
そんな中、詩的表現がマジでエグい
飛行機が空飛んでるだけなのに、めちゃくちゃいっぱい言葉詰め込んでくるのよ
しかも一個一個がほんと詩のよう
でだいたいそういうのってあまりやりすぎると邪魔くさく感じるんだけどサン=テグジュペリにはそれがないんよね
不思議〜
Posted by ブクログ
<その夜を、越えられるか>
サン=テグジュペリの名を世に知らしめた作。1931年原著初版刊行。アンドレ・ジッドの序文が添えられている。
南米大陸で、新事業である夜間郵便飛行に挑む男たちの物語。
南米各地からブエノスアイレスへと荷物を運び、それを各地へ、また欧州へと運ぶ。
黎明期の事業の存続は綱渡りだった。民間の商業航空が生き延びるには、夜間の定期便を飛ばすよりほかなかった。
一方で、当時の飛行機の性能はさほど安定しておらず、通信も万全ではなかった。暗黒の中に飛び立つには危険が大きい。
しかし。
夜を越えねば未来はない。
物語の舞台は主に、空を飛ぶ若きパイロットの飛行機と、地上支援を行う老いた社長のいる事務所である。午前0時から2時のわずか2時間の出来事が主である。
この夜、ブエノスアイレス上空は晴れていた。しかし、パタゴニアから飛んだ機は激しい嵐に見舞われていた。
パイロットは必死に奮闘する。しかし、燃料は限られており、時間の猶予はない。
帰らぬ機を待つ社長は苦悩する。この機の荷を移し、欧州便を飛ばさねばならないのだ。夜間飛行には反対の声も多く、ここで失敗すれば事業自体がつぶれてしまう。
嵐に揉まれ、荒れ狂う海に翻弄されるかのような中で、パイロットはふと見えた上空の星を目指す。雲の上に出た彼が見たのは、星がちりばめられた、信じられぬほど美しい光景だった。
だが、それはつめたい宝石に囲まれた場所、誰ひとり生きていない世界でもあった。
静謐で美しい絶望。
制限時間が過ぎた中、地上の社長は1つの決断をする。
彼らは果たして、それぞれの夜を越えられたのだろうか。
ジッドをして、絶賛の序文を書かしめた一作。
簡素にして緊迫感に満ち、美しい。
後年、サン=テグジュペリは、第二次大戦中、飛行機で偵察に出て、消息を絶つ。自殺も疑われたが、ドイツ機による撃墜が真相のようである。
飛行機を愛し、飛行機乗りに愛された作家は、自身、空の上の夢のような世界を見ただろうか。あるいは今でもその空を飛び続けているのだろうか。
Posted by ブクログ
「夜間飛行」というタイトルにひかれて手に取った。夜間に広い南米大陸を飛行機で郵便配達する話ということで、静かでロマンチックな話かと思いきや、まったく違った。
20世紀前半は飛行機の性能、無線通信技術、運行管理などが当然ながら現在ほどではなくて、天候の急変が襲ったり、パタゴニアやアンデス山脈の暴風が吹けば、途端に命の危険に晒されるという状況が前半で提示される。
そして後半で...という展開。
一見非情とも思える運行管理者の言動にも考えさせられる。航空機輸送が鉄道や船舶に劣後していた時代、ルーチンワークの中で重大トラブルが発生したとして、管理者はその業務を止められるのか。自分ならどうするかみたいなことを考えた。
Posted by ブクログ
星の王子様があまりにも有名なのでこちらも読んでみた。
4人の飛行士たちの物語。2時間のフライトの出来事がそれぞれ組み合わさっていて、情報量が多い。
薄い本だからと軽い気持ちで手にとったら内容の濃さに驚いた。
自分の読書量では時系列がよく掴めなくて今誰の話なんだろうとところどころ戻りながら読んだ。
星の王子様を読んだときも感じたのだが、サン=テグジュペリの本は言葉のニュアンスがふわふわしていて夢心地で読んでいる感じ。
Posted by ブクログ
描かれた夜空の情景。飛行機の黎明期の話なので、パイロットと空の距離の近さに恐れも抱きつつ、サン=テグジュペリも同じような感慨を抱いて夜空を飛んでいたと思うと、彼の追体験を味わうようで、不思議な浮遊感を覚えた。
Posted by ブクログ
時代を思わせる夜間郵便配達の過酷な状態とそれに従事する人々の矜持と心理。
部下に危険を回避するのは臆病で懲罰ものだ、と鼓舞する指導は、現在における日本の雇用の考え方では、亡くなられた遺族の訴訟や再演防止策の策定などで仕事が確実に滞ることもあり、危険なことはさせない。それに対し、ありえないくらい危機管理が希薄だが、現代に置いても戦争をしている当事国なら今もこんな考え方に至ることもあるのかと考える。
後半、郵便配達パイロットのファビアンの消息について、緊迫した情景描写とともに描かれ、最後まではらはらさせる読ませ方は上手い。
郵便配達パイロットの目線での人々の営みを観察し、思いを馳せるところは、皆がそれなりに心のなかで感じている事であり、共感する。
運行業務責任者であるリビィエールの苦悩と孤独も、管理者の辛さを浮き彫りにする。
以前、新潮文庫版の読みにくさに途中で投げ出したが、本作ではとても読みやすく、かつより豊かな表現で描かれていると感じた。
翻訳小説は、役者の方針でかなり変わると痛感させられる。
じわじわ来る
クローズアップされる人物が場面ごとに入れ替わって
それぞれの立場で考えさせられる
良い小説だと思います。
人類の自然に対する挑戦の物語なのかな。
そう言ってしまうと古くさくなってしまうけど。
それでもその挑戦する精神は色褪せないのだと思います。
Posted by ブクログ
航空郵便の黎明期。夜間飛行するにはまだ装備、施設は貧弱で観測所と無線や電信でやりとりする程度。今ほど管制塔のようなものもない時代。
暗闇の中を飛び立ち、夜間飛行で安全に郵便を届けることは飛行士にとって危険な旅路…
ストーリーが時系列になっていないため、混乱。解説で理解。それを踏まえて再読したい本。
表現が綺麗で飛行機に乗っているかのような景色が目に浮かぶ文体が好き。
Posted by ブクログ
新航路開拓と同様、航空便が主役に躍り出るには、スピードの優勢を生かさねばならず、そのためには夜間飛行が必須である。その目的のために犠牲があっても勇気を持って前に進む。そこに人間の尊厳と健気さを感じる。コンパクトに纏まった小編であるが、中身は濃い。2020.9.29
Posted by ブクログ
こちらは南米へ向かう飛行機の中で読んだ(昼間だったけれど客室内は暗かったし)。
とにかく直球勝負なのがよろしい。無駄をそぎ落としたような文体で、危険をおかしてでも目標に向けて働く気高さをうたっている。
21世紀日本視点から、リヴィエール社長のマネジメントに「それ違うんじゃないか」と思ってみたり、主人公たちに「そこ無理しないで飛ぶのやめたら」と突っ込みたくなったりするが、そういうことが問題なのではない。ひとつの寓話として読めば、いま自分が失ないかけているものの価値について考えさせられる。
時間軸での構成の巧みさについては解説で気づかされた。ホントにそんなに複雑なのか?という気はするが、サスペンス映画張りの展開速度というのには納得。
やっぱり、飛行機のスピードが速すぎだよね、という点も解説で確認。『星の王子様』ならともかく、割とここのリアリズムは大事じゃないかと思うのだが。。。
Posted by ブクログ
静かな夜空の様子や、突如来る嵐の激しさ、その下で生きる人々の気持ちが淡々と描かれていた。南米は暑くて人々も陽気なイメージだったので、文体が冷たくてギャップがあったが、物語の舞台である夜の感じとマッチしていて、すごく綺麗だと思った。
Posted by ブクログ
文章のリズムが自分とは合わないのか、ちょっと読み辛く…内容がスッとは頭に入ってこなかったせいか、この本の良さを感じ取るに至らず…
短い本だけど、疲れた…
Posted by ブクログ
表現がいささか難しめで、耳慣れない用語が使われる。
にもかかわらず想像力を要する小説なので、高校生くらいの年齢から対象、というかんじ。
感情移入するタイプのストーリーではなく、第三者的な目線から俯瞰して見るような内容の印象を受ける。
リヴィエールの仕事に対する真摯で厳格な姿勢をその周辺の人物とのやり取りから理性的に見ていく一方で、ひとりの優秀な操縦士ファビアンの夜間飛行で描かれる豊かな感情の推移に情動的になる。
冒頭の書き出しの美しさが印象的。
ただ、それ以外は個人的にはあまりハマらなかった…。
Posted by ブクログ
好き嫌いが分かれる本。
星の王子さまのようなものを想像しているなら読まない方がいいと僕は思う。
パイロットになりたい人とかが読むとハマると思う。
Posted by ブクログ
うーん。星の王子さまを読んだあとだから尚更なのかもしれませんが。
こーゆー展開はやっぱり、おもしろいと思わないんだなぁ。
みんなで雷雨と戦って、無事生還!
良かった良かった)^o^(
みたいな話の方が、スカッと気持ちいいです。単純だけど。
この時代の飛行が命がけ。とゆーことは、よく分かりました。
Posted by ブクログ
当時の夜間飛行の危険さと勇敢さ、そして美しさを知る。
本編並みの解説ページがすごいが、あえてスルー。
失敗を恐れては何も出来ない、しかし、その失敗は何より重い。
星の王子様と同作者ながらこちらはリアリティがすごいがその中にもファンタジーさがあって一気に物語に引き込まれる。
ファビアンの末路がぼやかされたまま終わるのが切ない。どこか不時着で帰還していて欲しいと願う。
Posted by ブクログ
大戦前の航空郵便事業についての小説。フランスと南米大陸を結ぶ航空郵便路線の運営に関わるパイロット、運営責任者等の心理を描いている。
技術的に夜間のフライトが非常に困難な時代に危険を顧みず、崇高な使命感でやり遂げようとする人が美しい。