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Posted by ブクログ
『共産党宣言』は、人類の歴史を支配階級と被支配階級との階級闘争の歴史として捉えた書物である。マルクスは、封建社会から資本主義社会への移行によって経済は発展した一方、生産手段を所有する資本家と、それを持たない労働者との間に搾取の構造が存在すると分析した。そして、その原因を生産手段の私的所有に求め、これを廃して階級のない社会を実現すべきだと主張した。これが本書の核心である。
では、なぜマルクスが描いた共産主義社会は実現されなかったのか。その理由は、大きく二つある。一つは、資本主義が労働運動や民主化の進展を受け、労働環境の改善や社会保障制度の整備などを進めたことだ。その結果、資本主義はマルクスが想定した19世紀の姿から変化し、革命を求める機運が弱まっていった。
もう一つは、社会主義国家の実践において、マルクスが想定した労働者階級による社会運営が行われなかったことだ。実際には共産党官僚に権力が集中し、新たな支配階級が形成された。特にソ連では、この権力集中により、マルクスが理想とした共産主義社会には到達しなかった。
しかし、資本主義にも多くの課題が残されている。資本主義は経済成長を通じて社会の発展をもたらしてきた一方で、資源や環境に限界がある現代社会では、そのあり方や持続可能性が問われている。近年、SDGsや脱成長といった考え方が注目されている。本書は、資本主義の問題点を指摘するだけでなく、より良い社会のあり方について考えるきっかけを与えてくれると感じた。
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