エンゲルスの一覧
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ユーザーレビュー
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社会主義、共産主義についての超有名な古典らしい。
当時の各国の政治、経済、社会情勢を知ってないと理解できないことが多いものの、ブルジョア階級とプロレタリア階級の間の闘争など、抽象的な記述については現代にも通ずるところがあるように思う。現代日本はどのような状態にあるのか、アメリカほとではないが格差が生
...続きを読むまれているということは自由資本主義の弊害であるのか。マルクス、レーニンの掲げた理想的な共産主義をもっと知りたいと思わせる一冊。
Posted by ブクログ
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疎外。本来、自分のものであるはずのものが自分から離れてよそよそしくなる。本来、労働は創造的な活動で、自己実現、人間能力の開花につながる。しかし、ものを生産する手段(労働者)を資本家が握る社会では、労働者は自分の人生や運命を決めることができない。
※疎外の指標(無力・無意味・孤立・自分が自分でないよう
...続きを読むな感覚)。単純流れ作業の労働者は疎外感が高い。選択肢もなく、ただひたすら単純作業を機械のように続ける労働者。一方、職人は疎外感が低い。自分の技術を日々磨き、成長・やりがいを感じている。R・ブラウナー。
物の価値は労働量で決まる。資本家は労働者を酷使して、労働力をできるだけ多く搾り取る。人間は自分で素材を買い、働いて価値を付けて、売るのなら、搾取はどこにもない。靴職人が革を買って、それを加工して靴を作って売る。搾取はない。しかし、素材を買うお金がない人は労働力を売って生きるしかない。資本家は靴職人を雇って、靴を作らせ、その商品を売る。売上の一部を靴職人に賃金として渡す。資本家は安い賃金でたくさん靴を作らせた方が儲かる。労働者を限界までこき使うようになる。賃金以上に働いて生まれた価値(剰余価値)はすべて資本家のものになる。
Posted by ブクログ
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ドイツ・イデオロギー 新編輯版 岩波文庫
(和書)2009年09月18日 22:25
2002 岩波書店 廣松 渉, マルクス, エンゲルス
岩波文庫の新編輯版の前に出ていた「ドイツ・イデオロギー」は読んだことがあったのですが今回この本で再読してみようと思いました。内容も随分前に読んだので忘れて
...続きを読むいました。それも丁度良かったかもしれません。
とても興味深く読めました。
Posted by ブクログ
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題の通り、当時の共産主義の理論と実践が記述されている。現代で共産主義というとイデオロギー的な他意を含みがちであるが、本書ではその根幹を成すロジックに触れることができる。
ありがちな誤解として一切の財産の私有の廃棄というものがあるが、本書ではそれは明確に否定されている。本書で述べられているのはあくま
...続きを読むで生産手段たる資本の共有財産化であり、それはプロレタリアが元々所有していない、所有できないものを指している。また同時に、相続も資本の拡大と階級間の対立を助長するものにすぎないことから、これも否定している。
これらの原則は、突飛で理解に苦しむような類の思想というよりはむしろ、現代の価値観に照らしても妥当なもののようにも感じられる。多く働いた者、能力の高い者は社会への貢献も大きいことから高い報酬を得ることは正当化されるし、また同時に、この報酬が人々の社会貢献を動機づける。一方、多くの相続を受けた者はその財産の一部を資本として所有することで、働くこともなく資本が財を生み、報酬を受ける。この報酬を前者の報酬と比較すると、その正当性は低いように感じられる。労働とその成果こそが報酬を与えられるべきものであり、資本の所有に対する報酬は正当性に欠けることから、これを廃止し、資本を共有財産化する。それにより歴史上初めて階級間の対立を排除し、理想社会を実現できるのではないか。
一方で、現代の社会の観察を考察に含めると、本書の執筆当時と比べて二つの点で状況が異なっていることが分かる。1点目は、資本投資による生産性の向上である。資本主義社会では、資本家の資本投資により生産性が向上する。この生産性の向上こそが市場における競争の一つの恩恵である。競争がなければここまでの資本投資は実現しなかっただろうし、当時の社会では資本投資によって現代ほどの高い生産性が実現可能であるとも想像できなかったであろう。(本書執筆からの150年で生産性は100倍になったとも言われている。)2点目は、資本コストの低廉化である。当時想定していた資本というのは工場、機械、土地、といったものであり、それらは大きなコストを要求した。それ故、資本を持たぬ者たるプロレタリアには、労働による賃金を蓄積したところで資本の所有に到達することは不可能であるように思われた。(正確には、マルクスの資本論において労働賃金は労働の再生産費用に他ならないため、そもそも蓄積すること自体が不可能であるという理論であるが。) しかし、インターネットの到来以降資本の所有に必要なコストは下がり続け、現在では誰もが持つスマートフォン一つでもアプリケーション開発が可能となった。さらに、本書で述べられている生産諸関係も大きく変化した。当時は資本を持つブルジョワと資本を持たず労働で賃金を得るプロレタリアの関係構造であったが、現代では個人がブログ投稿やYoutube動画投稿によって広告収入を得られるようになり、その生産諸関係はより複雑化したと言える。
以上の考察より、本書の執筆当時と社会構造が変化していることは明らかであるが、それは決して本書が無意味な過去の産物と化したことは意味しない。本書内でも述べられている通り、社会の変化とともに本書内に時代と合致しない箇所が出現し、それらに改変が必要であるとしても、歴史的文書として本書を参照し理解することには大きな意味を持つと感じている。
そしてなにより、とても薄い!たった50頁ほどである!もちろんより深い理解のためには他書物の参照が不可欠であるため、この50頁で全てが分かるというわけではないが、一つの思想体系のエッセンスであることに違いはない。一度は自身で読んでみることを推奨したい。
Posted by ブクログ
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久しぶりに読んだなあ,マルクス・エンゲルスの文章。
いま,
内田樹✕石川康宏著『若者よ,マルクスを読もう 20歳代の模索と情熱』(かもがわ出版,2010年)
を読んでいる。高校生以上向きに書かれた本書は,二人の手紙のやりとりという形をとってマルクス・エンゲルスの著書を順に読み解いていく。二人の手
...続きを読む紙風の文章は,「簡潔!」とまではいかないけれど,これまで読んだどのマルクス解説書よりもわかりやすいし読みやすい。今の日本の社会で,ほとんど消えかかっているマルクス(の著作や思想)の現代的な意味を掘り起こしていこうという本だ。
その最初に取り上げられているのが『共産党宣言』である。『共産党宣言』には,なぜ共産党が生まれる必要があるのか,これまでの社会はどんな歴史をたどり,結果,今(1850年代ごろ)はどんな時代であり,このあとどのような社会をつくる必要があるのか,その歴史の流れを必然として描き出している。熱い思いは十分伝わってくる。ブルジョアジーやプロレタリアートなんて言葉は,若い子知っているのかな。高校生なら習っているか。
一箇所だけ引用。
そしてついに,(ブルジョアジーは)大工業と世界市場とがつくりだされてからは,近代の代議制国家において独占的な政治的支配をたたかいとった。近代の国家権力は,ブルジョアジー階級全体の共同事務を処理する委員会にすぎない。(下記著書のp.64)
今の日本で自民党を支持しているのは経団連など財界だ。まさにブルジョアジーが日本政府を圧力で指導している。
さて,わたしが読んだ「共産党宣言」は,岩波文庫版ではなく『マルクス=エンゲルス8巻選集』(大月書店刊)に収録されている文章である。この『8巻選集』は,40年前,学生時代に購入したモノだ。これをきっかけに,もう一度,パラパラと読んでみようと思う。1200円/冊✕8冊=9600円もしたんだな。
ちなみに『共産党宣言』は「第2巻」に掲載されている。
Posted by ブクログ
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