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マルクスが自ら生涯の事業と呼んだ『資本論』。レーニンが“現世紀最大の政治経済学上の著作”と呼んだように、近代資本主義社会の経済的運動法則を徹底的に究明して、経済学を“革命”し、また人間社会に対する見解に完全な変革をもたらして、社会主義を科学的軌道に乗せた不朽の名著。ディーツ版による改訳。
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Posted by ブクログ
当時の労働状況が過酷すぎて、自己実現だの成長だのという(搾取を隠蔽するあらたな装置にほかならない)馬鹿げた名目に踊らされてみずから進んで残業をする現代の労働者の情けなさに涙が出る。
2024/4/18 労働力は他の原料や材料と同じで売ることができる物資みたいなもの。我々労働者はこの労働力を売って対価を得ている。生産の過程で原料の代金に労働力分の付加価値が付くわけだが、この再生産にあたり労働課程は労働力分の代金の付加価値を超えて続行される。剰余価値は資本家に。 #2 2024/...続きを読む4/17 生産で使用する物資のほとんどは加工物であり、 綿、木版、ネジ、鉱物 それを購入して加工、付加価値をつけて販売する。種子は過去に人が作ったものなので、こういった自然物も加工品と呼べる。 労働はこれらの原料と同じで、資本家が購入する物資のように捉えることができる。 原料と労働を購入して付加価値をつけた物資を作り販売してお金を産むのが資本の流れだ。
第二分冊。 手工業の機械化、労働及び機械の資本化、労働の単純化、という過程の中、 資本家は、剰余価値を吸い上げるため、絶え間なく労働の時間若しくは強度の増加を迫る。 その中で労働者の保護と待遇改善を目的としたはずの工場法だが、図らずもさらなる機械化と労働者の雇用数減を推進し、小規模工場を駆逐して大...続きを読む規模工場資本の独占的支配権を高める。 要約すると、以上の過程をこの第二分冊で説明している。 産業革命による動力および手工業の機械化と、機会の資本化が、労働者を労働に留まらせて奴隷化する、という構図がわかりやすい。 詳細な論述の合間に、当時の主にイギリスにおける統計や、古代~中世の哲学も挟んでいるので、重厚かつ長大であるが、第一分冊に引き続き議論は明確でわかりやすい。 例として挙げられる産業が、繊維被服や家具などシンプルなものであるのは当時を思わせる。 消費財を購入するために消費財を生産して財貨を稼ぐ、という労働者のサイクルが手に取るように分かった。 機械化が労働者の負担軽減や危険除去のために使われるなら素晴らしいが、残念ながら実際は、労働者を駆逐してコストダウンすることの方がより強い動機となってしまう。 人間はテクノロジーを使うのではなくテクノロジーに 使われるもの、と言うのは、いつの時代も変わらない。 「以前のすべての生産様式の技術的基礎は、本質的に保守的だったのであるが、近代工業の技術的基礎は革命的である」(p506) とおっしゃるとおり。 ・労働者にとって労働時間は、マルクスが言うほど完全な不幸なのか? ・機械化や近代化がもたらした大量生産と物質的窮乏からの脱却は、資本というより市場の要求の面が強いのでは? ・資本主義が引き起こす農村と都市の対立を議論しても、近現代より中世的な生活の方が良かった、とは決して言えないのでは? など、疑問も色々湧いてくる。 今後の展開を楽しみに見ていきたい。
本書を読むと、資本主義社会は人の欲望を悉く見える化し、それにより社会の変化や発展を急激に加速させたのだということがよく分かる。この分冊では、(主に工場における)劣悪な環境を生々しく描くことにより、資本の持つ残虐さを自分たちに伝えてくる。(もちろんそれは、急激な変化に対して試行錯誤する社会、という一面...続きを読むもあり、全てが全て資本のせいだとは言えないのだけども。) 本分冊を読んで最も感じたのは「技術の発展・機械の導入によって、自分達の仕事がどんどんなくなっていく」という認識は誤りだということだ。本書を読んで、仕事はなくなっていくのではなく「誰でもできるもの」になってしまったのだと分かった。つまり、機械の導入は私達の仕事を減らすのではなく、その姿を変え、敷居を下げ、私達でない誰かに仕事の主体を移すに過ぎないということだ。 現代社会でいえば、その「誰か」は最早人ではなく、AIということになってくるのだろうか。そしてそんな社会が完成したとき、自分達はAIに情報を垂れ流すだけの、個と乖離した1つの「データ」にすぎなくなってしまうのだろうか。資本論が描いたものと違う時代にあるとはいえ、その変わらない性格が現代社会にどう作用していくのだろう、ということはこれから勉強していきたいし、考えながら生きていきたい。
資本論 2/9 読みにくいが、8章「労働日」以後を読むと、資本論が 、階級闘争をテーマとしていることが よくわかる。マルクスが 労働者に 革命行動を呼びかけている。資本家を 人格化した資本システムとして 批判している 13章「機械装置と大工業」における機械装置は 人口知能とリンクした いろいろな...続きを読む統計資料から 理論を組み立てているので、机上の空論や理想論に感じない
剰余価値の生成過程について。 労働時間延長による絶対的剰余価値 協業、分業による相対的剰余価値 機械による相対的剰余価値の生成 機械の労働者に与える影響 機械による生産性の向上の負の側面
2巻(岩波文庫での、である)は1巻よりも長かった。かなり長かった。読むのしんどかった。哲学的な1巻に比べて、なんだか歴史的なことがたくさん出てきて、非常に読みづらかった。2008.5.30-(31)-6.10(12d).
資本論のつづき。絶対的余剰価値と相対的余剰価値について述べている。絶対的余剰価値は労働者の長時間労働による余剰価値の生産を述べ、相対的余剰価値は資本が労働賃金をいかに安く値切るかということを論じている。なによりの特徴はイギリスの工場監察官の資料からリアルに労働者のおかれている状況を描写しているところ...続きを読むで、八時間労働を勝ち取るのにいかに長い時間がかかったということ、機械によって労働者がいかに不具にされていくか、また教育水準が低いままに放置されていたかが分かる。紡績機の運転速度が速められて、子供の指が飛んだり、事故防止措置がとられぬまま働かされた農民が機械にまきこまれて不具にされたりと、心が痛み、かつ怒りが湧いてくる内容です。まさに暗黒の19世紀「グレートブリテン」を活写しています。そして、この状況は現代もさして変わっておらず、とくに自己責任で何でもかたづける昨今の風潮の背後には、純粋凶悪な資本主義の本質が透けてみえるはずです。
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