作品一覧

  • フロス河の水車小屋(上)
    完結
    -
    全2巻2,376円 (税込)
    運命の激流、許されぬ恋、新訳決定版 19世紀半ば、セント・オグズの町はずれを流れるフロス河と、代々受け継がれてきた水車の周辺を庭にして、トムとマギーは育った。お転婆な妹を兄がからかい仲よく遊ぶ牧歌的な生活は、父がある裁判に負けたことから一変。マギーは質素な禁欲生活を送るようになるが、やがて兄の元学友で父の宿敵の息子フィリップや大好きな従妹の婚約者スティーヴンに出会ったことから、運命がさらに大きく動き出す……。 本書は、夏目漱石が読むべき英国女性作家に挙げ、プルーストやヴァージニア・ウルフなど後の欧米文学に大きな影響を与えた作家の、最も自伝的とされる作品である。マギーに投影される著者の膨大な教養は、既訳書では長い訳註つきで物語が分断される形で紹介されることが多かったが、本書では生き生きした描写、脚注なしでスムーズに読め、心に深く響く。激しく切ない愛の物語、新訳決定版。
  • ジョージ・エリオット書簡集【抄訳】
    -
    1巻3,850円 (税込)
    語りかける書簡からは肉声のような雰囲気が行間から立ちあがる。 1851~62年に書かれた手紙と日記を時期ごとに五章に分け、夫々の期間中に交わされた書簡、記録されたジャーナルを時系列的に訳し、解説を施す。 「私は敬愛という心情が本当に好きだが、それと同じくらい嫌悪するのは強い好奇心だ。しかし、長年の体験から実感するのは、残念ながら、人間一般には好奇心の方が敬愛よりはるかに顕著だということだ」(Letters Ⅲ376)
  • ミドルマーチ(上)
    -
    1~2巻7,700円 (税込)
    十九世紀後半、イギリス地方都市を舞台に展開する人間模様、キリスト教と科学がせめぎあう時代相を凝視する女流作家の魂の軌跡!エリオットの文体が成熟期に達したと言われる作品、上巻。 結婚生活で夫と妻がお互いの要求を認め合い、折り合う妥協点をいかに見出してゆくか、それがいかに困難な挑戦なのか、読者は読んでゆくうちに、身につまされる。
  • フロス河畔の水車場
    -
    1巻5,720円 (税込)
    「ずっとそんなふうに自分を苦しめたままでいることはできないよ──」 生きることへの深い洞察とリアリズムの融合した英国小説の真髄、新訳で登場。 【作品のあらすじ】 19世紀、大英帝国として栄華を極める前夜のイギリス田園地帯。製粉と酒造を生業とするタリヴァー家で、個性豊かな少女マギーは父と母、そして誰よりも愛する兄トムと暮らしていた。しかし穏やかで牧歌的な生活は、裁判敗訴をきっかけにした父の死により一変してしまう。父の怨敵に激烈な復讐心を燃やす兄。マギーは宿敵の息子フィリップから激しく純粋な恋情を向けられ、その心に応えたいと願いながらも、しかし兄との絆を断ち切ることはできない。追い打ちをかけるようにマギーの心は、いとこルーシーと婚約寸前の恋人スティーヴンとの狂おしい愛に揺れ動く。人として生きるのなら過去の絆を断ち切るわけにはいかない──少女マギーの葛藤が英国社会の日常を背景に辿られ、当時の知性と現実を描き出す英国小説の傑作。
  • ミドルマーチ1
    4.0
    1~4巻1,386~1,562円 (税込)
    知的で美しいドロシア・ブルックは二十歳前の娘だが、自分の人生を偉大な目的に捧げることを熱烈に願い、温厚でハンサムな准男爵を退けて、学究生活に打ち込んでいる厳めしい五十がらみの牧師と婚約する……。地方都市ミドルマーチを舞台に緻密な人間描写で織りなす壮大な物語。「偉大なイギリス小説100」第1位(2015年、BBC調べ)に選ばれた、英国小説の最高峰、ついに開幕。〈全4巻〉
  • サイラス・マーナー
    4.3
    1巻1,166円 (税込)
    友と恋人に裏切られ、神にも絶望して故郷を捨てたサイラス・マーナーは、たどりついた村のはずれで、機を織って得た金貨を眺めるのを唯一の愉しみとする暮らしをしていた。そんな彼にふたたび襲いかかる災難……。精細な心理描写とドラマチックな展開が魅力のエリオットの代表作の一つ。

ユーザーレビュー

  • ミドルマーチ1

    Posted by ブクログ

    学生時代、ずっと読みたかったのですが、廃版になってて読めずじまいのままでしたが、光文社が新訳を発刊してくれたおかげでようやく読むことができました。

    生きていた時代もテーマも異なるのですが、オースティンと比べてしまうところがあります。
    エリオットに出てくる人物は良くも悪くも、もっと世俗的で、複雑な人物として描写されていることが多いように思えます。
    そのせいもあって、ドロシアを含めた登場人物のそれぞれの心情や行動に対して共感できる一方で理解に苦しんだり・・・まあでもドロシアに対しては終始理解に苦しむところがあったかもしれません。

    いろんな人の人生そのものなんだなと思いました。19世紀のイギリス

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    2025年01月12日
  • ミドルマーチ3

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    物語は更に佳境になってきた。カソーボンとドロシアの1年半の結婚生活の結末は?彼が最後にかました内容は?複数の真実を知ったラディスロー、彼は全ての思いを捨ててミドルマーチを去るがその矜持は感服した。リドゲイト夫妻は金銭的窮地に。フレッドとメアリの恋愛は進展、フレッドが借金を背負わせたケイレブ氏との関係再構築、でもケイレブ氏の性格良すぎ。訳者の読書ガイドは秀逸。登場人物の関係図がやっと3巻で見れた。最初から見たかったがネタバレ含みで無理。バルストロードの偽善の処置が最終巻で語られるとのこと。読書の愉しみ満開。

    0
    2024年03月04日
  • サイラス・マーナー

    Posted by ブクログ

    「なりたかった自分になるために、遅すぎるなんてことはない」

    先日読んだ『夏の扉』がとてつもなく面白かったので、おかわりです
    ここでハインラインではなく訳者の小尾芙佐さんの方をおかわりするってところがもうセンス!

    ということでイギリス文学を代表する女流作家ジョージ・エリオットの名作『サイラス・マーナー』です

    エリオットの宗教観がどうのとか、彼女の結婚や人生がどうのとか、当時の女性の地位とか時代背景とか、あっしにゃ難しいことはさっぱり分かりませんよ
    分かりゃーしませんよ

    だけどね旦那
    正しい心を持った人たちが幸せな結末を迎える
    正しくない心を持った人も最後には改心する
    それだけで十分じゃご

    0
    2023年12月14日
  • ミドルマーチ4

    Posted by ブクログ

    感動のフィナーレをむかえる完結編。濃密な群像劇のなかでジョージ・エリオットが私たちに伝えたものとは何か。

    第7部冒頭からリドゲイトの窮状。金銭のトラブルから発生する夫婦喧嘩の描写がリアル。妻に折れざるをえなくなっていく夫の心境の変化が生々しい。

    いっぽうフレッドくんたちの三角関係に進展が。誘惑を振り切って紳士の生きざまを貫く牧師の、自らの弱さも強さもすべて打ち明ける潔さ、そしてそこからの恋愛関係の決着に心を打たれた。

    お金の相談をしたリドゲイトを冷たくあしらったバルストロードに、ラッフルズが火種を持ち込む。ミドルマーチの良心、ケイレブ・ガースが潔癖な対応をするなか、バルストロードの心に誘

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    2023年04月07日
  • ミドルマーチ3

    Posted by ブクログ

    19世紀イギリスの架空都市ミドルマーチ。運命によって翻弄されるいくつもの愛の模様。第5部と第6部を収録。

    個人的に共感していたカソーボン氏が悪者になってしまう第5部にガックリ。しかし、彼の気持ちにはやはり共感するものがあり、残念ではあるが仕方なかったとも思う。逆に評価が爆上がりするのが、ケイレブ・ガース。この物語世界の良心ともいうべき魅力な人物像が明らかになり、彼を通じて当時の時代社会背景も見えてくる。また、フレッドとの出来事と絡んでガース夫人の複雑な心境を見事に描き出しているのも読み応えがあるところだ。よくぞここまで微細な心理が書けたものだとひたすらに感心する。また、このガース夫妻の関係性

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    2023年03月27日

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