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友と恋人に裏切られ、神にも絶望して故郷を捨てたサイラス・マーナーは、たどりついた村のはずれで、機を織って得た金貨を眺めるのを唯一の愉しみとする暮らしをしていた。そんな彼にふたたび襲いかかる災難……。精細な心理描写とドラマチックな展開が魅力のエリオットの代表作の一つ。
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Posted by ブクログ
「なりたかった自分になるために、遅すぎるなんてことはない」 先日読んだ『夏の扉』がとてつもなく面白かったので、おかわりです ここでハインラインではなく訳者の小尾芙佐さんの方をおかわりするってところがもうセンス! ということでイギリス文学を代表する女流作家ジョージ・エリオットの名作『サイラス・マー...続きを読むナー』です エリオットの宗教観がどうのとか、彼女の結婚や人生がどうのとか、当時の女性の地位とか時代背景とか、あっしにゃ難しいことはさっぱり分かりませんよ 分かりゃーしませんよ だけどね旦那 正しい心を持った人たちが幸せな結末を迎える 正しくない心を持った人も最後には改心する それだけで十分じゃございませんか それだけで十分人の心を震わせることが出来るんじゃございませんか そしてこういう物語こそ残していかなきゃならないんじゃないですかね 南極の氷が全て溶けても残ってほしい物語でした(いや南極の氷も残ってほしいけども!)
ヴィクトリア朝を代表する男性名の女流作家ジョージ・エリオットの代表作の一つ。寓話的な物語に心打たれる傑作。 親友と恋人に裏切られ、信仰と故郷を捨てざるを得なくなるサイラス・マーナー。冒頭から悲劇のどん底に突き落とされる展開に引き込まれ、真面目で純朴なサイラスに愛着がわいた。不幸な境遇ゆえに彼が金貨...続きを読むに執着するようになってしまうのもどことなく共感できる。このまま孤独に人生を終えるかと思われた矢先に起きるサスペンスフルな事件――そこから一気に面白くなってくる。 本作でサイラスの対比となっているのはゴッドフリーだろう。弱点はあるが決して悪人ではない彼の人生の苦悩が、サイラスとは逆の立場から物語の主題に迫っていく。さらに、潔癖なナンシーの家庭生活のあり方が当時の社会通念をよく表現していて、本作の寓話的テーマを陰となって浮かび上がらせている。 寓話的といったが、繊細な心理描写は現代的でもあり、時代的背景もあって、小説として非常に面白い。「めでたしめでたし」で軽くすませられない、ヴィクトリア朝文学ならではの本物の感動があると思う。読後感は最高。
光文社古典新訳文庫には本当に助けられる。古典を今息をしている言葉で、というコンセプトどおりだ。本作でそれを感じたのは、たしかに翻訳で田舎ことばなどは使っているが、さほど時代錯誤的ではないし、成長していくサイラスの娘エピーの言葉使いがとてもあたたかみを感じるように表現されているので、共感も強まる。だい...続きを読むぶ前に読んだ当時は、地主ゴッドフリーは嫌なやつでしかなかったが、今回は彼やその妻の苦悩も少しはくみ取れた。子供を育てることで変わったサイラスはもちろん、車大工一家たちや、周囲の人達の情にも胸が熱くなる。
ドリーさんに会ってみたいなあ。 終わり方も好きだ。古典によくあるように、とても深い。ドリーなんだな。
わたしはなあ、賢いお方とはちごうてねえ、神さまいうもんが、ほんとうはよう分からんのよ。 サイラスはなあ、故郷のランタン・ヤードで神さまのことを信じておったのに親友の裏切りで「盗人」にされてしまうたんよ。本当の盗人ではなかったのに牧師さんの前で「御神籤(おみくじ)」で盗人に決められてしもうたんよ。 ...続きを読む そいでサイラスはなあ、なんもかんものうなってしもうて、とぼとぼと町を出て、ラヴィローいう村の片隅の砕石場の近くに小屋を建ててひっそりと機織り屋になったんよ。村人たちに「変人」とからかわれても何も言わんと、ただもう、真面目に機を織っとったと。サイラスの織った亜麻布はしっかりして美しもんじゃったから、注文した良家のご婦人方はサイラスに金貨、銀貨でお礼をしたそうじゃ。 サイラスには家族はおらんかったで、金貨、銀貨の使い道はなかったけんどな自分で稼いだ金銀の輝きが嬉しゅうて、毎晩、金貨、銀貨を数えて織り機の下の床に隠しておくことだけを楽しみ過ごしておった。 そうして15年もたったときにな、なんとサイラスが大事に床下に隠しておった金貨、銀貨が盗まれてしもうたんよ。ただ一つの慰みも無くなったしもうたサイラスはもぬけの殻になってしもうたんよ。 でもな、ある雪の日の晩にな、サイラスの小屋の暖炉の前に金が落ちとったんよ。「わたしの金貨が戻ってきた!」とおもって拾い上げようとしたら、なんとそれは金髪の赤ん坊だっと! その日からな、サイラスは生まれ変わったんよ。故郷にいたころのように心に喜びが訪れ、サイラスは「お父ちゃん」になり、エピー(娘)もお父ちゃんを大事にして、可愛い、良い子に育ったんよ。 ところがな、エピーが十六歳になった時にな、エピーを引き取りたいいう、偉いお方が現れたんよ。十六年前にサイラスがやっと掴んだ幸せをまたもぎ取ろうするもんがな。いやな、お金持ちのお方にはサイラスにとって何が幸せが分からんかったんやわな。 わたしはなあ、キリスト教のことはよう分からんのやけど、神さまのことはなあ、なんとなく分かる気ィがするんやわ。サイラスはなあ、エピーのお父ちゃんになってからエピーと一緒にまた教会に行くようになったけどな、自分の小屋の暖炉をずっと大事にしてたんや。暖炉の前でエピーが見つかったからな。 つまりはなあ、暖炉とかそういう、そこにいる人間の行ないをずっと見てくれてるもんの中に神さまはおられると思うんよ。 それからな、神さまは悪いことした人間には罰を与えなさるけど、「悪いことした」自覚を忘れずにその後慎ましく暮らした人間を決して地獄に行かせるような非情なお方やないな。 このお話はなあ、読み終わったら、なんかこう気持ちがすーっとするお話やったな。
友人に裏切られ、免罪をかけられ、婚約者も失ったサイラス・マーナー。神にも人間にも絶望したサイラスを救ったのは何か? 金を蓄えることだけが彼の唯一の救いとなるが、そんな金も盗まれてしまう。孤独で寂しいマーナーからこれ以上何を取れば気が済むのかと言いたくなるほどの不幸。しかし、これを後に本人が、不思議...続きを読むな軌跡だと言う。 エピーという1人の赤ん坊が彼の人生を救った。19世紀は科学の目覚ましい発展(ex. 進化論)によって聖書の非論理的な神話性に疑問を抱く時代であった。著者エリオット自身、もともと福音主義者だったが、22歳に聖書を合理的客観的に解釈する高等批評に触れ、宗教観が一変する。 そんなエリオットが「孤独を救済するのは一体何か」と言う問いにアプローチする中で生まれたのが『サイラス・マーナー』なのかもしれない。
ジョージ・エリオットが男みたいな名前だけど女の作家であることは知っていた。「サイラス・マーナー」も人の名前だとは思っていたが、何故か女の人の名前だと勝手に思い込んでいた。男の人で、しかも変り者の老人の話とは思いもよらなかった。 しかし、こんな素敵な作家を今まで知らなかったなんて‼️最後がハッピーエ...続きを読むンドなのはいかにもヴィクトリア朝だけど、思いもよらぬストーリー展開、人間の心の動き、人物の描き方、いずれも素晴らしい❗️ それにしても、ジェーン・オースティン、ブロンテ姉妹、ヴァージニア・ウルフ、それにこのジョージ・エリオット、イギリスは秀逸な女性作家の宝庫だ。
親友と恋人に恵まれ幸せに暮らしていたサイラス・マーナー。2人の策略で失意のどん底に。新たな地で孤独の中、毎日機を織り、たまっていく金貨を眺めるのが唯一の楽しみとなっていたサイラス。ある日、心の拠り所の金貨が盗まれ、可愛らしい2歳の女の子がやって来たことで新たな人生が始まる。この時、知らぬ間にサイラス...続きを読むと運命を交差させた村の有力者ゴッドフリー。彼も運命の転換期を迎えた。大事なものを失い、新たに素晴らしいものを手に入れる2人だか、結末は驚くほど違うものだった。作者の宗教観も盛り込まれて深く読ませる作品だった。
孤独な機織りが主役ということで惹かれて読んだ。宗教観や階級のことをその当時の基準で語りながらも、どこかそれらの空疎さを辛辣に語っている目線が素晴らしい。読みながら思い浮かんだのはクイーンとデビットボウイの歌うUnder Pressure 「愛は古臭い言葉だけど、どうして愛にもう一度チャンスを与えてや...続きを読むらないんだ?」愛って恋愛の愛とは限らない。 この本を書いた時エリオット41歳。 若さと利己心、正義を求める心。老いることと許し。エリオットがこれを書いたのが、今の私の年と同年代だからこそ、その間に立って、どちらも理解できる気がした。
孤独な守銭奴サイラスが、失った金貨と引き換えに金髪の孤児エピーと出会うことで、彼の止まっていた人生が動き出すという物語。今作の面白かった点の一つは、サイラスとゴッドフリーの対比描写である。エピーを受け入れた結果、孤独を免れ幸せな人生を送ったサイラス。一方エピーを当初受け入れなかった結果、自らの秘密に...続きを読む怯え、子宝に恵まれない人生を送ったゴッドフリー。このような因果応報的な展開は読んでいて爽快だった。また、実の父ゴッドフリーとの血の繋がりよりも、育ての父サイラスからの愛情の方が大切であることをエピーが告白するシーンは、爽快以上に感動的である。
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サイラス・マーナー
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ジョージ・エリオット
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