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32歳で幼児の知能しかないパン屋の店員チャーリイは、ある日、ネズミのアルジャーノンと同じ画期的な脳外科手術を受ければ頭がよくなると告げられる。手術を受けたチャーリイは、超天才に変貌していくが……人生のさまざまな問題と喜怒哀楽を繊細に描き、全世界が涙した現代の聖書。
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Posted by ブクログ
最後の一行でグッときてしまい、泣いた。 賢くなったチャーリーならその言葉は出てこなかったと思う。 彼にとって何が正解だったのかわからない…。
知的障害者のチャーリイ・ゴードンのお話。 物語は心理学者のニーマー教授やストラウス博士宛ての「経過報告」という形式で、チャーリイの一人称語りで進んでいく。 チャーリイの始めの経過報告は漢字もほとんど使えず、句読点も十分に使えず、数少ない使える漢字も間違っていたり、「は」と「わ」の区別や「っ」も書け...続きを読むなかったり、彼が大人の年齢だけど幼稚園生くらいの知能しか持っていないことがわかる。原文もどう書かれているのか気になるが、翻訳者もよく翻訳したなと思った。あとがきを読んだら、著者も翻訳者も書くにあたって同じ工夫をしたらしい。 チャーリイは実験動物のように、研究の被験者として知能を高める手術受ける。そして彼の知能は劇的に伸び、経過報告の文体もどんどん変化していく。 「頭が良くなったらみんなから褒めてもらえる。友達ができる。」と思っていたチャーリイだが、彼は他人の何倍もの速度であらゆる知識を吸収し、周りを見下すような態度や発言をするようになる。ニーマー教授やストラウス博士よりも言語が堪能になったり論文を読むようになったりして、完璧だと思っていた彼らが完璧ではないことに気付いてしまう。 そしてチャーリイは自分と同じ手術を受けたネズミのアルジャーノンとともに生活するうち、自分とアルジャーノンに施された手術に問題点があると気付く。それは急速に成長した知能は、その成長速度に比例して退行する、と言うものだった。 経過報告の中で、チャーリイの幼い頃の記憶が蘇ることがよくあるが、チャーリイの反応のパターンにはトラウマやPTSDと考えられるものも多くあることがわかってくる。ほとんどはチャーリイの母親ローズのヒステリーが原因で、チャーリイの前にローズ自身の問題がたくさんあると思った。 終盤、徐々に経過報告の文体が変化していき、チャーリイが手術前の知能に戻っていっていることが伝わってくる。 パン屋の店主や従業員たちが、知能が高くなったチャーリイを軽蔑していたのに元に戻ったチャーリイには温かかったのが素敵だと思った。 経過報告の最後は、自分はウォレン養護学校に行って出てこられなくなるだろうという予感から、裏庭のアルジャーノンのお墓に花を供えてほしいとニーマー教授やストラウス博士、アリス・キニアンなどの周りの人々にお願いする内容だった。高い知能があった頃に吸収した知識はすべてなくなってしまったけど、アルジャーノンへの想いが最後の最後まで消えない彼の優しさに感動した。 知能が高いことが必ずしも真の幸せに繋がらないということや、知的障害者を人間以外のものとして扱う問題点が作品全体を通してずっと描かれていた。 知能が高くなったら、それはもう手術前のチャーリイではないし、知的障害がなくなることが善や正ではないということが痛いほど伝わってくる。 私もだいぶこの本を積読していたけど、まだ読んだことがない人にはぜひ読んでほしい作品。
読んでいてすごく辛かった 最初は幼児レベルの語彙力で読みにくく、頭が良くなるにつれて表現の仕方が小難しくなっていき読みにくかったのが本音 考えさせられる小説だった
まるで主人公を隣で見ている気分 何かをしてあげる、上達させてあげることはその人にとっていいこととは限らない
チャーリーの苦悩が描かれ続けているというのが全体の印象。中でも、チャーリーのIQが低下していく後半、パン屋に戻ったチャーリーがそこで受けた扱いが苦しく感じた。チャーリーがIQの低下に対して抗う姿勢を見せた矢先に、友達からの助けによる同情がその心を折ったように思えたからだ。それをさらに苦しくさせるのは...続きを読む、チャーリー自身はそれが何か理解していることだ。以前のチャーリーではそれは何かを知らずに生きていたから。将来どこかのタイミングで読み返した時、違う感想が生まれる気がする、そんな楽しみがある作品でした。
中学生の時に筒井康隆の「心狸学・社怪学」でこれを元ネタにしたショート読んでたけど、ずっとタイトルしか知らなかった。もしかしたらあの頃はまだ文庫じゃなかったのかも。大学の同級生に読んだ方がいいと言われて文庫があったから買った気がする。アレはコレか!となったのは読んでからウン10年たってから。 得ること...続きを読むが良い訳でもなく、失うことが悲しいばかりではないと思わされる、驕りと優しさ、苦しさと幸せ、哀しみと愛の物語。名作。
知的障害のチャーリーと、それを改善しようとチャーリーに人体実験を行う科学者たちの物語。 アルジャーノンは動物実験で超優秀となったマウス。 物語は主人公チャーリーによる経過報告式で進んでいく。 経過報告は人体実験前は全文ひらがな、誤字あり、句読点なしで読み進めていくのに苦労したが、実験後はIQが70か...続きを読むら185に変わったことで、語彙や表現力が富んで専門的な用語も出てくる。 この変化が面白くて、ついつい読み進めてしまい450ページ近い長編だが一気見した。 チャーリーの家族、療育学校や病院、バイト先のパン屋、パートナーの女性、チャーリーが身を置く環境と人間関係も事細かに書かれていて、情景が浮かんでくる。 ラストはチャーリーの立場になって考え、涙しました。世界的ベストセラーであることに納得する充実さでした。
人間は考える葦である。 本当にそうなのかもしれない。 人間はこんな素晴らしい作品をかけるのですね。 そりゃ空くらい飛べるよな~。 悪を可能にさせるのは知能である とはよく言ったもので、 無知は決して罪などではなく、 紛うことなき純粋さなのだろう。 それは善悪の次元に存在しない。 では、人の知能を...続きを読む人工的にあげることは罪なのだろうか。 物語中でチャーリーが、白痴が禁忌を犯し、 普通を知ることは罪であるはずがない。 と言う意のことを言っていて、 私は自分の至らなさに泣きそうになった。 彼は産まれた時から彼以外の何者でもなく、 ひとりの人間であり、知る権利があるのだ。 その方法をさずけること、それが罪なのだろうか。 私はそうは思わない。 ただ、与えた能力が自分を超えてしまった時、 私は彼を過去と同じように 心から肯定することが出来るだろうか。 一切の嫉妬を含まずにに良かったねと 声をかけることが出来るだろうか。 これこそが、傲慢という罪なのだろう。 彼がエレベーターを下っている時、 辛くて辛くてたまらなかった。 しかし、少し安心してしまった。 彼が心優しい白痴に戻っていくとき、 なぜか正しいと思ってしまった。 もし彼が産まれた時から白痴でなくても、 知能がなくなりさえすれば あの性格に帰結するのだろうか。 そうでないことが唯一の救いなのかもしれない。 彼は素直で心優しく道徳的な美しい人間である。 彼の過去の全てに意味がある。 そしてこれからにも。 彼の人生に花束を添えさせて欲しい。
これは苦しい 手術前の文章は読みずらく、部分的に読み飛ばしちゃうんだけど、完読すると読み飛ばし出来ない。それが、とても失礼な行為だと感じるから。 幸せのあり方って、他者には決められるものでは無いのかもと思わせられる作品だった。
人の脆さと尊さが光るラスト
この物語、発表が50年ほど前なので今と知的障害者への社会の接し方が違うことを留意しなければなりません。 それはさて置き、読後はまさに一人の人生の誕生から終わりまでを見たような、そんな感覚に陥ります。人とは、知性とは、幸せとは、愛とは、家族とは、教育とは何か?その一つ一つを読み手に考えさせる一方...続きを読む、本書へ抱く感想や評価は人それぞれであり、感動したというレビューでも人によってポイントが違うのかなと思います。 私は本レビューのタイトルに書いた言葉が思い浮かびました。人はどこまで登っても無敵ではない。この本には色んな人間的弱さが登場します。そしてそれに抗わんとする主人公のひたむきさや苦悩も描かれます。弱いんだけど、どんな自分でも、どんな人生でも肯定的に受け入れる。そんな気持ちにさせる話であり、ラストの一節に向かって丁寧に書かれた物語の全体的な構成は見事と言う他ありません。 ただ人間てすごいね!と賛美するのではなく、生々しい弱さや苦しみを抱える面が描かれており、世界中から『主人公は私だ』という感想が出るのはそうした普遍性があるからだと思う。 ちなみに翻訳が非常に秀逸で、主人公の知的水準に応じて変わる文体を巧みに読みやすい日本語へ訳しています。試し読みの序盤で読みにくいと思った方は何とか数十ページ耐えてください。その後の文体 は物語自体好きになれなくても翻訳レベルだけで感動するはず(笑)
#切ない #深い
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アルジャーノンに花束を〔新版〕
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