【感想・ネタバレ】アルジャーノンに花束を〔新版〕のレビュー

あらすじ

32歳で幼児の知能しかないパン屋の店員チャーリイは、ある日、ネズミのアルジャーノンと同じ画期的な脳外科手術を受ければ頭がよくなると告げられる。手術を受けたチャーリイは、超天才に変貌していくが……人生のさまざまな問題と喜怒哀楽を繊細に描き、全世界が涙した現代の聖書。

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Posted by ブクログ

ずっと読んでみたいと思っていてやっと読めた。主人公の心理描写が秀逸で心や精神の動きがまざまざと伝わり、切なくて涙が出そうだった。“アルジャーノンに花束を”というこのタイトルが、物語を優しく包んでいると感じた。

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2026年02月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

知らない方が幸せなこともあると思い知らされる。

でも急速に発達&衰退する感じがリアリティがなかった。3ヶ月前はろくに話も出来なかった男が急に賢くなったからって身体の関係持つか?
1〜2年くらいかかっても良かったと思う。

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2026年02月17日

Posted by ブクログ

読んでいて共感することが多かった。そして印象深く忘れる事のできない作品だった。
純粋な彼は普段恩を感じている人に褒めてもらいたい、役に立ちたいその一心だったのに、天才、聡明になってみて見えた世界の正体は想像していたのと大きく違っていた。自分に足りない能力を身につけたい憧れ、知らなくていい人の感情の裏側をしってしまった落胆、それによって思いもよらぬ絶望に見舞われる。

私も人生で何度も経験してきた。
周りに反発しつつも認めてもらいたい気持ちも同時にあり、天才に憧れもあった。近づけるように少しづつ努力もしたから彼の気持ちはすごくわかる。

しかし、彼は本当に素直で純粋なだけに、世界を知った後の絶望は私には計り知れないのだろうと思った。
知ることが幸せなのか、考えるきっかけをもらえた。

一方で、天才になる事でまた昔とは違った愛の形を経験することもできた。ただそれがまた彼を苦しめる大きな要因となってしまったんだと思う。大切な人を忘れる恐怖、そして忘れられる恐怖。自分をチャーリーに重ねて考える。耐える事は難しいだろうな。

この作品は人生を生きて行く上で大切にすべきことが何か考えるきっかけをくれた作品だ。
10年前に一度読み、今回は2回目だ。何度でも読み返したくなる、私の中で大切な作品。

オススメです。


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2026年02月14日

Posted by ブクログ

訳の表現凄すぎ✨悲しいし、鳥肌たつし、考えさせられるし、減点の要素なし!文句なし!
是非多くの方に読んで欲しい❗️

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2026年02月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この本を読むのは3度目。

知覚障害を持ってる人が手術で天才になったらそれは同一人物なのだろうか。
チャーリイも性格が変わってしまい友人もいなくなってしまう。
そして知能と友人どっち持ってた方が幸せかこの本の最後で分かって泣いた。

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2026年02月11日

Posted by ブクログ

知的障害者の主人公が手術によって天才的な頭脳を手にするというお話。手術によって知能が上がるにつれ、周囲との不和や過去の自分を客観視して行く過程が面白かった。
崇拝から尊敬、愛情、好意、感謝、責任に変わるという一連のフレーズが印象的だった。

ただ、最初の知的障害者の世界を表す手法としての文章は読みにくくて苦痛だった。(内容を落とす者ではない)

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2026年02月11日

Posted by ブクログ

10年ぶりに再読。インパクトの強いストーリーだったので概ね覚えていたけれど、それでも改めて衝撃を覚えた。
手術を受けて性格も変わってしまったとはいえ、チャーリーは終始誠実で、とても強い人間だと感じた。
記憶を消して何度も読みたい作品。

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2026年02月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初はすごく読みづらい。
でもそこを粘って読み進めると、知能を高めていくことによるチャーリーの心境や取り巻く環境の変化、周りの人との関係性の変遷を楽しむことができた。人間関係、特に恋愛において、知的程度が同じであることの大切さ、知能と愛の交錯が秀逸に表現されていて心に沁みる作品。
後半、知能を失うことに自身が気づき、それからのチャーリーの行動や知能を失う過程に涙が止まらなかった。

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2026年02月08日

Posted by ブクログ

山Pのドラマを見てたから結末を知ってたけど、いざ読んでみるとすごく面白い。

最初は文字が全く読めないんだけど、文章で段々と賢くなっていくのが読んでいて面白い。
頭が良すぎて、途中からまた読めなくなったけどw
理解できなくなる笑笑
でもだんだん文章が元に戻ると切なくなってくる。

頭が良いと周りを見下してしまう、
そして自分より賢い人がいると妬む人がいる
なんか色々むかついたな
家族もあたおかだし、働いてる人も最低だし
障害があるときは、すべて恵まれているように見えていたのに、本当はそうではなかった、
面白かったな

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2026年02月08日

Posted by ブクログ

本で読むべき作品。
映像化されてるのは見たことないんだけど
これ本だから面白くない??映画も面白いの?

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2026年02月04日

Posted by ブクログ

【評価】
★★★★★★

【感想】
子どもに読ませたい作品。
発想もさることながら、文章の読みやすさやストーリーの明快さ、抑揚がこの本の基盤となっている。
主人公に対して憐れみや同情、そして羨望と感情があっという間に移りかわる。
読み進めるうちに引き込まれるような魅力があり、一度手をつけるともう止められない。

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2026年02月22日

ネタバレ

アルジャーノンに花束を

最初の方はひらがなや誤字ばっかりで読みにくくて嫌だなとか思ったのに見ていくうちにどんどん世界観に飲み込まれる感じがあって最後まで見たら気づいたら泣いてる感じがあってめっちゃ感動した最初は見にくいなとか思ってても数ページ進むだけで時間も忘れて最後まで一気に読んじゃう世界観の引き込みかたが素晴らしい

#泣ける #切ない #深い

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2024年08月22日

QM

ネタバレ 購入済み

切なくなった

終始日記風の書き方で、最初幼児の知能レベルで書いた日記はかなり読みづらかったけど、とある日を境に作文能力が急上昇、こんなに変わるもん??!とびっくりしました。
最初は低知能だったが故にいじめられていると気づかなかったものの、周り対する優しさや希望のようなものが読み取れました。
「頭がよくなる手術」を受けたことによって、数日後チャーリィの理解力や会話の能力はメキメキ上達、でもそれと同時に小さい頃の嫌な思い出やトラウマがよみがえるようになり、それによって苦しみます。
物語が進んでいくにつれてより賢くなったチャーリィは、ずっと憧れだった「他の人と政治や宗教や、そういう高度な内容の話がしたい」という夢は叶えられたものの、昔のような優しさがだんだん抜けていく様も読み取れてそこが切なかったです。
うんと長い間会わなかった妹とは和解できたようだけど、お母さんとは結局そのままで、、、それがチャーリィをさらに傷つけているところも、読んでいて「報われないなぁ、、」と思いました。
最後、知能レベルはまた退化、「チャーリィ頑張ったね、お疲れ様」という気持ちでいっぱいです。

#泣ける

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2023年12月20日

購入済み

人の脆さと尊さが光るラスト

この物語、発表が50年ほど前なので今と知的障害者への社会の接し方が違うことを留意しなければなりません。

それはさて置き、読後はまさに一人の人生の誕生から終わりまでを見たような、そんな感覚に陥ります。人とは、知性とは、幸せとは、愛とは、家族とは、教育とは何か?その一つ一つを読み手に考えさせる一方、本書へ抱く感想や評価は人それぞれであり、感動したというレビューでも人によってポイントが違うのかなと思います。

私は本レビューのタイトルに書いた言葉が思い浮かびました。人はどこまで登っても無敵ではない。この本には色んな人間的弱さが登場します。そしてそれに抗わんとする主人公のひたむきさや苦悩も描かれます。弱いんだけど、どんな自分でも、どんな人生でも肯定的に受け入れる。そんな気持ちにさせる話であり、ラストの一節に向かって丁寧に書かれた物語の全体的な構成は見事と言う他ありません。
ただ人間てすごいね!と賛美するのではなく、生々しい弱さや苦しみを抱える面が描かれており、世界中から『主人公は私だ』という感想が出るのはそうした普遍性があるからだと思う。

ちなみに翻訳が非常に秀逸で、主人公の知的水準に応じて変わる文体を巧みに読みやすい日本語へ訳しています。試し読みの序盤で読みにくいと思った方は何とか数十ページ耐えてください。その後の文体
は物語自体好きになれなくても翻訳レベルだけで感動するはず(笑)

#切ない #深い

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2021年07月13日

Posted by ブクログ

知的障害のある主人公チャーリーが、知能が高まる手術を受けて、それからの物語。それは研究者にとって壮大な実験で、物語はチャーリーが研究者に提出するために書いている「経過報告」により進んでいく。

読み書きが苦手なチャーリーの経過報告は、初めはすごく読みにくい。
でも徐々に高い知能を得て、読み書きは難なくできるようになり、様々な言語を使いこなし、論文を執筆することもできる人間へと一変する。その一方で、過去の出来事の自分が知らなかった側面や、人間の汚さ、知らない方が楽だったことを知る。
それはどんなに心揺さぶられることか。

そして、チャーリーよりも先に同じ手術を受けて、天才ネズミになっていたアルジャーノンは、徐々に崩壊し、亡くなる。
自分も壊れていく恐怖に打ちのめされ、抗い、受け入れようとするチャーリーの思いが、「アルジャーノンに花束を」このタイトルに込められていたのかな、と。

SF的要素がありながら、どこまでも人間らしく、自分を重ねてしまうストーリーは、カズオ・イシグロさんの「わたしを離さないで」を読んだ時とどこか似ているような。
自分が今見えている世界の狭さに思いを馳せる一冊。

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2026年02月21日

Posted by ブクログ

本作が提起する問題は、大きく二つあると考えます。一つは「知識を獲得し、これまで知らなかったことを理解できるようになるのは、果たして幸福なのか、それとも不幸なのか」という問い。もう一つは、人為的に知能を向上させる実験に対する倫理的な問題です。しかし、物語が強く訴えかけているのは、間違いなく前者の方でしょう。
作者が言わんとしていることは、非常によくわかります。知識を身につけ、世界に対する解像度が高くなればなるほど、世の中の嫌な部分までより鮮明に見えてしまいます。本来なら知らなくてもよい他人の感情の機微まで、敏感に察知してしまうのです。では、だからといって読者は「自分の知能を下げたい」と願うでしょうか。今ある知能を、喜んで手放そうとは思わないはずです。
この葛藤に対して、私自身はこう結論づけています。ある程度の知能を備えた上で、外部からの情報を意識的に遮断すること。そして、他人との関係性に振り回されないよう、人への依存を高めすぎないこと。この適度な距離感と防衛線を保つことこそが、現状において最大限の幸せを掴むための最適な姿勢だと思うのです。

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2026年02月21日

Posted by ブクログ

こちらはずっと前にドラマで観ました。
ユースケサンタマリアさんが主役をされていたもの。
その後、山Pが主役のものも放送されたようですが、そちらは知らなかったし、観ていません。
また外国版の映画も観た記憶はあれど、内容はぼんやりとしか覚えておらず。
ずっと原作も読まなければ、と思い続け今回ようやく手を伸ばしてみました。

読み終わって、なんとも言えない気持ちになった。正直しんどかった⋯
この作品は、ただ感動したとかそんな安っぽい言葉で表現できるものではないと思う。

ヨルシカさんの“アルジャーノン”という曲を聴くと、涙が止まらない。

チャーリイ・ゴードンという青年が生きたひとつの記録。
同じ境遇にあり、親友のようなネズミのアルジャーノン。
フィクションなのに、まるで本当にあった出来事のように感じるくらい、描写が秀逸でとても生々しかった。

最後は救われたのだろうか。
“アルジャーノンに花束を”捧げたいと思います。

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2026年02月19日

Posted by ブクログ

人によっては寝込めるぐらい鬱になると思います。笑
医療の力で急速に成長してしまったチャーリーの心情の変化の中には、ゆっくりと成長する健常者には感じることの出来なかったものがいくつもあったと思います。
特に私はいつ愛を知り、またそれを体感したんだろう。と考えさせられました。

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2026年02月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小説だけど本当の物語のように読むので、
読んでいる間は心苦しかった

心もとなく笑っているチャーリー。
目に浮かぶような表情など心理描写が細やかで、
感情の流れがすごく伝わってきた

濃度の違いはおおいにあるにしても、
人が成長していく段階や、環境が変わって知らなかった解釈の仕方に触れたり、
これまでと見え方が変わっていくこと。
受け止め方が違うものになっていくことは、どんな人にもあるような気がする

チャーリーのように、物事への理解が深まっていく中でも、芯にある温かなところは消えてしまうことなく、より良い方向へ繋がると信じた選択を積み重ねられたらと思う

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2026年02月14日

Posted by ブクログ

10年以上ぶりに読み返しました。
なんか今更この本の感想をネタバレなしで語るには自分の語彙力では難しいです。

とりあえず満点ではないのは私が海外ものが少し苦手意識があるからです。

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2026年02月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昔ドラマを観て、悲しかった思い出があった。泣く、と思って嫌厭していたけれど、泣かずに淡々と読めた。人権フル無視のありえない人体実験だったから、あんまり感情移入しなかったのかも。でも終わってからGeminiであーだこーだ聞いてもらってたら、なんか泣きそうになってきた。いい作品だった。

知能だけがアンバランスに上がるにつれて、いろんなもの、ことが見えるようになったチャーリィ。賢くなって天才になっても、見たくないもの、知りたくないことがたくさんあった。孤独になった。無邪気に、俺って天才!って思えなかったのは、アンバランスさ故だと思った。

天才になって、昔のチャーリィを疎ましくも愛おしくも思い、大切に思ってた描写が良かった。いつもイライラしていた天才チャーリィ。でも、昔のチャーリィとアルジャーノンを愛でながら生きていったところが、温かみがあって、彼自身のことも救っていたんじゃないかな。

少しずつ人の嫌なところが見えて、博士や教授を追い越したところの心情の描写が苦しかったけど‥アルジャーノンだけは、いつも彼の親友であり、唯一の同志だった。いい意味で、彼のことを何とも思ってないのも、思えっこないのも、大切な存在だったんだと思った。

チャーリィはしじつして幸せだったのかな。きっと、嫌なことたくさんあって疲れたよね。手術の残酷さも無力さも、救われなさも彼は知ってるもんね。やっぱり心は、自分だけのもので、科学で育てられるものじゃなくて、急激に変化させるのも無理。だから尊いんだと思った。

でも、面白かった‥かも
ちゃんとアルジャーノンに花束を手向けるね。
そして、チャーリィのことも、ずっと忘れないよ。

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2026年02月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

文体の変化から主人公の変化が伝わってくるところがおもしろい。

知能が戻っていくあたりの、苛立ちに切なくなった。他人がいることで強制的に自分の変化を見つめなくてはいけなくなるんだと思った。主人公もそれに耐えれなくて1人になることを選択したけど、自分も老いたり病気になって、今までの自分を失う時がきたらそうなるのかなとか考える。

主人公が持っていた優しさは、最初から最後までずっと消えなかったけど、賢くなったら表にでてこなかった。考えることが多くなると頭の中での自分との対話に集中しちゃって、相手がどう思うかがおろそかになってしまうのかもしれない。

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2026年02月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

IQが高くても低くてもその人自身はそこに存在する。
IQが下がるにつれて失うものも増えるが、
そんな中、アルジャーノンに花束を手向けることを
忘れない1番大切なことを忘れてないことに少し目に水分が偏った。

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2026年02月07日

Posted by ブクログ

幸せとは何か考えてしまった
主観的な幸せが幸せか、客観的側面も含んだ幸せが幸せか、色々考えてしまった
壜という漢字の読み方を覚えた

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2026年02月07日

Posted by ブクログ

アルジャーノンに花束をを読み終えて、強く残ったのは、これは知能の上昇や下降を描いた物語ではなく、人が世界とどう関係を結び、どう壊していくかを描いた物語だという感覚だった。賢くなることも、賢さを失うことも、主題ではない。変わっていくのは、世界の輪郭と、人との距離だ。その変化が、逃げ場のない形で積み重ねられていく。

物語の前半、チャーリーの言葉は拙く、文も不安定だ。けれど、そこには疑いのない視線がある。人を信じ、言葉を信じ、世界をそのまま受け取っている目線だ。胸が苦しくなるのは、彼が「足りない」からではない。むしろ、信じすぎているからだ。傷つけられていることにさえ気づかないほど、世界を善意で見ている。

やがて手術によって知能が上がり、文章は洗練され、思考は鋭くなる。その瞬間から、物語の温度は確実に変わる。理解できることが増えるほど、理解できなかった過去が浮かび上がる。親切だと思っていた言葉が嘲笑だったと知る瞬間。仲間だと信じていた関係が、利用だったと気づく瞬間。

知能の上昇は祝福ではない。それは、世界の残酷さを正確に読み取れるようになることに過ぎない。

ここで突きつけられるのは、賢さが人を幸せにするわけではない、という事実だ。むしろ賢くなるほど、人は孤独になる。相手の感情を読みすぎ、言葉の裏を疑い、自分の立ち位置を過剰に意識する。かつて無意識に成立していた関係は、分析の対象になった瞬間から壊れ始める。

後半、チャーリーが辿る道は容赦がない。失われていく知能、崩れていく論理、戻らない時間。だがこの物語は、単なる悲劇では終わらない。ここで浮かび上がるのは、「人の価値はどこにあるのか」という、極めて根源的な問いだ。

賢さとは何か。理解されるとはどういうことか。人として尊重されるとは、何によって決まるのか。

知能が高いときのチャーリーは、確かに優秀だ。だが、必ずしも幸せではない。知能を失ったあとのチャーリーは、確かに不完全だ。だが、そこには確かな人間性が残っている。この対比は、読む側の価値観を静かに、しかし確実に揺さぶる。

そして最後に残るのは、説明でも救済でもない。ただ、祈りに近い感情だけが残る。忘れないでほしい、覚えていてほしいという願い。それは知能とも能力とも関係のない、きわめて人間的な欲求だ。

この作品が忘れがたいのは、読み終えたあとに「自分はどちらの側に立ってきたのか」を考えさせられるからだ。理解する側か、理解されない側か。賢さを誇る側か、優しさに救われる側か。あるいは、その両方を無自覚に行き来してきた存在なのか。

『アルジャーノンに花束を』は、泣くための本ではない。感動するための物語でもない。自分がどんな眼差しで他人を見てきたのか、どんな言葉で世界を切り分けてきたのかを、あとから静かに問い返してくる本だ。

読み終えたあと、以前と同じように人を笑えなくなる。以前と同じように「賢さ」を手放しで称賛できなくなる。その不自由さこそが、この本が残す最大の痕跡だと思う。

これは、一度読めば終わる本ではない。時間が経つほど、年齢を重ねるほど、立場が変わるほど、読み返すたびに違う痛みを連れてくる。そしてそのたびに、人としてどう生きるかを、否応なく考えさせられる。

静かで、残酷で、そして限りなく人間的な一冊。忘れたい本ではない。忘れられなくなる本だ。

#2026年7冊目

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2026年02月03日

Posted by ブクログ

高校生のときか,大学生のときか,とにかく若かったころに一度読んだことがある.
でも「名作」と聞いて手に取ったその本のこと,あまり覚えていない.
いや,むしろ何にも残っていなかった.
面白くなかったな,って感想だけが,なぜかくっきり記憶にある.

で,いまの自分で再読してみた.

結論から言うと,やっぱり今回も物語として「めちゃくちゃ面白い!」とは思わなかった.
でも,読後に残ったものは,大事な気付きだった.
むしろ,今じゃなきゃ読めなかったな,と思っている.

この本,SFの皮をかぶった,社会と人間の構造暴露本みたいなものだ.
チャーリーという知的障害を持つ青年が,手術によって“賢く”なる.
その過程と,その先に起きるすべてが,超SFなのに,確実に「痛い」.

手術を受けて天才になるチャーリーは,お金も名声も得る.
けれど,それは彼に「与えられた」ものではなかった.
実験体としての“ご褒美”であり,「人としての尊敬」とはまるで違う.
彼の価値は,人間としてではなく,“成果を出す存在”として測られた.
まるで実験ネズミのアルジャーノンと同じように.

じゃあ,チャーリーはその“ご褒美”を受け取って幸せになったか?
全然違う.

むしろ,彼が知性を手に入れたことで起きたのは,周囲の人間たちからの拒絶だった.
昔は笑いのネタにされながらも,パン屋の仲間たちとも“一緒”にいられた..
けれど天才になってしまった後は,「バカにされた」「見下された」と感じた人たちが,チャーリーから離れていく.

「現実」を突きつけられるのはここからで,
実はチャーリー自身も気づかないうちに,他人に“痛み”を与える側になっていくのだ.
彼の賢さや物言いは,それまで彼と同じ立場だった人たちに対して,「おまえはもう俺たちの仲間じゃない」と突きつけるものだった.

そう.
かつて見下された彼は,今度は誰かを見下す側に,無意識のうちになってしまっていた.

なんだろうな.
この「見下し」の構造が,ずっと物語の中でぐるぐるしている感じ.
そしてそれが,なんかいまの社会とも,めちゃくちゃ符合してしまう諦念.

technocratって言葉がある.
専門知やテクノロジーを崇める人たちのこと.
もうひとつは,meritocracy.能力主義のことだ.
このふたつが支配する世界では,人間の価値は「できるかどうか」で測られる.

『アルジャーノンに花束を』は,その構造を見事にぶち壊してくる.
できてもダメ,できなくてもダメ.
人は成果があるときだけ「人」扱いされる.
成果がなくなったら,また「向こう側」に戻される.
チャーリーがそれを,全身で体験していく.

で,ふと思った.
これ,もしかして「いま怒ってる人たち」に通じてる?って.

いま,世の中にはテクノクラートやエリートに怒ってる人たちがいる.
トランプ支持者とか,陰謀論にハマってる人とかが,
「クソったれのインテリ野郎!」って怒っている.

で,考えた.
彼らこそ,もしかして“チャーリー”なんじゃないか?

共感されたい.必要とされたい.
でも見下されてきた.バカにされてきた.底辺をはいつくばって,無き者とされてきた.
怒りはその裏返しなんじゃないかって.

でも,違うのは,
チャーリーは「つながり」を求めた.
「ともだち」が欲しいと言った.
怒りじゃなくて,誰かといたかったんだ.

一方,今怒ってる人たちは,
怒りのまま「こっち側」と「あっち側」に線を引く.
「正しい痛み」から出発してるのに,「間違った場所」に向かってる.
それが,今の社会のねじれで,やるせなさだと思った.
それを嘲笑し,恐れる側もね,圧倒的に共感する力がないんだ.

そして,もうひとつ驚いたのは,
こんな構造を1960年代に描いていたDaniel Keyesの洞察力だ.
いま僕たちが「分断社会だ」「能力主義偏重」とか言ってること,
彼はとっくに見抜いて,チャーリーに全部語らせてた.

獲得する喜びと傲慢,失う事への恐れと諦念.
人生下り坂にさしかかった今だからこそ,得られた感想じゃない,これって?
そして,傷ついた人が,知らないうちに誰かを傷つけてしまう構造だったり.
賢くなったらなったで,「こわい」と思われる孤独だったり.
誰かの「ともだち」になりたくても,それすら叶わない社会の不器用さだったり.

人は,賢くてもバカでも,
「必要とされたい」「誰かの役に立ちたい」と思ってる.
でも,その気持ちを科学も制度も,まだ受け止めきれていない.

アルジャーノンに花束を手向けなくてはならないのは,ぼくたち自身なのかも.

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2026年02月21日

匿名

購入済み

言わずと知れた名作。
書き方も独特で、ある出来事がきっかけで運命が狂わされた主人公の心情が丹念に描かれている。
真実は恵みなのか、それとも呪いか。
切なくて胸が苦しくなるような作品が好きな人にオススメしたい

#泣ける #切ない

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2023年02月14日

Posted by ブクログ

中学生くらいの時に読もうとしたけど、全然読めなくて諦めた本。再挑戦してみたら、時間かかったけど読み切れた。

知的障害を持つ主人公のチャーリーが手術で急激に知能を上げて、知らなかった世界や人の感情思惑を知り、何が幸せなのか考えさせられるお話なのかな?
急激にまた知能が後戻りしていくのは読んでいて辛かったけどチャーリー的にはそれも忘れてしまうわけで、素直な温かい心のチャーリーが残るからそれも幸せな結末なのかなって思った。

感動するって言う人もいるけど、私にはまだ感動しきれなかった。もう少し歳とってからまた読んだら違うかな。

エピローグが良かった。

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2026年02月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

話の内容が終始予測できてしまってあまり感動はしなかった。最近は、どんでん返しの本ばかり求めてしまって、話の流れだけを追っている気がする。焦って読まずにもっと一文ずつ楽しみたい。
友達の母親がすごく感動したと言っていたので、僕にはまだ早かったのかなと思った。またいつか再読してみたら面白いかも。

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2026年02月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルはずっと知っていたけれど、読まず嫌いのような感じでずっと読んでいなかった本。
本文が主人公の知的レベルに合わせて変化していくのが面白い発想だと感じた。
なにが幸せか?を考えさせられる本ではあったけれど、触れ込みや期待値が高すぎて、そこまでの感動はなく、、、。
いい本だと思うけれど、期待が高すぎて勝手に少し残念だった。

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2026年02月15日

Posted by ブクログ

翻訳だからか、文章が少し読みづらかった。もちろん、そういう作品なのかもしれないけれども。

賢くなることは幸せになることじゃないんだなと。馬鹿ほど不幸せなことにも気づかないなら、何も知らないくらいがいいのかもしれない。

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2026年02月13日

Posted by ブクログ

とても他人事とは思えない内容で、読んでいてゾクッとした。
身に覚えのある症状も出てきて、胸が痛かった。
このお話は誇張されてるけど、現実でもまぁまぁ行われていること。
障害者に人権はないのか…。胸が痛かった。

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2026年02月11日

Posted by ブクログ

ずっと読みたかった本。結構読むのが大変だった。どんどん暗くなっていくのがとても読み進める上できつかった。
チャーリーは別に手術をしたから、人格が変わったわけではなく知能が上がったことによっていろんなことがわかるようになってしまったから人格も変わったように見えてしまう。純粋さってやっぱり人を惹きつけるんだなって思った。私たちは大人になっていくにつれて色んなことを理解する。純粋さはだんだんと恥ずかしさに変わり、打算が生まれる。アリスが何度も言っていたが、人間は知能数値だけじゃないってことを改めて理解させられた。

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2026年02月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

高3からほとんど1年かけて朝読で読み終わった。
ちょっとずつしか読んでなかったから内容は途切れ途切れだったけど、チャーリーの読みにくかった経過報告がだんだん普通になって、頭が良くなるにつれて少し難しくなっていくのが分かった。そこからチャーリー自信が自分の頭脳が元に戻っていくことに気づいていく。それに自分が気づいていくのはどんな気持ちなのか想像できないぐらい辛いと思う。だけど、元々優しくて穏やかな性格のチャーリーは、経過報告の最後の方に少し喧嘩?した先生のことを気遣って心配してくれていたのがほんとうに心から優しいんだなと思った。恋愛の部分は大人で少し難しいなと思った。

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2026年02月10日

購入済み

人間の悲哀

IQと人間性とは関係のないものだと思う。チャーリーが彼らしく生きることがベストだった。母親の愛情は歪んでいて、安らぎどころか恐怖でしかなかった。職場でも、妬みや軽蔑の的であった。結局、彼の居場所は何処にもなかった。なにが幸せなのか、最期までわからなかった。私もアルジャーノンに花束を供えたい。

#切ない

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2025年01月09日

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