【感想・ネタバレ】アルジャーノンに花束を〔新版〕のレビュー

あらすじ

32歳で幼児の知能しかないパン屋の店員チャーリイは、ある日、ネズミのアルジャーノンと同じ画期的な脳外科手術を受ければ頭がよくなると告げられる。手術を受けたチャーリイは、超天才に変貌していくが……人生のさまざまな問題と喜怒哀楽を繊細に描き、全世界が涙した現代の聖書。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

切ない。
途中、救われない未来しかないんじゃないかと
つらい気持ちになりつつも、
ラスト、自分で「おかげで家族にも会えて、何があったか分ったし」ということで
チャーリーにとってはとても短い期間だけど
一生を体感することができて良かったのかな、という結末に。

実際にこういう実験てあるのかな?

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

終盤の主人公の退行がただただ悲しかった。退行しきる前に自ら命を絶つオチを予想して読んでいた。そのような結末ではなかったものの、露悪的な描写無しにここまで考えさせられる表現というのが新鮮だった。ただちに読み直すには心の整理が必要だが、なんだかいずれは再び手に取っているような気がする、そういう面白さがあった。

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2025年11月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ


チャーリーがあの刹那的に生きてたときに、最初で最後、アリスと交わったときに、彼にとっての本当の幸せに気づいたのだろうと思う。

なんだか皮肉なものだよな。人が輝くのも星が輝くのも、いや命が輝く瞬間というのはいつも、命が消えゆく瞬間でもあるのかもしれない。
儚いとはこういう事なのだろう。
遺された人や想いは生き続けるし、世界も周り続ける。

のちの解説でその人は人生で3度アルジャーノンに花束をを読んだそうだが、3回目の涙はチャーリーが救われたという涙であったそう。あれを救いと捉えるのは僕にはまだ少し難しい。今の僕には救いとは言えそうにない。言語化できない。救いだけでは言い表せない最後のような気がする。

3つの言葉で表すなら今の僕なら
光と闇、孤独と繋がり、自我の境界線と言ったところ。
理由としては、
頭の良いチャーリーから見たら頭の悪いチャーリーは暗闇であるけど、頭の悪いチャーリーは自分を暗闇とは思っていない。
頭のいいチャーリーは孤独を極める形になってしまったけど、頭の悪いチャーリーは最終的には人との繋がりを感じていた。
お互いのチャーリーはお互いを鏡に映る自分と認識し、それが入れ替わる時が近いなら見えてくるといった描写。

つまり、彼にとっての幸せは自己の環境や、iQや、人に起因するものだなと。
ある側面からはあの物語は喪失であったし、またある側面では救済でもあった。

僕も何年後かにまた読み直そう。
新しいチャーリーに出逢うためにも。

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2025年11月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

正直、全てを理解したのかと問われると理解できていないと思うが何故だか涙が止まらなくなった。

「アルジャーノンに花束を」は映像化やSNSでも度々話題になっていたことから数年前から手元においていた。
本の厚みといい、以前、中途半端に読んでいたこともあり、なんだか手が伸びず、積読状態だったのだが、最近、重い話の本を読んだことで、ライトな本を読みたい(と当時は思っていた)と考え、今回、読むことにした。

知的障害者が天才になっていくという大まかな
あらすじは知っており、ハッピーエンドな物語か。
くらいな気持ちで読み始めた。

初めは、拙く、誤字ばかりの経過観察が読みづらく、なかなかページをめくることができなかった。ところが、読んでいくうちに
「お、誤字が減ってきた」
「今度は句読点使ってきたぞ?」
「あれ?面白いぞ?読める!」
とチャーリィの知能が向上していくように私も読むペースが速くなっていった。

しかし、中盤から彼の経過観察のレベルが上がっていき、難しい単語が羅列されるようになってきた。私は何を書いているのか分からなくなり、読み飛ばすようになってしまった。
それはチャーリィが秀才になってしまったがゆえの結果なのかと思うと作者にそこまで見透かされているのかなと、ゾクゾクした。

そして、また、私が彼の文章を理解することができたそのとき、涙が溢れてしまった。
それは、 今まで彼が得た知識の消失なのか、
彼に再び友人ができたという喜びなのか、
読者として可愛らしい彼が手元に戻って来たということの嬉しさなのか、
理由はわからなかったが、最後まで、なぜだか涙が止まらなかった。

本書は最初のライトな印象からは全くかけ離れており、彼の過去に顔をしかめながら読み進めることとなった。そして、過去の経験はどんな姿の彼であっても、決して消えることのない苦痛として残りつづけてしまったのも私を何とも言い難い気持ちにさせた。

読後、ストーリーを思い返すと天才になったのが夢だったのでは?と思ってしまうような長かったようで短かったチャーリィの生活に不思議な気持ちになった。
チャーリィは約半年の出来事を忘れてしまったけれど、チャーリィのおかげで彼の周辺の人のみならず何より、私もこれほどまでにチャーリィに魅了されてしまった。
ご苦労さま。後は自分の思うがままに伸び伸びと生きてほしい。
ヨルシカの『アルジャーノン』を聴いてまた想いを馳せてしまう。

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2025年11月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2025.11.14 初読。

裏表紙のあらすじ程度の知識で読み始めたので結末を知らず、知る喜びを十二分に味わい生きている我が身として、特に知能を失っていく過程(それが予感されたとき)は頭を殴られたような衝撃と悲しみを感じ、なんて恐ろしくて怖くて残酷なことなんだろうと思いました。彼の本当の幸せとはいったいどこにあったのでしょうか。

確実につらい物語であるはずなのに読後感がただ悲しいだけでなく、涙が出るほど温かい気持ちにもなるのは、ひとえに著者の故ダニエル・キイス先生、そして翻訳の小尾先生が一貫して向けるチャーリイへの大きく温かい愛や眼差しによるものにほかならないと思います。心の底から敬愛を送りたいです。

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2025年11月14日

ネタバレ

アルジャーノンに花束を

最初の方はひらがなや誤字ばっかりで読みにくくて嫌だなとか思ったのに見ていくうちにどんどん世界観に飲み込まれる感じがあって最後まで見たら気づいたら泣いてる感じがあってめっちゃ感動した最初は見にくいなとか思ってても数ページ進むだけで時間も忘れて最後まで一気に読んじゃう世界観の引き込みかたが素晴らしい

#泣ける #切ない #深い

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2024年08月22日

QM

ネタバレ 購入済み

切なくなった

終始日記風の書き方で、最初幼児の知能レベルで書いた日記はかなり読みづらかったけど、とある日を境に作文能力が急上昇、こんなに変わるもん??!とびっくりしました。
最初は低知能だったが故にいじめられていると気づかなかったものの、周り対する優しさや希望のようなものが読み取れました。
「頭がよくなる手術」を受けたことによって、数日後チャーリィの理解力や会話の能力はメキメキ上達、でもそれと同時に小さい頃の嫌な思い出やトラウマがよみがえるようになり、それによって苦しみます。
物語が進んでいくにつれてより賢くなったチャーリィは、ずっと憧れだった「他の人と政治や宗教や、そういう高度な内容の話がしたい」という夢は叶えられたものの、昔のような優しさがだんだん抜けていく様も読み取れてそこが切なかったです。
うんと長い間会わなかった妹とは和解できたようだけど、お母さんとは結局そのままで、、、それがチャーリィをさらに傷つけているところも、読んでいて「報われないなぁ、、」と思いました。
最後、知能レベルはまた退化、「チャーリィ頑張ったね、お疲れ様」という気持ちでいっぱいです。

#泣ける

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2023年12月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

私の語彙力ではどうもチープな感想になってしまうと思うが、読んでよかった作品。洋書は読んだことがなく、翻訳小説を初めて読んだ。故に慣れるまでカロリーを使い読むのに時間がかかってしまった。
まず、構成が素晴らしい。最初は正直読みにくいたどたどしい文章が一般的なものになり、今度は高度すぎて理解に時間がかかる⋯この文章の流れが、まさに学習の流れという感じで読んでいて良かった。チャーリィの学習スピードには驚かされる。最後にまた最初のたどたどしい文章に戻るのが⋯⋯切なかった。チャーリィの視点で終始進むのが、この作品の肝だと思う。
そして、知的障害者という題材への理解度。作者は誰よりも、知的障害者を一人の人間として、温かい目で見て、この作品を書いたんだと感じた。
読み返すのはしんどいが、何年かたった後に読み返したらまた違う感想を抱くような作品。

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2025年11月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ドールにゴミを食べさせて人格成形を行うスマホゲームが出たときに話題になったので読んでみた。長く続く話題作なのでと、ページを捲ってみたらびっくり。なんと読みにくい。次第に読みやすくはなるものの、あまり感情移入はできず、伝えたいことはふんわりと伝わるが、深い感銘を受けるようなものではなかった。生活している中で勝手に各々認知している人間の中の階級と、それを知らぬまま幸せに過ごしていた主人公が真実と向き合った後もやさしいまま、というようなお話だった。きっとハッピーエンド。

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2025年12月07日

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