作品一覧

  • ドルジェル伯の舞踏会
    4.2
    1巻924円 (税込)
    青年貴族のフランシスは、社交界の花形ドルジェル伯爵夫妻に気に入られ、彼らと頻繁に過ごすようになる。気さくだが軽薄な伯爵と、そんな夫を敬愛する貞淑な妻マオ。フランシスはマオへの恋慕を抑えきれず……それぞれの体面の下で激しく揺れ動く心の動きを繊細に描きとった至高の恋愛小説。従来の訳はすべてコクトーらが修正を加えた「初版」の翻訳であったが、今回は作家の定めた最終形「批評校訂版」を底本とした初の翻訳。
  • 肉体の悪魔
    3.9
    1巻616円 (税込)
    第一次大戦下のフランス。パリの学校に通う15歳の「僕」は、ある日、19歳の美しい人妻マルトと出会う。二人は年齢の差を超えて愛し合い、マルトの新居でともに過ごすようになる。やがてマルトの妊娠が判明したことから、二人の愛は破滅に向かって進んでいく……。早熟な少年の人妻への恋を、天才作家が悪魔的な筆致で描く20世紀心理小説の白眉、研ぎ澄まされた文体で甦った決定訳!
  • 肉体の悪魔
    -
    1巻440円 (税込)
    第一次大戦中の混乱期の世相をバックに、一少年の人妻によせる恋愛心理をえぐった小説。早熟夭折の天才ラディゲ17歳のときの処女作品。その透徹した知性と感性、心理解剖とによって、いまなお多くの共感を得ている名作。

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ユーザーレビュー

  • ドルジェル伯の舞踏会

    Posted by ブクログ

    10年前に肉体の悪魔を読んだときから本書を読もうと決めていたが時間があいてしまった。やはり人間の心の解像度がバケモンすぎる…たった20年の生涯で、著者は一体どれほどの経験をしてきたのだろうか。
    本編に対して解説の文量が多いなと思ったが、読んで納得というか、これがあることで本書の魅力が倍増しているなと感じた。(アンヌとフランソワの"同志"関係によって嫉妬が留保される等)
    通勤中に一人で読んでいるとニヤニヤしてしまうので、女子会みたいに複数人で「この気持ちわかる〜!」とかキャッキャ騒ぎながら読みたい。

    0
    2025年03月31日
  • 肉体の悪魔

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    10代で書かれたものとは思えなかった。
    傍からみるとどうかしていると思うくらい強烈な感情を抱いている主人公の様子が淡々と綴られている。コントロールできない強い感情が愛情とは矛盾した行動をとらせるが、それが「僕」の未熟さや利己的な執着心を感じさせた。
    最後、ジャックと子どもの行く末に希望を見つけたように思うが、寂しさが漂っていて印象的な終わりだった。

    0
    2023年09月02日
  • 肉体の悪魔

    Posted by ブクログ

    ストーリーは非道徳的であることは間違い無い。愛情に狂わされていると言うより10代の自分の感情に自分自身が驚きながらも冷静に女性を弄ぶ主人公(作者の実体験でもあるところがエグい)に嫌悪感を抱く人もいるだろう。そんな小説がなぜ古典として読み継がれるのか。文章の切れ味。感情の描写の巧みさ。戦時下という特別な時間の普通ではない時だからこそ起きたことかもしれない出来事とその悪魔的な引力。全てが奇跡的に組み合わさって書かれた小説。

    0
    2023年09月01日
  • 肉体の悪魔

    Posted by ブクログ

    人妻に恋をした少年の倒錯的かつ不安定になるほどの情熱に身を焦がしていく心理が見事で、愛しさだったり憎らしかったり、人間味溢れた情動に加えて不倫という禁忌的な関係にスリルさ・破滅しか待っていないであろう未来への不安・2人だけの特別で確かに幸せを感じられた時間など心にダイレクトアタックしてくるのがたまらない。

    また、エロくないようでエロさを感じさせる表現も素晴らしく、思春期の少年が経験するには早熟過ぎる肉欲やマルトが妊娠してしまってからの後戻りできない片道切符、夫の愛に背いた果ての結末に魂奪われました。

    0
    2023年04月05日
  • ドルジェル伯の舞踏会

    Posted by ブクログ

    でぇえ…本当に20歳(執筆している間は10代)でこれを書いたの、すごいな……自分が20歳の頃なんて思い出したくもないから比較はしたくない(できない)が…「早熟」なんて言葉では括れない才能な気がする…

    解説も読みごたえあって面白かった、何となくコクトーと仲良かったみたいなイメージしかなかったからもう少し詳しく知れて良かったな(コクトーが手直ししてるとこ想像してしまいました…)

    言い回し好きすぎる、どうしてそんな比喩引っ張ってこれるの?終わりかたも好きだなぁ、まさに舞踏会が終わってしまう感じ。
    でもやっぱり『肉体の悪魔』より、文体がより洗練されてキレキレになってた感じがした(ちゃんと文体につい

    0
    2020年08月24日

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