プラトンの作品一覧
「プラトン」の「国家」「ソクラテスの弁明」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「プラトン」の「国家」「ソクラテスの弁明」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
プラトン対話篇の中でまず最初に読んだら良いのは迷わず『ソクラテスの弁明』である。しかし、「プラトンとの対話」を、あるいは「プラトンの対話」を味わいたい読者に勧めたいのはメノン、それも渡辺邦夫訳のメノンである。本書は他書には見られない、プラトンに初めて出会う読者にとってあらゆる障壁を取り除く工夫がなされ、生き生きとした対話の様子を再現していることから、まず勧めたいと思う本なのである。
メノンは奴隷の少年が幾何学を習っていないにもかかわらず平方根を用いて問題を解くに至る様子を克明に記録した対話篇である。これは対話を通して少年が自らの内に宿している真理を見出していく様子を描き、真理が一人ひとりの
Posted by ブクログ
プラトンの『ソクラテスの弁明』にはいくつもの翻訳がある。評者が最初に読んだのは中公クラシックス版の田中美知太郎訳であったが、クリトンとゴルギアスとともに強烈な印象を残したのを覚えている。ただ、いま読み返してみると手放しに誰にでも勧めることができるわけではないなと思う部分が多少ある。すでに他の著作で哲学に対する関心が呼び起こされた読者にとってはどうしても読みたくなる本であろうから、その心配は杞憂であるかもしれない。しかし、光文社古典新訳文庫の納富信留訳の『ソクラテスの弁明』は哲学入門として誰にでも勧めたくなる一冊である。
哲学の始まりは『ソクラテスの弁明』にあるといわれる。哲学という営みを決
Posted by ブクログ
中世哲学研究でよく語られるデミウルゴスによる創造神話を、あるいは納富信留氏の『プラトン 理想国の現在』を読んでポリテイアに匹敵する壮大な哲学論を期待してティマイオスを読もうとする読者は、ひょっとしたら肩透かしを食らってしまうかもしれない。むしろそこで語られるのはポリテイアで語られたような壮大な哲学理論ではなく、プラトンやアリストテレスが共通して持っていたであろう目的論的世界観に基づく人間論であるからである。それもいま私たちが人間論という言葉で受け留めるものではなく、人間という存在が如何なる特色を持っているのかという探求を通した、いわば生理学に近いそれであるからである。
とはいえ本書の解説で
Posted by ブクログ
古典は様々に訳される。たとえ同じ作品の翻訳だとしても、全く違った印象を抱くということさえあるのではないだろうか。プラトンのゴルギアスはまさにそのような著作の一つである。最初に読んだ藤沢令夫訳では、完膚(かんぷ)なきまでに論破されしどろもどろになるポロスとカリクレスの姿が、次に読んだ加来彰俊訳では、実にアイロニカルに問い詰めるちょっと嫌味な感じのするソクラテスの姿が印象に残る。そして今回の三嶋輝夫訳では、それぞれの登場人物が対等な立場から一つひとつの言葉の内実を確かめていく様子が印象に残った。
自堕落という言葉がある。従来、「放埒」と訳されてきたアコラシアを新版アリストテレス全集のニコマコス